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映画『幸福の黄色いハンカチ(1977)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『幸福の黄色いハンカチ(1977)』の概要:知り合ったばかりの若い男女と、刑務所を出所したばかりの男が出会い、3人で北海道を旅するロード・ムービー。高倉健、倍賞千恵子の鉄板コンビを、本作で山田洋次監督に大抜擢されて映画デビューを果たした武田鉄矢と個性派女優として売り出し中だった桃井かおりが盛り上げている。山田洋次監督作品の中でもかなり評価の高い名作で、ハリウッドでもリメイクされた。

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映画『幸福の黄色いハンカチ』の作品情報

幸福の黄色いハンカチ

製作年:1977年
上映時間:108分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー、コメディ
監督:山田洋次
キャスト:高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり etc

映画『幸福の黄色いハンカチ』の登場人物(キャスト)

島勇作(高倉健)
夕張の炭鉱夫だったが、6年前に殺人事件を起こして網走刑務所に収監されていた。出所直後に欽也と朱美と出会い、一緒に旅をする。故郷は九州の飯塚。
島光枝(倍賞千恵子)
勇作の元妻。夕張のスーパーで働いていて、勇作と出会い結婚した。勇作と結婚する前に、離婚歴がある。以前流産したことがあり、勇作の子供も流産してしまう。
花田欽也(武田鉄矢)
東京の印刷工場で働いていたが、失恋して仕事を辞めてしまう。退職金を叩いて新車を購入し、北海道を旅する。かなりドジな三枚目。軽薄だが、人はいい。故郷は九州の博多。
小川朱美(桃井かおり)
東京で電車の車内販売員をしている。一人旅の途中で欽也にナンパされ、車に乗せてもらう。内気だが、慣れるとよく喋る。継母を嫌い、中学卒業後に家を出た。

映画『幸福の黄色いハンカチ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『幸福の黄色いハンカチ(1977)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『幸福の黄色いハンカチ』のあらすじ【起】

東京の印刷工場で働いている花田欽也は、失恋して会社を退職。退職金を叩いて新車のファミリアを購入する。欽也はこの車で北海道旅行へ行こうと友人を誘うが、誰も一緒に来てくれない。欽也は仕方なく、ひとりで北海道へ向かう。

フェリーで釧路港に到着した欽也は、車で網走方面へ向かう。網走の駅前で女の子をナンパするが、全く相手にしてもらえない。同じ頃、網走刑務所から島勇作が出所する。

勇作は食堂へ入り、ビールとカツ丼と醤油ラーメンを注文する。6年ぶりに飲んだビールは、勇作の五臓六腑に沁み渡る。その食堂に、一人旅をする小川朱美と彼女をナンパ中の欽也も入ってくる。しかしお互いの存在には気づいていない。

東京で彼氏に裏切られた朱美は、北海道へ傷心旅行に来ていた。なんとか朱美を車に乗せることに成功した欽也は、ハイテンションで喋りまくる。同じ頃、勇作は郵便局に寄り、出所を知らせるハガキを夕張方面へ出す。

欽也と朱美は、オホーツクの海岸を訪れ、たまたまそこにいた勇作に写真を撮ってもらう。その縁で、勇作も欽也の車に乗せてもらい、2人と一緒に阿寒温泉へ行くことにする。

阿寒温泉の宿で、欽也は朱美と2人部屋をとる。欽也の頭の中はいやらしい妄想でいっぱいだった。朱美は明らかに引いていたが、他に空き部屋がないようなので我慢する。欽也は朱美が風呂へ行った隙に、薬局でコンドームを購入していた。

夜。勇作は綺麗な布団にくるまり、幸せな眠りにつく。ところが、隣の部屋から朱美に言いよる欽也の声が聞こえてきて、ゆっくり眠れない。強引に欽也から迫られた朱美は大声で泣き出し、勇作は隣の部屋へ行って“いい加減にしろ”と怒鳴る。

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映画『幸福の黄色いハンカチ』のあらすじ【承】

翌日の車内は気まずいムードが漂っていた。朱美は優作と一緒に陸別駅で車を降りてしまう。別れ際、欽也と朱美は初めて名を名乗り合う。2人のやりとりを聞いて、勇作は呆れる。

