映画『ボビー・フィッシャーを探して』あらすじネタバレ結末と感想

ボビー・フィッシャーを探しての概要:偶然覚えたチェスで天才的な才能を発揮し“ボビー・フィッシャーの再来”と騒がれたジョシュ・ウェイツキン少年の実話。父親のフレッドが出版した同名の本を原作にスティーヴン・ザイリアンが監督・脚本を務めて映画化した。1993年公開のアメリカ映画。

ボビー・フィッシャーを探して あらすじネタバレ

ボビー・フィッシャーを探して
映画『ボビー・フィッシャーを探して』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ボビー・フィッシャーを探して あらすじ【起・承】

7歳の誕生日を迎えたジョシュ・ウェイツキン(マックス・ポメランク)は、公園で賭けチェスをしている大人たちを見てチェスのルールを覚えてしまう。母のボニー(ジョアン・アレン)は息子の才能にいち早く気づき、夫のフレッド(ジョー・マンテーニャ)とジョシュにチェスの勝負をさせてみる。結果はジョシュの圧勝だった。

フレッドはかつて強豪プレイヤーだったブルース(ベン・キングズレー)にジョシュのコーチを依頼してみる。チェスを極めることの厳しさを誰よりも知っているブルースは慎重だったが、ジョシュに天才チェスプレイヤーのボビー・フィッシャーに通じる才能を感じコーチを引き受ける。

ブルースはポイントを稼げばグランドマスターの認定書を贈呈するとジョシュに約束し、ジョシュのやる気を煽る。公園で賭け師のヴィニー(ローレンス・フィッシュバーン)とチェスをするジョシュには、荒っぽい癖がついていた。ブルースは公園でのチェスを禁止したかったが、息子の楽しみを優先したいボニーに反対される。

フレッドはジョシュを大会に参加させてみる。しかしブルースはまだ時期尚早だと感じていた。ジョシュは期待に応えて数々の大会で優勝し、あっという間にジュニアのトップとなる。フレッドは有頂天になるが、ジョシュは公園でジョナサン・ポーという天才少年のチェスを見てショックを受けていた。

ボビー・フィッシャーを探して あらすじ【転・結】

勝ち続けるのが当たり前となったジョシュは負けを恐れるようになる。そのせいで格下の相手にも勝てなくなり、フレッドを苛立たせる。自分のライバルだった男がジョナサンのコーチだと知ったブルースもジョシュに対して厳しくなり、ジョシュは楽しみにしていた公園でのチェスも禁止されてしまう。

ボニーは息子を苦しめる夫やブルースのやり方に怒りを感じ強く抗議する。それでフレッドも目が覚めるが、ジョシュは本気でチェスと向き合う決意をしていた。両親はジョシュのやりたいことを尊重し、公園でのチェスも許す。ブルースは両親の考え方に納得できず、両者は決別する。

一家はヴィニーも誘ってシカゴでの全国大会にやってくる。ジョシュは順調に勝ち抜き、いよいよジョナサンとの決勝を迎える。試合直前、1人で不安と戦っていたジョシュの前にブルースが姿を見せ、グランドマスターの認定書を贈呈してくれる。ジョシュはブルースがいてくれることに勇気を得て、決戦の場へ向かう。

一進一退の攻防が続き、試合は白熱した終盤戦を迎える。自分の勝ちを読み切ったジョシュは引き分けを申し出るがジョナサンはこれを拒否し、そのままジョシュが勝利する。ジョシュは最後までジョナサンと勝利を分け合いたいと感じていた。

大会後、両親はチェス仲間のモーガンと友情を育んでいるジョシュの姿を見て満足げに微笑む。

ボビー・フィッシャーを探して 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1993年
  • 上映時間:110分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:スティーヴン・ザイリアン
  • キャスト:マックス・ポメランク、ジョー・マンテーニャ、ジョーン・アレン、ベン・キングズレー etc

ボビー・フィッシャーを探して 批評・レビュー

映画『ボビー・フィッシャーを探して』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

チェスのルールを知らなくても大丈夫

勝ち負けのわかりやすいスポーツと違い、頭脳スポーツと呼ばれるチェスや将棋は勝負の面白さを伝えるのが難しい。“この手はすごい!”と騒がれても、ルールを知らない人はそのすごさを理解することができない。

しかし本作はチェスを知らなくても支障なく見られる。チェスを通して成長していくジョシュと周囲の人々の人間模様が丁寧に描かれているので、誰が見ても楽しめるはずだ。

白熱する親たち

自分の子供に何か特別な才能があるなら、できる限りのことをしてその才能を伸ばしてやりたいと思うのが親心だ。ジョシュの父フレッドも息子にチェスの才能があると知り、高い授業料を払ってブルースに個人レッスンを依頼する。

ジョシュはただ面白くてチェスをやっていたのだが、フレッドはどんどんヒートアップしていき最終的にジョシュを苦しめる。これはチェスの世界に限らず、勉強でもスポーツでもよく見られる現象で、子供の出した結果を自分の手柄のように勘違いする親は多い。だから思うような結果が出ないと異様に苛立ち、子供はそんな親の顔色を見て“結果を出さなければ愛してもらえない”と思い込むようになってしまう。

後で考えると“子供には悪いことをしたな”と反省するのだが、頭に血がのぼっている時は自分の間違いに気付きにくい。子供を心から愛しているだけに盲目になってしまうのだ。

ブルースの葛藤

ブルースはジョシュをボビー・フィッシャーのようなトッププレイヤーにしてやりたいと思い、あえて厳しくジョシュに接する。私は将棋のプロから“優しくてバランスのいい子は勝負の世界に向かない”と聞いたことがある。その理屈からすると、ジョシュはチェスの才能はあるが勝負師としては優しすぎる。そのジョシュの(プレイヤーとしての)長所と短所がよく見えてしまうブルースの葛藤は複雑だ。しかし結果的にジョシュがいい師匠に恵まれたことだけは確かだろう。2人の師弟愛には胸を打たれる。

ボビー・フィッシャーを探して 感想まとめ

これは子供を持つ親にとって、とてもためになる作品だ。本作を見ることで改めて親としての自分のあり方を見つめ直すことができる。原作者がジョシュの父親なので細かい点にいちいちリアリティーがあり、“こういうことってあるよな〜”と妙に納得してしまう。内容も演出も優良なので、子供と一緒に見るのもいい。

幼少期にチェスを極めたジョシュは、その後武術の世界で大成している。チェスを通して新しいことへ挑戦する心の強さと忍耐力を身につけたおかげだろう。それは何よりも素晴らしいことだ。

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