映画『マエストロ』のネタバレあらすじ結末

マエストロの概要:『マエストロ』は、直木賞作家の篠田節子の小説を原作とするテレビ映画。あるバイオリンを巡って起こるヒューマン・サスペンスドラマ。主役のバイオリニストを演じるのは観月ありさ。

マエストロの作品概要

マエストロ

公開日:2006年
上映時間:118分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:星護
キャスト:観月ありさ、中村俊介、伊藤裕子、佐藤めぐみ etc

マエストロの登場人物(キャスト)

神野瑞恵(観月ありさ)
世界的に有名なバイオリニスト。ソリストとして第一線で活躍しているが、それが実力で得たものではないことを知っている。有名宝石店の広告塔として、その社長の愛人に甘んじている自分を卑下する。
柄沢朗(中村俊介)
マイヤー商会の楽器商。瑞恵はお得意様で、彼女の楽器や弟子たちのための楽器を買い付け、売っている。瑞恵に思いを寄せている。
保坂善次郎(長塚京三)
「称号なきマイスター」。柄沢の紹介で修理に来た瑞恵のグァリネリを直し、その間自分が作ったバイオリンを貸す。
伊藤裕子(伊藤孝子)
音大時代、瑞恵の唯一のライバルだった。当時の実力は瑞恵より上だったが、今ではソリストを退き講師をしている。瑞恵に嫉妬している。
郷田淑美(佐藤めぐみ)
瑞恵にあこがれる国立教育大学の学生。プロのバイオリニストを目指したいと言い、瑞恵の薦めたバイオリンを買う。しかしそのバイオリンの調子がおかしく、瑞恵を不審に思って他の講師に報告する。実家は地元の名士。
石橋俊介(宅麻伸)
宝石店「ロイヤル・ダイヤモンド」の社長。瑞恵を広告塔にし、彼女に高級なマンションや宝石などさまざまなものを買い与え、愛人にしている。

マエストロのネタバレあらすじ

映画『マエストロ』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

マエストロのあらすじ【起】

世界的有名なバイオリニストである神野瑞恵は、宝石のネックレスをつけてステージに立っていた。本来バイオリニストは楽器を傷つけるネックレスをしない。しかし、宝石店「ロイヤル・ダイヤモンド」の広告塔である瑞恵はイメージモデルとしてそれをつけるしかない。

その日のコンサートで演奏したのは瑞恵の大嫌いなベートーヴェン。重苦しい音楽と、調子の悪いグァルネリも相まって気分は最悪だった。
瑞恵は高級マンションに住み、豪華なアクセサリーを持っているが、それらはすべて宝石店社長の石橋に買い与えられたものだった。彼は瑞恵を愛人のように扱う。

音楽の才能ではなく、華やかな容姿が自分をトップ・ソリストにしたことはわかっている。音楽以外の方法でしか地位を維持できない自分を卑下する毎日だ。

瑞恵は付き合いのある楽器商の柄沢の紹介で、無名のマイスターである保坂にグァルネリの修理を依頼する。保坂はその間、あるバイオリンを貸し出した。

瑞恵はそのバイオリンでコレッリの曲を演奏した。豊かな音色を奏でるバイオリンを気に入った瑞恵は、この楽器は高価なヨーロッパのオールド作品に違いないと思う。
しかし、その楽器は保坂が作ったものだった。彼は瑞恵のコレッリを気に入り、彼女の為だけに苦労して作ったのだ。保坂は是非この楽器を使ってくれと言う。

素晴らしい楽器であることに違いないが、瑞恵はオールド作品ではないと知ると彼を罵り、バイオリンを使うことを拒否する。

マエストロのあらすじ【承】

瑞恵は恩師の勧めで、国立の教育大学で講師をすることになった。そこにはかつてライバルだった伊藤も講師として在籍していた。彼女は瑞恵を嫉妬の目で見た。
挨拶した帰り、目を離したすきにグァルネリを紛失してしまう。

警察に届けも出して探していたが、楽器は上野駅で見つかったと知る。電話で知らせてくれた相手に会いに行くが、高価な楽器であることを理由に相手は瑞恵をゆすった。
強引に連れ出そうとする相手から瑞恵を助けたのは柄沢だった。

