映画『テイル・オブ・ワンダー』あらすじネタバレ結末と感想

テイル・オブ・ワンダーの概要:黄金を感じるという特殊な才能を持っていたため泥棒に誘拐されてしまった弟を探し、姉はあてのない旅に出る。独特の世界観を持ったソ連、チェコスロバキア、ルーマニアの合作による冒険ファンタジー。1983年公開。

テイル・オブ・ワンダー あらすじネタバレ

テイル・オブ・ワンダー
映画『テイル・オブ・ワンダー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

テイル・オブ・ワンダー あらすじ【起・承】

昔々。クリスマスの夜。ある小さな国の片隅で生きるマルタとマイの兄弟は、ご馳走の残飯をあさっていた。弟のマイには黄金を感じる超能力があり、その力を使えばお金持ちになれたが、姉のマルタはそれをさせなかった。マイは黄金を感じるとひどく苦しがったし、マルタは貧乏でも2人で一緒にいられたら満足だったのだ。

ところがサンタに化けた泥棒にマイは誘拐されてしまう。マイを探してマルタはあてのない旅に出る。途中、雪深い森の中で気を失っていたマルタを、オルランドという青年が助けてくれる。オルランドは博学の天才発明家で、一緒に旅をしてくれることになる。

泥棒と手下のブルータスは、マイを連れて竜の背中の向こうにある暖かく豊かな国へ逃げようとしていた。マイの超能力で黄金を探し当てたら、夢の城で暮らすつもりだった。

マルタとオルランドはマイの後を追って竜の背中を越えようとする。湖を船で渡っている途中、マイの乗った船と隣り合わせになるが、目を覚ました竜が激しく暴れ湖は大嵐となり、マルタはマイを助けられなかった。岸に流れ着いたマルタとオルランドは、ある町の食堂で休憩する。

その食堂でオルランドが大喧嘩をする。さらに泥棒たちの策略によって違法逮捕されたオルランドは、裁判にかけられる。運悪く裁判官は食堂で大喧嘩をした相手で、オルランドは餓死するまで塔に監禁されることになる。マルタは自ら塔に飛び込み、オルランドとともに閉じ込められる。

テイル・オブ・ワンダー あらすじ【転・結】

高い塔の屋上には出られることがわかり、オルランドは空を飛べる手製の翼を作る。翼に乗って塔を脱出したマルタとオルランドは、何とか森へ着地する。森の側にある町では多くの火が燃え、まるで祭りをしているようだった。

その火はペスト患者の死体を焼いている火だとわかり、2人は森へ逃げ込む。マルタはそこで2人の孤児を助けてやる。オルランドとマルタは離れがたくなっており、マイを救出したら、みんなで家族として暮らそうと約束する。

そこへペストを流行させている魔女がやってくる。オルランドはマルタと子供たちを守るため魔女と勇敢に戦い、魔女を退治する。しかしオルランドはペストをうつされてしまい、そこで息絶える。町からペストは消え、2人の孤児は祖母と再会することができた。

10年の歳月が流れ、旅を続けていたマルタはひどい王子のいる町へ行き着く。そこでマルタは王子一行の狩りの標的にされてしまう。残酷な王子はマルタを見て驚く。なんと王子は成長したマイだった。

姉との再会を喜ぶマイとは逆に、マルタは無慈悲な男に変わり果てたマイを見て嘆き哀しむ。王様となった泥棒はマイを奪われることを恐れ、マルタを砦に閉じ込めてしまう。マイはマルタを助けに来るがマルタはマイに絶望しており、このまま死なせてくれと言う。自暴自棄となったマイはより強力になった超能力を使い、城を破壊し始める。

瓦礫の山と化した城で、マルタは仮死状態のマイに人工呼吸をする。生き返ったマイは超能力を失い、手製の翼に乗って空を飛んで帰ろうと言い出す。マイにオルランドを感じたマルタは翼の絵を描いてもらう。それはかつてオルランドが描いた翼の絵と同じだった。

テイル・オブ・ワンダー 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1983年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー
  • 監督:アレクサンドル・ミッタ
  • キャスト:タチアナ・アクシュタ、アンドレイ・ミロノフ etc

テイル・オブ・ワンダー 批評・レビュー

映画『テイル・オブ・ワンダー』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

普通のファンタジーではない

姉のマルタは10年も弟を探し続け、ようやく2人は再会を果たす。ここで悪者と兄弟が戦う展開になるのかなと思いきや。弟のマイが一番の極悪人になっていた。

マイを誘拐した泥棒はマイを本当の息子のように感じており、今では黄金よりもマイの存在そのものが大切なのだと涙ながらに訴える。マルタを砦に閉じ込めたのも、マイを失いたくなかったからだ。おそらく甘やかされて育ったため、マイはわがまま放題の暴君に成長している。そんなマイを愛おしそうに見つめる泥棒。ここにきて悪党が息子を愛する父の心境を吐露するとは、複雑だ。

そして自暴自棄になったマイの行動がまた強烈。超能力を使って何もかもを破壊し尽くす。泥棒や召使たちも一網打尽。これは驚きだった。とにかく私たちが見慣れた普通のファンタジーではない。

オルランドの存在とマルタの今後

マルタとオルランドの関係もかなり不思議だ。そもそも大人のオルランドとまだ子供(に見える)のマルタが愛し合うようになっていくのにも違和感がある。オルランドがずっと一緒に暮らそうと言った意味は、マルタを子供として受け入れるという意味ではない。はっきりとは言わないが、女としてマルタを愛しているという意味だろう。そしてマルタも父や兄ではなく、男としてオルランドを愛しているのだと思われる。

そしてあの終わり方。息を吹き返したマイの肉体にオルランドの魂が宿っている。これはマルタとマイの今後が気になってしょうがない。ロシアではこれを子供にどう説明するのか聞いてみたい。いろいろややこしいでしょう。やっぱり。中身は恋人で肉体は弟って。

竜の全貌と2人の位置関係が猛烈に知りたい

マルタとオルランドにとって大きな障害となる竜の存在。この竜の背中を越えないと、マイが連れ去られた暖かい国へ行けないとのことだったが、全体図を全く見せてもらえないのでイライラする。竜がものすごくでかいということはわかるが、その全貌が見たい。

2人が立ち寄った享楽的な村と湖と竜の位置関係がわからないまま、2人は船に乗っており、目覚めた竜が大暴れして湖は大荒れ。村も破壊される。だから、今2人はどの辺にいるんだよ!竜の背中の向こうは湖で、その向こうが暖かい国ってこと?というイライラが募り、物語に集中できない。しょぼい地図でも何でもいいから一目全体図を見せて欲しかった。

テイル・オブ・ワンダー 感想まとめ

とても珍しい映画を見た。一応子供向けのファンタジーという前振りで見たのだが、いろいろとヘビーだ。楽しそうに笑っている子供の姿など皆無。連れ去られたマイはひどい拷問を受け、狭苦しいカゴに入れられずっと泣いているし、マルタも恐怖と怒りの連続で、常に厳しい表情をしている。大人は子供に容赦ない。“言うことを聞かないと、こうやって悪党に連れ去られるのよ!”と言って子供に見せたらかなりの効果が期待できそうではある。そういうところがロシアっぽいのかもしれない。

いろいろと生ぬるくないファンタジーなので、子供が泣き出したら無理強いは禁物だ。トラウマになる。

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