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映画『チャイナタウン』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『チャイナタウン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『チャイナタウン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『チャイナタウン』の結末までのストーリー
  • 『チャイナタウン』を見た感想・レビュー
  • 『チャイナタウン』を見た人におすすめの映画5選

映画『チャイナタウン』 作品情報

チャイナタウン

  • 製作年:1974年
  • 上映時間:131分
  • ジャンル:フィルムノワール、ミステリー
  • 監督:ロマン・ポランスキー
  • キャスト:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、バート・ヤング etc

映画『チャイナタウン』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『チャイナタウン』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『チャイナタウン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『チャイナタウン』 あらすじ【起・承】

1937年ロサンゼルス。私立探偵をしているジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)のもとにモーレイ夫人と名乗る女性が夫の浮気調査の依頼に来る。彼女の夫は水源電力局の施設部長をしているホリス・モーレイであり、ギテスはモーレイの尾行を開始する。

もとが砂漠だったロサンゼルスでは水が何よりも重要だった。現在も新たなダム建設の計画が進んでいたが、モーレイは地質の弱い土地に建設したダムが決壊し甚大な被害を出した事故を教訓とし、この計画に反対していた。

ギテスは仕事一途なモーレイが浮気しているとは思えなかったが、彼は確かに若い女性と密会していた。その現場を押さえた写真はギテスの知らないところで新聞にスキャンダルとして掲載され、モーレイと女性は行方不明となる。

ギテスはモーレイの本物の妻であるイヴリン(フェイ・ダナウェイ)から告訴される。これには何か裏があると睨んだモーレイは、独自で真相を探り始める。そんな時、貯水池でモーレイの水死体が上がる。イヴリンはなぜか警察に偽物の夫人の存在を隠し、ギテスを正式に雇う。調査を続けるギテスは事件の黒幕の手先に手を引くよう脅される。

偽のモーレイ夫人になったアイダという女性から“自分は頼まれただけだ”と連絡が入る。ギテスは誰かが貯水池の水を何万トンも捨てていることを突き止め、モーレイはそれに気づいたことで殺されたのだと確信する。

このロサンゼルスに水源を開発したのはモーレイとノア・クロス(ジョン・ヒューストン)という人物だった。イヴリンはクロスの娘であることがわかり、ギテスはクロスと会う。クロスはギテスに高額な報酬でモーレイの愛人を探して欲しいと依頼する。

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映画『チャイナタウン』 結末・ラスト(ネタバレ)

ギテスは水源電力局が特別に給水しているという北西部の土地が最近派手に売買されていることに目をつけ、その土地を見に行く。そこで立ち退きの嫌がらせをしに来た業者と勘違いされ、農民に痛めつけられる。気を失ったギテスをイヴリンが迎えに来る。

最近土地を買った地主は全てある老人ホームの入居者たちだとわかり、ギテスとイヴリンはその老人ホームへ向かう。本人の知らない間に地主となった老人の共通点は身内がクロスの経営する釣りクラブの会員であることだった。

そこで黒幕の手先から襲撃されたギテスはイヴリンに助けられ、彼女の自宅へ行く。その夜2人は愛し合う。深夜に電話で呼び出されたイヴリンを、ギテスは密かに尾行する。ある一軒家に入ったイヴリンはモーレイの愛人と会っていた。

翌朝、ギテスはアイダが殺害された現場に呼び出される。警察はイヴリンをモーレイ殺害の容疑者と見ており、イヴリンを出頭させないとギテスも逮捕すると言う。ギテスはイヴリンの自宅へ向かうが、彼女はすでにいなかった。自宅の庭の池でメガネを見つけたギテスは、イヴリンがここでモーレイを殺害したのだと思い込み、イヴリンを追う。

ギテスに詰問され、イヴリンはついに真相を打ち明ける。実はモーレイの愛人とされた女性はイヴリンが15歳の時に出産した娘だった。しかも父親はクロスであり、メキシコへ逃げたイヴリンをモーレイがずっと守ってくれていた。クロスから娘のキャサリンを守ろうとしているイヴリンを、ギテスはひとまずチャイナタウンへ逃がす。

全ての黒幕はクロスだった。クロスは大金とキャサリンを手に入れるため、邪魔なモーレイを殺害した。ギテスはクロスと手先に脅され、イヴリンのいるチャイナタウンへ向かう。そこにはすでに警察も来ており、ギテスは警察に真実を訴える。しかし警察が頼りにならないとわかっていたイヴリンは、キャサリンを乗せて車を走らせる。警察は車に向かって発砲し、停車した車からはクラクションが鳴り響く。

映画『チャイナタウン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『チャイナタウン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

最高に秀悦な脚本

ロサンゼルスという土地の特徴を活かし、水をキーワードにしたミステリーが思わぬ方向へと進んでいく本作。ジャック・ニコルソンの演じる私立探偵のギテスとともに殺人事件の真相にジリジリと近づいていく脚本は実に巧みであり、開始早々からどっぷりとこの物語に引き込まれる。

