映画『マジカル・ガール』あらすじネタバレ結末と感想

マジカル・ガールの概要:失業中のルイスは余命わずかな娘アリシアのアニメ「魔法少女ユキコ」のコスチュームが着たい、という願いを叶えようとする。そしてその決意が他者を巻き込み思わぬ悲劇を招くこととなった。

マジカル・ガール あらすじネタバレ

マジカル・ガール
映画『マジカル・ガール』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

マジカル・ガール あらすじ【起・承】

かつて教師であったルイスは失業し、古本を売りながら収入を得ていた。彼の娘アリシアは病に倒れ回復の見込みはないと医者から言われていた。

ある晩ルイスは娘の願い事帳を発見し、娘が魔法少女ユキコの限定コスチュームを着てみたいと思っていることを知る。

あまりに高額であるドレスの金を工面することができないルイス。途方にくれた彼は深夜、宝石店に押し入ろうとする。するとその時、頭上から吐瀉物が彼に降りかかる。

バルバラは精神科医の夫を持つ。精神が不安定な彼女は夫からよく眠ることができるよう睡眠薬を渡され飲み込む。目が覚めた時、部屋から夫がいた形跡がきれいに消えていた。絶望した彼女は大量の酒と薬を飲み込み窓から嘔吐する。

そのまま店の前から逃げようとするルイスをバルバラが呼び止める。なし崩しに関係を持ってしまう2人。

翌朝バルバラが目を覚ますと居なくなったはずの夫が戻っていた。絶対に嘘を付かないことを条件にやりなおすことを提案されるバルバラ。

ところがそこにルイスから浮気をバラされたくなければ金をよこせと恐喝の電話が入る。

マジカル・ガール あらすじ【転・結】

ツテを辿り体を対価に金を用意するバルバラ。

それを受け取ったルイスはドレスをプレゼントするもどこか浮かない顔のアリシア。魔法少女になるにはステッキが足りないのだと気づき、二度と連絡しないと約束したはずのバルバラに再び電話し金を無心する。

前回よりも期間を短くされ大金を要求されるバルバラ。困った彼女はさらに危険な仕事に手を染める。

重症を負うバルバラ。彼女がたどり着いたのはかつての恩師ダミアンの家の前であった。ダミアンは以前バルバラのために服役した経験がある。

救急車で搬送され、病室でルイスに強姦され襲われたとダミアンに嘘を話すバルバラ。

これを聞いたダミアンは、バルバラを守るため服役時代の友人の手を借り銃を手に入れる。

ルイスの後をつけパプで相席するダミアン。銃を差し出しルイスを殺人犯にするため、家族を人質に自分を撃つよう指示する。ところが話を聞くうちにバルバラが浮気した事実を知ると、激昂しそのままルイスを撃ち殺す。

浮気の証拠が残っている携帯電話を手に入れるためルイスの部屋に入るダミアン。そこにいたのは魔法少女ユキコのコスチュームを着たアリシアであった。

何も言わず黙って見つめるアリシア。一度は部屋を出るものの、ダミアンはアリシアを撃つ。

バルバラのいる病室に戻るダミアン。彼はバルバラに証拠の携帯電話を見せもう心配ないと言うのであった。

マジカル・ガール 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:127分
  • ジャンル:コメディ、サスペンス
  • 監督:カルロス・ベルムト
  • キャスト:バルバラ・レニー、ルイス・ベルメホ、ホセ・サクリスタン、ルシア・ポリャン etc

マジカル・ガール 批評・レビュー

映画『マジカル・ガール』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

悪夢のような悲劇の連鎖

娘のために尽くすルイス。だが彼はアリシアの真の願いを知らなかった。劇中ではパブの店員から、そしてアリシアが書いた手紙から、彼女の心の拠り所は何よりも父親にあることがはっきりと示されている。

バルバラはともかく不安定な女性である。彼女は夫を何よりも愛していたが夫をなくしたと思った時、少しだけ間違いを犯してしまった。そしてそのままそのツケを払うことになる。

ダミアンはバルバラのためならばと献身する。結果的に彼はルイスだけでなく、パブの店員そしてアリシアの娘までも殺してしまう。

それぞれが、自身の愛する者のためにとった行動が結果として思わぬ方向へ転がって行ったのであった。

雄弁に語る視線

マジカル・ガールでは劇中常に言い知れぬ不安がこちらを見つめている。それは例えばバルバラが夫を失ったとき静かに己の顔に傷をつけた時であったり、あるいは物語のラストでアリシアがダミアンを黙って見つめていた時にとりわけ強く感じる。

本作品のキャスト陣が素晴らしい理由はそこにある。彼女ら彼らが演じるシーンから私たちは、劇中以外のストーリー・心情を想像することができる。

アリシアの本当の望み、バルバラの夫への愛情、ルイスの誤解、そしてダミアンの心情。何が、そしてなぜそこまで彼らを突き動かすものがあったのか考え込んでしまう。

マジカル・ガールは後味の悪い作品と言えるか。そうではないと思う。ドミノ倒しのように1つ倒れたものが、絶大な波及効果を及ぼしただけなのだ。

一度動き始めればそれを途中で止めることは不可能である。いわば止まるはずのないものを諦観し見つめる以外ない。ゆえにこれほどブラックコメディの名が相応しい映画もないであろう。

マジカル・ガール 感想まとめ

ある意味ではそれぞれが自分にできるベストを尽くしたであろうに、ラスト30分はあまりにも理不尽な展開であった。

マジカル・ガールという題名からも連想できるが、近年可愛らしい題をつけながらも現実の残酷さや不条理を突きつける作品が増えたような気がする。

本作品の監督、カルロス・ベルムト氏も日本のアニメといったサブカルチャーから強く影響を受けており、劇中でいくつか細かく散りばめられているそれらの要素を見つけるのも楽しいと言える。

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