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映画『神弓 KAMIYUMI』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『神弓 KAMIYUMI』の概要:1636年、丙子の乱。清軍が朝鮮に侵入した際、捕虜として連行された妹を弓の名手である兄が、父の形見「神弓」を手に命をかけて助けに向かう歴史アクション。山中での息つく間もない弓矢同士の闘いは見もの。

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映画『神弓 KAMIYUMI』の作品情報

神弓 KAMIYUMI

製作年:2011年
上映時間:122分
ジャンル:歴史、アクション
監督:キム・ハンミン
キャスト:パク・ヘイル、ムン・チェウォン、リュ・スンリョン、キム・ムヨル etc

映画『神弓 KAMIYUMI』の登場人物(キャスト)

チェ・ナミ(パク・ヘイル)
逆賊の疑いをかけられ殺された武将の長男。父親を越えるべく、独学で弓の修行を13年間、密かに続けている。その割、逆賊の息子という人生に絶望しており、酒と喧嘩に明け暮れている。冷静沈着で切れ者。
チェ・ジャイン(ムン・チェウォン)
ナミの最愛の妹。美人で気が強く勇敢だが、己の力量を過信している所があり、後先考えず立ち向かって行こうとする所が難点。ソグンと夫婦になる。
ジュシンタ(リュ・スンリョン)
清軍の精鋭部隊隊長。武人としての力量は相当のもので王子の叔父。一人で立ち向かって来るナミを非常に警戒し、執拗に追い込む。しつこい。
キム・ソグン(キム・ムヨル)
チェ兄妹を匿い育てた武将の息子。優しく少し頼りない面もあるが、真っ向から立ち向かって行く勇敢な面も持ち合わせており、剣の腕も良い。爽やかな好青年。ジャインを嫁にする。

映画『神弓 KAMIYUMI』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『神弓 KAMIYUMI』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『神弓 KAMIYUMI』のあらすじ【起】

ある日の夜、満州のとある屋敷に兵が押し寄せた。逆賊の疑いをかけられた弓の名手で武人のチェ氏は、息子に伝説の「神弓」と幼い妹を託し、屋敷から密かに逃がした。2人は途中、捜索犬に襲われながらも、命からがら川を越えた父親の友人である、キム氏の元へと逃げ延びる。

13年後、逆賊の息子ナミと妹のジャインは、キム氏の元でひっそりと静かに暮らしていた。
父から神弓を託されたナミは山で狩りをして暮らしながら、密かに弓の修行に明け暮れている。しかし逆賊の親族である為、この先も日陰の暮らしをしていかなければならない事に絶望し、酒と喧嘩に逃げる毎日を送っていた。

ある日の夜、キム氏の息子ソグンが飲んだくれるナミの元へ訪ねてくる。良い酒を飲ませてくれると言うので、ついて行くと芸妓のいる店へと入った。大層大喜びで酒をかっくらうナミだったが、急に改まったソグンから大事な話があると言われる。それは、妹との結婚を許して欲しいという話だった。逆賊の汚名を着せられている妹を嫁に娶れば、キム氏の家が貶められる。それは許せないと怒るナミ。その場でソグンと果し合いのような状態になるも、酒に飲まれたナミが嘔吐。その場は一旦収まった。

キム家へ戻ったソグンとナミは、家長のキム氏からしこたま叱られる。聡明なチェ氏の息子ともあろう者が何たる無様か。嘆くキム氏へナミは逆賊の親族として、ひっそりと暮らしていかなければならない辛さを吐露するも、キム氏の怒りは収まらずソグンとジャインの結婚を許してしまう。愕然とするナミに対し、喜びを顕わにするソグン。
その日の深夜、ナミの元へジャインがやって来る。妹は兄の無様を嘆き叱咤し、そうしてソグンと結婚する事を宣言するのだった。

結婚式当日の朝、ナミは花嫁衣裳の着付けをしている屋敷を訪れる。妹には会わず、花嫁への祝いとして新しい靴をそっと置いて行くナミ。ジャインは去って行く兄の背を窓から垣間見る。籠へ乗り込み小窓から後ろを振り向くと、兄がどこか寂しそうに見送っていた。
その後、結婚式は大層華やかに行われた。

