映画『シティ・オブ・ゴッド』あらすじネタバレ結末と感想

シティ・オブ・ゴッドの概要:リオのスラム街で生きる若いギャングたちの抗争を描いた2002年公開のブラジル映画。事実に基づいた物語であり、その壮絶さに圧倒される。フェルナンド・メイレレス監督の出世作となり、世界各国で高く評価された。

シティ・オブ・ゴッド あらすじネタバレ

シティ・オブ・ゴッド
映画『シティ・オブ・ゴッド』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

シティ・オブ・ゴッド あらすじ【起・承】

1960年代、ブラジルのリオで“神の街”と呼ばれるスラム街に生まれたブスタペは、暴力が苦手な優しい少年だった。しかし彼の兄や仲間たちは貧困から抜け出すために銃を持ち、悪事を繰り返す。そんな子供たちの中で最も悪党の素質があったのはリトル・ダイスとその親友のベネだった。ブスタペの兄もリトル・ダイスに殺される。

17歳になったブスタペはカメラマンになりたいという夢を持つ。遊び仲間のアンジェリカに恋をし、彼女のためにマリファナを買う。元締めのネギーニュは元同級生で、上物のマリファナを安く売ってくれた。ネギーニュにシマを譲ってやったのはセヌーラだった。

リトル・ダイスはリトル・ゼと名前を改め、殺戮を繰り返してその勢力を拡大していく。リトル・ゼは金になるヤクに目をつけ、周辺の元締めを一斉に殺していく。しかし相棒ベネの取り計らいで、ネギーニュとセヌーラだけは見逃してやる。

リトル・ゼはスラム街のボスにのし上がる。彼はヤクを安全に売買するため強盗や殺人を禁止し、警官も買収していた。この掟を守らない者は子供でも容赦なく殺す。目障りなネギーニュとセヌーラも早く殺したかったが、人のいいベネがいつも仲裁に入っていた。

ベネはアンジェリカと恋に落ち、彼女の希望で街を出ることにする。人望の厚いベネの送別会にはギャングから教会関係者まで幅広い層の人が集まり、会場は大盛況だった。親友を失うことにリトル・ゼは納得できず、2人は喧嘩になる。会場で密かにリトル・ゼの命を狙っていたネギーニュが発砲し、間違えてベネを殺してしまう。

シティ・オブ・ゴッド あらすじ【転・結】

怒り狂ったリトル・ゼはネギーニュとセヌーラを殺しに行く途中で、自分を振った女をレイプし、彼氏のマネを襲撃する。これによりマネは叔父と弟を殺される。セヌーラはネギーニュを殺し、マネを仲間に引き入れる。元軍人のマネはリトル・ゼの部下を撃ち殺し、スラム街でリトル・ゼ対セヌーラの抗争が始まる。

堅気だったマネは罪もない人を殺すことに反対していたが、セヌーラと悪事を繰り返すうちに正義感は麻痺していく。抗争は激しさを増し、スラム街は地獄と化していく。セヌーラ陣営には父の仇を討ちたいというオットという少年を始め、多くの子供がやってくる。そして全員に銃が支給された。

抗争が始まって1年が過ぎ、ようやく警察が動き出す。何者かに撃たれたマネは、警察に捕まる。マネはギャングの首領としてマスコミに紹介され、有名になる。これが面白くないリトル・ゼは新聞社でカメラマンの見習いを始めたブスカペを呼び出し、自分たちの写真を撮らせる。写真はブスカペの知らないところで記者の手に渡り、新聞の一面を飾る。ブスカペは制裁を恐れていたが、リトル・ゼはこれを喜んでいた。

新聞社はブスカペのスクープ写真を喜び、もっとギャングの写真を撮って欲しいと依頼する。これはブスカペにとって大きなチャンスであり、彼は決死の覚悟でその依頼を受ける。

ブスカペがスラム街に潜入すると、両陣営の大規模な銃撃戦が始まる。マネは腹を撃たれたオットを介抱してやるが、オットに撃ち殺される。オットの父は銀行でマネに射殺されていた。多くが命を落とす中、リトル・ゼとセヌーラは逮捕される。リトル・ゼは巨額の賄賂ですぐに解放されるが、自分が銃を渡した子供たちに射殺されてしまう。物陰から全てを見ていたブスカペは、その一部始終を撮影していた。

新聞には警察の不正を捉えた写真ではなく、蜂の巣にされたリトル・ゼの写真だけが掲載される。スラム街では銃を手にした幼いギャングたちが新しいボスの座を狙っていた。

シティ・オブ・ゴッド 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2002年
  • 上映時間:130分
  • ジャンル:フィルムノワール、ヒューマンドラマ
  • 監督:フェルナンド・メイレレス
  • キャスト:アレクサンドル・ロドリゲス、レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ、セウ・ジョルジ、アリシー・ブラガ etc

シティ・オブ・ゴッド 批評・レビュー

映画『シティ・オブ・ゴッド』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

この現実をどう受け止めるか

最後に出る“事実に基づいた物語”というテロップを見て度肝を抜かれ、頭を抱えてしまう。

ギャングを描いた犯罪映画は山ほどあるし、実在の人物をモデルにした作品も多い。その系統は好きなのでかなりの数を鑑賞しているが、子供が銃を持って殺し合うという作品は記憶にない。作品内で「ガキ軍団」と呼ばれている子供たちの年齢はどう見ても4〜12歳だ。その子たちが麻薬に手を染め、強盗を繰り返し、人を殺す。最も胸が痛んだのはリトル・ゼに命令されて子供が子供を撃ち殺すシーンだ。隣で足を撃たれて泣きじゃくっている子供はまだ幼児だ。日本なら何もかも親の世話になってぬくぬくと暮らしているような幼子である。

彼らにとって“生きる”ということは切羽詰まった大問題であり、“生き残る”ために彼らは銃を使う。暴力と麻薬と汚職警官がはびこる街で、銃は彼らのお守りなのだ。そしてその根底には“貧困”という、彼らの手に負えない国家レベルの現実がある。

これだけの現実を突きつけられると“かわいそう”などという生ぬるい言葉はとても使えない。生ぬるく生きている私がたくましく生き抜いている彼らに、上から目線で言えることなど何もない。

映画として

内容はとてつもなく重いが、映画そのものは決して重苦しくない。テンポのいい構成とハイセンスな演出により、面白いとさえ思ってしまう。作品全体がマーティン・スコセッシ監督の名作「グッドフェローズ」を彷彿とさせる軽快な作りになっており、多くの暴力描写はあるが、不快感はない。

ほぼ全員素人だったというキャスティングも見事に成功しており、本作に強いリアリティを与えている。この内容をここまで“面白い”と思える映画に仕上げたフェルナンド・メイレレス監督の演出能力には感服した。これからもどんどん活躍してほしい。

シティ・オブ・ゴッド 感想まとめ

暴力や貧困、さらに銃を持った子供たちというキーワードから相当な重たさを覚悟して見始めたのだが、これが実に面白くて130分があっという間に過ぎた。物語は主人公のブスカペがストーリーテラーの役目を果たした群像劇になっている。その構成がとても巧みで、リアリティ(重さ)とエンターテイメント(軽さ)のバランスも絶妙だ。

本作はシビアな現実をサバサバと描くことで“強烈な生”を前面に押し出すことに成功している。これを見ると生きる意味など小難しく考えずに、とにかく生きようと思える。

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