彼は瑞恵を心配し、迎えに来たのだ。お礼に自宅に招き、仕事以外で初めて柄沢と接した瑞恵は彼に好意を抱くようになる。2人は想いを伝えあい、一夜を共にする。

瑞恵は彼女に憧れ、音楽の道で生きていきたいと語る大学の生徒・郷田の熱意を聞き、彼女のためにいいバイオリンを用意したいと考える。
予算は400万だったが、妥協したくない瑞恵は柄沢が買い付けて来たランドルフィを薦める。200万オーバーの600万だったが、郷田は音楽の道をめざす決意を胸に、地元の名士である父に頼んで買ってもらった。

マエストロのあらすじ【転】

郷田のランドルフィは調子が悪くなっていく。明らかに音色がおかしいのだ。瑞恵はおかしいと感じながらも、自分が薦めた楽器が粗悪品だと思いたくなく、ちょっと調子が悪いだけだと自分に言い聞かせる。

だが、不審に思った郷田は別の講師に相談し、ついに実家に帰って父に話し、鑑定に出してしまう。
大学では、瑞恵が学生に斡旋した楽器が贋作だったという噂が立ち始めた。

不安に思った瑞恵は柄沢に問いただすが、彼は誓って本物だと言った。
ところが、鑑定結果は贋作だった。瑞恵は窮地に立たされる。瑞恵は知らなかったことだが、国立大学の学生に楽器を斡旋し、その手数料を受け取っていたとなると違法なのだ。今まで私的な弟子にばかり教えて来た瑞恵は、よかれと思ってしたことが自分の首を絞めたことに動揺する。

偽バイオリンの件はメディアでも大きく取り上げられ、瑞恵の名誉は地に落ちた。元々手数料だって瑞恵が要求したものではない。柄沢を責めたて、受け取ったお金や彼がプレゼントしたブレスレットまで突き返した。

郷田のランドルフィは、修復したものだった。「贋作を渡すような人ではないと思った」と語る柄沢の言葉から、瑞恵はもしや保坂の仕業では、と考える。

やはり、保坂が仕組んだ事だった。命を込めて作ったバイオリンを拒み、想いを踏みにじった瑞恵に執着した保坂は、贋作を渡して彼女を試そうとしたのだ。
保坂もこれほどの事態を想定してはおらず、瑞恵に謝罪する。

マエストロのあらすじ【結】

瑞恵は収賄罪で逮捕され、同じく保坂も詐欺罪で捕まった。取り調べで、唐沢が「瑞恵に手数料の上乗せを再三要求された」と言ったことを知る。
瑞恵は面会に来て謝罪する郷田の話す内容から、彼女にバイオリンが贋物かもしれないと言ったのは伊藤ではなかったと知る。それどころか伊藤は、ちゃんと瑞恵に相談し、話し合うように、と助言したという。

まだ音楽の道を諦めていないという郷田に、瑞恵はただ「帰って練習しなさい」と言った。

判決を聞き、刑務所から出た瑞恵は、柄沢を見て彼が会社のために嘘をつくしかなかったのだと悟る。

瑞恵は再び保坂を訪ねた。保坂は、仏壇職人だった自分がコレッリに惚れ、バイオリンを作り始めた経緯を語る。かれはあるバイオリニストのために10年をかけて楽器を作ったが、彼女は老いてバイオリンを弾くことなく世を去った。
失意の保坂を奮い立たせたのは、テレビで聴いた瑞恵のコレッリだったという。そして彼は瑞恵のためだけに楽器を作ろうと決意し、オールドにも負けない理想の木材を求めて旅をし、楽器を作ったのだ。

話を聞き、瑞恵は楽器をもらい受けた。2000万を拒んだ保坂に対し、瑞恵は後日お金を振り込んだ。

石橋にも背を向けられた瑞恵は、マンションも何もかも失い、残ったものはバイオリンだけ。引っ越しの時、一本の電話がかかって来る。息遣いが聞こえるだけで誰かわからなかったが、電車の音が聞こえて電話が切れる。
瑞恵は、柄沢が線路で自殺したことを知る。

瑞恵はあるコンサートの出演依頼を受ける。それはあの伊藤からだった。
招待を受けた保坂はコンサートに赴く。会場はまるで廃墟で、客もまばら。しかし、瑞恵の奏でる音色は豊かだった。

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