ストーリーが進むにつれ、水が乏しいロスの水源をめぐる汚職事件とフェイ・ダナウェイの演じるイヴリンに隠された秘密が微妙にクロスしていく。そのためギテスは事件の真相に近づくにつれ、イヴリンへの疑惑も深めざるをえない。しかしイヴリンの印象はどんどん良くなり、ついには彼女を愛するようになっていく。そうなると謎解きだけではない複雑なギテスの感情も絡み始め、物語からますます目が離せなくなる。

ストーリー展開が巧みであることに加え、各人物のキャラクター設定も見事だ。その人物の背景や性格、様々な嗜好まで考え抜かれていることが本作の随所に見て取れる。このロバート・タウンの脚本がアカデミー脚本賞を受賞し、現在も高い評価を得ていることは本作を一度鑑賞すればすぐに納得がいく。これほど秀悦な脚本はそうあるものではない。

全てにおいて完成度の高い映画

どれほど見事な脚本があっても、それだけで名作は生まれない。その脚本をいかに演出し映像化していくかは監督やキャスト、そして各スタッフの手腕にかかっている。その点でも本作はほとんど全てにおいて成功している。その一例はキャスティングにも見られる。

主演のジャック・ニコルソン、ヒロインのファイ・ダナウェイに加えて、悪の親玉であるノア・クロスを演じたジョン・ヒューストンの存在感は素晴らしい。世の裏側にはびこる悪を嫌というほど見てきたはずのギテスでさえ驚く、真っ黒な腹を持つ男をジョン・ヒューストンはすごい貫禄で演じている。声を張り上げて怒りをあらわにしたり、暴力を振るったりするシーンはひとつもないのに、巨大な悪魔のように彼は恐ろしい。

この個性的なキャスティングだけ見ても、ロマン・ポランスキー監督の異才ぶりを感じずにはいられない。


同じロマン・ポランスキー監督作品の「ローズマリーの赤ちゃん」のような後味の悪さが残る。後に明らかになるタイトルとの関連性や信じられないような事実はどこか気味悪く、決して甘く見てはいけない。

そしてジャック・ニコルソンとミステリーの組み合わせは相性抜群。私の苦手なフェイ・ダナウェイがヒロイン的ポジションを演じていたが、不穏な雰囲気を感じさせる役柄に完全にはまっていて好きになった。彼女の不思議な目に惹かれたように関係を持った二人。最後にはその目が撃ち抜かれて死に至るという何ともアイロニカルなエンディングはフィルム・ノワールの世界観を存分に演出していて絶対に見逃したくない作品だ。(女性 20代)


友人に勧められて鑑賞した今作。知っているキャストはジャック・ニコルソンだけだしタイトルやジャケットもあまりそそられなかったので大丈夫かなと心配になりましたが、想像以上に面白くシナリオもキャラクター設定も秀逸で一気に作品の世界観に引き込まれてしまいました。
全体的に暗くて重い、男っぽい空気感が流れているのですがその密度というか世界観が凝縮された雰囲気がたまらないです。これぞ映画だ!と言うのを表現している気がします。
難しいストーリーでは無いものの、ラストは衝撃の展開で終始ドキドキしながら見られました。(女性 30代)


古典的なフィルム・ノワールのスタイルでありながら、現代的な倫理の闇を描いた傑作。ジャック・ニコルソン演じるギテスが、徐々に巨大な陰謀に巻き込まれていく展開は、緊張感と不穏さに満ちていた。最終的に信じていたエヴリンが実の父親から娘を産んでいたという衝撃の事実が明かされ、ラストの悲劇へ。絶望と無力感を突きつけるあの結末、「チャイナタウンだから仕方ない」の一言が重すぎた。(30代 男性)


ロマン・ポランスキー監督の演出が冴えわたる名作。最初は単なる浮気調査かと思わせておいて、水資源を巡る巨大な利権の裏に張り巡らされた陰謀へと展開していく巧みな構成が見事でした。特に、ギテスが追っていたのは愛ではなく、正義でもなく、自らの過去と向き合うためだったという点に深みを感じました。救いのないラストに、これぞノワールという圧倒的な虚無感を覚えました。(20代 女性)


古き良きハードボイルド探偵ものと思って見始めたら、予想以上に重く、社会の腐敗や権力の傲慢さを突きつけられる映画だった。エヴリンとその娘をめぐる話があまりにも悲惨で、最後の銃声と悲鳴が耳に残った。ギテスがどうにもできない立場に追い込まれていくのがリアルすぎて、観終わった後にしばらく放心してしまった。恐ろしいほどに完成された映画。(40代 男性)


『チャイナタウン』の美術と衣装、カメラワークのすべてがクラシックで美しく、なのに内容は恐ろしくヘビー。そのギャップが本作の魅力。最も衝撃だったのはエヴリンの告白。「妹であり、娘でもある」というセリフは、映画史に残るトラウマ級の一言だったと思う。ラストで彼女が撃たれる場面には、涙よりも言葉を失いました。まさに不条理そのもの。(50代 女性)