その頃、ナミは荷物を抱えていつもの山へと向かい、的から無数に刺さった特製の赤羽矢を抜いていた。だが、そこへ不気味な地響きが起こる。地震のような揺れではない。異変を感じたナミは、丘の上へ登り山並みをじっと見据える。そこに現れたのは一騎の騎馬兵。黄色地に青い龍が描かれた旗をひらめかせていた。

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映画『神弓 KAMIYUMI』のあらすじ【承】

一騎の騎馬兵は瞬く間に大軍となって行軍して行く。その行先を目にしたナミは蒼褪めて走り出す。行軍の先には町がある。ナミは山の中をひたすら走った。のちに丙子の乱と呼ばれる清からの行軍だった。

大軍は町を一気に制圧して行く。誰彼構わず向かって来る者、逃げる者も殺して縄をかけては次々と捕らえる。巷は阿鼻叫喚の地獄と化して行く。騒乱の中、キム氏は剣を手に孤軍奮闘している。義母と逃げようとしたジャインの首に縄がかけられ引き摺られる。ソグンは訳も分からず腰を抜かした。嫁を追いかける義母は斬られ、再び引き摺られて行くジャインを助けようとした義父も、敵の槍に倒れてしまった。ソグンもジャインを追うが、彼の首にも縄がかけられており、夫婦はあと少しという所で引き裂かれる。後に残るはジャインの真新しい靴だけだった。

その頃、ナミは必死に山を下っていた。街道に出た所で見るからに偉そうな一団に見つかってしまう。その中で一際、きらびやかな鎧を纏った青年とその隣に﨟長けた武人が立つ。王子と叔父のジュシンタだ。すぐさま追手がかかる。それを見たナミは即座に踵を返した。ジュシンタは王子を守るべくナミを追って山へ入る。相手は戦闘経験の長けた部隊。だが、ナミは山の地形を巧みに利用して兵士を屠っていく。ジュシンタはただ者ではないと察し、取って置きの矢をつがえナミを狙った。矢は木を抉りナミを掠って、彼を崖下へ突き落した。

崖下の木の枝に運良く引っ掛かり、命拾いしたナミは夜も更けてからようやく町へと戻る。
至る所に転がる町人の死体を、痛ましげに眺めつつキム家へ戻り妹を呼ぶが、当然応える声は無い。そこでジャインの真新しい靴を見つけ気が焦るナミ。屋敷内を探し回り主人のキム氏の亡骸を発見する。養父を運び出して頽れるナミ。涙が止めどなく流れる。

この清軍の侵入により、朝鮮の王インジョ(仁祖)は南漢山城へ避難。激しく抵抗したが、ついに降伏。50万もの人々が男女や序列に関わらず、捕虜や人質として連行され、厳しい虐待と行軍により無数の人々が命を落とした。人々は泣きながら故国を後にする。

別の町を襲うジュシンタの軍は、そこで足を怪我した兵士と会い、姿を見せなければ打てない場所からの矢にやられたという話を聞く。それも満州の言葉を話し、黄色い旗を追う赤羽の矢を使う男だった。その男は、自分の弓は殺しが目的ではないと話していたと聞く。ジュシンタは行く先々で赤羽矢を使う男の影を見る。奴は王子を狙っているに違いない。

映画『神弓 KAMIYUMI』のあらすじ【転】

人質の行軍は国境の川へと差し掛かった。ここで捕虜の数を減らすべく兵士に狩りをさせる。酷い仕打ちにソグンは家人が止めるのも聞かずに立ち上がり、利き腕に怪我をしながらも兵士を倒す。背いたソグンを隊長の男が狙うが、その弓の弦を一本の矢が打ち抜く。その隙を狙ってソグンは隊長の男を倒した。その時、馬のいななきが聞こえ振り向くと、そこにはナミの姿が。振るい立ったソグンは他の兵士へと襲いかかり、民達も立ち上がって清軍を圧倒する。ナミは彼らの中に妹の姿を探すが、しかしその中にジャインの姿は無かった。ソグンと家人の2人と合流したナミは、敵方の戦術地図を頂戴し妹を救う為、馬で次の野営地へと向かう。

