映画『みじかくも美しく燃え』あらすじネタバレ結末と感想

みじかくも美しく燃えの概要:1889年にスウェーデンの伯爵と綱渡り芸人の女性が不倫関係に陥った末、デンマークの森で心中した事件をボー・ヴィーデルベリ監督が映画化。1967年のスウェーデン映画。

みじかくも美しく燃え あらすじネタバレ

みじかくも美しく燃え
映画『みじかくも美しく燃え』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

みじかくも美しく燃え あらすじ【起・承】

1889年、デンマークのスヴェンボリ。スウェーデンの伯爵であるシクステン・スパーレ中尉(トミー・ベルグレン)と綱渡り芸人であるエルヴィラ・マディガン(ピア・デゲルマルク)は野原でピクニックを楽しんでいた。シクステンには妻と2人の子供がいたが、エルヴィラと許されぬ仲となり、デンマークまで駆け落ちしてきたのだった。

シクステンとエルヴィラの逃避行は大きな話題となり、この小さな町にもその噂は広がっていた。2人は数日だけ至福の時を過ごすが、やがて追われる身となりさらに田舎の方へと逃げる。もし追っ手に捕まれば、中尉であるシクステンは脱走兵と見なされ、牢獄行きになってしまうのだ。

次にたどり着いた町へ、シクステンの親友がやってくる。親友はシクステンが残してきた妻と子供たちの様子を話して聞かせ、帰るように説得する。しかしシクステンはエルヴィラとの愛以上に大切なものはないと言って、説得に応じようとはしない。親友はわざとエルヴィラに聞こえる場所で“奥さんが自殺未遂をした”と話す。ショックを受けたエルヴィラは精神的に追い詰められるが、2人はお互いに離れることなど考えられなかった。

みじかくも美しく燃え あらすじ【転・結】

2人の愛が本物でも、現実問題としてお金は底を尽き始める。現金が乏しくなると、持ち物を質に入れて凌いできたが、その品物さえすでにほとんど無くなっていた。エルヴィラはお金を稼ぐために踊り子をする。しかし、彼女をいやらしく語る男にシクステンが暴力を振るってしまい、再び2人は逃げざるをえなくなる。

さらに田舎の方へ逃げてきた2人は、森でキノコや木の実を食べて飢えをしのぐ。伯爵で中尉だったシクステンには軍人以外の仕事をすることができず、空腹から2人は頻繁に喧嘩をするようになる。それでも2人に別れるという選択肢はなかった。

そんな日々の中でいよいよエルヴィラは精神的に追い込まれ、もはや死ぬ以外に方法はないと考えるようになる。“覚悟を決めるべき”というエルヴィラにシクステンも反論することができない。

心中を覚悟した2人は、なんとか手に入れたパンや卵を持って森へと向かう。大きな木の根元に腰を下ろし、シクステンは銃を手にする。エルヴィラを抱きしめ彼女のこめかみを撃ち抜こうとするが、シクステンにはどうしてもできない。するとエルヴィラは野原で蝶々を追いかけ始める。シクステンは覚悟を決めて蝶と戯れるエルヴィラを撃ち、自らもすぐに後を追う。

みじかくも美しく燃え 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:1967年
  • 上映時間:90分
  • ジャンル:ラブストーリー
  • 監督:ボー・ウィデルベルイ
  • キャスト:ピア・デゲルマルク、トミー・ベルグレン、レンナルト・マルメン etc

みじかくも美しく燃え 批評・レビュー

映画『みじかくも美しく燃え』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

不倫の匂いがしない2人

いわゆる不倫ものである。しかし2人がどうやって出会い恋に落ちていったかは全く描かれず、すでに駆け落ちをしている状態から物語は始まる。

不倫ものではあるが、まるで若者同士の純愛のような描写が多く、空気としてはロマンティックだ。生々しいベッドシーンや罵り合いなどもほぼない。さらにエルヴィラを演じているピア・デゲルマルクとシクステンを演じているトミー・ベルグレンが清潔感のある美男美女なので、まるで2人のイメージ映像を見ているような錯覚に襲われる。

ピア・デゲルマルクはまだどこかあどけない少女のようだし、トミー・ベルグレンも子持ちの伯爵にはとても見えない。彼はかなりのイケメンだ。こちらが戸惑ってしまうほど、2人からドロドロとした不倫の匂いが全くしないので、見終わってからも妙な気分だ。こんなに爽やかな不倫ものは初めて見たので、どうしていいかわからない。

美しくはあるけれど‥

確かにとても美しい。映像も音楽も主演の2人も非常に美しい。とにかく主演の2人はキノコや葉っぱを貪り食っていても、おとぎ話に出てくる王子様とお姫様のようだ。ゲロを吐いても汚く感じないって、ある意味すごいなとは思うのだが…。

話が始まった時点で2人の愛はマックスに達しており、すでに2人だけの世界に逃避行しているので、ハラハラドキドキするようなこともない。逃亡劇だけど、それほど追われているような感じもしない。結局愛はあってもお腹は減るわけで、どうしても生活力が必要になってくるのだが、伯爵育ちのシクステンにはその甲斐性がない。エルヴィラは現実的に稼ごうとするが、シクステンはそれも嫌なわけだ。“じゃあもう死ぬしかないじゃない”というわけで、2人は愛を貫いて美しく死んでいく。まあそうなるだろう。

美しくはあるのかもしれないが、全く何の感情も揺さぶられないのがつらいところ。本当におとぎ話のようだった。

みじかくも美しく燃え 感想まとめ

実話を基にしていると言っても100年以上前の話なのでピンとこなかったのか、あんまり色々ときれいすぎてどういうテンションで見ればいいのかよくわからなかったのか…。とにかく無臭な映画だった。そういう演出なのだと思うが、個人的にはイマイチ作品世界に入れ込めないままで、テンションは全く上がらず。

ただ、映像と主演2人の絵画的な美しさは残る。しかも主演2人が非現実的とも思える美男美女なのに対して町の人たちや子供たちはものすごくリアル。この対比のすごさも主演の美しさをさらに際立たせるための狙いなのだろうか?

ラブストーリー以外の要素が皆無なほどのラブストーリーなので、愛に溺れる2人がきれいに見られたらそれでいいか。本当にそればっかりで申し訳ないのだが、それしか残らないので仕方ない。純愛というのはこういうものなのかもしれないけれど…。

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