映画『ステップフォードの妻たち』あらすじとネタバレ感想

ステップフォードの妻たちの概要:1975年公開のサスペンス映画。監督はブライアン・フォーブス。原作はアイラ・レヴィンの同名小説から。脚本はウィリアム・ゴールドマン。出演はキャサリン・ロス、ポーラ・プレンティスなど。

ステップフォードの妻たち あらすじ

ステップフォードの妻たち
映画『ステップフォードの妻たち』のあらすじを紹介します。

写真家であるジョアンナ(キャサリン・ロス)は、弁護士の夫ウォルター(ピーター・マスターソン)と娘と共に、コネティカット州に引っ越してくる。この街ステップフォードは、美しい閑静な高級住宅街であり、隣人たちは皆優しい理想的な街であった。

しかし、様々な主婦たちと仲良くなるにつれ、異様な違和感を感じ始めるジョアンナ。ここに住む女性たちは、夫にとって理想的な家庭的で貞淑で従順な主婦ばかりなのだ。ジョアンナよりも早く引っ越してきたというボビー(ポーラ・プレンティス)も同意見であり、この街に何か秘密があるのではないかと疑い始める。

一方、この街には男性しか入れないという「男性協会」が存在し、ウォルターがそこに入会して以来様子がおかしくなってしまう。また、自由奔放であったはずのボビーは、ある日を境に別人のようにステップフォード・ワイフ(理想的な妻)へと変貌してしまい、ジョアンナはこの街から逃げ出す事を決意する。しかし精神科医やウォルターは、口を揃えるようにすべては精神的な問題に過ぎないと言ってくるのみである。精神的に追い詰められていくジョアンナ。そして遂に彼女は「男性協会」が企んでいる恐ろしい秘密を暴露する。それは、妻を貞淑なロボットに差し替えてしまうというものだった……。

ステップフォードの妻たち 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1975年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:ブライアン・フォーブス
  • キャスト:キャサリン・ロス、ポーラ・プレンティス、ピーター・マスターソン、ナネット・ニューマン etc

ステップフォードの妻たち ネタバレ批評

映画『ステップフォードの妻たち』について、感想批評です。※ネタバレあり

原作者アイラ・レヴィンが描くディストピア世界

今作「ステップ・フォードの妻たち」の原作者はアイラ・レヴィン。推理小説「死の接吻」でデビューして以来、様々なジャンルの作品を生み出してきた。代表作は「ローズマリーの赤ちゃん」「デストラップ」「ブラジルから来た少年」など。彼の作品の中には一つのパターンがあり、それが「この完全なる世界」を代表とするディストピアものである。完璧な世界だと思われていたものが、徐々に崩壊していくという恐怖感。それは「ローズマリーの赤ちゃん」や「硝子の塔」、そして今作「ステップフォードの妻たち」にも共通するものだろう。

今作の舞台はコネティカット州にあるステップフォードという平和な街。ここでは問題は何も起こらない極めて理想的な街として描かれている。しかも奇妙な事にここに住む女性はみんながみんな、夫に従順な「理想的な妻」なのだ。だがその裏には恐ろしい秘密が存在していた。

男尊女卑のユートピア

この街には「男性のみが入れるクラブ」というのが存在していて、その裏では各家庭の妻を処分しては従順なアンドロイドと入れ替えるという恐ろしい所業を行っていた。これこそが理想的に見えるステップフォードという街の秘密そのものだったのだ。主人公である妻が、その秘密を調査していくというのがこの映画のメインプロット。まるで「ボディ・スナッチャーズ」のように街全体が支配されていく恐ろしさを味わえるのもこの作品の大きな魅力の一つである。

しかし、今作の一番不気味なところとは、男たちのその動機そのものが、自らの欲望を叶えようとしているだけであるという点にある。妻は家庭に入って従順な主婦であるべきである、そう考える去勢された男たちによる歪んだユートピア社会。女性の社会進出が目覚ましい現代だからこそ湧き上がってきた男達の危機感なのかもしれない。これこそが今作の最大のオリジナリティと言えるだろう。そうだとするならば、妻がアンドロイドに差し替えられてしまうというバッド・エンディングこそは今作にふさわしい終り方と言えるだろう。ちなみに2004年にフランク・オズ監督の手によりリメイクされているが、なぜかライトコメディとして作り替えられていて、原作のブラックさがみじんも感じられないのは非常に残念である。

ステップフォードの妻たち 感想まとめ

都会を舞台に描いたサスペンス映画「ステップフォードの妻たち」。男性から襲われる女性の恐怖を描いた作品だが、見方を変えれば強くなった女性を逆に怖がる男性たちの物語とも言える。現代では女性は家庭に入って男を支えるもの、という概念が薄れつつある。そんな中、男性優位を示したい男たちの歪んだ理想郷がこのステップフォードの街なのだ。一切反発のしない従順で美しい主婦たち。この映画を見た男性観客が、ちょっとうらやましいなと思ってしまうその感情すらも、この作品の狙いなのかもしれない。

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