映画『アラビアのロレンス』あらすじとネタバレ感想

アラビアのロレンスの概要:「アラビアのロレンス」(原題:Lawrence of Arabia)は、1962年のイギリス映画。監督は「旅情」、「戦場にかける橋」などのオスカー監督、デヴィッド・リーン。主演は1960年の「海賊船」でデビュー以来、本作が出世作となったピーター・オトゥール。共演は「オリヴァ・ツイスト」、「戦場にかける橋」のオスカー俳優、アレック・ギネス。「道」、「ナバロンの要塞」などのオスカー俳優、アンソニー・クイン。他にオマー・シャリフ、ジャック・ホーキンス、アーサー・ケネディなど。第35回アカデミー賞で10部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞、録音賞の7部門でオスカーに輝いた。

アラビアのロレンス あらすじ

アラビアのロレンス
映画『アラビアのロレンス』のあらすじを紹介します。

1916年、英国陸軍カイロ司令部に勤務中のロレンス少尉(ピーター・オトゥール)は、トルコに対して反乱を起しつつあるアラブ民族の情勢を確かめるため三ヶ月の派遣を命ぜられた。ロレンスは反乱軍の指揮者ファイサル王子(アレック・ギネス)の陣営へと灼熱の砂漠の中を旅立ったが、同じ民族が争うのに愛想を尽かし、ハリス族首長アリの案内申し出を断った。やがてイギリス軍将校ブライトン大佐(アンソニー・クェイル)に逢ったが、突如トルコ空軍の爆撃を受け、近代武力の前にアラブ反乱軍の無力さを見せつけられる。ブライトン大佐は彼らに最新兵器による指導と訓練を提案したが、ロレンスはゲリラ戦を主張した。それはトルコ軍の重要地点アカバの反対側にいる、アウダ(アンソニー・クイン)を首長とするハウェイタット族と連携し、背後から敵を叩いて撹乱させるという作戦だった。しかしロレンスの部隊は疲労困憊し、ラクダも人も次々と倒れて行く。ある夜、部隊全員がアウダの陣営に招待され、ロレンスとアリはアラブ民族の団結を説き、アカバに秘宝があるという話を聞いてアウダはロレンスに助力を約束する。補強された部隊での進撃中、ガシムがアウダの部下と争い相手を殺してしまう。砂漠の掟によりロレンスはガシムへと引金を引いた。アカバでの戦いは苛烈を極め、ロレンスが意識を回復したときにはトルコ兵の姿はなく、アウダが役に立たない秘宝の箱を抱えているだけだった。ロレンスはアカバ攻略を告げるためカイロに向かい、到着すると司令官がアレンビー将軍(ジャック・ホーキンス)に変わっていた。ロレンスはゲリラ戦の指導者という新たな任務を与えられた。何回目かの鉄道爆破の際、部下のファラジが重傷を負ったがロレンスは秘密漏洩を恐れその場で射殺した。エルサレムに行ったロレンスは、英仏両国間にアラブとトルコの土地を二等分する条約が結ばれているのを知り愕然とするが、再編成された彼のゲリラ部隊にはアリもアウダも参加していた。ロレンス支持者の集落へ部隊が訪れたとき、そこはトルコ軍の襲撃を受け廃墟と化していた。怒ったロレンスはトルコ兵を全滅させた。アウダは部下を連れ砂漠へ帰り、アリはダマスカスに残ると言った。ロレンスはトルコの病院に忘れられている二百人の重傷者を労い、アラビア人の装いで病院へ向ったが、誤解した英国の軍医に、惨状を引き起した張本人だと平手打ちを食わされる。アレンビー将軍の司令部でも、シリアの王となるファイサルにとっても、ロレンスは無用の者となり追放を受ける。大佐への進級と英国への帰還船に個室が用意されたことだけが、ロレンスの功績に対する感謝の印だった。ダマスカスを発ったロレンスは顔馴染みを探したが、彼に気づく者は誰もいなかった。

アラビアのロレンス 評価

  • 点数:100点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1962年
  • 上映時間:207分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:デヴィッド・リーン
  • キャスト:ピーター・オトゥール、アレック・ギネス、オマー・シャリフ、アンソニー・クイン etc

アラビアのロレンス ネタバレ批評

映画『アラビアのロレンス』について、感想批評です。※ネタバレあり

イギリス映画史上屈指の名作

約4時間に渡る超大作であり、夜となく昼となく表情を変える砂漠の美しさとスケール感に圧倒される。その砂のキャンバスに描き出されるエキゾチックな色彩のコントラストがリアルに浮かび上がり、どのシーンを切り取っても一枚の絵画に成り得るようなフレーミングには目を釘付けにされるばかりであり、画面構成での黄金比がこれほど見事な映画は史上類を見ない。これも砂漠というロケーションを中心に捉えた効果なのだろうか。物語の内容以前にその黄金比に心を奪われ、巨大な美術館の中で壮大な宗教絵巻を見ているようなシーンの連続は圧巻としか言いようがない。映画史上最も美しいスペクタクルだと断言できるほどの作品である。願わくば一度は映画館で見てみたい。

道徳だけでは語ることの出来ない美徳の世界

ロレンスの人格がアラブという背景と戦争の中で蝕まれてゆき、狂気と惨劇にまみれた後半の描写はあまりにも悲劇的である。近代兵器が持ち込まれつつある戦争背景の中で、ラクダの戦隊で戦いに挑むアラブ民族の主義を貫くロレンスの心境が痛々しく描かれ、戦いの中で美徳を見出しながらも、戦う場所を失って行く無情さが刹那的に描かれるエンディングが、冒頭に描かれるロレンスのあっけない死へと帰って行く。数奇な運命に翻弄されながらも、足を踏み入れた戦場に生き甲斐を見出した男の生き様が、「美徳」という言葉により表現を許されていた時代の美しくも悲しい歴史絵巻である。

アラビアのロレンス 感想まとめ

デビッド・リーン監督作品の魅力は、雄大なロケーションを背景に描くスケール感である。そして広大なアラビア砂漠を背景に、一人の軍人が繰り広げてゆく壮大な民族運動が、独特の文化の中で展開されて行く一大絵巻。さらにモーリス・ジャールの音楽が相俟って永遠の名作に仕立て上げられた。3時間半にも及ぶ大作ながら全く冗長さはなく、その絵画的な描写には何度観ても感動が色褪せる事もない。イギリスのみならず、映画史の中でもあらゆるジャンルを超越し、十指に数えられるほどの名作と言っても過言ではないだろう。1963年のアカデミー賞ノミネート作品を見ると、名作がずらりと顔を並べる中で7部門を受賞したというクオリティの高さは納得せざるを得ない。

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コメント

  1. 廣川佳子 より:

    全てをいいあらわしています

  2. 廣川佳子 より:

    ピーター オトゥールなくしてこのさくひんはなりたたないロレンスそのもの