映画『なまいきシャルロット』あらすじネタバレ結末と感想

なまいきシャルロットの概要:13歳の少女が思春期特有のモヤモヤを抱えながら迎えた夏休み。小さな出会いと別れの中で少女は少しだけ大人になっていく。クロード・ミレール監督が描くフランスの青春映画。1985年公開。

なまいきシャルロット あらすじネタバレ

なまいきシャルロット
映画『なまいきシャルロット』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

なまいきシャルロット あらすじ【起・承】

13歳のシャルロット(シャルロット・ゲンズブール)は最近とてもイライラしている。学校では友達から仲間外れにされており、家でも兄と喧嘩ばかりだ。母は既に他界しており、工具を作る職人の父にもメイドのイオーヌにも生意気な口ばかり効いてしまう。シャルロットの唯一の友達は近所に住む幼い少女ルルだけだった。

夏休みの直前、シャルロットは学校で天才ピアニスト・クララ・ボーマンのビデオを見る。自分と同い年のクララの優雅な姿に、シャルロットはすっかり魅了される。

シャルロットはルルを連れて父のお使いへ行く途中、クララと彼女のサポートをしているサムという男から道を聞かれる。偶然同じ目的地だったクララを旋盤工のフェルナのところまで案内し、憧れのクララと会話できたことでシャルロットは舞い上がる。

クララは日曜日にこの町でコンサートをするため、湖のほとりの屋敷に滞在していた。自分の暮らす環境がクララとあまりに違うことにシャルロットは苛立ち、ルルにまでひどいことを言ってしまう。そんな彼女をイオーヌは強くたしなめる。

シャルロットはフェルナのところにいたジャンから声をかけてもらう。ジャンの本職は船乗りで、休暇中だけここに滞在しフェルナの手伝いをしていた。クララのところへピアノの椅子を届けるというジャンと一緒に、シャルロットも屋敷へ入れてもらう。

ジャンには先に帰ってもらい、シャルロットは一人で屋敷に残る。クララの熱狂的なファンだと思われたシャルロットは、親切に扱ってもらえる。さらにクララからは“あなたのような付き人が欲しい”と言われ、シャルロットはその話を真に受けてしまう。

なまいきシャルロット あらすじ【転・結】

“日曜日のコンサートが終わったら、クララの付き人になって旅に出る”というシャルロットの話を聞いてルルはとても悲しむ。ルルには持病があり、しかも母は忙しい看護師で留守番の時はいつもシャルロットの家に来ていた。ルルにとってシャルロットは本当の姉のような存在で、かけがえのない人だった。

シャルロットは湖の屋敷に電話をかけ、留守番電話にメッセージを吹き込む。しかし屋敷はいつも留守で、クララとはあれっきり話すことができないでいた。

シャルロットは自分に好意を抱いているというジャンと好奇心で付き合う。ジャンは日曜日に旅立つことが決まっており、土曜日の夜、2人はデートをする。ジャンが滞在しているホテルの部屋でシャルロットはいきなり押し倒され、ガラス製の地球儀で彼の頭を殴って逃げる。シャルロットはジャンを殺してしまったのではないかと不安になる。

いよいよ日曜日のコンサートがやってくる。シャルロットはクララと旅立つつもりで荷造りも済ませ、ルルとイオーヌと3人でコンサートへ出かける。

クララが舞台に登場し演奏を始めると、ルルは突然立ち上がり“シャルロットがあの人と行っちゃいやよ!”と大きな声で叫び出す。この騒ぎで3人は会場から出されてしまい、シャルロットはルルを責め、トイレにこもって泣いてしまう。

コンサートが終わり、シャルロットは舞台裏でクララを待つ。しかしクララの周りには大勢のファンが詰めかけ、シャルロットは彼女に近づくこともできない。サムに事情を話すと、出口で待っているようにと言ってくれる。

