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映画『メリー・ポピンズ』あらすじとネタバレ感想

映画『メリー・ポピンズ』の概要:『メリー・ポピンズ』(原題: Mary Poppins)は、1964年のアメリカ映画。監督は数多くのディズニー映画を制作したロバート・スティーブンソン。主演は本作でオスカー女優に輝いたジュリー・アンドリュース。

映画『メリー・ポピンズ』 作品情報

メリー・ポピンズ

  • 製作年:1964年
  • 上映時間:140分
  • ジャンル:ミュージカル、ファンタジー
  • 監督:ロバート・スティーヴンソン
  • キャスト:ジュリー・アンドリュース、ディック・ヴァン・ダイク、デヴィッド・トムリンソン、グリニス・ジョンズ etc…

映画『メリー・ポピンズ』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『メリー・ポピンズ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『メリー・ポピンズ』のあらすじを紹介します。

1910年。ロンドンの美しい桜通りに住むバンクス氏(デイヴィッド・トムリンソン)は厳格で気難しい銀行家である。彼の妻(グリンス・ジョーンズ)も婦人参政権運動に夢中で子供はベビーシッターに預けたままだった。しかし子供たちは腕白盛りでシッターが居つかない。ある日、子供たちは自分の理想とする、優しく、美しく、親切な若いシッターという条件をメモに書き父に見せたが、父はそのメモを暖炉に放りこんでしまった。そしてその願いは煙突から煙となり空高く舞い上がってしまう。翌朝、パラソルを開いた若い女性が子供の書いたメモを持って空から降りてきた。

彼女はメリー・ポピンズ(ジュリー・アンドリュース)という魔法使いである。子供部屋へ入り指を鳴らすと散らかったものが片づき、彼女が持ってきた不思議な鞄からは何でも出てくるのだった。絵画の中に入ることさえ可能で、その絵の中で遊ぶこともできる。

彼女がやって来てからは家中が朗らかになり、普段は不機嫌そうに仕事をしている召使いや料理人までが歌を唄いはじめ、バンクス氏はひたすらうろたえた。
子供のしつけにも厳しいバンクス氏は、彼らに倹約を教えるため銀行に預金させようとした。頭取が無理に預金をさせようとしたので、子供は思わず大声を出す。その騒動を目にした預金者たちは銀行が危ない状態だと勘違いし、払い戻しを求め窓口に殺到して銀行内は大混乱になった。逃げだした子供は途中で煙突掃除夫に扮装した大道芸人のパートに出会った。そこへメリー・ポピンズも現れ、煙突だらけの屋上に上り子供たちは初めてその高さを経験する。やがてあちこちからバートの友達の煙突掃除夫が現れ、煤にまみれ真っ黒になって皆で踊り続けた。

その夜、バンクス氏は銀行から呼び出され、騒動の原因を追及されて重役からクビを宣告されてしまう。しかし彼の脳裏にはメリー・ポピンズの魔法の言葉が浮かび、大したことではないといった素振りで軽やかな足取りで銀行を出ていった。翌朝家に帰ったバンクス氏は一家揃ってタコあげに出かける。一家の楽しそうな姿を見て、自分の役目を果たしたメリー・ポビンズは、風に乗って空に舞い上がりどこかへ去っていった。

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映画『メリー・ポピンズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『メリー・ポピンズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

どんな些細な出来事もエンターテインメントに結びつける想像力

やたらと厳しいながら両親に放ったらかしにされる子供たちの願いを叶えるかのように、空から風に乗ってやってきた不思議なベビーシッターのメリー・ポピンズ。ディズニー映画なので特にメッセージ性が強いわけではないだろうが、捨てる神あれば拾う神ありといった設定だろう。メリー・ポピンズの存在は、子供ながらに大人に対する憧れの姿として生まれたイドの怪物なのかも知れない。そして彼女は厳格で融通の利かない大人に、そんな生き方をしていてはダメだという、両親に伝えたいメッセージを運んできた弁護人のようにも思える。夢想家であるディズニー本人が制作に名を連ねたことだけあって、大人にも子供にも夢を忘れてはならないという、晩年の彼の願いが込められているように思えてならない。本作品を公開して二年後に亡くなったウォルト・ディズニーは、ディズニーランド開設前に「いつでも掃除が行き届いて、おいしいものが食べられる夢の世界を作りたい」と語っている。それは今現在に至るまでディズニーランドの土台となる思想であり、園内で行われる掃除にさえもエンターテイナー性が取り込まれており、本作品での煙突掃除夫のダンスという表現に結びついているのだろう。

考えるより感じる映画

上映時間139分は長いと思ったりする人もいるかも知れないが、それぞれのシーンで展開される細かいディティールを観ているとあっという間に終わってしまう。こういったファンタジーやアニメを観るコツは、1シーンごとに含まれる動きやセリフ、パロディの細かさを楽しむというのが重要である。スペクタクル映画を観るように、大きなストーリーの流れを掴もうと決してしないこと。飽きやすい子供のために創られている作品というのは、そういった細かな仕掛けがあちこちに点在しているものであり、表面的には子ども向けの作りをしている物語で、大人へ対するメッセージも織り込まれているという抹香臭いものは、後でしみじみと大人だけが振り返って感じればよいのである。

映画『メリー・ポピンズ』 まとめ

美しくも素晴らしい映像とストーリーで、古き良き時代のファンタジーの金字塔と言えるだろう。当時としては特殊技術も優秀で、アニメと実写を合成したシーンは、デジタル技術などSFの世界でも出てこなかった中、どうやって撮影したのか不思議に思うくらいに素晴らしい。そして織り込まれている数々の音楽は楽しく印象的で子供心を掴んで離さないだろう。傘を片手に風に乗ってやってくるメリー・ポピンズのキャラクターは、現代の子供たちにもぜひ見せておくべき作品のひとつだと感じる。

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