次の汽車まではまだ2時間もあり、朱美は車を降りたことを後悔する。そこへ、欽也がカニを買って戻ってくる。

3人は近くの食堂でカニを食べながら、身の上話をする。朱美の機嫌もすっかり良くなり、欽也は“帯広まで一緒に行こう”と朱美に頼む。朱美と2人きりになりたかったが、結局勇作も同乗することになり、今度は欽也がすねてしまう。

帯広へ向かう途中、欽也が先ほどのカニに当たり、腹の調子を崩す。道沿いの農家で欽也がトイレを借りている間、対向車に車の移動を迫られ、無免許の朱美が車を動かす。ところが、朱美の下手な運転で車は土手に脱輪してしまう。朱美がハンドルを握り、勇作と欽也でなんとか車を道路上に押し上げるが、混乱した朱美はアクセルを踏み続け、車は牧草地の干草の山に突っ込んで停車する。欽也に責められ、朱美は“あんたがうんこなんかしなければこんなことにならなかった”と泣き出す。

その晩3人は、農家のおじさんの家に泊めてもらう。勇作は女を泣かせる欽也に腹を立て、“それでも九州男児か”と説教をする。

翌日、勇作は帯広から札幌へ向かう2人と別れて、汽車で夕張へ行くと言い出す。とりあえず3人は、帯広で休憩することにして、車を走らせる。

帯広の駐車場で、欽也は迷惑な駐車をしていた車のタイヤを蹴る。すると中からヤクザな男が出て来て、欽也を一方的に殴り始める。止めに入った勇作も殴られ、腹を立てた勇作は、男を痛めつけ、自ら車を運転して急いで現場を離れる。朱美は勇作の強さに感動し、欽也は運転できることを隠していた勇作に恨み言を言う。

映画『幸福の黄色いハンカチ』のあらすじ【転】

そのまま車を運転していた勇作は、警察の一斉検問で免許の提示を求められる。無免許だった勇作は事情を聞かれ、“殺人で6年3ヶ月刑務所にいて、おととい出所しました”と答える。それを聞いて、欽也と朱美は驚く。勇作はそのまま、近くの警察署に連れて行かれる。

ややこしいことになりそうだったが、その警察署には、6年前の事件の時にお世話になった渡辺係長がおり、勇作をすぐに帰してくれる。外では、欽也と朱美が待っていた。そのまま駅へ行こうとする勇作を、欽也は車に乗せてやる。そして勇作は、2人に自分の過去を語り始める。

若い頃、勇作は地元の九州でも刑務所へ入ったことがあり、その後もいい気になって暮らしていた。しかし30歳を過ぎ、ここままでは自分の一生はダメになると感じ、一念発起して北海道へ出る。

夕張の炭鉱で働く日々は、想像以上に過酷で、勇作はくじけそうになっていた。そんな時、近所のスーパーで働く光枝に一目惚れする。半年かかってようやく口をきき、光枝が独身だと知った勇作は、彼女をデートに誘う。不器用な勇作は、自分の想いをうまく伝えられず、すがるような気持ちで光枝を追いかける。光枝の離婚歴を知っても、勇作の気持ちは変わらなかった。勇作の一途さに打たれ、光枝は結婚を承諾する。

夫婦は小さな借家を借り、幸せな結婚生活をスタートさせる。翌年、光枝は妊娠する。病院での結果をどうしても早く知りたいという勇作に、光枝は“もし本当に子供ができていたら、家の前の竿に黄色いハンカチをあげておく”と約束する。仕事帰り、近所の銭湯の前で黄色いハンカチを見た勇作は、天にも昇るような気持ちになる。

映画『幸福の黄色いハンカチ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ところが、光枝は無理を重ねて流産してしまう。病院へ駆けつけた勇作は、光枝が5年前にも流産していたことを知る。勇作は無性に腹が立ち、その晩はお膳をひっくり返して家を出てしまう。そのまま繁華街をぶらついていた勇作は、2人組のチンピラと喧嘩になり、勢いでそのうちの1名を殺してしまう。

刑務所へ入った勇作は、光枝と別れることにする。勇作はそれが光枝のためだと思い込んでいたが、光枝は泣いていた。しかし、勇作には逆らえず、光枝は離婚届に判子を押す。

話を聞いた朱美は、光枝がかわいそうだと泣き出す。ずっと黙り込んでいた欽也も泣いていた。

翌日、3人は車で札幌に出て、そこで別れることにする。ところが、もうすぐ札幌という時になって、勇作が汽車で夕張へ行くと言い出す。実は勇作は、出所した日に“もしまだ自分を待っていてくれるなら、家の前の竿に黄色いハンカチをあげておいて欲しい、ハンカチがなければ、自分は黙って引き返し、二度と姿を現さないから”というハガキを光枝に出していた。欽也と朱美は、勇作と一緒に夕張へ行くことにする。

