映画『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』あらすじネタバレ結末と感想

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳の概要:『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』は、松岡圭祐による推理小説シリーズ『万能鑑定士Qの事件簿』を原作とする映画。綾瀬はるか演じる天才的な能力をもつ鑑定士が、名画モナ・リザを巡る事件に挑む。

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 あらすじネタバレ

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳
映画『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 あらすじ【起・承】

「万能鑑定士Q」の主人・凜田莉子は、骨董品や宝石、美術品などのお宝はもちろん、なんでも鑑定してみせる天才的な能力を持っている。
レストランの経営者からある試食会に関する依頼を受け、そこに隠れた犯罪を見事に嗅ぎ取り事件を解決する。レストランの2階はギャラリーになっているのだが、試食会で調理をする音に紛れて美術品が盗み出されようとしていたのだった。これを未然に防ぎ、中でも高価な品を守った莉子はギャラリーの経営者である朝比奈の信頼を得る。

一方、この試食会には角川書店の記者・小笠原悠斗も来ていた。小笠原は入社5年目にも関わらず、書く記事をことごとく上司に駄目出しされ、この試食会の記事が最後のチャンスだと通告される。
小笠原は試食会で事件を解決した莉子を見て彼女に興味を持つ。

後日、莉子の元に朝比奈が訪ねてくる。40年ぶりに日本に来るモナ・リザの展示のために臨時で学芸員を雇うのだが、これに莉子を推薦するというのである。莉子は、パリで行われる学芸員のテストに行くことになる。
莉子を取材したい小笠原はこれを知って当然着いて行こうと考える。上司に費用を出してもらえるよう頼むが断られ、仕方なく両親に就職祝いでもらったオメガの腕時計を質に入れて自腹を切る。

パリでのテストは、何枚ものモナ・リザの中から本物を当てる、というものだった。莉子は、何気なく通路に飾られていたパネルが本物だと言い当て、見事合格する。
日本の合格者は、莉子と流泉寺美沙という女性の2人だった。2人は日本に戻った後、軽井沢で講義を受けることになる。

軽井沢での講義合宿は、部外者の立ち入りは禁止だった。小笠原は建物の外からビデオカメラで撮影しようとするが、警備員に止められてしまう。そこで、莉子の過去や能力について調べることにする。
莉子の周辺を取材すると、彼女が元々はとんでもない劣等生だったことや、上京してきて働き始めたリサイクル・ショップの店長に才能を見出され、感情と結びつける暗記法で天才になったことを知る。
莉子を調べる内に、小笠原は記者としての仕事の面白さを初めて知る。上司の取材許可もおり、より一層やる気が出る。

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 あらすじ【転・結】

講義合宿の内容は、12枚の同じ絵の中から1人贋作と思うものを2枚選び、もう1人がさらにそのうちの1枚に絞り込む、それを最後まで繰り返すというものだった。
講義は全てリシャール・ブレというフランス人が行うので、フランス語がわからない莉子は美沙に通訳してもらうが、美沙は自分が講義に集中できないと、今後は通訳しないという。
莉子は仕方なく、一晩で大量のフランス語の資料を読み漁り、記憶した。翌日には完璧にフランス語を操り、美沙を驚かせた。
ある日、莉子はブレの部屋でモナ・リザに関するある記事を目にする。モナ・リザの瞳にはLとVの文字が刻まれており、これを見た鑑定士は精神が異常になる、というものだった。このところ判断能力が鈍っていることを感じていた莉子は、自分もこれのせいでおかしくなったのでは、と考える。

莉子と美沙は最終試験に挑み、合格した。しかし、日常生活に戻った莉子は何度も仕事でミスをし、自分の能力が鈍ったことを痛感する。そして学芸員の仕事を辞退し、店からも姿を消してしまう。

合宿から帰った莉子に会おうとした小笠原は、莉子の突然の失踪を知って困惑する。莉子がいなければ記事は書けない。
莉子の能力が鈍ったこととモナ・リザの瞳の噂を知った小笠原は、精神科医に莉子の症状について聞くが、瞳の文字を見て精神に異常を来すなどあり得ないと言われる。
八方ふさがりになった小笠原は、莉子が合宿で何をしていたかを考える。外から覗いた時のことを思い出し、莉子がやったのと同じ訓練内容を試してみる。すると、繰り返しやる中でこの訓練のカラクリに気付く。

莉子の居場所を聞いた小笠原はすぐに彼女を訪ね、能力が鈍った原因を語る。莉子がやった訓練は鑑定能力を研ぎ澄ますどころか、反対に鈍らせるものだったのだ。繰り返し間違ったものを選ばせることで、脳は間違ったものを正しいと認識する。反復学習によってシナプスの機能に異常を来していたのだった。
そして、試験に使った絵は全て贋作。さらに、美沙とブレはグルになって莉子を陥れたのである。2人の陰謀に気付いた莉子は、美術館へ急ぐ。

