映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』の概要:数多くのディズニー映画で名曲を生み出してきたシャーマン兄弟。2人の生涯を振り返りながら、製作秘話や知られざる兄弟の確執を追うドキュメンタリー。2009年製作のアメリカ映画。
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:102分
- ジャンル:ドキュメンタリー、音楽
- 監督:ジェフリー・C・シャーマン、グレゴリー・V・シャーマン
- キャスト:ロバート・B・シャーマン、リチャード・M・シャーマン、ジュリー・アンドリュース、ディック・ヴァン・ダイク etc
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映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』 あらすじ【起・承】
ロバート・シャーマンとリチャード・シャーマンの兄弟は、「メリー・ポピンズ」や「くまのプーさん」などのディズニー映画で数多くの名曲を生み出してきた。1965年の第37回アカデミー賞では「メリー・ポピンズ」でアカデミー作曲賞、さらに作中で歌われた“チム・チム・チェリー”でアカデミー歌曲賞の二冠を達成した。
シャーマン兄弟はロシアから移住してきた父のアル・シャーマンと女優だった母の間に生まれた。父はアメリカ音楽の基盤を作った著名なソングライターであり、一家は各地を転々とした後、ビバリーヒルズに定住する。
兄のロバートは1925年12月19日生まれ。小説家を目指していたが、17歳で軍隊に志願し戦地へ向かう。ドイツの戦場で膝に銃弾を受け、それ以降は義足での生活を余儀なくされる。性格は思慮深く控え目なロマンチスト。
弟のリチャードは1928年6月12日生まれ。父の薦めで大学の音楽科へ進学し、交響曲の指揮者になりたいと思っていた。性格は明るく情熱的で、センチメンタル。
父の助言で2人は協力して曲作りを始め(主にロバートが作詞、リチャードが作曲を担当)ソングライターとなる。1958年にロバートはハリウッドで音楽出版社を設立。ディズニーのテレビ番組に出演していたアネット・ファンニセロにヒット曲を提供し、ウォルト・ディズニーから声がかかる。
兄弟はウォルト・ディズニーと初めて会い、彼に仕事を任される。1964年に開催されたニューヨーク世界博覧会のユニセフ館(ウォルト・ディズニーが製作)のテーマ曲「イッツ・ア・スモール・ワールド」を作り出し、ウォルトの信頼を勝ち得る。そして映画業界を変えるほどの名作となる「メリー・ポピンズ」の楽曲作りを任される。
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』 結末・ラスト(ネタバレ)
原作者とのトラブルもあって「メリー・ポピンズ」の完成には2年半の歳月を要した。映画は大ヒットし、シャーマン兄弟は大金と名声を手にする。表面上は仲のいい兄弟を装っていたが、2人の関係は決して良好とは言えなかった。正反対の性格をしている2人は、事あるごとにぶつかり、兄弟げんかを繰り返していた。
1966年12月15日。シャーマン兄弟が最も敬愛するウォルト・ディズニーが死去する。最大の後ろ盾であったウォルト・ディズニーの存在を失い、シャーマン兄弟はディズニー・プロダクションを去る。
フリーになってからも「チキ・チキ・バン・バン」を始め、いくつかの映画音楽を担当し、高い評価を得る。しかしロバートは徐々に音楽への情熱を失っていく。さらに2人の関係もプライベートでは全く行き来をしないほど悪くなっており、事務所をたたむことにする。
その後ロバートは最愛の妻を亡くし、ロンドンへの移住を決意する。2002年にロンドンへ渡ったロバートは、自叙伝を執筆したり、昔から好きだった絵を描いたりして過ごしている。リチャードは大好きな音楽に時間を費やし、様々な活動を行っている。
2006年にブロードウェイでミュージカル「メリー・ポピンズ」が公演されることになり、兄弟は久々に顔を合わす。シャーマン兄弟が生み出してきた名曲の数々は、世代を超えて、今なお世界中の子供たちに愛されている。
