『幸福の黄色いハンカチ』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

『男はつらいよ』で知られる山田洋次監督のロードムービー。北海道を舞台に、刑務所帰りの男と東京から傷心旅行に来た若者、一人旅をしていた女の3人で男の妻が暮らす夕張を目指す。渥美清も出演している。

あらすじ

幸福の黄色いハンカチ』のあらすじを紹介します。

失恋をキッカケに仕事をやめ、真っ赤なファミリアを買って北海道に傷心旅行に来ていた花田鉄也(武田鉄矢)は、網走で同じく東京から一人旅に来ていた朱美(桃井かおり)をナンパし、行動を共にするようになる。

一方、刑期を終え、網走刑務所から出所した島勇作(高倉健)。食堂でビールを飲みながらラーメンにがっつき、シャバの空気を満喫していた。鉄也と朱美は海岸で勇作と出会い、写真を撮ってもらった縁で3人で旅を始めることになった。

道中、勇作の無免許運転がきっかけで鉄也と朱美に刑務所帰りだということがついにバレてしまう。昔勇作の事件を担当していた渡辺係長(渥美清)の温情で事なきを得るが、勇作は自分の過去、そして目的地である夕張について2人に打ち明ける。

評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2010年4月10日
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:山田洋次
  • キャスト:高倉健、倍賞千恵子、桃井かおり、武田鉄矢、渥美清 etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『幸福の黄色いハンカチ』について、2つ考察・解説します。※ネタバレあり

無理はあるが感動的なストーリー

東京から来た男女がオッサンと旅する訳無いだろ!
終わりよければすべてよしという言葉がありますが、本作はまさにそんな感じ。序盤は何がなんだかよくわからない感じで進んでいきます。高倉健がラーメンにがっつく姿はたしかに凄い。高倉は2日間食事を抜いて撮影に挑んだという伝説が残っていますが、鬼気迫る演技でした。長年の抑圧から開放された男の喜びが伝わってくる最高のシーンです。しかし……なんで武田鉄矢は網走でナンパしてのかと。田舎娘を引っ掛けるのが目的なら、都会風美女に声掛けんなよ!よく知らないオッサンをファミリアに乗せて旅すんなよ!武田鉄矢にとって邪魔すぎる存在だろ!桃井かおりに襲いかかろうとした時に邪魔されてるし。健さんだから車に乗せました感がビンビンで、なんかね……。とはいえ、私が気になるのはこれくらいで、俳優の演技もお話も演出も北海道も最高でした。

高倉健・武田鉄矢のための映画

本作は高倉健にとっても、武田鉄矢にとっても非常に重要な作品です。
高倉は本作まで暫くの間ヤクザ映画にばかり出演しており、俳優としてマンネリ状態でした。再起を図るために主演し、見事に演じきり、俳優としての転換期を乗り越えたのです。

武田鉄矢は、撮影当時、世間から完全に忘れられた存在でした。海援隊の「母に捧げるバラード」のヒット以降は恵まれない芸能生活を送っており、身ごもった妻とアルバイトをしながら生活していたのです。しかも演技未経験だった彼がなぜキャスティングされたのかは山田洋次しか知らないんだそうですが、とにかく活動の幅を広げる絶好の機会を得たわけですね。なんだかロッキーみたいです。

まとめ

オッサンと若者が旅をするというトンデモ寄りの映画が、終わるときには号泣を誘う映画になっているなんて凄い。黄色いハンカチが画面に現れた時の映画的感動たるや、筆舌に尽くしがたい。これが映画ですよ。これがあるから映画は芸術なんです。他の芸術では絶対に味わうことのできない感動を見事に表現している!素晴らしい映画です。山田洋次はあまり好きではないものの、認めざるをえないでしょう。俳優の演技も良い。武田鉄矢はいい感じの田舎臭さで良いキャラでしたね。

高倉健の代表作ですから、今後半年間はテレビで何度も放送されることでしょう。名優の死をきっかけに過去作が再注目されるのはなんだか悲しくもあり、嬉しくもあります。あのじいさんはビートたけしと仲がいいだけのじいさんじゃないんだということを、若い映画ファンに教えてくれるのです。

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