美沙は、学芸員の立場を利用して絵をすり替えていた。莉子にそれを見破られるも、すり替えた方こそが本物だと言い張る。
美沙は過去にブレと出会い、モナ・リザが盗難事件の末に贋物とすり替えられたことを聞かされる。その証拠に、盗難事件前に新聞記事で明らかにされたモナ・リザの裏側と、今本物とされているモナ・リザの裏側が全く違うのだという。
莉子はそれを聞いて、それこそ罠だと見破る。ルーブルはモナ・リザの裏側を非公開にしていた。絵を盗むことを計画していた詐欺師はそのことを逆手に取り、偽の裏側をでっちあげて公表することで、世間にそれが本物だと信じさせたのである。よって、新聞記事とは違う方こそ本物なのである。
贋作を憎む美沙はブレに騙されていたのだ。

小笠原は本物を積んだトラックを追うが、捕らえられてしまう。ブレは絵を火にかけ、その場に小笠原を残して去る。
少ない情報から小笠原の居場所を探し当てた莉子や警察がそこに現れるが、モナ・リザは既に燃えていた。しかし、これも贋作であった。ブレは逃走の時間稼ぎで贋作を燃やしたのだ。
だが、絵を輸送するルートは限られる。莉子は横浜港で待ち伏せし、ブレは警察に逮捕された。
その後、莉子は「万能鑑定士Q」を再開し、小笠原は記事を仕上げるのだった。

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:ミステリー、サスペンス
  • 監督:佐藤信介
  • キャスト:綾瀬はるか、松坂桃李、初音映莉子、ピエール・ドゥラドンシャン etc

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 批評・レビュー

映画『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

題材・ロケ地などの豪華さ

世界的名画『モナ・リザ』を題材としているというだけでも、『ダヴィンチ・コード』のような壮大なミステリーを想像できる。絵画に隠された秘密と巨大な陰謀。撮影では実際にパリのルーブル美術館でロケを行っており、この映画にどれほど力が入っているかがわかる。なにせ、ルーブルでの映画撮影は『ダヴィンチ・コード』以来だそう。この映画で本当に現地ロケが必要だったかということには疑問が残るが、やはりあのルーブル美術館の外観と内部の豪華な装飾が画面いっぱいに映るとワクワクする。
ところで、いろんなところで指摘されているが、映画で使われているモナ・リザの絵は全て贋物。私自身実際にモナ・リザを目にしたことがあるわけではないが、本物は思った以上に小さい。名画なので大きいと思ってしまいがちだが、実際に見に行った人はあまりの小ささに驚き、人だかりの中で見ることからじっくり鑑賞することもできずにがっかりする、というのは有名な話だそうだ。
映画で本物が使われるなんて思いもしないし、フィクションだから仕方ないと思うが、あからさまに「贋物です」と言われているようなのも残念である。

設定と構成の粗が目立つ

まずは、原作小説がある作品の映像化として気になる所。この映画は、原作シリーズの第9巻を原作としている。シリーズの内の一作だけを扱うのは映画としてはちょうどいいが、長いシリーズものとしてはやはりキャラクターの設定は大事である。私は原作シリーズを読んだことがないのでわからないが、どうやら主人公・莉子のキャラクターが原作とは違うらしい。ざっくりとした原作のキャラクター像を見ると、涙もろく依頼人に感情移入してしまうような人物らしいが、映画版では確かにそういった面は見られない。原作と映画は別物として考えた方が良さそうである。

もう一つ、ミステリー作品として気になったことがある。パリでのテストの後、莉子はカフェで美沙とブレに会い、ここで軽井沢の合宿の話を聞く。これが最初の罠だったわけだが、普通こんなことに引っかかるだろうか?テストにはすでに合格したわけで、何故改めて合宿まで行い、さらに最終試験を受ける必要があるのかがわからない。パリで合格したのであれば、今後についてはルーブル美術館なり朝比奈なり、公式のルートから何かしらの連絡があっていいはずではないだろうか。フランス語がわからないからとはいえ、あまりにもひどい展開だと思った。

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 感想まとめ

ミステリー作品としては、ちょっとした疑問はところどころあるものの、それを除けば楽しめる内容だったと思う。モナ・リザの瞳の文字LとVは、フィクションではなく実際に研究によって解明された事実である。それが精神に異常を来す、というのが付加されたもので、実際に映画でも嘘だったわけだが、面白い設定だった。
残念だと思ったのは、原作小説シリーズがある作品としての方向性である。映画としては今のところシリーズ化する予定はなさそうなので、この一作だけで完結、ということになるだろう。だが、映画の中でのキャラクターの描き方はシリーズものであることを意識しているとしか思えない。主人公莉子の描き方がまさにそう。この映画では、事件をメインに描きたいのか、凜田莉子というキャラクターを描きたいのかがわからない。どちらもいいところだけ抽出しようとして失敗した感が否めない。

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