夕張が近づくにつれ、勇作は結果を知るのが怖くなり、“やっぱり引き返してくれ”と言い出す。欽也は“意気地がない”と説教をするが、勇作の剣幕に押され、車をUターンさせる。しかし朱美から“もし光枝さんが待っていたらどうするの”と言われ、勇作の心が動く。そして車は再びUターンして、夕張へ向かう。

夕張の町へ入り、勇作も観念して道案内をする。家の前の竿が確認できる銭湯の前で車を停車させ、欽也と朱美が車外へ出て周囲を見渡す。勇作は車内で、じっと目を閉じていた。その時、欽也と朱美の目に、風にたなびく何枚もの黄色いハンカチが飛び込んでくる。2人に促され、車を降りた勇作は、高々と掲げられた黄色いハンカチを見て絶句する。2人は勇作の背中を押し、車に乗り込む。

洗濯物を干していた光枝は、帰ってきた勇作のカバンを黙って受け取り、感極まって泣き出す。勇作は光枝の肩を優しく抱いて、家の中へ入っていく。

その様子をこっそり見ていた朱美と欽也は、感動で涙が止まらない。夫婦の愛に触発された2人は、車内で熱いキスを交わす。

映画『幸福の黄色いハンカチ』の感想・評価・レビュー

子供の頃、父親と一緒にテレビで放映していたのを観た記憶がある。
ふと懐かしく思い観なおしてみた。最後まで飽きることなく夢中になった素晴らしい作品だった。
黄色いハンカチのシーンは有名なのでわかっていても涙があふれた。
このシーンは劇場で観たかったな。

名作は古くなっても一向に色褪せないんだなと実感。
高倉健も武田鉄矢も桃井かおりも、役者さんたちは皆演技が上手く惹きこまれた。(女性 40代)


昭和日本のロードムービーの名作。
ロードムービーに求める全てが詰まっている。タイトルが示すラストシーンに向かって寸分の無駄なく、若かりし頃の高倉健、武田鉄矢、桃井かおりのスリー・トップに心奪われる。
高倉健と武田・桃井の別れのシーンがまた良い。余計な言葉を交わさず、高倉健の背中を押して去って行く武田と桃井。そして一緒に旅を終えた者だけが持つ感情で繋がる武田と桃井の姿を見て、本当に良かったと涙するのだ。(男性 40代)


山田洋次監督、高倉健主演のあまりに有名なヒューマン映画。「黄色いハンカチ=幸福」と、日本人なら誰しもが連想するだろう。
過去に犯してしまった過ちを後悔している勇作。その何とも言えない悲壮感を漂わせる高倉健の存在がすごい。そして、物語を引っ張る欣也役の武田鉄矢、朱美役の桃井かおりのキャラクターも素晴らしい。
渥美清や倍賞千恵子も出演し、今では絶対に見られない大御所たちの共演。それだけでも見ものである。(男性 40代)


あまりにも有名な作品ですが、1度も見た事がなかった今作。ストーリーのあらすじも全く知らなかったので、キャストや世界観、全てが新しく輝いて感じました。
寡黙で無骨な男というイメージの強い高倉健ですが、今作でも彼の男らしさは光っていました。背中で語ると言う言葉は彼のためにあるのではないかと思ってしまうくらいぴったりで、ラストの黄色いハンカチのシーン。一緒に旅をしてきた2人に背中を押されて家へと向かう勇作の後ろ姿にたまらない気持ちになりました。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    高倉健がラーメンにがっつく姿はたしかに凄い。高倉は2日間食事を抜いて撮影に挑んだという伝説が残っていますが、鬼気迫る演技でした。長年の抑圧から開放された男の喜びが伝わってくる最高のシーンです。

  2. 匿名 より:

    黄色いハンカチが画面に現れた時の映画的感動たるや、筆舌に尽くしがたい。これが映画ですよ。これがあるから映画は芸術なんです。他の芸術では絶対に味わうことのできない感動を見事に表現している!素晴らしい映画です。山田洋次はあまり好きではないものの、認めざるをえないでしょう。俳優の演技も良い。武田鉄矢はいい感じの田舎臭さで良いキャラでしたね。