映画『花のあと』あらすじネタバレ結末と感想

花のあとの概要:『花のあと』は、時代小説作家・藤沢周平の同名短編小説を元にした映画。江戸時代の東北の小さな藩が舞台。男も顔負けの剣の才能を持つ武家の娘・以登を、時代劇初挑戦の北川景子が演じる。

花のあと あらすじネタバレ

花のあと
映画『花のあと』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

花のあと あらすじ【起・承】

寺井以登は、東北にある小藩の武家の娘。父寺井甚左衛門は組頭を務めていた。以登は一人娘で、幼少期から剣術を教え込み、その腕前は男にも引けをとらないほどになっていた。

桜が満開の季節、桜の木の下を歩く以登を、江口孫四郎という若い藩士が呼び止めた。孫四郎は下級武士の出だが、藩では評判の剣の腕前の持ち主だ。この時短く言葉を交わし、いずれ手合わせを、と約束する。
藩随一とのうわさは知っていたが、まだ孫四郎と手合わせをしたことはなく、以登は父に頼み込み一度だけ孫四郎と手合わせする機会を得る。
さすがの以登も、孫四郎の腕には敵わず負けてしまうが、手合わせの間に孫四郎に恋心を抱いているのに気づく。
他の男とは違い、孫四郎は以登を女だからと侮り手加減することなく、真摯に向き合ってくれた。
だが、それは叶わぬ恋だった。以登には許嫁がいるからだ。叶わないと知りながらも、孫四郎は忘れられない存在になっていた。

一方、孫四郎も奏者番の娘・加代と結婚し婿入りした。それから孫四郎は江戸詰めとなったが、不可解な自死をしてしまう。

花のあと あらすじ【転・結】

孫四郎の切腹を不審に思った以登は、許嫁である才助の力も借りつつ真相を調べ始める。
その過程で、孫四郎の妻・加代には不倫相手がおり、それが藤井勘解由という男だということがわかる。この藤井は藩の重臣で、加代の夫である孫四郎を陥れるため彼に誤ったことを教え、幕府へ書類を提出する際に孫四郎が恥をかき切腹するように仕向けたのだった。

一連の真相を知った以登は、復讐のために立ち上がる。
藤井は他にも商人から賄賂を受け取るなどの不正を働いており、そのことをちらつかせて藤井をおびき出した。
この男は居合いの名手であるが、一瞬のうちに以登に切り捨てられる。藤井は仲間を数人引き連れていて、以登は負傷するがなんとか彼らを倒し、復讐を果たして才助の元に戻る。

それから、藤井の不正は藩の知る所となり、藤井家はお家お取りつぶしとなった。
初恋の人の復讐を果たした以登は才助と祝言を挙げた。翌年、また花見の季節が来た。以登は桜の下を歩くが、何か満開の花が散った後のような寂しさを感じた。
その後藩の家老にまで昇進した夫を支えて暮らした。

花のあと 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:時代劇、ラブストーリー
  • 監督:中西健二
  • キャスト:北川景子、甲本雅裕、宮尾俊太郎、相築あきこ etc

花のあと 批評・レビュー

映画『花のあと』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

映像と所作の美しさ

藤沢周平の小説に描かれる女性は、凛とした女性が多い。「女剣士」ものは他にもあるが、この「花のあと」も凛とした美しさと強さを兼ね備えた女性を描いている。
映画でも女性の美しさ・強さがよく表れていたと思う。演じる北川景子もそんなイメージにピッタリだった。
その主演を務めた北川景子が一番苦労したのが、江戸時代の武家の娘としての所作らしい。時代劇初挑戦で、さらに剣士ということもありかなり大変だったであろうことは想像できる。
努力の成果は確かに表れており、劇中での以登は女剣士として強く、しかし男勝りというわけではなく武家の女性としてしとやかに美しかった。
タイトルにある花、桜も効果的で、凛とした女性の美しさ、散る花の儚さが画面いっぱいに溢れ、きれいな映像だった。

少女から大人の女性へ

冒頭での花見と、復讐を果たし、結婚した後の花見とでは全く以登の感じ方が違う。最初の花見はまだ結婚前。しかも初恋すらまだ知らない少女時代。女性はよく花にたとえられるけれど、以登は自分が花であることも、やがてその花が散ることもまだ知らない。
それに対して、最後の花見は初恋・失恋・結婚を体験した後である。満開の花を眺めながら寂しさを感じたのは、自分の少女時代が終わってしまったことに気が付いたからではないだろうか。
いろんなことを経験し、これからは才助の妻として生きていく。もう去年のように純粋に満開の桜を楽しめないのは、少女から大人になった証拠である。

花のあと 感想まとめ

藤沢周平原作の映画は『たそがれ清兵衛』をはじめとしてかなり多く、人気もある。この映画もストーリーは素晴らしいであろうことはわかっていたけれど、主演が時代劇初挑戦の人気若手女優ということで不安はあった。けれど、まさに江戸時代の武家女性らしさがあり、殺陣のシーンも美しく、切ないストーリーに合っていて良かった。
この作品、テーマがテーマなだけに、それなりに年を重ねないと本当には理解できないなと思った。桜の季節に是非観たい作品である。

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