映画『イン・ザ・プール』あらすじとネタバレ感想

イン・ザ・プールの概要:奥田英朗の人気小説、伊良部シリーズを原作にした2005年の映画。監督、脚本は三木聡。伊良部役には映画初主演となる松尾スズキ。ちょっと変わった精神科医の伊良部と、患者たちとの交流を描いた。

イン・ザ・プール あらすじ

イン・ザ・プール
映画『イン・ザ・プール』のあらすじを紹介します。

プールで泳ぐのが日課になっているサラリーマンの大森は、今日も日課の水泳を欠かさない。
気になると確認せずにはいられないルポライターの涼美は、そのせいで失敗続き、自己嫌悪に陥っていた。
大切な部分が起ちっぱなしになってしまったサラリーマンの田口は、病院の泌尿器科を受診していた。

田口は精神的な問題と判断され、神経科に回される。
そこにいたのは変わった精神科医、伊良部一郎と、妙に色っぽい看護師のマユミ。
別れた奥さんのいやらしい夢を見た朝に広辞苑が落ちてきて症状が治まらなくなったという経緯があり、治療は上手く進まない。
浮気して別れた奥さんにガツンと言えば治ると思われたが、伊良部が暴走しただけだった。
そんな時に、以前受診した泌尿器科から有名な教授から診てもらえると連絡が入る。
だがただの見世物にされただけで、田口は堪忍袋の緒が切れてしまう。

ルポライターの涼美は、自分で強迫神経症と診断してから伊良部のいる神経科を受診した。
伊良部の荒治療によって一旦は改善するものの、すぐに悪化する事の繰り返し。
だが取材の過程で、幼い頃に友人を冷蔵庫に閉じ込めてしまったかもしれない、という事が気になりだし、そこで見てはいけないものを見てしまった。

やがて伊良部の患者2人は、日常へと戻っていった。

一方、プール依存症の大森は性病に罹り、プールに入れなくなってしまっていた。
やっと入れるその日、プールが休みでストレスは頂点に達しようとしていた。
そして衝撃の真実を知った大森は、ついに限界を超えてしまう。

そして今日も伊良部の元には変わった患者が足を運ぶ。

イン・ザ・プール 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2005年
  • 上映時間:101分
  • ジャンル:コメディ
  • 監督:三木聡
  • キャスト:松尾スズキ、オダギリジョー、市川実和子、田辺誠一 etc

イン・ザ・プール ネタバレ批評

映画『イン・ザ・プール』について、感想批評です。※ネタバレあり

三木聡と松尾スズキの伊良部ワールド

テレビドラマ化、アニメ化もされた奥田英朗の小説、伊良部シリーズの初の映像化作品。
原作や他の映像化作品では、一人の患者の治療をしている時は他の患者に関わっている様子はないが、映画では同時期に患者たちが道端ですれ違うなど、奇妙な世界観になっている。
プール依存症の大森だけは田口と涼美の治療が終わってからの設定だが、後ろで伊良部がプールに入ってはしゃいでいるシーンが何度かある。

映像技術が時代の違いをほとんど映し出しておらず、地下にある伊良部の診察室だけ青白い照明になっていたり、伊良部の元妻の顔を映さないので、アクションシーンがあっても違和感がない。
小ネタは自然なものが多いのだが、伊良部の台詞が極端であったり、人を小バカにしたものが多くて見る人を選ぶだろう。
また、田口の場面には下ネタも多く使われている。

患者の日常や病気がわかりやすいストーリー

精神科医、伊良部の傍若無人な様子だけでなく、たちっぱなしの田口、強迫神経症の涼美、プール依存症の大森の3人の周囲の人間との関係や生活環境がしっかりと描かれたストーリー。
それぞれのキャラクターに対して感情移入できたり、嫌悪感を覚える場面が作ってあり、折りたたみ傘を常に持ち歩いてしまうなど、ありがちな事もしっかりと付け加えられている。

しかし、冒頭の神経科の医者の勉強会の場面で、プールの水を飲む男性に対して「女子高生のおいしい水」という発言は、女性の反感を買うだろう。

神経の病気に詳しくなくても、脅迫神経症はこういう事があるという図書館でのシーン、たちっぱなしの泌尿器科での説明シーンがあるのでわかりやすい。
しかし、原作ありきの作品になってしまうため、原作や他の映像化作品と、どうしても比較されるだろう。

イン・ザ・プール 感想まとめ

たびたび映像化されたり、原作も人気作品なので、他のものとの比較対象になりやすい映画です。
見る側の目も厳しいものがあると思います。
ですが、飛びぬけておかしな印象を与える三木聡監督と松尾スズキの伊良部ワールドは、原作抜きでも面白いです。

三木聡監督は、この作品が映画監督としてのデビュー作で、松尾スズキは初主演映画。
なのに独特の存在感や世界観があって、小ネタもぎっしり。

ドクロがあるかもしれないと言いながら「髑髏」の書き方を説明するシーンを見ていると、漢字の書き方を覚えてしまうという不思議な部分もあります。
まるで金田一耕介に出てきそうな、頭にロウソクを2本立てて夜中にプールに向かって走る大森役の田辺誠一の演技は、何度見ても笑いが止まりません。

Amazon 映画『イン・ザ・プール』の商品を見てみる