映画『もしも建物が話せたら』あらすじネタバレ結末と感想

もしも建物が話せたらの概要:ヴィム・ベンダース監督が製作総指揮を務め、6人の監督独自の視点で建築を語る、ドキュメンタリー。ベルリンのフィル・ハーモニーなど6ヵ所を紹介。2014年製作映画。

もしも建物が話せたら あらすじネタバレ

もしも建物が話せたら
映画『もしも建物が話せたら』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

もしも建物が話せたら あらすじ【起・承】

まず、はじめにヴィム・ヴェンダースが推薦するのは、ベルリンの「フィル・ハーモニー」。1963年に完成した、ベルリンを代表する建物です。

フィル・ハーモニー管弦楽団の本拠地。ベルリンの壁崩壊後、建物が使われない不遇の時代があったという。今、1人の旅人が現れ、この建物の50年の歴史を見つめています。
実際にホール中央では、今日も素晴らしい音楽が鳴り響いています。

2番目に訪ねたのは、本作が遺作となってしまったミハエル・グラウガー監督が推薦する、サンクトペテルブルクにある「ロシア国立図書館」。

ロシア最古の図書館で、公共的に使われるようになったのは、1841年からだという。今では、約300万冊の本を所蔵しているだけあって、本の圧倒されます。
近年、電子化が進む図書館が多いなか、ここでは、”カード目録”という手書きで書かれた書誌情報で調べるアナログ的な方法が使われています。

3番目に訪ねたのは、マイケル・マドセン監督が推薦する、ノルウエーにある「ハルデン刑務所」。刑務所に勤める精神科医がナレーションを担当し、穏やかに所内を巡ってゆきます。
白い壁に囲まれたプチ・ホテルのような雰囲気で、これが刑務所なのかと驚くでしょう。囚人たちは明るい独房で過ごし、教会や図書室、運動場など各種施設も充実しています。

日本とは全然違う、刑法の概念を持ち、世界で一番人道的な刑務所だと言われています。

もしも建物が話せたら あらすじ【転・結】

4番目に訪ねたのは、ロバート・レッドフォード監督が推薦する、アメリカ・サンディエゴにある「ソーク研究所」。1963年にジョナス・ホーク博士と建築家ルイス・カーンによって設立されました。

アメリカ一美しい建造物と言われるのが、対称性を持つコンクリートで作られた建物です。カリフォニア州の豊かな陽光に包まれた研究施設は、ここだけ別世界のようです。
学生や研究者が快適に過ごせるように様々な工夫がされています。

5番目に訪れたのは、マルグレート・オリン監督が推薦する、オスロにある「オペラ・ハウス」ノルウェーの建築事務所スノーレッタが2008年に完成させました。市民の文化・憩いの場所として、観光客にも人気なんです。

大理石とソーラーパネルを合わせたデザインが特徴の外観を持ち、まるで湖に浮かぶ船首のようにも見えます。オペラやバレエを鑑賞できるコンサート・ホールを備えた文化施設です。
オスロ市内を一望するのに、絶好の場所だろう。

最後に訪れたのは、カリム・アイノズ監督が推薦する、フランス・パリにある「ポンピドゥー・センター」。レンゾ・ピアノとリチャード・ロスが設計。1977年に開館した、市民のための複合文化施設です。

むきだしの柱が持つ外観が前衛的だと見え、未来や文化の発展を予感させる場所だと感じます。美術館や図書館にもぜひ、訪れてみたい。

建物とは、ただ建っているだけではいけない。その場所を使う人がいて、はじめて存在意義を見出してゆくのだと思う。

もしも建物が話せたら 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:165分
  • ジャンル:ドキュメンタリー
  • 監督:ヴィム・ヴェンダース、ミハエル・グラウガー、マイケル・マドセン、ロバート・レッドフォード、マルグレート・オリン、カリム・アイノズ

もしも建物が話せたら 批評・レビュー

映画『もしも建物が話せたら』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

建築が好きな人、必見!6人の映画監督が語る、建築の存在する意味

建物は、ただ存在しているだけでは意味がなく、そこに人や本が入ってはじめて存在する意味を持つのだと言う。この映画では、ヴィム・ヴェンダース監督が推薦する「ベルリン・フィル・ハーモニー」など6ヵ所の建築の内部へ入り込む。

1番興味深く感じたのは、ノルウェーの「ハイデン刑務所」。白い壁の刑務所に入ると、清潔で明るい印象を受けた。ここでは、囚人たちは皆、穏やかで自由が許されていることに驚いた。

刑務所内には、教会やコンビニに加えて、面会に訪れた家族が泊まれる家もあるのです。こんなに満ち足りた生活を送れたら、きっと社会に戻りたくなくなったりしないのかな。”世界一人道的な刑務所”と呼ばれている、特別な場所。

次に本好きとしてはうなって観てしまうのが、「ロシア国立図書館」。現代の図書館と比べると、実にアナログな方法で運営されています。書誌検索は、”カード目録”と呼ばれる方法。

カードに書かれた手書きの書誌情報を基に本を探してゆくのだ。なんだか、本の世界に包まれたようで心地よい。電子データ化の進んでいない図書館も趣があっていい。

建物に流れる時間と人、空間を遊ぶ

まるで、その空間に立っているかのようなリアリティ。この映画を3Dバージョンで観るとスゴイらしい!

ドキュメンタリー映画は大抵、1人の監督によって撮られることが多いのですが、6つの建物を各々でなく全体を通して見ようとするとやはり主旨の統一は難しい、一貫してないように感じます。

例えば、ロバート・レッドフォード監督が推薦した、サンティエゴの「ソーグ研究所」。なんだかSF映画のロケ地に見えてしまう。ドキュメンタリーとして表現する主旨から少し外れているのではないか?という印象を受けた。

同様にまだ、出来てから(2008年に作られた)12年しか経っていない、オスロの「オペラ・ハウス」。オペラの鑑賞には最適だけど、歴史の新しさにこの建物を推薦するのには、違和感を覚えます。

もしも建物が話せたら 感想まとめ

劇中で、”わたしは家です。”と語りかけてくるように、建物は利用してくれるあなたを常に待っています。ベルリンの壁崩壊後に使われなくなってしまう不遇の時代があった、ベルリンの「フィル・ハーモニー」。

こんな歴史を知ると、今、現存する全ての建物が愛おしくなります。このドキュメンタリーを観て、ここに入ってみたい!と思うことが大切なんです!さぁ、建物の中に流れる時間(歴史)、人、空間を楽しんでみましょう。

またフィクションを撮る映画作家として、ヴィム・ヴェンダースの映像力は、他の5人の映像作家よりも物語性があって素敵でした。いつか行ってみよう。