映画『喰女 クイメ』あらすじとネタバレ感想

喰女 クイメの概要:「オーディション」「着信アリ」などのホラー映画をはじめとして、数多くの作品を監督し、日本で最も忙しい映画監督と呼ばれることもある三池崇史監督の和風怪奇テイストを含んだホラー。

喰女 クイメ あらすじ

喰女 クイメ
映画『』のあらすじを紹介します。

舞台「真四谷怪談」でお岩役を務めることになった女優の後藤美雪(柴咲コウ)は、舞台の伊右衛門役に恋人の長谷川浩介(市川海老蔵)を強く推挙し、浩介はみごと伊右衛門役に抜擢される。こうして舞台の稽古が始まる。

現実世界での浩介と美雪の関係はお世辞にも上手く行っているというものではなく、浩介が舞台で共演する新人女優に手を出して以来、美雪はひそかに情念を燃やして狂気の世界に身を落としていく。また、浩介も新人女優との関係を続けるうちに幻覚を見るようになっていく。

ある日、新人女優から結婚を申し込まれた浩介は図らずも舞台の伊右衛門と同じ境遇に身をおくこととなる。

そして、次第にそのすれ違いはお岩と伊右衛門の関係性さながらのようになり、舞台と現実世界が重なっていく。果たして浩介の身に振りかかる恐怖は、夢か現か……。

喰女 クイメ 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2014年8月
  • 上映時間:94分
  • ジャンル:ホラー
  • 監督:三池崇史
  • キャスト:市川海老蔵、柴咲コウ、伊藤英明、中西美帆 etc

喰女 クイメ ネタバレ批評

映画『喰女 クイメ』について、感想批評です。※ネタバレあり

和風怪奇テイストホラー

三池崇史監督というと極端にふざけたコメディ映画、もしくは非情に暴力性の高い映画をとる監督というイメージが強い。実際、海外では 1999年のホラー映画「オーディション」が高い評価を得ていて、ホラーとバイオレンスというイメージが強い監督である。本作は久々の三池崇史監督のホラー映画なわけだが、主演に市川海老蔵を迎え、劇中劇として怪談風の舞台を設定することで設定は現代の和風怪奇テイストホラーに仕立て上げている。和風怪奇テイストといえば、2006年の「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」が思い出される。「インプリント」の場合は、脚本に天願大介を迎えたことで骨太な映画を作ることに成功し、映像面でも三池節とも言える残虐な拷問など、目を背けたくなるような内容がてんこ盛りであった。この和風怪奇テイストこそ、これからの三池崇史が描こうとしている新たな境地なのかもしれない。

手のこんだところと手を抜いた部分

三池監督作品全般に言えることであるが、一本の映画の中で以上に手の込んだ部分と手を抜いた部分が共存しているという特徴がある。それこそが三池監督作品らしい愛嬌の部分でもあるのだが、本作でもその演出は見て取れる。柴咲コウ演じる美雪が自傷するシーンでは、その直前にナイフやフォークを煮沸消毒するというシーンが挟まれることで、この直後に起こる事件の不穏さを観客の心のなかで無意識に増大させることに成功している。

これに対して、海老蔵演じる浩介が死亡するシーンはあまりにもあっさりとしている。遺体の描き方などはB級映画のそれである。ここらあたりの描写は、三池映画リテラシーがある人とない人で大きく印象が変わる部分である。もちろん、リテラシーがあってもどうしても好きになれないという観客も一定数いるであろうことは容易に想像できることではあるが。

ラストの描写

本編の最後にある描写についてであるが、直接何かを見せるというよりも、あるものを隔てて禍々しいものを写すという演出が取られている。そのため、観るものの想像をかきたてる恐ろしい描写となっている。ぜひ、本編を見て確認していただきたい。

喰女 クイメ 感想まとめ

映画で描かれる浩介の日常と劇中劇で描かれる世界が収斂していくという構成になっているが、これはどちらかと言えばこれまでのJホラーにありがちな構成ではないため、既存のJホラーの系譜を求めて鑑賞すると肩透かしを食らうかもしれない。

三池監督ならではの痛々しい残虐描写もさることながら、白を基調として全体的に明るさを落とした絵作りが特徴の本作は、その画面から漂ってくる不穏な雰囲気それ自体も大きな魅力である。

また、舞台のシーンでは赤色を効果的に使っているというのも対比的で非常に興味深い。ホラー映画といっても非常に奥が深い。単に禍々しいものが画面に出ていれば怖くなる、などという単純なものでは決してないのだ。

Amazon 映画『喰女 クイメ』の商品を見てみる