映画『クレアモントホテル』あらすじネタバレ結末と感想

クレアモントホテルの概要:自立を目指してロンドンの長期滞在型ホテルへやってきた老婦人が、心優しい青年と出会い、心の交流を深めていく。イギリスの作家エリザベス・テイラーの小説が原作。2005年公開。

クレアモントホテル あらすじネタバレ

クレアモントホテル
映画『クレアモントホテル』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

クレアモントホテル あらすじ【起・承】

サラ・パルフリー(ジョーン・プロウライト)は娘から自立し、ロンドンにあるクレアモントホテルで長期滞在することに決める。期待に胸を膨らませて到着したサラだったが、ホテルは何もかもがチープで滞在者たちも暇を持て余す老人ばかりだった。

最初は戸惑っていたサラも気楽なホテルの雰囲気に居心地の良さを感じ始め、老人たちとも打ち解けていく。特にここの主・アーバスノット夫人とは通じ合えた。

老人たちの楽しみは身内からの連絡だった。サラはロンドンにエリートの孫がいるとみんなに自慢するが、孫のデズモンドから連絡はない。娘からの音沙汰もなく、サラは孤独を感じる。

郵便局へ出かけたサラは帰り道で転んでしまう。その様子を目撃したルードヴィク・メイヤー(以下ルード)(ルパート・フレンド)という青年がサラを助けてくれ、傷の治療までしてくれる。作家志望だというこの親切な青年をサラは気に入り、土曜日の夕食へ誘う。

ところが老人たちはルードを孫のエドモンドだと勘違いし、サラも違うと言い出せなくなる。ルードは快く孫のフリをしてくれ、ハンサムで礼儀正しい孫だとみんなに褒められる。2人はその後も親交を深めていく。ルードはサラのことを小説に書き始め様々な話を聞く。サラはいつも若くして亡くなった最愛の夫・アーサーを懐かしんでいた。

常連組のオズボーン氏は上品なサラを好きになり、彼女にプロポーズする。しかしサラは“残りの人生は誰の妻や母親でもない、私として生きたい”と言って、それを断る。

クレアモントホテル あらすじ【転・結】

ルードはレンタルショップでサラが一番好きだという映画「逢いびき」を借りる際、グウェンドリン・グースという女性と知り合う。同じ映画を見ようとしていたことで2人は意気投合し、恋人同士になる。サラは若い2人を祝福するが、一抹の寂しさも感じていた。

サラがデズモンドを邪険に扱ったことを聞きつけた娘が、突然ホテルを訪ねてくる。ヒステリックに怒る娘とサラは口論となり、席を外そうとしたアーバスノット夫人が倒れてしまう。アーバスノット夫人は“覚悟はできている”とサラに告げる。

アーバスノット夫人が介護施設で死んだことを知ったサラは、ルードに会いたくなる。しかし彼女に遠慮して、最近は疎遠になっていた。元気のないサラをみんなは心配するが、サラはヒステリックに怒り出す。そのままサラは正面玄関の階段から落ち、腰の骨を折ってしまう。

サラからの手紙を見てホテルへやってきたルードは自分の正体を明かし、サラの病院へかけつける。サラは一人ぼっちでベッドに寝ており、ルードは孫だと名乗ってサラの面倒を見る。サラは肺炎も併発しており、病状は日増しに悪くなっていた。ルードはサラに読んでもらうため、必死で小説を書き上げる。小説が完成した日の朝、サラは亡くなっていた。ルードはサラの枕元に原稿を置き、サラとのお別れをする。

受付ではようやくやってきた娘が“ずっとお孫さんが来ていましたよ”という看護婦と言い合いをしていた。ルードは黙ってその横を通り過ぎ、待っていた彼女と帰っていく。

クレアモントホテル 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2005年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ダン・アイアランド
  • キャスト:ジョーン・プロウライト、ルパート・フレンド、アンナ・マッセイ、ロバート・ラング etc

クレアモントホテル 批評・レビュー

映画『クレアモントホテル』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

適度な毒気とくどすぎない演出

“遠くの親戚より近くの他人”ということわざがある。本作はこのことわざ通りの話で、疎遠になり気持ちの通わなくなった身内より、側にいて心が通じ合える他人の方が何倍も安らぎを与えてくれし、互いを理解できるという内容だ。

サラと娘や孫の関係は寒々としている。サラを年寄り扱いし、親身に話を聞こうとしない。最愛の夫はずいぶん前に亡くなり、サラは冷たい身内の中でずっと孤独を感じてきたのだろう。サラと出会い、彼女の支えとなっていく若きルードも母親とはうまくいっていない。サラには何でも話せるのに、母親には自分の気持ちを伝えようともしない。

サラとルードを身内に煙がられている老人と母親を失望させている息子にしたのは良かった。この手の話はさじ加減を誤ると、偽善的なつまらない話になりやすい。本作は登場人物に適度な毒気もあり、その点は心地よく見られる。

どうしてしまったのか…

テーマはとてもよく伝わってくるし、嫌な要素はほとんどないのだが、胸を打たれるような何かもない。特に後半になって展開が雑になり、物語に落ち着きがない。

一番気になったのは、とってつけたようなルードの彼女の存在。女優さんの芝居も下手だったので余計になのだが、彼女なしの方がスッキリした。夫との思い出の地にはサラとルードの2人で行き、もっとじっくりしたシーンを作ってくれていたら、サラの思い出を観客もゆっくりと味わえたのではないだろうか。サラとルードを引き離す枷は、彼女の存在ではなく、サラの衰えだけで十分だ。そこからクライマックスへ行けば、話にもっと深みが出たはず。せっかくいい味を出していたホテルの老人たちも置き去りでかわいそう。

サラを演じたジョーン・プロウライトは最期の時を熱演していただけに、後半の脚本と演出は相当な残念要素。評価がグッと下がる。

クレアモントホテル 感想まとめ

病床のサラにはすごいリアル感があり、自分の祖母を思い出した。ジョーン・プロウライトのおばあちゃんらしさというか年寄りらしさは絶品で、それを見るだけでも価値があるかもしれない。ホテルの老人たちとドアマンのサマーズも存在感があり、老人の良さも悪さもバランスよく描いている。

人生の終わりにルードのような心優しい若者と出会い、新鮮な喜びを味わえたらそれはとても幸せだろう。そういう意味では夢のある作品だし、優しい気持ちになれる。面倒臭がらずにおじいちゃんやおばあちゃんの話を聞こうとも思う。寄り添う気持ちって大切だ。

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