映画『E.T.』の概要:SFで有名な作品は?と問われれば確実に名前が挙がるであろう映画歴史上に残る超大作。当時最先端の技術を駆使した映像と、少年と宇宙人の切なくも暖かい、深い絆を描いた感動作。
映画『E.T.』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:SF、ヒューマンドラマ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:ディー・ウォーレス、ヘンリー・トーマス、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモア etc
映画『E.T.』の登場人物(キャスト)
- エリオット(ヘンリー・トーマス)
- E.T.を見つけた少年。E.T.との交流を深めていく。
- マイケル(ロバート・マクノートン)
- エリオットの兄弟。E.T.が星へ帰る手助けをする。
- メアリー(ディー・ウォレスキーズ)
- エリオットの母親。E.T.の存在に中々気づかない。
映画『E.T.』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『E.T.』のあらすじ【起】
アメリカのとある田舎町。そんな街の近くにある深い森に、誰にも悟られないよう一台の宇宙船が降り立ちました。勿論人間は宇宙人の存在など知る由もないので、彼らは人間に姿を見られるわけにはいきません。そんな危険を冒してまで地球に来た理由、それは、地球にしかない植物を採取し研究する為でした。
複数の宇宙人が森に出て植物の伐採を始めます。しかし、あまりに巨大な宇宙船は何人かの人に悟られてしまいます。彼らが様子を見に森に踏み込んで来た為、宇宙人は慌てて船へと戻り地球を飛び立っていきました。しかしなんと、ここで1体の宇宙人が宇宙船へと乗りそびれてしまったのです。
一方、森の近くにある家では子供達が楽しく遊んでいました。そのうちの1人、エリオットは注文したピザを受け取るために外に出ます。しかし、途中物置から何か不思議な音が聞こえて来ました。他の子供達も誘って様子を見に行くエリオットでしたが、物置には不思議な足跡以外何も見つかることはありませんでした。
映画『E.T.』のあらすじ【承】
子供達は早々に飽き物置から引き上げていきますが、エリオットだけは何かがいる確信がありました。そして、物置の隣にあるトウモロコシ畑で新たに気配を感じたのでした。エリオットが畑に近づくと、何と、そこには一体の見たこともない宇宙人が隠れていたのでした。
翌日になって、エリオットは興奮気味に自分が見た宇宙人のことを家族に語りますが、宇宙人を信じていない家族は誰も信じてくれません。エリオットは夜を待ち、再び宇宙人を探すべく外に出ました。そして物置で、再びその宇宙人を見つけるのです。エリオットは宇宙人をこっそりと自分の部屋のクローゼットへと連れていきます。
次の日、エリオットはこの宇宙人と交流を図ろうと、仮病を使い学校を休みました。色々な話をして打ち解けた2人のもとに、エリオットの兄弟であるマイケルとガーティが学校から帰って来ました。エリオットは宇宙人を彼らに紹介しました。宇宙人は自分がここではない宇宙から来たことを彼らに伝え、そしてボールを浮かせるという不思議な力を披露したのです。
映画『E.T.』のあらすじ【転】
エリオットは宇宙人の話を他の友達にもしますが、誰も信じてくれません。とある友人が、宇宙人のことをエキストラ・テレストリアル、すなわち地球外生命体と称し、その響きを気に入ったエリオットはそこから、宇宙人をE.T.と呼ぶ事にします。
一方のE.T.は、エリオットが学校に行っている間は1人家の中で過ごしていました。テレビを見ていたE.T.は、テレビに映っていた電話を見て、自分の星に電話をかけたいと思い立ちます。そこでE.T.は、帰って来たエリオットに「電話、電話」と覚えたての言葉で伝えます。エリオットはそんなE.T.の気持ちを汲み取り、家にある傘などを使い通信機を作りました。
そしてハロウィンの夜、出来上がった通信機を持ってエリオットは森へと出かけていきます。しかし、何と突然E.T.が倒れてしまったのです。実は地球の空気はE.T.に適しておらず、少しずつ彼の体を蝕んでいたのです。エリオットは急いでE.T.を家へと運びます。エリオットの母親は初めて見るE.T.の姿に驚きますが、エリオットとE.T.を看病してくれます。
映画『E.T.』の結末・ラスト(ネタバレ)
