『セブン・イヤーズ・イン・チベット』あらすじとネタバレ映画批評・評価

セブン・イヤーズ・イン・チベットの概要:1997年のアメリカ映画。セブンイヤーズ・イン・チベット(原題:SevenYears in Tibet)。実在したアイガー初登頂で知られるオーストリアの登山家ハインリッヒ・ハラーの自伝を映画化したもの。彼がチベットでダライ・ラマと過ごした7年間を描いている。

セブン・イヤーズ・イン・チベット

セブン・イヤーズ・イン・チベット あらすじ

映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』のあらすじを紹介します。

利己的なオーストリア人の登山家ハラー(ブラッド・ピット)は身重の妻を置いてヒマラヤ最高峰の山の登頂を目指し出かけてしまう。彼の利己的な性格はヒマラヤでもトラブルを起こす。一緒に登山をしている仲間との間にもそのせいで揉め事が起こるなど些細な事がきっかけで溝ができてしまう。

そんな時、雪崩が起こり下山を余儀なくされるハラー一行。下山するとそこは第二次世界大戦中の英独戦争の真っ只中、ハラー達は敵であるドイツ人と勘違いされ当時英国軍の植民地であったインドで捕虜となってしまうのだった。終戦を迎えたらオーストラリアに帰国し妻と生まれたばかりだろう子供に会いに行こうと願い、手紙を書くのだが返事は離婚届けという最悪の形で届くことに。それならばもう一度あのヒマラヤ最高峰の山を登ろうと、同じく捕虜となっている仲間と脱獄を試みる。

無事脱獄した二人は苦難の末、なんとかチベットの都ラサにたどり着く。当時外国諸国と交流のあまり無かったラサは禁断の地として有名だったが、チベットの人々は皆穏やかで彼らを外国人ゲストとして温かく迎えてくれた。ある時ハラーはチベットの国王的な存在ダライ・ラマの母親に彼の家庭教師を頼まれる。ハラーはダライ・ラマ14世に初めて会いにポタラ宮に出向くが驚いたことに彼はまだあどけない少年であった。

ダライ・ラマの家庭教師となったハラーは西洋文化、学問、マナーなどチベットの狭い社会で暮らしている彼にとって知りえない知識を教えられるだけ教えていた。またダライ・ラマは全てが新鮮で魅力的であり素直に全てを吸収していくのだった。ダライ・ラマにだけではなくラサの人々にもハラー達は西洋のスケートや文化などを気軽に教え、益々チベットの人々から信用されていった。

しかし、チベットで知り合い結婚までした仲間とは違い離婚し別れた妻とまだ見ぬ子供のことを思うと、いくら生活が満たされていようと心は孤独で悩み続けた。

そんなハラーの姿に気がついた賢いダライ・ラマはハラーを優しく慰める。こうして二人の年の離れた友情はもっと深いものとなっていった。

しかし平和な時代も長くは続かなかった。チベットの独立を許さない中華人民共和国が侵攻し独立を失うことになる。オーストリアの終戦を同じ頃耳にしたハラーは7年いたチベットを去る決意をする。

オーストリアに戻ったハラーは妻と息子に会いにいくが中々会うことを許されない。
ダライ・ラマと過ごした穏やかで素直な時間は利己的なハラーを確かに変えていた。それは物語の最後に分かる。アルプスを登っているハラーと息子の姿が映し出されるのであった。

セブン・イヤーズ・イン・チベット 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1997年
  • 上映時間:126分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ジャン=ジャック・アノー
  • キャスト:ブラッド・ピット、デヴィッド・シューリス、B・D・ウォン、マコ etc…

セブン・イヤーズ・イン・チベット 批評 ※ネタバレ

映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』について、3つ批評します。※ネタバレあり

リアルな映像美が物語を盛り上げる

ブラッド・ピットという有名ハリウッド俳優を起用したにも関わらず、映画は決して派手さは無く、ハラーという実在したオーストリア登山家が生きた証をひたすらリアルに描いていく。ハラーはもとよりチベットの人々との人間関係や、ダライ・ラマをとの心の交流をこれだけ説得力のある手法で造り上げている映画は他に例がないのではないだろうか。また、チベットのポタラ宮やヒマラヤ山脈などを本当に魅力的に撮影している。普通の人間が目にしたことが無いような風景の美しさは圧巻。狭い世界での撮影は見ているものに中だるみがきそうなものだが、その限られた社会を敢えてありのまま映すことでよりリアルでより身近な世界の話に感じさせられる。いつの間にかドラマの中に入り込まされてしまうそんな不思議な感覚になるのです。

他に類のないダライ・ラマとチベット世界の映画

一般人が旅行に行く可能性も少なく、日常的な情報や知識も少ないチベットやダライ・ラマというある意味タブー的な難しい題材。しかしその問題を巧妙にクリアしかなりのバランス感で偏ることなく最後まで描切っているのはさすがである。物語の中心がぶれたり偏ってしまうと作り手側の自己満足で終わり、見ている側はかなり不完全燃焼だったりもする。しかしこの映画はそういったことは無く冒頭からラストシーンまで主役がダライ・ラマに変わることなく、あくまでハラーの心情をメインにしていることで統一感があり映画にする意味のある作品になった。

ラストに向かうことで納得できる映画タイトル

映画や小説のタイトルは非常に難しい。中には意味の分からないタイトルや見たら全く内容が違うなんてことは日常茶飯事です。しかし本作は違います。なるほど、セブンイヤーズ・イン・チベットという何とも分かりやすく、映画を一言で要約しているタイトルバックになってます。

まとめ

近年益々活躍の場が広がり、実力派俳優としてその地位を不動のものとしたブラッドピットがまだ若かりし頃出演した映画。

しかしこの映画に出演したことで、「流行りの俳優」という立場から「映画の質を選び出演する確かな実力のある俳優」という評価へ変わっていきました。俳優として人気が出ることは素晴らしいことですが、そのせいでどの映画に出演しても物語を客観的に見ることが出来なくなっているのも事実。あくまで「ブラッド・ピットの映画」と言う風に見てしまう。極端に言うとどんな話でも彼の映画になってしまうのです。

しかし、この映画は彼がハリウッドの超有名俳優となった今観直しても「セブンイヤーズ・イン・チベット」という映画として最後まで鑑賞することができます。そのくらい映画と彼が同化して一つの芸術作品として完成されているということなのでしょう。

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