その夜、王子率いる軍の野営地では若い女達が並べられていた。王子はその中から一人の美しい相貌をした女を選んだ。ジャインだった。ジャインは近付いて来た兵士から剣を奪って抵抗するが、しかし王子には痛く気に入られる。助けを乞うまで外へ繋いでおけと命じられ、兵士は彼女を羽交い絞めにして外へ連れて行く。

ナミ達は王子の野営地へと到着し、軍の様子を丘の上から偵察していた。外に繋がれているジャインを発見するも、兵の数が多くたった4人では救い出せそうにない。ナミは夜になったら王子を人質にしてジャインを救う事を提案する。

夜、ジャインは助けを求め王子のテントで肉を頬張っていた。腹が減っては軍は出来ぬ。そう言って王子へと串で襲い掛かるが、しかし女の力。鉄串に対し王子が剣を抜く。そこへ背後から迫り、まんまと王子を人質にしたナミ。テントへ入って来たソグンに妹を託して先に逃がす。大勢の兵士に囲まれたナミは、王子に酒をかけて時間を稼いだ後、火をつけて逃走。王子は火だるまとなって絶命した。

朝方、ようやく王子のいる野営地へと到着したジュシンタの軍だったが、焼け死んだ王子の亡骸を目にして歯噛みする。他の兵がナミを追っていると聞くと、すぐさま馬に乗って走り出した。

映画『神弓 KAMIYUMI』の結末・ラスト(ネタバレ)

同じ頃、ナミは追手が少数になったところを矢で倒し、家人の2人と合流。急いで集合地点へ向かうも追手の声に山へと逃げ込む。ジュシンタの軍だ。放たれた矢は六両矢(ユニャンシン)と言い、矢尻だけで六両の重さがあり機械式より強い。木をも抉る、取って置きの矢だ。山の奥へ逃げる3人だったが、統率された兵士は機動力も高い。

放たれた斧に家人の1人が倒れる。必死に抵抗するも相手の数が多い。やむなく先へ進む2人だったが、行き着いた先は深い谷。ナミは形状を把握し飛べそうだと算段するも、家人は歳だから飛べないと言い自ら囮となる為に走り去る。

ナミは唇を噛んで谷を飛び越える。谷の向こう側へ迫ったジュシンタの軍。奴らからの攻撃を躱してどうにか岩陰へと隠れる。猛攻撃で反撃出来ない。そうこうしている内にジュシンタが谷を渡る決意をした。重い鎧を脱いで軽装となったジュシンタを始め、次々と谷を飛び越えて来る兵士達。ナミは隙を突いて更に上へと逃げる。迫る兵士を3人射抜く。崖を登るジュシンタへナミが迫る。しかし、彼はジュシンタを射らずに逃げ去った。ジュシンタは部下達へ追跡の速度を上げろと命令する。

撒いたはずの追手が逃げるナミを再び見つけ出す。ジュシンタが放った矢が必死に逃げるナミの腕に刺さる。森を抜けた先には丈の長い原っぱが広がっていた。その陰に隠れつつ腕の矢を抜いたナミは森へと引き返し、竹藪を抜けて川を越え、大声を上げながら谷底へ戻る。何度も何度も大声を上げる。そこへジュシンタの兵が追いつく。ここまでかと思った矢先、崖の上に大虎の姿が。ナミは大声を出して大虎を呼んでいたのだ。敵が大虎にひるんでいる隙に、ナミは敵の矢を2本と六両矢を1本持ち逃げした。大虎を倒したジュシンタ。兵士がまた2人やられた。残りの兵士は自分を含め4人。追跡を続ける。