しかし、慌てて家に駆け込んだエリオットとE.T.の姿を見ていた存在がありました。宇宙船の噂が流れたあの日以降、この地域周辺を監視していたNASAの職員達です。彼らは、貴重なサンプルとなるE.T.を無理やり連れて行こうとします。必死に抵抗するエリオットでしたが、元々具合の悪かったE.T.は、不幸にもエリオットの前で命を落としてしまいました。
嘆くエリオットでしたが、突如E.T.の胸についているランプが赤く光り始めました。E.T.はまだ、辛うじて生きていたのです。しかし、このまま地球にいてはE.T.は確実に死んでしまいます。エリオットは、仲間の手を借りてE.T.を宇宙へ帰そうと駆け巡りました。しかし、そんな彼らをNASA職員達が追い詰めます。
絶対絶命、そんな時、2人の乗っている自転車が突如として空に浮かび上がったのです。そして、2人の前にE.T.が乗っていた宇宙船が姿を見せました。エリオットは、E.T.に別れを告げます。すると、E.T.はエリオットに「友達」と告げました。E.T.を乗せた宇宙船は、そのまま宇宙の彼方へと姿を消しました。
映画『E.T.』の感想・評価・レビュー
SF作品といえばこれ!というほど有名すぎる作品です。また、この人気の高さも納得のクオリティの高さです。宇宙船やE.T.そして空飛ぶ自転車など、あの時代にここまでのものを上げたのかと驚きます。
ストーリーも素晴らしいですが、ジョン・ウィリアムズの音楽とその当てどころも絶妙です。特に、終盤の追い詰められたところで自転車が浮き上がる一連のシーンは、物語のハラハラ感と音楽の盛り上がりがぴったりで、より一層興奮が高められます。こんなにも幅広い世代に、そしていつまでも愛され続けている作品は他にないと思います。(女性 20代)
姿は気持ち悪いと言うほどではないけど、可愛いと言える姿でもないのですが、家に連れ帰ったE.T.がエリオットの真似をするところが可愛かったです。台所で母がなかなかE.T.の存在に気が付かないことや、死んでしまったと思ったE.T.が生き返った場面のエリオットのわざとらしさには笑えて、ラストシーンの自転車が地上に降り、ブレーキをかけた時の整列がカッコ良く見えて楽しませてくれました。
ただ、山で倒れていたE.T.の姿だけはちょっと気持ち悪かったです。(女性 40代)
宇宙人が地球に降り立つお話しですが、人間は自分たちと違う人種を恐れる傾向にある事が分かりました。そして、興味を持ち始めます。迷子になった、宇宙人が1人の少年と出会います。
少年は、友達がいなくて宇宙人がいる話しも相手にされていなかったですが、宇宙人と仲良くなり最後には故郷に帰そうと奮闘します。友達とは、人類をも越えるんだなと思いました。自分の子供に見せたい映画です。(女性 30代)
小さい子どもから大人まで楽しめる、いつの時代も廃れることのない、これぞ名作。
子供がすごく小さい時は、ETの外見がグロテスクに感じるようで怖がったのですが、少しすると意味はわからなくてもかぶりついて観るようになり、そして最後は感動していました。
家族みんなで観られる映画の決定版ですね。
ちなみに子供が特に好きなのはハロウィンのシーンに「スターウォーズ」のヨーダが出てくる所です。
私はやっぱり自転車で空を飛ぶシーンですね、何度観ても胸が熱くなります。(女性 40代)
一応SFだが、全体的に温かくて宇宙人と、と言うよりも見た目の違う者同士の種族を超えた友情物語である。言わずと知れた名作だが、改めて見てもほっこりする可愛らしい雰囲気と素敵な音楽でワクワクした。
決して見た目は可愛いとは言えないが、ハロウィンの時のガーティのフリした仮装は可愛かった。モサモサと歩く姿も、ヨーダを見てホームと言うところもとにかくキュートである。
また、自転車で飛ぶシーンはすごく楽しそうで、ロマンチックだった。時代を考えても良質なものであるが、今の時代にも通用する美しい作品だ。(女性 20代)
大人になった今でもE.T.の見た目は可愛いとは思えない。しかしストーリーが進むにつれて、彼の人間らしさやおっちょこちょいな姿が愛らしく見える。特に冷蔵庫を漁りお酒を飲んでしまったがゆえに、おっさんのような行動をしている姿は印象に残っている。エイリアンは危険生物で人間を襲う者というイメージを払拭された作品だ。
危険を顧みずE.T.やカエルを必死に逃そうとするエリオットの姿は、大人になった今だからこそ感じることはある。危ないことには首を突っ込むなと子供には教えたいが、この映画を見て冒険する心を持ってほしいと思う。(女性 20代)
