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映画『セイジ 陸の魚』あらすじネタバレ結末と感想

映画『セイジ 陸の魚』の概要:2012年公開の日本映画。俳優・伊勢谷友介が監督を務めた作品で、大学4年の僕があるバーで働くことになりそこにいる人々との交流を通して、成長をしていく物語である。

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映画『セイジ 陸の魚』 作品情報

セイジ 陸の魚

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:伊勢谷友介
  • キャスト:西島秀俊、森山未來、裕木奈江、新井浩文 etc

映画『セイジ 陸の魚』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

映画『セイジ 陸の魚』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『セイジ 陸の魚』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『セイジ 陸の魚』 あらすじ【起・承】

20年前、僕は大学4年。
適当な就職先を決め、自転車で旅に出た。

自転車を降りた急な登り坂。
山道はきつかった。
街灯も無い真っ暗な山道にイノシシの死体があった。
すると後ろから車がやってきて、そのイノシシを荷台に乗せていってしまう。
これはセイジという男だった。

次の日、下り坂で僕は車とぶつかってしまう。
中から降りてきたのは面倒臭そうなチンピラ風の男で、自転車のタイヤが壊れ乗ることが出来ない僕を車に乗せある場所まで連れて行った。
そこは山道の途中にある小さな店で、バーのようだった。
チンピラ風の男はカズオと言った。
店先で声をあげると中から翔子という女性が出てきて手当してくれた。
店の中にはもう一人。
寡黙な男セイジがいた。

僕はカズオの一声でその夜から暫くバーを手伝うことになった。
小さいが常連に愛されているその店は、僕にとって楽しく思い出に残るものだった。
閉店後、僕はカズオから翔子とセイジについて聞く。
前の夫と別れるときに親権代わりに店をもらい、そこに働かせて欲しいとやってきたのがセイジだったと言う。

ある日店でバンドをしている常連客の引退ライブをした。
そこには同じく常連のゲン爺もいた。
セイジはゲン爺の孫・りつこに懐かれている。
ゲン爺は盲目だった。
最近店の近くで連続殺人事件が起こっている、そんな雑談をしながら僕は店の片付けをした。

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映画『セイジ 陸の魚』 結末・ラスト(ネタバレ)

雨の日。
ゲン爺とりつこが留守番をしていると、インターホンが鳴った。
その時ちょうどりつこはゲン爺にヘッドホンをして自分の録音した声を聞かせているところだったため、そのまま聞くように言い残し玄関に向かった。
するとそこにいたのはレインコートを着たずぶ濡れの男。
りつこは目の前で両親を殺された。
そして左手を切られたのだ。

住人達は代わる代わるりつこの様子を見に行った。
しかしセイジだけは決して行かなかった。
当たり前だがりつこのゲン爺も心を病み、すさんでしまっている。

セイジがりつこに会わない理由。
それはセイジも両親を殺し、殺人罪で少年院に入っていたという過去があったからだ。
だからこそ頑なにりつこに会わなかった。

しかしあるとき他のみんながりつこに会いに行った時、送り迎えを頼まれたセイジは渋々承諾する。
りつこの自宅に着くと出迎えたゲン爺がどうかりつこに会ってくれと言うので、会うことになる。
笑わない、魂の抜かれてしまったりつこを前にセイジは立ち上がった。
向かった先は庭で薪を割っているゲン爺のところだ。
セイジはゲン爺から鉈を取り上げ、りつこの前に戻ると自分の左手に振りかざした。
りつこはこの事で生き直すことになる。

20年ぶりに僕はバーを訪れた。
従業員に現在のオーナーを聞いてみると、呼んでくれた。
奥から出てきたのはりつこだった。
左手には義手をしている。
ここにいるという事実。
「良い20年だったんだね?」聞いてみた僕。
「私の神様は私の中に生きている」と笑顔で言うりつこだった。

映画『セイジ 陸の魚』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『セイジ 陸の魚』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

西島秀俊に頼りすぎ

良い俳優がたくさん出ている映画なのだが、どのキャラクターも何となく生きていて頭に入らない。
その中で唯一異彩を放つ西島秀俊の存在感だけに頼りすぎて、全体のドラマをごまかしている感がある。
彼の演技力、特に寡黙な役柄は非常に上手くて見いってしまう。
確かに彼さえ出ていればそれなりに雰囲気のある映画になるのだが、見終わったあとの内容の薄い感じが気になって仕方ない。
もう少しキャラクターに裏設定があると見やすく、感情移入がしやすいと思う。

思わぬ方向に進むラスト

どうやって話をまとめるのかと途中から疑問であったが、予想以上にハードなものだった。
何もりつこの両親を急に殺さなくても良かったし一体そこに何を求めているのかも謎。
ましてやそのままセイジが自分の左手を鉈で切り落とすなど、必要ない。
こんなに衝撃的なラストを鑑賞者は予想もしていないし、期待もしていない。
セイジの静かな人生を儚く描けば良かったのではないだろうか。

翔子の意味

全体的にキャストの雰囲気だけのオシャレ映画であることは間違い無いが、本作品に最初にキーパーソンだと思わされていた翔子があまりにも影が薄くなりこれまたびっくりである。
一体誰を主人公にしたかったのかもよくわからない。
翔子の物語をもう少し深く突っ込んだらドラマに奥行きが出ただろうし、登場の意味もあるというもの。

伊勢谷友介の感覚

この映画は俳優伊勢谷友介が制作したものだ。
そう聞くと納得出来る映像である。
オシャレで雰囲気のある映画を作る、そんなイメージがあるからだ。
確かに伊勢谷友介作品として見れば楽しめるのであればそれで良いのかもしれないが、アイドル的なものではなくしっかりした作品を届けて欲しい。


雰囲気の良いバーに集う常連たちとの交流が描かれるのかと思い、まったりとリラックスしながら見ていましたが、ストーリーは予想外の方向へ進んでいき、りつこが腕を切られるシーンはかなり衝撃的で、思わずえっ!?と声が出てしまいました。
何故このようなストーリーにしたのか、監督の伊勢谷友介は観客に何を伝えたかったのかはよく分かりませんでした。
セイジが腕を切り落とし、それによって生きる力を取り戻したりつこを見ると正しかったとは思えませんが1番正解に近かったのかなと思いました。(女性 30代)

映画『セイジ 陸の魚』 まとめ

静かで味のある雰囲気映画。
でもこれといって頭に残らない、そんな作品である。
伊勢谷友介の作品は初めて鑑賞したが、こんなに静と動をいり交えて製作する人だとは思わなかった。
面白くなくは無い。
しかし盛り上がって見られるかというと正直中だるみがあり、飽きてしまう。

本作品の良いところは西島秀俊の演技。
彼1人だけで全部持って行ってしまっている。
存在感があり黙っていても光る俳優というのは凄い物である。
全体的に内容の浅い物語だったので、それだけが残念だ。

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