『Mr.インクレディブル』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

これまでのピクサー作品とは一線を画すダークな物語が絶賛され、アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞した傑作。監督・脚本は『アイアン・ジャイアント』のブラッド・バード。

あらすじ

Mr.インクレディブル』のあらすじを紹介します。

かつて、世界はヒーローたちの活躍によって平和が保たれていた。ヒーローは人々から尊敬され、この気持ちがヒーローたちの活力になっていた。
しかし、現代ではヒーローは軽んじされる存在になってしまった。時勢に合わなくなったのだ。政府の制作でヒーローチームはすべて解散させられ、過去を隠しながら生活することを強いられてしまう。

かつてMr.インクレディブルと呼ばれたボブは、保険会社に勤務している。上司と折り合いが合わず、ストレスを抱える日々。妻・ヘレンもかつてイラスティガールと呼ばれた元ヒーロー。彼女は自らの能力をひた隠しにする中で、引っ込み思案な性格になってしまった。そして、彼らの力を受け継いだ長男も、有り余る力を発揮することができず、ストレスが溜まっていた。

そんなある日、ボブが上司に日頃のストレスを発散する行いをしてしまい、会社を解雇される。問題を抱えた上に収入のあてがなくなってしまった家族のもとに、謎の女性・ミラージュが現れる。

評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2004年12月4日
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:ファンタジー
  • 監督:ブラッド・バード
  • キャスト:クレイグ・T・ネルソン、ホリー・ハンター、サラ・ボーウェル、スペンサー・フォックス、エリザベス・ペーニャ etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『Mr.インクレディブル』について、考察・解説します。※ネタバレあり

ピクサー屈指の大人なアニメ

かつて、ピクサーの映画はピクサー社員たちが抱える問題が作品に反映されていました。本作のテーマは「老い」。
かつては無邪気にアニメを制作していた連中が、結構なおじさんになってしまった!という哀愁が込められています。

監督はかつて天才子供アニメーターとして知られており、なんと11歳でオリジナルアニメを制作したという逸話が残っている人物です。
彼の作品は常に評論家から高く評価されるものの、興行的には失敗するのが定番でした。『アイアン・ジャイアント』はその代表的作品です。
アニメはやはり子供のものであって、子供に受けなければ興行的には失敗してしまうんですね。彼の作品はダークすぎるのでした。
彼の作風がピクサーと融合したことにより、本作のような絶妙なバランスの映画が完成したといえるでしょう。

かつてのピクサーでは考えられない物語だと思いませんか?
まず、人間が主人公です。これはピクサー初。
そして、人が死ぬ。『死』は最大のタブーでした。
この2つの禁則事項を破ることで、ピクサーの新たな姿を提示しました。
ウォッチメンやファンタスティック・フォーなどの傑作アメコミを参考にし、かつて栄華を誇ったヒーローグループが訴訟まみれの日々を送るという皮肉まみれのブラックな内容。
異質な存在は社会から蔑まれてしまうという設定は、アニメーターが抱える社会的な問題と共通しています。

そして、ブラッド・バード。彼は何度もアニメ制作会社をクビになった過去があります。彼の葛藤も組み込まれているんですね。
監督にとって、スタッフにとって非常に身近な問題を扱ったからこそ、渾身の作品が出来上がったといえるでしょう。

まとめ

男のピクサーアニメといえば本作ですよ。なんといっても、ウォッチメンとファンタスティック・フォーに影響されまくっている。

前提の設定などはウォッチメンと瓜二つですから、男が燃えないはずがない。監督やスタッフの境遇も伝わってきて、男泣きの映画です。
今のピクサーでは、本作のような映画は制作できないのでしょう。続編の制作が決定して入るものの、心配です。

ところで、監督のブラッド・バードは実写映画にも進出しています。
『ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で監督を務め、マンネリ気味だったシリーズを活性化させることに成功しました。
才能があることは間違いないので、今後アニメ、実写映画のどちらの世界で活躍することになるのか、注目したいですね。

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