何度見ても、感動してしまう不朽の名作です。大人になって見ると、E.T と子供たちの友情や子供の純粋さにより心を打たれます。最初はE.Tのビジュアルが怖いですが、どんどん可愛くなってきます。ぬいぐるみのシーンやヨーダを見て「ホーム」って言いながら近づいていくシーンがお気に入りで、めちゃくちゃ可愛く、あのしゃがれ声も愛くるしいです。あの有名な自転車が浮かぶシーンとあの音楽の組み合わせは最高にワクワクさせてくれます。後世に残していきたい映画ナンバーワンです。(女性 30代)
スティーヴン・スピルバーグの代表作とも言われるSF映画ですが、個人的には優しい雰囲気が好きです、少年エリオットとE.T.の温かな友情が描かれています。古い作品ではありますが、今観ても決して色褪せてはいません。自転車に乗って空を飛ぶシーンは、やっぱりワクワクしますよね。お別れのシーンは切なくなり涙しますが、離れていても心は通じ合う、そんなメッセージを感じます。大人になった今、見返したくなる作品です。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
有名すぎるくらい有名な映画ですが、映像が古そうという理由から、なかなか手を出せていませんでした。ですが、いざ見始めると、映像の古さも気にならないくらいワクワクする映画で、そんなに違和感もなく入り込めました。E.Tの見た目も、最初は怖い印象でしたが、徐々に親しみが湧いてきて、最後には愛らしく見えてくる。そんなキャラクターの描きかたも流石でした。
エリオットの成長や、大人たちから友達のE.Tを守る姿、そこで流れるあの音楽。ワクワク感と美しさが詰まったシーンに胸を打たれました。色褪せることのない、長年愛され続ける映画です。エリオットと同い年くらいの、まだ自分も子供の時に見てみたかったと少し悔やまれます…。
ある日、不思議な生き物を発見した主人公、エリオット。それは地球に取り残されてしまった宇宙人だった。言葉を話さない宇宙人とコミュニケーションを図りながら、自分の部屋に隠していたものの家族にも見つかり、ついには政府にも見つかってしまった。宇宙人との意思疎通がだんだんとできるようになっていく姿に、とても心が温まることだろう。宇宙人を星に返すため、追手を巻きながら自転車で駆け抜けるシーンも、爽快な気分にさせてくれるのではないだろうか。
『グーニーズ』みたいな宝探しをするような子供の冒険ストーリーは好きだけど、子供が宇宙人と交流するSFっぽい作品にはどうしても苦手意識があって、この『E.T.』もなかなか鑑賞していませんでした。
この作品と聞いて1番にイメージするのが少年と宇宙人が指を合わせるシーン。別れる前のとても感動的なシーンだと思っていたのですが、そういうシーンは作中には登場しないんですね。しかも指を合わせるのは怪我を治しているんです。なんのイメージを持っていたのでしょう。
私は好きではありませんが、これだけ長い間多くの人の支持を得ている作品なので、1度見る価値はあると思います。
私がはじめてこの作品を観たのはもうすっかり大人になってからだが、面白すぎて途中でトイレに行くのも憚られるくらい夢中になって観てしまった。
子供の純粋さやひたむきさが胸を打つのは大人になったからこそなのかもしれないが、子供の頃に観ていたら、きっともっと主人公たちと一緒にワクワクドキドキ出来たことだろう。そう考えると観なかったことを少し後悔してしまう。
だから、いつかもし自分に子供が生まれたら、今度は一緒に観てみたい。その時はきっと、映画より子供の顔が気になって仕方がないのかもしれないが。
小さい頃から大好きで、大人になった今観てもやっぱり大好きです。子どもの時と同じところで笑ってしまって、世代問わず楽しめる作品であると実感しました。大人になると、E.T.との別れのシーンは涙が出てしまい、自分の成長も感じました。
コメディシーンでは声を出して笑ってしまい、子どもたちが自転車で街をかけるけるシーンでは一緒に冒険している気分でドキドキしてしまいます。「笑いあり涙あり」という言葉が本当にぴったりな作品で、どんな人でも一度は見て欲しいです。
ほぼ40年たった今でも泣けた。
泣けた理由は40年前と同じ部分もあるだろうし、違う部分もあるだろう。
実はテーマは「両親の離婚」だという。なるほどそうでもなければわざわざエリオットの家を母子家庭にはしまい。
ただ作品は「だからなんだ」ということはなく、何も分からなくても純粋に楽しめるように彼らは空を飛び、余計な説明なしに最後は虹が出る。
何かを失ったから泣いたのではなく、失ったことを受け入れたから泣けたのだ。
長年にわたり愛され続けているSF映画の名作。シンプルな内容ながらも、あの有名な自転車で空を飛ぶシーンや、E.T.との別れのシーンは何度見ても感動的である。大人になってから見ると、子供の目線に立って純粋無垢な気持ちを思い出させてくれる。
