映画『チャッピー』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「チャッピー」のネタバレあらすじ結末

チャッピーの概要:人のような“心”を持って生まれた人工知能ロボット、チャッピー。警官ロボットが導入された南アフリカを舞台に、ギャングに育てられた彼の成長と葛藤を描く、2015年米制作のSFアクション。

チャッピーの作品概要

チャッピー

公開日:2015年
上映時間:120分
ジャンル:SF、アクション
監督:ニール・ブロムカンプ
キャスト:シャールト・コプリー、デヴ・パテル、ヒュー・ジャックマン、ニンジャ etc

チャッピーの登場人物(キャスト)

チャッピー(シャールト・コプリー)
ディオンの手によって、“心”を持って生まれた人工知能ロボット。赤ん坊のように純真で、人間の子供と同じように知能を成長させている。壊れて廃棄予定だったボディを使っている為、バッテリーがボディと溶解し、バッテリーの交換ができない。
ディオン・ウィルソン(デーヴ・パテール)
テトラバーグ社の開発者でチャッピーの生みの親。人工知能ロボット警官隊「スカウト」を開発した、社内でも一目置かれる存在。“心”を持つ人工知能の開発に、密かに取り組んでいる。
ヴィンセント・ムーア(ヒュー・ジャックマン)
テトラバーグ社の開発者。人工知能を「神に反する行為」と考えており、人の脳波で操縦する武装ロボット「ムース」を開発中。しかし警察からの需要がなく予算は減らされる一方で、ディオンを恨んでいる。元オーストラリアの特殊部隊。
ヨーランディ(ヨ=ランディ・ヴィッサー)
若いギャングの女性で、チャッピーにとって母親に等しい存在。仲間のニンジャ、アメリカと暮らしている。チャッピーをわが子のようにかわいがり、優しく育てている。
ニンジャ(ニンジャ)
ギャング。ヨーランディ、アメリカと3人で、ドラッグの輸送などの仕事をしている。大手ギャングのヒッポに届けるはずのドラッグを破損し、返済を求められている。乱暴な性格で、チャッピーに殺しや略奪の方法を教えようと躍起になっている。
アメリカ(ホセ・パブロ・カンティージョ)
ニンジャの仲間のギャング。荒っぽいところもあるが、チャッピーのことをかわいがっている。
ミシェル・ブラッドリー(シガニー・ウィーバー)
テトラバーグ社の社長。利益重視で、警察との大口取引を可能にしたディオンの発明を高く評価している。一方で売れる見込みのない「心を持ったロボット」には許可を出していない。
ヒッポ(ブランドン・オーレット)
ヨハネスブルグで幅を利かせているギャング。自己中心的で、ドラッグの損失を理由に、ニンジャ達に法外な請求をしている。

チャッピーのネタバレあらすじ

映画『チャッピー』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

チャッピーのあらすじ【起】

南アフリカのヨハネスブルグで、ロボット警官が導入された。テトラバーグ社が製作した、人工知能を持つロボット警官隊「スカウト」だ。警察は100体のスカウトを発注し、スカウト開発者のディオン・ウィルソンは、社長のシャロンを含め社内の皆から一目置かれていた。ただ1人、武装ロボット「ムース」を開発中のヴィンセント・ムーアを除いては。ヴィンセントは人工知能を神に背く物だと考え、脳波で動かすロボット「ムース」をアピールしていたが、コストや需要の問題から製品化に至っていなかった。その為ディオンを妬んでいたのだ。

ヨハネスブルグの街中では、ギャングたちがスカウトに手を焼いていた。小物ギャングのニンジャ、アメリカ、ヨーランディも、ドラッグを輸送中にスカウトの攻撃を受け、ドラッグを破損させてしまう。これに怒ったギャングのヒッポは、ニンジャ達に多額の弁償金を支払うよう脅すのだった。困ったニンジャ達は、現金輸送車を襲う為にスカウトを機能停止させようと思い付く。その為に開発者を誘拐する計画を立てた。