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
偉大なソングライター・シャーマン兄弟
「メリー・ポピンズ」や「くまのプーさん」など1970年以前のディズニー映画はよく見ており、映画内の音楽も脳裏に焼きついている。特に“チム・チム・チェリー”は楽曲全体の雰囲気も歌詞も大好きで、愛聴していた。しかし誰がこの曲を作ったのかなんて、考えたこともなかった。この作品で自分の好きなディズニー音楽の多くが、シャーマン兄弟の手によって生み出されていたのを知り、そこは単純に感動した。
さらに「イッツ・ア・スモール・ワールド」のテーマ曲を作った人たちであるとは驚いた。“世界はせまい 世界は同じ 世界はまるい ただひとつ”と世界中の子供たちが歌うこのアトラクションには平和への強い願いが込められている。この曲を作ったというだけでも、シャーマン兄弟は歴史に名を残す偉大なソングライターだ。その才能はすばらしい。
その裏側で…
子供たちに夢を与える数々の名曲を生み出してきたシャーマン兄弟だが、作品内では製作活動の裏側で確執を深めていく兄弟の様子が語られている。
音楽家気質の弟はよくしゃべるし、感情表現も豊かだ。対する作家気質の兄は淡々としている。弟が感動的に語る内容を、兄は“覚えていない”の一言で片付けてしまう。若かりし頃の兄弟を見ても、兄が喋っているとすぐに弟が話を横取りし、兄は不愉快そうに黙る。2人の雰囲気はまさに険悪。
しかし物作りの現場はこんなもんだろうという気もする。お笑いコンビがプライベートで完全に別行動をとることが多いように、この兄弟だって仕事場以外では相手から解放されたいと思って当然。遠慮なく喧嘩をするぐらいでないと、質の高い作品は作れない。ただ、それをあえてこの映画で世間に公表する必要があったかどうかは微妙なところ。周囲の人の思惑に反して、兄弟の温度差(兄はクール、弟は熱い)は再会の場でも相変わらずで、いい話になっていない。それを公表する狙いがよくわからない。
残酷な戦争の現実を目の当たりにした兄のロバートは“世界の悲しみに埋もれたくない、人々を幸せで包みたいんだ”と語っており、これには心を動かされた。兄弟喧嘩の詳細や息子や娘のつまらない話より、名曲に込めたそういう作者の想いを、もっと聞きたかった。
ディズニー映画に必要不可欠な素敵な世界観を演出する音楽。ディズニー映画に登場する音楽はアラン・メンケンのものが多いと思っていたのでシャーマン兄弟の存在は全く知りませんでしたが、チムチムチェリーや小さな世界など彼らが生み出した曲は名曲ばかりで、現在もディズニー映画には欠かせない存在となっているものでした。
ウォルト・ディズニーとの出会いによって大きく変わった彼らの人生。兄弟だからこその苦悩や対立など幸せばかりではなかったのだと思いますが、彼らの音楽が一生語り継がれていく存在になったというのは間違いないでしょう。(女性 30代)
映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟:シャーマン・ブラザーズ』 まとめ
多くの有名人のインタビューや懐かしの映像と音楽を取り入れ、退屈しない仕上がりにはなっている。しかしいろいろ盛り込みすぎてわかりにくい。やたらと身内が登場し、感動の展開に持っていきたそうだったが、そこは失敗している。空気を読んで協力的に涙を見せたりする弟に反して、兄は弟のことを聞かれると“よく知らない”とまで言う始末。兄が本気で弟を嫌っていることはよくわかった。この兄は正直者だ。
結局、一番心に残るのはウォルト・ディズニーとのエピソード。冷静な兄もウォルト・ディズニーの話の時だけ、涙ぐんでいた。シャーマン兄弟にとってウォルト・ディズニーといられた時期が人生の絶頂であり、むしろそこだけを深く掘り下げてくれても良かった。ディズニー作品が愛され続ける限り、シャーマン兄弟の名曲も歌い継がれる。もうそれでいいじゃないと思ってしまうような、不思議なドキュメンタリーだった。
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