映画『インスタント沼』あらすじとネタバレ感想

インスタント沼の概要:脱力系映画で知られる鬼才・三木聡監督のハートフルコメディ。じり貧のハナメが、本当の父親の店「電球商会」で出会う変わり者たちの影響で、新しい生き方を見出していく様子を描いた。

インスタント沼 あらすじ

インスタント沼
映画『インスタント沼』のあらすじを紹介します。

出版社で女性誌の編集長をしている沈丁花ハナメは、運に見放されていた。
ハナメが子供の頃、母と自分を捨てた父への当てつけとして、近所の沼に捨てた黒い招き猫が原因のような気もしていた。

担当していた「月刊ハテナ?」が廃刊に追い込まれ、飲み会で逆切れし、暴れまわった挙句に怪我をしたハナメは、仲のいい女性ライターの市ノ瀬に惜しまれつつも出版社を辞める。
ペットのウサギのゴンザブローの彼女ウサギを買いに行った“USAファーム”で、ゴンザブローが行方不明になり、母が池で溺れて意識不明に。
トンチンカンなハナメの母は、見えるものしか信じない娘のために、河童を釣りに行ったようだった。

その池から、ハナメが生まれる前に母が出した手紙が発見される。
宛先は、親戚中の鼻つまみ者の沈丁花ノブロウで、その人物こそハナメの実の父親だと書かれていた。

骨董品屋を営んでいて適当な事ばかり言う沈丁花ノブロウ、通称“電球”に会うハナメ。
パンクロッカーで電気屋のガスとも親しくなってきた頃、電球に「ツタンカーメンのマシーン」を探してほしいと依頼した和歌子に遭遇。
その過程で骨董品に興味が湧いてきたハナメは、電球の勧めもあって骨董品屋を始める事に。

しかし全く売れず、電球に相談してみたところ、新しいアイディアが大成功。
だが母は未だ目覚めず、電球に親子だという事を伝えられずにいたハナメに、父娘の別れの時が迫っていた。

インスタント沼 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:120分
  • ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
  • 監督:三木聡
  • キャスト:麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮、相田翔子 etc

インスタント沼 ネタバレ批評

映画『インスタント沼』について、感想批評です。※ネタバレあり

小ネタがぎっしり詰まった作品

一昔前の家庭用8ミリフィルムで撮ったような、謎のオープニングから始まる作品。
主演の麻生久美子がセーラー服で全速力で走ったり、特攻服でヤンキー座りをしてみたり、愛犬と戯れる姿も出てきて魅力がたっぷり詰まっている。
ナレーションや映像の隅々にも、三木聡作品ならではの小ネタがぎっしりで、テンポも良いので引き込まれる。

河童も幽霊もUFOも信じないハナメが、心霊特集の取材で“のろい沼”に向かう場面での温度差は笑いを誘う。
残念会を行った店には「燃えたドラゴン」と書かれた、どこか間違っているポスターが。
ハナメの母、翠が病院に運ばれ、一緒に発見されたポストの中身を調べる様子をズームアウトすると有名な絵画「ゲロニカ」に見える。

だが、小ネタが多くテンポも早いため、置いて行かれそうになる部分もある。

カオスなストーリーは好き嫌いが分かれる

主人公ハナメは、作中でありえないほどの不幸に見舞われている。

会社を辞めてすぐにペットのウサギが行方不明、母親は池で溺れて意識不明、しかも本当の父親は別にいるという事が発覚。
気が付けば、好きだったカメラマンの雨夜くんは、元同僚の立花とミラノで同棲。
父親である電球の影響で骨董品屋を始めるがうまくいかず、軌道に乗ったところで“沈丁花家に伝わる蔵の鍵”を売りつけられ、電球はそれを元手に和歌子さんと結婚。
しかも、肝心の蔵の中は砂だけ。

だが、終始ハイテンションで落ち込んでもすぐ立ち直るハナメというキャラクターの魅力によって、暗い雰囲気にならない作品に仕上がっている。

電球役に風間杜夫、ハナメの母役には松坂慶子がキャスティングされ、なんでもありのハチャメチャストーリーに加わっている。
ハナメの骨董品屋の客にはモデルのはな、映画監督の石井岳龍、刑事役に宮藤官九郎といった珍しい出演者もいる。

蔵から出した砂に水をかけて「インスタント沼」と宣言するいい加減さには衝撃だが、その後に出てくる沼の主にはもっと驚かされる。
だが、あまりにもやりたい放題のストーリーで、世界観の好みが別れる作品だ。

インスタント沼 感想まとめ

登場人物が全員濃いキャラクターばかりで、わざわざ髪を剃って“電球”を演じた風間杜夫の怪演に笑ってしまう作品。
主演の麻生久美子は同監督のドラマ「時効警察」にも出演していて、ドラマで共演した江口のりこ、ふせえり、岩松了といった三木聡監督作品の常連キャストとは再共演になる。

麻生久美子の女性受けもする可愛らしさが詰まった作品だが、加瀬亮が演じたガスの、意外な男前っぷりやキャラクターも見もの。

ハナメが毎朝食べているという、スプーン大さじ10杯のミロと12ccの牛乳を混ぜるだけの“シオシオミロ”は、作中でも分量を言っているせいか食べてみたくなる一品。
ラストのハナメの長台詞は、元気がでない時に勇気をもらえるような名言だ。

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