『少年H』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

デザイナー・妹尾河童の自伝的小説を映画化。水谷豊・伊藤蘭夫妻の共演が話題を呼んだ。監督は『鉄道員』の降旗康男、脚本は『ALLWAYS 三丁目の夕日』の古沢良太。

あらすじ

少年H』のあらすじを紹介します。

1941年の神戸。「H.SENO」と書かれているセーターを着ている主人公・妹尾肇(吉岡竜輝)。そのことを気にした肇は母親(伊藤蘭)に新しいセーターをせがむも、せっかく買ってもらったセーターにも大きく「H」と刺繍され、がっかりする肇。そのセーターの印象があまりにも強いため、皆から「H」と呼ばれるようになり、「少年H」が誕生した!というわけだ。
なんだかんだあって太平洋戦争が勃発する。なんとなくアメリカに勝てるのか不安なH。父親に発言を注意されてしまった。彼の記憶には親父からもらったはがきに描かれていた100階建てのビルのことが浮かんでいた。あんな凄いビルを建てられる国に、はたして勝てるのか?
その後、出会った女形とちょっと親しくなったHは、女形が首吊して自殺した姿を目撃してしまう。なんだか『あすなろ物語』で読んだことがある展開の後、父親(水谷豊)にスパイ容疑がかけられたり、戦争が激しくなる中でとぼけた母親に苦心しながら戦争を憎む少年Hであった……。

評価

  • 点数:40点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2013年8月10日
  • 上映時間:122分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:降旗康男
  • キャスト:水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝、花田優里音、小栗旬 etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『少年H』について、考察・解説します。※ネタバレあり

とにかく退屈な演出、ウリは夫婦共演だけ?

映画界には話題性重視で制作が進められる作品が数多く存在するわけで、そういう作品は監督の手腕が発揮されることが少なく、だいたい駄作です。とにかく退屈もしくはストレスが溜まる内容なのが共通点なのですが、本作は多分水谷夫妻の共演がメインの企画だったのではないかと穿った見方をしてしまうほどのつまらなさ、退屈さ。
そりゃあ、原作はかなり有名な作品だし、これまでに何度も映像作品化されてきました。登場人物や価値観についての批判を受けている作品ではありますが、それでも多くの人の支持を受けている。『永遠の0』みたいな感じの小説だと考えればいいでしょう。
メインになるのは戦争終結までの話なのですが、つまらない。脚本に古沢が起用された理由は『ALLWAYS』の脚本家だから、という以外の理由はないんでしょう。そういう態度がね…。古沢の脚本の欠点は、登場人物の徹底的な美化です。『キサラギ』もそうですけど、みんな善意で動いているんだという価値観にウンザリします。キャラクターの心境に大した変化が起こらず、悪い人は最初から悪い人のままというのが彼の手癖。情緒たっぷりなのはいいんだけど……。どのシーンも「夕焼けバックの優しい雰囲気なCM」っぽくて嫌な感じ。
降旗の演出も的確とは言えず、とにかく退屈な演出ばかりが羅列されるのには霹靂されます。もっと観客を引きつけるような映像的な凄みを見せて欲しかった。

まとめ

結論として、決して悪い映画ではないんです。途中までは楽しめた。さんざん古沢を批判しましたけど、そこは『ALLWAYS』みたいな楽しみ方が出来たところですね。彼を起用してよかったね、というポイントでした。しかし、後半がダメー!伝えたいことが全くわからない!ここは脚本を分業させて、古沢は中盤までの担当にして、後半は高畑勲にでも担当させればもっと良くなったのでは?もっとも、高畑は『かぐや姫の物語』の制作で忙しかったからムリだろうけど。
とにかく腹が立つのは、伊藤蘭です。なんだあのヤロー!切迫感がないんかお前には!クソ、中盤までは『ALLWAYS』的に楽しめたもんだから余計に腹が立ってしまいます……。ここまで具体的な説明がないのは、覚えてないからなんですよ。2時間の映画の内容が殆ど記憶に残らないってマズいよね。良かった部分は『ALLWAYS』的に楽しめたところだから、どっかで見たことある感じの話なんで記憶に残らんし。この映画は新鮮さに欠ける!

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