映画『黒い家(1999)』あらすじとネタバレ感想

黒い家(1999)の概要:1999年公開のサスペンス映画。原作は貴志祐介の同名小説。監督は森田芳光。脚本は大森寿美男。出演は内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦、小林薫、石橋蓮司など。

黒い家 あらすじ

黒い家
映画『黒い家(1999)』のあらすじを紹介します。

とある保険会社に勤務する若槻(内野聖陽)は、毎日のようにお客からのクレームを対応するという神経をすり減らすような日々を送っていた。ある日、菰田重徳(西村雅彦)という契約者に呼ばれ、彼の家へと向かう。そこで重徳の義理の息子の首吊り死体を発見する。警察は自殺と判断し、若槻の会社は保険金を払う事を決定する。しかし、若槻は彼の家庭に何かよからぬ計画を感じ取り、独自に調査を開始するのだった。

すると、重徳の妻である幸子と重徳は、保険金のためなら自ら指を切り落すような異常な人間である事を知る。心理学の専門家・金石に菰田夫妻のプロファイリングを依頼したところ、彼らは心がない人間(サイコパス)であるとの判断を下す。若槻はなるべく菰田夫妻とは関わり合わないようにしようと決意する。

しかしその金石が何者かに惨殺され、さらに重徳が自ら両腕を切り落とすという事態を迎えると、さすがの若槻も部外者ではいられなくなってくる。悪質な契約者に対応する専門家である潰し屋・三善(小林薫)を幸子の元に派遣して様子を見るが、逆に三善は幸子の返り討ちにあい、同じように惨殺されてしまう。さらに激怒した幸子はついには若槻の自宅に侵入、若槻の彼女を拉致するのだった。

自身の彼女を救うために幸子の家へと向かった若槻は、彼女を救う事が出来るのだろうか…

黒い家 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1999年
  • 上映時間:118分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:森田芳光
  • キャスト:内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦、小林薫 etc

黒い家 ネタバレ批評

映画『黒い家(1999)』について、感想批評です。※ネタバレあり

笑えるサイコサスペンス映画

原作は日本ホラー小説大賞を受賞した貴志祐介の「黒い家」。作者が保険外交員をしていたという経験を生かしたリアルな恐怖描写が秀逸な一作。これを森田芳光監督が映画化。
奇抜な演出で知られる森田監督だが、今作では至極まっとうな恐怖演出で物語を引っ張っていく。とはいえ、そこはさすがは森田監督。ぶっ飛んでいる所はキッチリとぶっ飛んでいる。つまり今作は優秀なサイコサスペンス映画でありながらも、極めてブラックな笑いに満ち溢れたコメディ映画ともなっているのだ。ここが後に韓国で2007年にリメイクされた「黒い家 エンビジル」との大きな違いと言えるでしょう。ねっとりとした雰囲気の中、真面目にホラーに取り組んだ韓国版「黒い家」と比べると、こちらの日本版「黒い家」は時々ふざけているかのようなコメディ要素をブチ込んでいるのが特徴的。特に終盤に大竹しのぶが胸をさらけ出しで「チチしゃぶれ!」と叫ぶシーンなんかはその典型と言える。原作にないこのセリフをどうして入れたのかはわからない。だが本当の恐怖とは、絶望のさなかでも思わずクスリと笑ってしまうようなものではないか、とも思えるところに狙いがあるのかもしれない。

日本初の戦慄のホラー映画

とはいえ、原作の出来がよいため、全体的としてはかなり恐怖度の高い作品と言えるだろう。特に深夜にこの映画を見た時の没頭感は半端ではなく、何度DVDを止めて背後を振り返ったかわからない。終盤に若槻が幸子の家に侵入する所の恐怖感は凄まじく、「もうやめてくれ」と思わず叫びたくなるという点でも、傑作映画「サイコ」を彷彿とさせられたレベルである。元々日本映画界にはこういったサイコサスペンス映画の土台がない。アメリカと比べてそもそもシリアルキラーが少ない事が挙げられるだろう。そんな中、普通の人間に潜む「普通ではない人間」を炙り出したこの映画の価値は非常に高いとさえ言える。しかも彼らサイコパスは、殺しのための殺しをしているのではなく、保険金のために人殺しをしているという所が、非常にリアルで背筋がゾッとする。この映画以降、実際に保険金目当ての殺人事件がたくさん起こっているというのも、なんだか気持ちの悪い符合である。

黒い家 感想まとめ

原作ファンからすると、この映画は賛否両論であるらしい。これは森田芳光監督作品については全部言えることだが、彼がすべての作品を自分の色に染めてしまうのも理由の一つだろう。それでも今作は彼にしては原作に忠実な方ではあると思うし、それなりに一般受けする作品としても作られている。邦画にも実はこれだけ面白いサイコサスペンス映画もあるという意味でも、必見の作品ではないだろうか。

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