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映画『MW ムウ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『MW ムウ』の概要:漫画界の巨匠、手塚治虫による伝説のサスペンスストーリーがとうとう実写化!玉木宏と山田孝之をW主演に起用した超豪華作。勿論ストーリーも申し分なく、近年の実写映画の中では間違いなくトップレベルの成功を収めた一本。

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映画『MW ムウ』の作品情報

MW ムウ

製作年:2009年
上映時間:130分
ジャンル:サスペンス
監督:岩本仁志
キャスト:玉木宏、山田孝之、山本裕典、山下リオ etc

映画『MW ムウ』の登場人物(キャスト)

結城美智雄(玉木宏)
かつて、沖之真船島で起きたガス事故から生き残った人物。自分達を地獄に叩き起こした者達への復讐を誓う。
賀来裕太郎(山田孝之)
結城の幼少期からの知り合い。かつて自分の命を救ってくれた結城に恩義を感じているが、同時に暴走する彼を止めたいとも思っている。
牧野京子(石田ゆり子)
巷で起こる殺人事件を追う新聞記者。調査の末、沖之真船島と、結城、賀来の存在に辿り着く。
橘誠司(林泰文)
警察官。捜査の末、結城に疑いの目を向けるようになるが・・?

映画『MW ムウ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『MW ムウ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『MW ムウ』のあらすじ【起】

ある日、タイで誘拐事件が発生した。狙われたのは日本人女性で、その女性の父親である岡崎は、犯人に言われるがまま一億円を用意するのだった。その犯人を捕らえようと、日本から橘と沢木という警察官がやってきていた。しかし、警察が目を光らせる中、犯人は見事な手口で一億円を盗み出してみせたのだった。

その事件の犯人は、結城美智雄という普段はエリート街道まっしぐらの銀行員だった。そして、彼には共犯者がいた。賀来裕太郎という神父の男だった。なぜ、神父と銀行員が結託して犯罪に手を染めているのか。その理由は、16年前に起きたとある事件に隠されていた。

遡ること16年前、沖之真船島という小さな島でのことである。平和だったその島に、突如として地獄がやってきた。超強力な毒ガス兵器、『MW』が街全体に漏れ出してしまったのである。そして、そのガスを吸った島民の殆どは、中毒死によって命を落としてしまったのである。

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映画『MW ムウ』のあらすじ【承】

しかし、それだけではなかった。なんと、政府はこれ以上の感染を防ぐため、さらに、自分達の失態を隠蔽するために、ガスから生き残った島民達を次々と虐殺していったのである。そして、その沖之真船島に、まだ少年だった賀来と結城が暮らしていた。当時から頭の回転の早かった結城が、賀来を連れ、見事政府の人間から逃げ切ってみせたのだった。

しかし、島民で生き残ったのは、彼ら二人だけであった。さらに、逃げている最中結城は毒ガスを吸ってしまい、後遺症が残ってしまう。逃げ延びた二人は暫く教会で暮らし、賀来はそのまま神父の道を選んだのだった。賀来が結城の犯行に手を貸しているのも、16年前結城が自身を助けてくれたためだった。

しかし、賀来は、日に日に暴走していく結城をなんとか止めなければ、と内心気に病んでいた。一方、一億円の金を手にした結城は、岡崎と、岡崎の娘を手にかけたのだった。この事件に目をつけたのが、牧野京子という新聞記者だった。

映画『MW ムウ』のあらすじ【転】

牧野はここ最近相次いでいる殺人事件について調べ上げ、被害者達が全員、沖之真船島という場所出身であることを突き止めたのだった。実は、結城が手にかけてきた人間は全員MWの関係者であり、自分達を地獄へと突き落とした彼らに制裁を下していたのである。

また、結城の野望はそれだけではなかった。こんなことがまかり通ってしまうこの世の中を、後遺症によって残り少ない自分の人生と引き換えに終わらせようとしていたのである。しかし、その矢先結城は後遺症によって倒れてしまう。そんな彼が頼ったのは、唯一心を許せる相手、賀来だった。

賀来は結城を助けるものの、彼に復讐をやめるように訴えた。しかし、結城はそんな賀来の頼みをはねのけるのだった。そして、賀来は結城を止めるため、橘に協力を求めることにした。橘と会う約束を取り付けた賀来がその場に向かうと、なんと、その場に橘の遺体があった。それも全て、賀来の行動を見越した結城による犯行だった。

映画『MW ムウ』の結末・ラスト(ネタバレ)

一方、事件を調査していた牧野は、とうとう賀来と結城の存在にたどり着く。そして、3人は全てを明らかにするべく、沖之真船島に降り立ったのである。MWは、まだ沖之真船島に存在した。結城は、そのMWを使って世界を破滅させようとしていたのである。

しかし、そのMWの中身は空で、本物のMWは米軍東京基地にあることを突き止める。結城は邪魔になる牧野を殺すと、自分を止めようとする賀来の制止を振り切ると、その基地へと乗り込んだ。そして、とうとう結城はMWを手に入れてしまう。結城はそのMWを手に、軍の輸送機に乗り込んだ。