ナミは失敬した矢を急いで加工する。この先は1本道。藪に隠れ、矢をつがえつつ敵の数を確認。4人目の兵士の足を射抜く。次にナミは六両矢をつがえる。神弓は軋み声を上げ、弦は限界まで引き絞られたが、折れる気配はない。矢は二人の兵士を貫き、その後ろの木を抉ってジュシンタを吹き飛ばした。ナミは再び矢をつがえ捻りを入れて放つ。矢は曲がってそこにいるジュシンタへと進んだ。だが、最後の兵士が彼をかばう。2人が倒れるのを確認したナミはその場を去った。だが、ジュシンタは生きていた。

ジャインとソグンは先へ進んでいた。原っぱの向こう側から兄の姿が見えた為、ジャインは下馬するが、丘の上に矢をつがえる男の姿を発見する。ジャインはソグンから弓矢を奪いナミへと放った。矢はナミの乗る馬へ当たり、ジュシンタの矢を紙一重で躱した。ジュシンタは矢を放ったジャインへとすぐさま射る。だが、ソグンが身代わりとなり彼女を助ける。即座にナミへと駆け出したジュシンタ。ジャインはソグンの剣を持って、同じくナミの方へと走り出す。落馬の衝撃から覚醒したナミは、双方からジャインとジュシンタが向かってくる姿を見る。弓を持つが矢が無い。馬に刺さった矢を抜いたその時、ジュシンタと目が合う。2人はジャインの方へと同時に駆け出す。
ジャインを真ん中にしてジュシンタとナミが向かい合う。互いに矢をつがい出方を窺う。
同じタイミングで共に矢を放った。ナミの矢は妹を避けたがジュシンタへは当たらず、ジュシンタの矢はジャインの肩を貫通してナミの胸へと突き刺さった。鬼気迫るジュシンタが妹を人質にする。だが、ナミは妹を守る為、自分の胸の矢を抜いてつがいだ。狙いを定める。風が一瞬凪いだその時、ナミは矢を放った。その矢は妹の首をすれすれで通り、ジュシンタの首へと突き刺さる。倒れたナミはジャインに抱かれながら息も絶え絶えに、満州のあの家へ帰ろう。華やかに花靴を履いて。そう言い残して息を引き取った。
3人は舟へ乗り川を渡る。帰るべき我が国へ。

丙子の乱後、1637年。国は民の送還に尽力せず、少数の者が自力で戻ったのみだったという。

映画『神弓 KAMIYUMI』の感想・評価・レビュー

大国に攫われた妹を助けて帰ってくる。いわゆる行って帰ってくる系の映画。大国清の獰猛な兵士たちのキャラクターや描きかたに迫力があり、一方の主人公の神業とも呼べる弓術との対比が素晴らしい。大作ではないが予算がしっかりかけられており、衣装や町のセットなど違和感がないのも素晴らしい。改めてこと映画においてはあちらの方が何歩も先を行っていることは認めなくてはならないだろう。虎が出てくるシーンだけ意味不明だったがなぜなんだろう。(男性 30代)


17世紀の丙子の乱を舞台としたアクション映画。神の弓と命名された稀代の弓を受け継いだ主人公の弓の腕が凄過ぎて、わくわくが止まらなかった。清軍の武将の一人に日本の俳優、大谷亮平が出演していることでも話題になった。
時代背景に沿った演出と衣装には確かに違和感はなく、きちんと準備された作品なのだと思う。兄が命を懸けて妹を守る構図は感動を呼ぶものでもあり、夫となる幼馴染に託して息を引き取るシーンは達成感をも覚える。弓同士の戦いには目を見張るものがあり、面白いと感じた。(女性 40代)


敵に囚われた妹を助けに行き、故郷まで帰ってくるお話。日本の作品ではなかなか見ることの出来ない壮大なスケールで描かれた今作は、韓国の歴史も折り混ぜられたストーリーになっている為、日本人には100%楽しむのは少し難しかった気がします。
弓を使って戦う姿は本当にかっこよく、美しかったです。男臭い戦いと言うよりも、繊細な技術を使った美しい戦いに魅了されてしまいました。
歴史を知ってから鑑賞すると、より楽しめる作品になっていると思います。(女性 30代)

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