E.T.の見た目はしわしわとして不気味だが、その動作や片言の言葉など、次第に可愛く見えてきて仕方がない。そして子供たちが自分の意思で行動してE.T.を守り、見送ってあげる姿に胸が熱くなった。いつまでも童心を忘れずにいたいと思える作品である。
これほどまでに有名な映画はないのではないだろうか。
本当に宇宙人がいるのではないか、自分がもし遭遇したらどうなるんだろう……この映画を観て、どれだけ創造を膨らませただろうか。
未知の生物と少年・エリオットとの友情は、人類愛ならぬ生物愛として、観ているこちらを温かい気持ちにさせてくれる。
大人になるにつれ忘れていく純粋な気持ちの大切さ、ひいては容姿や言葉などによる差別の問題など、改めて痛感させられるテーマの詰まった作品である。
エンターテイメントはこうあるべきという代表的な映画だ。
不朽の名作とはこの映画のために生まれた言葉である。当時社会現象にもなったことが納得できる映画だった。少年と異星人の交流をここまで綺麗に友情としてまとめあげることができるのは、さすがスピルバーグである。スケールやテーマの大きな作品の中で、個人個人の繋がりを丁寧に描くのはスピルバーグ監督の真骨頂だ。
大人になって観るのもまた違う感覚を得れる。確かに子供向け作品かもしれないが、子供の頃と同じくらいワクワクするし、感動する。子供という存在を客観的に見ることができる大人だからこその発見もある。
正直に言うとE.T.の見た目は結構不気味で、怖いなと思ってしまった。でも、この作品をあまり技術が発達しているとは言えない1982年に制作したのが凄いなと思う。自転車が浮かび上がるシーンは、大人でもワクワクした気持ちになる。エリオットとE.T.が種族を超えて友情を育む様子は感動する。別れのシーンは、エリオットに釣られて思わず泣いてしまった。そんな彼らを優しく見守るメアリー達も素敵だった。心温まる良い作品。
従来のSF映画で描かれるグロテスクな異星人と違って、本作のE.Tはとてもコミカルで可愛らしい。ヨーダを見つけて「ホーム」というシーンが良かった。
宇宙人特有の力を使って何でもできてしまうところが子ども心を刺激し、ワクワクさせてくれた。
主人公の兄貴たちが何とも頼もしく、彼らの成長を応援したくなる。
E.Tと子どもたちの友情に感動した。
最後のE.Tを乗せた自転車で空を飛ぶシーンが最高に美しかった。
40年近く昔の作品とは思えない、時がたっても色褪せない名作。
全ての子どもたちに観てほしい。
スピルバーグは大衆にアピールするポイントをこれでもかとこの映画につぎ込みます。今で言えば「お涙頂戴映画」ではあるんですが、これほどうまくまとめられていると嫌味な感じがしないのが不思議。主人公である少年は、引っ込み思案なキャラクターとして設定されていて、同じくはぐれものとなったE.T.と心を通わせるようになっていく。大人たちが彼らの仲を引き裂こうとするものの、少年達はなんとかE.T.を守ろうと戦いを挑んで行く。
ジュブナイル映画の王道を行く展開に、少年とエイリアンの友情ものを挟み込む。大人たちとの追いかけっこは、自転車で逃げたり空を飛んだりと非常にスリリング。そしてラストには感動のお別れシーンまであるのだから、もはや脱帽するしかないだろう。
今作は「未知との遭遇」の成功の5年後に制作された映画です。今作も同じく未知なる宇宙への限りない憧れが全編に漂うロマンチックな一作となっています。今でこそ宇宙の解明が進み(地球外生命体が存在する確率が限りなく低い事が判明したため)、これほど純粋な映画が作られる事はなくなってしまいました。それでも1980年代初頭にこういったストレートな作品が生まれていたというのは興味深い事実です。
音楽の力は強い。E.T.はテーマ曲を聞くだけで、あの名シーンを思い出してしまうほどだ。そして映画というのはその音楽と映像を記憶に結びつける働きを持つ。その力は強大であり、そう簡単に剥がれるものではない。そんな映画の力をまざまざと見せつけられる作品はそれほど多くはないが、このE.T.はそんな稀有な例の一つだと言えるだろう。映画は偉大である。
同じ年に公開されたSF映画はジョン・カーペンターの「遊星からの物体X」やリドリー・スコットの「ブレード・ランナー」など。この顔ぶれを見る限りスピルバーグの「E.T.」はあまりにも子供向けだとは思いますが、この年一番の興行成績を上げたのがこの作品なのですから、スピルバーグはやはりあなどれませんね。
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