『MW-ムウ-』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

手塚治虫原作の禁断の衝撃作を実写化。「猟奇殺人」と「同性愛」をテーマとしており数多い手塚作品の中でも異彩を放っている。キャッチコピーは「世界を変えるのは、破壊か。祈りか。」主演に玉木宏&山田孝之。

あらすじ

MW-ムウ-』のあらすじを紹介します。

16年前、沖ノ真船島の島民全員が姿を消す虐殺事件が発生するが政府により事件は隠蔽され闇のままとなった。しかしその事件で奇跡的に生き残った2人の少年がいた。エリート銀行員の結城美智雄(玉木宏)、神父の賀来裕太郎(山田孝之)である。特に結城はその事件に関わった人間たちに復讐を誓い、次々と冷徹な制裁を加えるモンスターへと成長した。そしてこの虐殺事件の裏には、MW(ムウ)という史上最悪な殺人兵器の存在が見え隠れしており…。

ある日タイで日本人女性の誘拐事件が発生。岡崎という会社員の娘だった。現地警察の応援に駆けつけた沢木刑事(石橋凌)は、事件を追いかけるうちに挙動不審の男を犯人と断定し追跡を始める。激しい攻防を重ね結局男を取り逃がしてしまう沢木刑事だったが、身代金を用意した銀行の担当としてやって来た結城に疑惑を持つ。まさに結城こそが誘拐事件の犯人であり、賀来も日本から犯行の電話をかけて操作を撹乱していた。しかし賀来は本心で犯罪に加担しているのではなく、16年前結城に助けられた恩義で協力しているのだ。それでも結城の暴走を止めなければと決意した賀来は、警察に電話をかけ話をしたいと沢木刑事の部下、橘(林泰文)を呼び出す。賀来が待ち合わせ場所に向かうと、そこには結城の仕掛けにかかった橘の姿が…。罠とはいえ自分の手で橘を葬ってしまった賀来に対し、「お前が手伝ってくれたらこれ以上殺さない」と結城は言い放つのだった。

一方、誘拐事件あと遺体で発見された岡崎とその娘の「岡崎事件」を独自に追う新聞記者、牧野京子(石田ゆり子)。別件で殺された被害者と岡崎が政界で活躍する望月大臣(品川徹)と関係があることや、両者とも沖ノ真船島の出身という共通点を発見し16年前の事件を徹底的に調べようとする。しかし所詮は政府に隠蔽された事件、なかなか有益な情報を得られなかったが、生前に沖ノ真船島の疑惑を取材していた川村という記者に辿り着く。川村の遺したノートには、殴り書きされた”MW”の文字が。そして京子は次第に真相へと近づき結城と賀来に接触を図る。結城もまた、MWの存在を確かめるため次なる犯行に及んでいた…。

評価

  • 点数:55点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2007年7月4日
  • 上映時間:129分
  • ジャンル:サスペンス、アクション
  • 監督:岩本仁志
  • キャスト:玉木宏、山田孝之、山本裕典、山下リオ、風間トオル etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『MW-ムウ-』について、3つ考察・解説します。※ネタバレあり

沖ノ真船島の厳重警備

京子とともに沖ノ真船島を訪れた結城は貯水池に潜ります。その間に京子と賀来は侵入者として米軍のヘリから狙われ銃撃されます。しかし貯水池にはMWの空箱しかありません。ならばこの対応は大げさにも見えますが、MWを追い求めてきた人間は必ずこの沖ノ真船島に辿り着くとされているので、真相がバレる前に始末するというのが攻撃の理由です。

原作との相違点

原作である漫画と今作の内容はかなり違う設定や展開になっています。まず結城と賀来の関係は幼い頃からの親友ではなく、島に訪れた2人がたまたま出会ったということになっています。そして賀来は不良で、どちらかといえば結城を従わせる立場にありました。神父になってからも結城の懺悔を聞いてあげたりしています。そしてこの作品の一つのテーマになっている同性愛は映画では一切描かれませんが、原作では肉体関係を結んでいます。そのせいで神父である賀来は余計に苦悩や背徳感に襲われるのですが、その説明や背景が無かったのは残念です。しかし演じた2人にその設定は伝わっており、直接描写は無いもののそういった雰囲気のある演技を要求されたそうです。映画の賀来が結城に「俺にはお前がいてくれればそれでいいんだ」と言う場面なんかはその影響があると思います。

ラストの結城と賀来

軍用機からMWとともに海に落ちた賀来、海上での爆発前に脱出したパイロットのジョーンズ将軍、そして結城の生死は分からないままとりあえず事件は終わりを迎えました。最後、沢木刑事に電話をかける結城の姿でエンドロールを迎えるため生きていたのは確かです。しかしどうやって生き延びたのかは不明です。

まとめ

沢木刑事が結城に目をつけた理由が強引だったり、東京基地のセキュリティーが甘すぎたり、ところどころに?となる点はあったもののテンポは良かったので気にせず鑑賞していました。最後で沢木刑事の携帯から結城の声がした時はゾクッとしましたが、その後望月総裁の演説中継でのお遊びというかおふざけのようなガス攻撃は脅しとはいえ、あまりに稚拙でこちらがびっくりしてしまいました。今まで華麗といってもいい完全犯罪を行ってきた結城らしくありません。そして映画を締めくくるラストのセリフが沢木刑事の「おい!」だったのも少しがっかりしました。そこはハッキリ「結城!」と叫んでほしかったです。しかし原作のラストでも、結城は実は生き延びているがその後どうなったかは明らかにされていないので、原作に忠実に作られたものといえます。

それにしても、沖ノ真船島事件の首謀者といってもいい望月に何の制裁も加えられていないというのは、ストーリーとしてどうなのでしょうか。演説中にガスが漏れてきたのと結城が生きていたことで恐らく、これからじわじわいたぶるぞ、という意味なのでしょうが続編が作られていない現状ではもやもやしてしまうばかりです。復讐劇という題材の難しさを感じます。

玉木宏と山田孝之というキャスティングは演技含め非常に良かったと思います。原作ファンの方には賛否両論あるようですが…。特に玉木宏は今まで爽やかな好青年タイプのイメージが強かったので、今回の冷酷非道な悪役は新鮮で目を引かれました。ただ銀行員として動いているときも同じ表情だと感じたので、時折その爽やかな笑顔を見せたりしていたらもっと恐ろしさが引き立ったのでは…と思います。

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