ディオンは人間のように“心”を持つ完全な人工知能の開発に成功するが、シャロン社長に却下されてしまう。ディオンはバッテリーと本体が溶解し廃棄予定のスカウト22号、そしてプログラムをインストールする為のガードキーを勝手に持ち出した。しかしその帰り道、ニンジャ達に誘拐されてしまう。

チャッピーのあらすじ【承】

スカウトに機能停止スイッチがないことを知り、ニンジャ達は車内にあったスカウトを味方としてプログラムするよう要求する。殺されたくないディオンは、スカウト22号に自分が開発した人工知能をインストールした。スカウト22号は赤ん坊のような状態で言葉もわからなかったが、人間の何倍もの速さで知識を習得し始める。ヨーランディは彼を気に入り、チャッピーと名づけた。ディオンは実験成功に喜ぶが、インストールする為のガードキーをチャッピーから取り出す前に、ニンジャに追い出されてしまった

ヴィンセントは会社に保管されていたはずのガードキーが無くなっていることに気づく。ディオンにガードキーを貸してくれと揺さぶりを掛けると、ディオンはニンジャのアジトへ向かった。ヴィンセントは彼を尾行し、チャッピーを目撃してしまう。

チャッピーはどんどん言葉を覚え始め、ヨーランディをママとして慕っていた。ニンジャは早くチャッピーを犯罪に使おうと、銃の撃ち方を教えようとする。しかしまだ子供のようなチャッピーは怖がってしまった。ニンジャはチャッピーを鍛えようと、スラムに放り出す。チャッピーは不良たちから暴行を受けショックを受けた。更にヴィンセントが彼を襲い、破壊しようとする。チャッピーは逃げ出すが、ガードキーを取られてしまった。

ヨーランディとアメリカは、帰って来たチャッピーを見て驚き、修理する。ヨーランディの愛情がチャッピーを癒した。ニンジャも今度は態度を和らげ、武器の使い方を伝授する。

チャッピーのあらすじ【転】

チャッピーのバッテリーは低下してきていた。ニンジャから自分のボディが廃棄用のものだったことを知らされ、チャッピーはショックを受ける。ニンジャは「現金輸送車を襲えば新しいボディが買える」と説得、チャッピーはこの案に応じる。そこへディオンがやってきた。ガードキーの持ち出しが社長にばれるのを恐れ、チャッピーを取り戻しに来たのだ。しかしチャッピーは反抗期の青年のようにディオンを無視。なぜ死ぬ体で自分を創ったのかと憤りを感じていた。心を持ったチャッピーは、もっと生きたい、ママと居たいと望むようになっていたのだ。

ヴィンセントはガードキーを利用して全スカウトにウィルスを送信、スカウトはすべて機能を停止してしまう。チャッピーもディオンの目の前で機能を停止してしまう。スカウト警官隊が機能しなくなり、街は暴力と犯罪で溢れる。

ディオンはチャッピーを会社の倉庫に運び込み、ウィルスからチャッピーを切り離す。機能を回復したチャッピーは、そこで別のボディを見つける。このボディに意識を移せば生き延びることができるのではないかと喜ぶが、ディオンは「意識はコピーできない」と諭した。チャッピーは自分がそのメカニズムを解明してみせると意気込み、ムースの操縦に使っている脳波伝達ヘルメットを盗んでいった。

チャッピーは実験の末、ヨーランディや自分の意識がヘルメットで読めることを発見した。チャッピーはニンジャ達と現金輸送車を強奪、ニュースに取り上げられる。

ディオンはヴィンセントがガードキーを盗んだことを確信していたが、その罪はディオンになすりつけられてしまった。ヴィンセントはディオンの「心を持つスカウト」開発を社長に密告、チャッピーを自分のロボット「ムース」に壊させる許可を取り付ける。チャッピーが壊されてしまうことを知ったディオンは、武器を積んで彼の元に駆けつける。

チャッピーのあらすじ【結】

チャッピーはニンジャが嘘をついていたことを知る。新しいボディは無かったのだ。ニンジャ達のアジトには、チャッピーをニュースで見たヒッポと、チャッピーを壊そうとするムースがやってきた。三つ巴の争いとなるが、ムースの圧倒的戦闘力に、人間は手も足も出なかった。