出口で待っていたシャルロットにサムは手紙を渡す。クララはシャルロットに声をかけることもなく車で帰ってしまう。シャルロットを見つけたルルは、喜んで彼女の元に走ってくるが、途中で鼻血を出して倒れてしまう。

後日、ルルの入院先にはシャルロットの姿があった。“なぜ行かなかったの?”と聞くルルに“自分が自由になりたかっただけなの”とシャルロットは答える。

なまいきシャルロット 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1985年
  • 上映時間:97分
  • ジャンル:青春、ヒューマンドラマ
  • 監督:クロード・ミレール
  • キャスト:シャルロット・ゲンズブール、ジャン=クロード・ブリアリ、ベルナデット・ラフォン、ジャン=フィリップ・エコフェ etc

なまいきシャルロット 批評・レビュー

映画『なまいきシャルロット』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

思春期のモヤモヤ

なんだかよくわからないけれど、自分へのコンプレックスは日に日に肥大し、周囲の人間に当り散らしてしまう。そんな思春期特有のモヤモヤ感をとてもリアルに描き出している本作。当時14歳だったシャルロット・ゲンズブールが、等身大の主人公シャルロットを瑞々しく演じている。

この時期の悩みというのは、自分でもうまく表現できないものだ。この世界に漠然と感じる嫌悪感や将来への不安に押しつぶされそうで、突然泣きたくなったりする。でも親に甘えるのもなんだか照れくさい。自分のわがままだとわかっていても、反抗的な態度に出てしまう。そんな自分から抜け出したくて新しい世界へ強い憧れを抱くシャルロットの気持ちはよくわかる。クララにとって自分は特別な存在であると思い込むことで、シャルロットは満たされようとする。完全な現実逃避なのだが、とても共感できる切ない感情だ。

シャルロットの“人生って冷たいのね 怖いわ”というセリフにはドキッとした。確かに自分もシャルロットぐらいの頃、人が生きるってカッコ悪くて身も蓋もないことなのだと気づき始めて、いつも憂鬱だった。きっとシャルロットのように、気の晴れない顔をして傷ついたり傷つけたりしていたのだろう。

ルルという少女

近所に住むメガネっ子のルルは小学2年生か3年生くらいだろうか。まだ幼児体型で大きなメガネをかけたルルのナイスキャラクターぶりが傑作だ。

素直になれないシャルロットとは対照的に自分の喜怒哀楽や感じたことを全て素直に表へ出すルル。大好きなシャルロットが旅に出るという話を真に受け、クララのコンサート中に“シャルロットがあの人と行っちゃいやよ!”大声で叫び出した時はびっくりした。全く予想できないルルの行動は新鮮で愛おしい。

コンサートの後、シャルロットの姿を見つけて嬉しそうに走ってくるルルが鼻血を出して倒れてしまうシーン。ルルのまっすぐさとそれを見つめるシャルロットの何とも言えない切なげな表情がたまらない。音楽の入れ方も素晴らしい。このルルという幼い少女のナチュラルな存在感は抜群に効いている。

“1、2、3 太陽!”と言いながら生尻を道にピタッとつけていくルルの遊び?おまじない?は、意味はわからないけれどめちゃくちゃかわいくて大笑いした。今まで見た数多い子役の中でもルルのキュートさ最高レベル!大ファンになってしまった。

なまいきシャルロット 感想まとめ

無理のない自然な演出で、この時期独特の少女の不安定さを気持ちよく見せてくれる。フランス映画特有のアンニュイさやおしゃれ感はないが、むしろそこがいい。フランスの下町に暮らす人々の生活感や率直で温かい人柄が気取りなく描かれ、映画全体に何度も見たくなるような優しい魅力がある。

シャルロットの悩みは万国共通の普遍的なものだと思うので、ほとんどの人が彼女に共感できるはず。もちろん男性でもきっと大丈夫。少女漫画のような甘ったるいロマンティシズムが一切ないので、いくつになっても赤面せずに見られる青春映画であり、ヒューマンドラマとしても秀作だ。

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