大学で映画史を学ぶ中で出会った作品。ジャンル映画の典型でありながら、実はその枠を壊すような強烈なテーマ性に圧倒された。探偵が真実を追い求めた先にあるのが救済ではなく、絶望だという点が、現代の閉塞感にも通じていて普遍的。台詞も無駄がなく、すべての展開が後半に効いてくる脚本の精密さが天才的。学生だけでなくすべての映画好きに薦めたい。(20代 男性)


鑑賞後、「やるせなさ」と「怒り」がじわじわ込み上げてくる映画でした。エヴリンが娘を守るために必死になっていたことを知ったとき、その悲壮な愛情に胸が締めつけられました。ギテスが最後に何もできず、ただその場に立ち尽くす姿は、善が勝たない世界の象徴のようでした。映画の中で「現実とはこういうものだ」と突きつけられた気がします。(30代 女性)


初めて観たのは10代の頃でしたが、大人になってから観るとより心に刺さる内容でした。ギテスが信じていたものすべてが崩れ、エヴリンの死によって完全に打ちのめされる展開は、あまりにも残酷。それでも、彼がその後も“探偵”であり続けるしかないという虚無が、あの有名な「チャイナタウンさ」の一言に凝縮されているようでした。忘れられないエンディングです。(40代 男性)


チャイナタウンという土地が象徴する「混沌」と「理解不能な世界」に対して、ギテスは最後まで抗うこともできず、ただ巻き込まれていくだけ。それが物語の構造と見事に一致していた。ジャック・ニコルソンの渋さと、フェイ・ダナウェイの儚さがあまりに魅力的で、目が離せなかった。観終わってからも、ずっと心の中に残り続ける作品です。(50代 男性)

映画『チャイナタウン』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『チャイナタウン』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

L.A.コンフィデンシャル

この映画を一言で表すと?

1950年代のロサンゼルスを舞台に、腐敗と暴力の真実を暴くクライム・サスペンス。

どんな話?

理想と現実の狭間で揺れる3人の警官が、ハリウッドと警察内部の腐敗を暴いていく。派手な事件の背後にある陰謀と裏切り、そして正義を貫く苦悩を描いた、緊迫の警察ノワール映画です。

ここがおすすめ!

『チャイナタウン』同様、都市の裏側に潜む権力構造と腐敗を描いており、ミステリーとしての完成度も抜群。豪華キャストの演技合戦、重厚な脚本、どんでん返しの連続で引き込まれる一作です。

ゼディ・ザ・スパニャード(The Parallax View)

この映画を一言で表すと?

個人が巨大な陰謀に飲み込まれる恐怖を描く、70年代社会派スリラーの傑作。

どんな話?

上院議員暗殺事件の真相を追う新聞記者が、謎の組織「パララックス社」に辿り着くが、自らも危険に晒されていく。一人の男の執念が、国家レベルの陰謀の渦に吸い込まれていく様を描くサスペンス。

ここがおすすめ!

『チャイナタウン』のような救いのない結末と、冷徹な構成美が印象的な一本。陰謀と無力感に満ちた世界観は、現代社会の不信感にも通じ、観終わったあと深く考えさせられるスリラーです。

愛のメモリー(Obsession)

この映画を一言で表すと?

愛と喪失の記憶に囚われた男が辿る、予測不能な愛憎のミステリー。

どんな話?

妻子を亡くした実業家が、年を経てかつての妻に瓜二つの女性と出会い、次第に彼女に惹かれていくが、やがてその再会には信じがたい秘密が隠されていた。ヒッチコック的要素の詰まったロマンティック・スリラー。

ここがおすすめ!

ブライアン・デ・パルマ監督によるサスペンスの名作で、美しい映像と哀しい真実が織りなすドラマが魅力。『チャイナタウン』のような人間の業と哀しみを描くミステリー好きにぴったりです。

インヒアレント・ヴァイス

この映画を一言で表すと?

混沌と陰謀が交錯する、“ノワール×コメディ”の異色クライム映画。

どんな話?

1970年のカリフォルニアを舞台に、私立探偵ドックが失踪した元恋人とその関係者を追う中で、奇妙な人物たちと事件の迷宮に迷い込んでいく。ポール・トーマス・アンダーソン監督による破天荒なミステリー。

ここがおすすめ!

『チャイナタウン』と同じく私立探偵が真実を追う展開ですが、こちらはよりカオスでユーモラス。複雑な陰謀と煙に巻かれるような感覚がクセになる、ポスト・ノワールの秀作です。

ロング・グッドバイ

この映画を一言で表すと?

現代に蘇るフィリップ・マーロウが、孤独と誠実を貫くノワールの名作。

どんな話?

友人の頼みから始まった簡単な“送迎”が、やがて殺人事件へと発展。探偵マーロウは、友情と真実の間で揺れながらも真相に迫っていく。レイモンド・チャンドラー原作の名作小説を基にした映画化作品。

ここがおすすめ!

エリオット・グールド演じるマーロウのユーモアと孤独感が共存した姿が魅力的。『チャイナタウン』と同じロサンゼルスを舞台にしたノワールで、皮肉な結末まで目が離せません。雰囲気重視の人にもおすすめです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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