ディオンが撃たれ重傷を負う。ニンジャはチャッピー、ディオン、ヨーランディと車で逃げようとする。チャッピーは壊されたヘルメットの代わりを手に入れるため、会社に行こうとする。ニンジャは3人を逃がそうと、1人ムースの注意をそらそうとする。ヨーランディはニンジャを守る為バズーカ砲をムースに発砲するが、ムースに撃たれ亡くなってしまう。チャッピーはムースに爆弾を取り付け爆破させた。

チャッピーはヨーランディの敵をとる為会社に乱入する。ヴィンセントを攻撃するが、人間とは違って彼を殺しはしなかった。ディオンは瀕死の状態、チャッピーもバッテリーが切れそうだ。しかし倉庫にあるボディは1つだけ。チャッピーはそのボディをディオンの為に使うことにする。ディオンの意識はスカウトのボディに転送され、生まれ変わった。ディオンはヴィンセントのウィルス転送を逆手に取って、近くにいるスカウトにチャッピーの意識を転送した。

チャッピーの一件を受け、ロボット警官は廃止された。チャッピーは実験中にヨーランディの意識をコピーしていたことを思い出す。チャッピーは会社をハッキングして、ヨーランディのスカウトを作り出すのだった。

チャッピーの解説・レビュー

ニール・ブロムカンプ監督の作家性

2009年にニール・ブロムカンプ監督が監督した「第9地区」は、映画賞を多数獲得するだけでなく、映画ファンからの熱い支持を受ける名作である。彼が監督する作品はSFばかりであるが、その表面的な設定の面白さと合わせて、裏に潜む深いメッセージが観るものの心を揺さぶるのが特徴である。

「第9地区」では、突如地球に降り立ったエイリアンと人間の生活を描いたもので、これは、アパルトヘイトを暗に示唆する作りとなっていた(監督自身は政治的なメッセージを含めたつもりはないと発言しているが)。

映像の中にドキュメンタリー的演出が多数含まれるのも特徴で、荒唐無稽なSFとならないようにすると同時に、SFならではのケレン味をも持ち合わせた映画を撮る作家である。

本作、「チャッピー」ではどうか。確かに、ニュース映像風の演出など、ドキュメンタリー風演出も随所に見られるが、上手く機能しているとは言いがたい。というのも、そういった映像は単に劇中世界の状況説明に使われるのみに終始しているのだ。「第9地区」において、状況説明と同時にこれから起こる不穏な出来事を示唆して観客の興味を持続させる演出がされていたことを考えると、やはり目減りと言わざるをえない。

「子育て」、そして「死」へ

映画評論家の町山智浩氏が指摘するところでもあるが、まったく知識も思想も持たないAIを教育するという設定において本作は「子育て」の話として解釈することもできる。

それとともに、最終的な着地は「死」というものについての哲学的な問いかけになっている。ぜひ、本作を鑑賞した後に、あのラストはハッピーエンドなのかどうか自問していただきたい。日本で言えば、大林宣彦監督が「この空の花」で観客に問いかけた死生観と共通するものがある。

チャッピーの感想まとめ

本作に登場するキャラクターやチャッピーのキャラクター造形をみれば、日本のアニメ文化などから非常に強い影響を受けているのは明白である。現に、劇中に本人役で登場する悪役の名はニンジャとヨーランディーである(純粋な悪役というわけでもないが)。

全くの余談であるが、終盤でニンジャが着用している、日本人にとってとてつもなくシュールなジャージは彼の私物だそうである。日本の特撮文化やアニメ文化などサブカルチャーに親しんだ人なら楽しめることうけ合いである。すこし文句を付けるなら、映画として観客の気持ちが上がり切らないままに終わってしまった感は否めない。ニール・ブロムカンプならもっと傑作を生み出すことが出来たのではないか。しかし、いずれにせよ高い水準を維持しているのは間違いない。

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