『インビクタス 負けざる者たち』あらすじとネタバレ映画批評・評価

インビクタス 負けざる者たちの概要:「インビクタス/負けざる者たち」(原題:Invictus)は、2009年のアメリカ映画。監督は「許されざる者」、「ミリオンダラー・ベイビー」で監督としてオスカーに輝いた、クリント・イーストウッド。制作総指揮と主演に「ショーシャンクの空に」「セブン」などで知られるモーガン・フリーマン。共演に「ボーン・アイデンティティ」、「ディパーテッド」などのマット・デイモン。

インビクタス 負けざる者たち

インビクタス 負けざる者たち あらすじ

映画『インビクタス 負けざる者たち』のあらすじを紹介します。

1990年2月11日午後3時。全世界が注目する中、反アパルトヘイト運動により反逆罪として逮捕され27年を監獄で過ごしたネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)が釈放される。それを機にアフリカ民族会議(ANC)と他正統の抗争が激化、南アフリカ政府が他政党に秘かに武器を提供し、武力闘争を煽っているという報告もあり、南アフリカは内戦勃発の危機にさらされていた。マンデラはダーバンにおいて10万人のANC支持者に和平を求める演説をした。そして南アフリカの釈放後の1994年、彼は遂に南アフリカ共和国初の黒人大統領となる。だが彼は、国民の間に人種差別と経済格差がいまだに残されていることを痛感する。そんな中、過密するスケジュールの中で、南アフリカのスプリングボクスと強豪イングランドとのラグビー親善試合を観戦したマンデラは、スポーツという世界共通言語で国民の意識を変えることができると信じ、弱小である南アフリカ代表ラグビーチームの再建を決意。そして南アフリカラグビーチームの監督やコーチが解雇されたニュースを新聞で見たマンデラは、スプリングボクスキャプテンのフランソワ(マット・デイモン)を首相官邸に招き、翌年に自国で開催するラグビー・ワールドカップに向け互いに協力していくことを誓う。そして大統領の激励を援護に立て直しを図ったスプリングボクスは、世評を覆すような勢いで予選リーグを突破し、やがて世界最強のニュージーランド・オールブラックスとの決勝戦へとコマを進めた。

インビクタス 負けざる者たち 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:134分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:クリント・イーストウッド
  • キャスト:モーガン・フリーマン、マット・デイモン、トニー・キゴロギ、パトリック・モフォケン etc

インビクタス 負けざる者たち 批評 ※ネタバレ

映画『インビクタス 負けざる者たち』について、2つ批評します。※ネタバレあり

新しい南アフリカの希望として、出発地点になった映画

1995年のラクビー・ワールドカップ南アフリカ大会は、ニュージーランド・オールブラックスのスーパースター、ジョナ・ロムーのためにあるような大会だった。相手のタックルをかわしトライを積み重ねる華麗なプレーは、世界中のラグビーファンの目を釘付けにした。ロムーとオールブラックスの強さを見せつけるような大会だったが、決勝試合直前にホスト国の大統領ネルソン・マンデラにより大会の様相は一変し、南アフリカのための大会となった。マンデラは南アフリカのスプリングボクスのユニホームと帽子という姿で登場したのだ。開催主催者であるホスト国の首相としてマナー違反とも思えるような行動を、人格者であるマンデラ大統領が何故そこまでしたのかよく理解出来る作品である。アパルトヘイト以降の南アフリカを、白人と黒人の垣根を取り払い、一体となった国づくりをしていこうとするマンデラ大統領と、国の恥までマスコミに言わしめた、代表チームのスプリングボクスを強くしたいと願う主将のピナールを、イーストウッド監督はストレートなスポーツマンシップで描いている。社会的な背景はそっちのけという訳ではないが、そういった細かなところは長い時間を掛けて対処してゆく問題であり、その出発地点に起こった物語として、ネルソン・マンデラ周辺の一部分をクローズアップした映画らしい視点である。

モーガン・フリーマンの超嵌り役

クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマン、マット・デイモンという布陣で撮られた映画という事で駄作はあり得ないだろう。モーガン・フリーマンという俳優は脇役が多いながらも、どんな映画に出ても主役級を喰ってしまうような存在感があり、彼の出演で映画の質が数ランクアップするのは誰もが認めるところだろう。本作での主演というのは彼以外の適役はまずいなかったはずである。デンゼル・ワシントンやジェイミー・フォックスでは若すぎるし、モーガン・フリーマン以外にマンデラ役をこなせる現役俳優は思い当たらない。マット・デイモンもラガーマンという程の体格には恵まれていないが、面構えはそれらしい。どんな役でもこなせるという点に於いては適役だろう。そしてイーストウッド監督らしいストレートな男の世界を描いた良作である。

まとめ

現在このようなスポーツ映画というのは滅多にお目にかかれない。野球やサッカーに加え、格闘技やオリンピック参加種目となっている競技の殆どが、予選から決勝などスポーツはリアルタイムで観られるようになった。そして筋書きのないスポーツというものは映画を遙かに凌ぐ感動や興奮を秘めており、それを解説する専門家の見識も高く、テレビ観戦をしているとある種の映画を観ているようでもある。ネルソン・マンデラという人物がいなければ成り立たなかった映画だろうが、マンデラ氏の波瀾万丈の人生を描写するには、人種問題や差別・偏見という尽きないテーマが重くのしかかり、正直なところ焦点の合わせようがないだろう。その中でこういった特殊な背景をモチーフに描くのが、映画が公開された時点では最も適していたのではないだろうかと感じた。最後のシーンで南アフリカの優勝で沸き立つ街中をマンデラが車に乗って帰って行くのだが、その混雑を抜けて進路を変更しようとする運転手に「ゆっくり行こう。急ぐことはないのだから」と締める部分が、思想家としての忍耐強さを物語っており印象的である。国を変えるというような大義名分はそう簡単に叶えられるものではないのだ。単純な表現だがそういった分かり易さが人の心に届くのであろう。

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