しかし、そこには結城の行動を先読みした賀来と、賀来から協力要請を受けた警官が乗り込んでいた。そして、なんと賀来が、自らの命と引き換えにMWもろとも輸送機から飛び降りたのである。結城が乗った輸送機も墜落され、事件は無事解決したように思われた。しかし、それから暫くした頃、沢木のもとに一本の電話が入る。それは、死んだと思われていた結城からで、結城は改めて、世界を破壊することを宣言するのだった。

映画『MW ムウ』の感想・評価・レビュー

原作のとの格差に目をつぶれば緊迫感のある映画。といえるのも中盤を過ぎるころから厳しくなってくる。原作が巨悪の存在を舞台装置に翻弄される人間を描いたのに対して、映画では巨悪自体をストーリーの中心部に据えている為に人間の描写が薄くなってしまっている。そのせいで演者がストーリーにフィットしていない。借用するのであれば何を描いた作品かくらいは突き詰めて欲しい。(男性 30代)


MWの謎が明らかになっていくおもしろさと、結城が凶悪犯罪を犯すシーンの緊迫感が印象的でした。コメディ的な作品やヘタレな役柄の多い玉木宏が悪魔のような役、個性的でキャラの濃い役柄の多い山田孝之が信心深い神父の役という、普段のイメージとは真逆の役を演じているのも見どころです。二人の演技の幅広さに改めて驚きました。
ストーリーもおもしろかったので、ラストがすっきりしないのは少し残念でしたが、緊張感のあるサスペンスなのにテンポは良く、2時間があっという間でした。(女性 20代)


原作とは別物。期待値を上げ過ぎたのもあるが、個人的には「これじゃない感」が付きまとう。

原作では、殺人シーンに至るまでのキャラクターの感情の動きの描写がしっかり描かれていたのに対して、こちらは唐突に感じられるし、それでは視聴者は納得できなし感情も動かされない。

ただこれは原作愛に引っ張られた結果の感想なので、映画だけをみると悪くないようにも思えてしまう。特に玉木宏、山田孝之の演技は良い。原作の伝えたい事を抽出して実写化するには相性が悪かったのかも知れない。(男性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    沢木刑事が結城に目をつけた理由が強引だったり、東京基地のセキュリティーが甘すぎたり、ところどころに?となる点はあったもののテンポは良かったので気にせず鑑賞していました。最後で沢木刑事の携帯から結城の声がした時はゾクッとしましたが、その後望月総裁の演説中継でのお遊びというかおふざけのようなガス攻撃は脅しとはいえ、あまりに稚拙でこちらがびっくりしてしまいました。今まで華麗といってもいい完全犯罪を行ってきた結城らしくありません。そして映画を締めくくるラストのセリフが沢木刑事の「おい!」だったのも少しがっかりしました。そこはハッキリ「結城!」と叫んでほしかったです。しかし原作のラストでも、結城は実は生き延びているがその後どうなったかは明らかにされていないので、原作に忠実に作られたものといえます。

    それにしても、沖ノ真船島事件の首謀者といってもいい望月に何の制裁も加えられていないというのは、ストーリーとしてどうなのでしょうか。演説中にガスが漏れてきたのと結城が生きていたことで恐らく、これからじわじわいたぶるぞ、という意味なのでしょうが続編が作られていない現状ではもやもやしてしまうばかりです。復讐劇という題材の難しさを感じます。

    玉木宏と山田孝之というキャスティングは演技含め非常に良かったと思います。原作ファンの方には賛否両論あるようですが…。特に玉木宏は今まで爽やかな好青年タイプのイメージが強かったので、今回の冷酷非道な悪役は新鮮で目を引かれました。ただ銀行員として動いているときも同じ表情だと感じたので、時折その爽やかな笑顔を見せたりしていたらもっと恐ろしさが引き立ったのでは…と思います。

  2. 匿名 より:

    ①沖ノ真船島の厳重警備

    京子とともに沖ノ真船島を訪れた結城は貯水池に潜ります。その間に京子と賀来は侵入者として米軍のヘリから狙われ銃撃されます。しかし貯水池にはMWの空箱しかありません。ならばこの対応は大げさにも見えますが、MWを追い求めてきた人間は必ずこの沖ノ真船島に辿り着くとされているので、真相がバレる前に始末するというのが攻撃の理由です。

    ②原作との相違点

    原作である漫画と今作の内容はかなり違う設定や展開になっています。まず結城と賀来の関係は幼い頃からの親友ではなく、島に訪れた2人がたまたま出会ったということになっています。そして賀来は不良で、どちらかといえば結城を従わせる立場にありました。神父になってからも結城の懺悔を聞いてあげたりしています。そしてこの作品の一つのテーマになっている同性愛は映画では一切描かれませんが、原作では肉体関係を結んでいます。そのせいで神父である賀来は余計に苦悩や背徳感に襲われるのですが、その説明や背景が無かったのは残念です。しかし演じた2人にその設定は伝わっており、直接描写は無いもののそういった雰囲気のある演技を要求されたそうです。映画の賀来が結城に「俺にはお前がいてくれればそれでいいんだ」と言う場面なんかはその影響があると思います。

    ③ラストの結城と賀来

    軍用機からMWとともに海に落ちた賀来、海上での爆発前に脱出したパイロットのジョーンズ将軍、そして結城の生死は分からないままとりあえず事件は終わりを迎えました。最後、沢木刑事に電話をかける結城の姿でエンドロールを迎えるため生きていたのは確かです。しかしどうやって生き延びたのかは不明です。