映画『ビッグ・アイズ』あらすじネタバレ結末と感想

ビッグ・アイズの概要:1960年代に大ブームとなったウォルター・キーン作の「ビッグ・アイズ」。しかし本当の作者はウォリターの妻マーガレットだった!世界を驚かせたこのゴーストペインター事件をティム・バートン監督が映画化した。2014年公開のアメリカ映画。

ビッグ・アイズ あらすじネタバレ

ビッグ・アイズ
映画『ビッグ・アイズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ビッグ・アイズ あらすじ【起・承】

1958年、北カリフォルニア。マーガレット(エイミー・アダムス)は横暴な夫から逃げ、娘を連れてサンフランシスコで暮らし始める。彼女は美大を卒業後すぐに結婚し無職だったが、仕事を見つけ、休日には似顔絵描きをして自立を目指す。

そこでウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)という日曜画家の男に声をかけられ、すぐに親しくなる。ウォルターは大きな目が特徴の子供を描いたマーガレットの絵を褒め、あっという間に2人は結婚する。世間知らずで内向的なマーガレットにとって社交的で明るいウォルターとの生活は新鮮だった。

ウォルターは何とか自分とマーガレットの絵を売り込もうと、有名クラブに絵を飾らせてもらう。個性的なマーガレットの絵は客の目を引き、ウォルターは作者になりすまして彼女の絵を売り込む。マーガレットは自分の絵に“キーン”のサインをしていたため、ウォルターの嘘はバレなかった。しかしマーガレットはこの嘘に苦しむ。

1960年、ウォルターは画廊をオープンし、さらに商売を拡大する。マーガレットの絵は“ビッグ・アイズ”と呼ばれ、大人気となる。ウォルターはビッグ・アイズを安価なチラシやポストカードにして売りまくる。マーガレットは家にこもりきりで、創作活動に追われる。彼女は娘にまで嘘をつき続けることに疲れ、この状況から抜け出したいと考えていた。

ビッグ・アイズ あらすじ【転・結】

ウォルターは持ち前の売り込み能力で大金を稼ぎ、一家は郊外の大豪邸に引っ越す。マーガレットはひたすら創作活動を強いられ、孤立していく。

ウォルターが出会った時からずっと嘘をついていたことがわかり、マーガレットの我慢も限界に達する。しかしウォルターはマーガレットを脅し、さらにNY万博に向けて大作を描けと命令する。自分も共犯者だという罪の意識があったマーガレットは、結局ウォルターのいいなりになってしまう。

しかし万博に展示された絵は評論家に酷評され、怒ったウォルターは泥酔して暴力的になる。身の危険を感じたマーガレットは娘と家を出て、ハワイで暮らし始める。しかしウォルターに離婚の条件として全ての絵の権利を渡すことと、ビッグ・アイズを100枚描くことを約束させられる。

マーガレットは新興宗教に入り考えを改め、ビッグ・アイズの作者は自分だとラジオで告白する。このニュースは大きく報道され、あくまで作者は自分だと主張するウォルターと訴訟になる。

双方の主張が食い違う法廷で、裁判長は2人に絵を描かせる。ウォルターは何も描けず、マーガレットは見事にビッグ・アイズを描く。裁判はマーガレットが勝訴し、彼女は絵と娘という自分の宝物を守ることができる。

ビッグ・アイズ 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:伝記
  • 監督:ティム・バートン
  • キャスト:エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、ダニー・ヒューストン、ジョン・ポリト etc

ビッグ・アイズ 批評・レビュー

映画『ビッグ・アイズ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

アート界のからくり

アートの世界というのは難しい。特に絵画や現代アート系の芸術作品はその良さがさっぱりわからないものも多い。しかし有名な評論家が絶賛しているとか、破格の値段で売れたという評判を聞くと、これがわからない自分がバカなのかもしれないという不安にかられてしまう。まあ、そうなのかもしれないけれど。

本作でマーガレットの絵を自分が描いたと言って売りまくった夫のウォルターは、このアート界のからくりを熟知している。彼はある意味でとても有能なプロデューサーだ。彼の存在がなければビッグ・アイズは世に出ることなく、アトリエで山積みされていたかもしれない。ビッグ・アイズは印象的な絵だと思うが、世界中から大絶賛されるほどかと言われるとそこは微妙だ。ウォルターの嘘と売り込みによって付加価値がついた部分も大きい。

佐村河内守氏のゴーストライター事件でも“聴覚障害者が作曲した”という付加価値に人々は感動し、彼の楽曲(実は新垣隆氏作曲)を絶賛した。嘘が発覚し彼は猛烈に叩かれていたが、まんまと騙されたマスコミや世間にも多少の責任はあると思う。

今見ると俗物の塊のようなウォルターがあんな繊細な絵を描くはずないだろうと思ってしまうが、人は案外騙される。そこがアート界の摩訶不思議なからくりを物語っている。

マーガレットにとって絵を描くとは

ウォルターが名声と金を求めていたことはよくわかったが、マーガレットが求めていたものは何だったのか。彼女がいったいどんなモチベーションで絵を描き続けていたのかが謎だった。夫の嘘や作者だと名乗れないことに対する苦悩は見えたが、創作への苦悩は感じられない。おそらく義務で描いていたのだろうが、それなら余計に苦しかったはずである。本当に彼女が繊細な画家で、“自分の分身”とまで言う絵に一枚一枚魂を込めていたなら、気が狂ってもおかしくない状況だ。

理想論だが、自分が作者であることを公表した理由に“これ以上適当な絵を描きたくない”という画家としてのプライドを見せて欲しかった。新興宗教にはまって勇気を得たというのは…ちょっと…実話だから仕方がないのだけれど…。法廷でのやり取りも醜い夫婦喧嘩のようで、マーガレットにも芸術家らしさはあまり感じられない。

ビッグ・アイズ 感想まとめ

エイミー・アダムスとクリストフ・ヴァルツの役作りもいいし、実話というのが面白い。最後にマーガレットは今も絵を描き続けているというテロップが出るが、彼女がビッグ・アイズ以外の絵で画家として純粋に評価された形跡はない。それを考えると、やはりウォルターがいてマーガレットも世に出られたと考えるのが妥当だろう。ただ、彼はあまりに欲が深すぎて失敗した。最後まで自分が作者だと言い続け、一文無しで死んだらしい。思えば気の毒な男だ。

実話を基にした伝記映画だが、娯楽映画のようでもある。むしろ嘘がバレてからの2人の人生を知りたいと思った。特にウォルターの人生は波乱万丈だったことだろう…。

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