映画『ブレイブ ワン』の概要:2007年アメリカ、オーストラリア合作のサスペンス映画。ジョディ・フォスター演じるエリカが暴漢に襲われたことをきっかけに銃を持ち犯罪者を殺害する「謎の執行人」として動きだす物語。
映画『ブレイブ ワン』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:122分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:ニール・ジョーダン
- キャスト:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナヴィーン・アンドリュース、メアリー・スティーンバージェン etc
映画『ブレイブ ワン』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ブレイブ ワン』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ブレイブ ワン』のあらすじを紹介します。
エリカ(ジョディ・フォスター)はラジオパーソナリティーとして活躍中、婚約者のデイビットと結婚が決まっている幸せな生活を送っていた。
ある日セントラルパークをデイビットと散歩中、三人の暴漢に襲われてしまう。
デイビットは死亡、エリカは瀕死の重症をおった。
しばらくしてようやくエリカが目を覚ました。
婚約者の死を知ったショックと事件の恐怖から外へ出られなくなる。
護身用に銃を手にいれたエリカ。
それを使う日は突然訪れた。
コンビニで殺人事件を目撃してしまったエリカは犯人から殺されそうに。
とっさに銃で相手を撃ち殺してしまう。
このことがきっかけで凶悪犯罪者を殺害していくことになっていく。
世間の人たちは犯罪者を殺害する謎の人物を、勇気ある行為だと尊敬の意から『処刑人』と呼ぶ。
ラジオパーソナリティーとして復活したエリカもまた、番組内でその事に触れる。
事件の捜査をしていたマーサー刑事は、エリカのファンでもあることから彼女とコンタクトをとった。
次第に友情を深めていく二人。
一方で自分達を襲った犯人が検挙されないことへの苛立ちを隠せなくなってきたエリカは、自分で探し制裁することに。
ついに3人を見つけたエリカは二人を銃殺。
最後の一人を殺そうとしたところへマーサー刑事が突入してきたのだった。
映画『ブレイブ ワン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ブレイブ ワン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
納得のいかないラスト
この物語の一番納得のいかない箇所はラストシーン。
それまでは122分という映画としては決して短いとは言えない長さの作品なのに、圧倒的なテンポ感で魅了されるものであった。
しかしラストシーンで「こんなに引っ張ったあげくのこのラスト」という思いであった。
二人を殺害し、三人目を殺害する直前で突入してきた刑事マーサー。
実は友情を築いていく中で、マーサーは処刑人がエリカであることに気がつき始めていた。
それもあり現場に急いで向かうのだが、処刑人として犯人を殺害している現場でマーサーはエリカを逃がすことを選択した。
自分を撃ち、そのまま逃げろと言うのだ。
恐らくそうすれば銃撃戦の末、マーサー刑事が相手を殺したということになるからであろう。
それがマーシーの考えた友情の形。
しかし、犯人の消炎反応など調べたらわかるものなのでは?
実際撃っていないわけであるから。
この辺のことが気になるラストでもあった。
また、友情で逃がすというありきたりな物より、せっかくの緊迫感漂う映画を作ってきたわけであるから、もう少し複雑なラストでもありだったのでは?とも思う。
ただの復讐映画ではない
一見あらすじだけ見ると婚約者を殺された女性の復讐劇に見えるが、実はそんなに単純なものではない。
暴漢に襲われて恐怖心を持つ女性の心理状態を良く描けているし、偶然とは言え凶悪犯罪者を殺害していくということへの葛藤が見ていて苦しくなるくらい見事に描けている。
彼女の中の善悪が心の中で闘い、一人で自問自答しながら迎えていくラスト。
そこまでのスピード感もたまらない。
ジョディ・フォスターという演技力のある女優をキャスティングしたかとも絶妙だ。
映画『ブレイブ ワン』 まとめ
ジョディ・フォスターが殺人者の役をやるということが非常に珍しい。
だがしかしただの快楽殺人では無く、心の葛藤と闘いながらの女性像を見事に演じきっている。
元々バカみたいに明るくてコメディに向いている雰囲気が少ない彼女は、どこか含んでいるような心に何か抱えている女性の役が上手い。
本作品でも婚約者を殺害され、自身も数週間目を覚まさないような酷いケガを負わされているわけである。
もちろん心理的にまいっている。
その自制の効かない自分というものを演じている彼女は、間違いなく実力派女優と言っても良いだろう。
昔は若かった彼女だが、今ではもう立派なベテランハリウッド女優の一員である。
ぜひそんな彼女の今の姿を観てほしい作品である。
みんなの感想・レビュー
日本語吹き替えで「ドナルド・トランプ」(セリフ)が出てきたが、原語でもこのセリフが入っているのかな、興味あります。