『時をかける少女(アニメ映画)』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

進路選択を迫られていた高校生のマコトは、ある日、自分の戻りたい時間に戻れるタイムリープの力を手に入れる。便利に思えたタイムリープの力であったが、次第にこの力を使えば使うほど、自分ではない誰かが嫌な思いをしていることがわかった。また、タイムリープできたのは自分だけではなく、意外なあの人にタイムリープしていたことがバレていたのだ!!

時をかける少女 アニメ映画

あらすじ

時をかける少女(アニメ映画)』のあらすじを紹介します。

理系と文系。進路をどちらにするか決めかねていた高校生2年生のマコトは、将来にやりたいこともなく、毎日を楽しく過ごすことで満足していた。

いつもツルんでいるコウスケとチアキとは放課後になると野球をするのが日課である。コウスケは医学部を目指し、チアキは数学が得意なのでおそらく理系に進むであろう。自分はどうしようかなーなんて気楽に考えるマコト。そんなマイペースで元気なところがマコトの取り柄であった。

ある日、日直だったマコトはクラスのノートをまとめ、理科室へ提出しに行った。誰もいないはずの理科室なのに、なぜか実験室から物音がする。不穏に思ったマコトは実験室の中を覗いてみるが、誰もいない。中に入り、見渡してみても誰もいない。不思議だなーと思いながら歩いていると、うっかりこけてしまい、持っていたノートを放り投げてしまう。その瞬間、なんとマコトの体は宙に吸い込まれ、猛スピードで異世界を駆け巡ったのだ。

すぐさまコウスケとチアキにこの不思議な話をしてみるが、2人とも信用するはずもなく、笑って流されてしまう。しかし、2人と別れた後、再び不思議な体験をしたマコトは、叔母であるカズコにこの話をしてみた。
「タイムリープかもね」とあっさりマコトの話を信じる叔母のカズコ。「実は私も昔体験したことがあるの」というカズコに逆にマコトが信じられないという顔をする。「使いこなせるようになれば?」という叔母の言葉が頭を駆け巡るマコトであったが、その晩にはすでにタイムリープの力をコントロールできるようになっていた。

自分の好きなようにタイムリープをし続けるマコト。しかし、次第にその力を使えば使うほど、マコトではない誰かに被害が及んでいることが分かってきた。また、タイムリープの力を使うには回数が限られているようである。さらに、マコトがタイムリープしていることを知る人物が現れて…!

次々と襲いかかるアクシデントにマコトはどう対処していくのか?!タイムリープの力がなぜマコトに身についたのか!?数々の謎は結末でスッキリします!

評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2006年7月15日
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:ファンタジー、コメディ、ラブストーリー
  • 監督:細田守
  • キャスト:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月 etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『時をかける少女(アニメ映画)』について、考察・解説します。※ネタバレあり

話の鍵を握る『白梅ニ椿菊図』。作画したのは監督ではないあの人!?

この作品の好評によって世に名前が知れ渡るようになった細田守監督。これ以前にも『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999年)や『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』など数々の名作アニメにも携わっている。

幼い頃からアニメが好きだったという細田監督は、金沢美術工芸大学へ進学し、サークル活動で映画製作をしていた。しかし、当時はアニメ映画ではなく実写映画をメインとしていた。

再びアニメと関わることになったのは卒業後に東映動画(現在の東映アニメーション)へアニメーターとして採用された経緯がある。

今回、話の鍵を握る『白梅ニ椿菊図』という展示品。この絵は実在する作品ではない。(ちなみに、この作品以外の展示品は実在する作品だそう)マコトの叔母であるカズコが勤め、この作品が展示されている美術館のモデルは東京国立博物館である。

監督自らがこの絵画をデザインしたわけではない。『時をかける少女』のストーリーの意図や構成を理解し、かつ美術的な知識に優れている人材にこの絵画のデザインを任せたかったのだ。

そこで採用されたのが平田敏夫氏である。彼はテレビアニメ『あしたのジョー』や『天才バカボン』を手がけたアニメーション監督である。彼もまた、武蔵野美術大学出身であり、西洋画科を専攻としていたため細田監督はその技量を信頼したのだ。細田監督の期待とおり、劇中の『白梅ニ椿菊図』は一見、岸壁のようにみえるが、中央にうっすらと女性の姿がみえる神秘的な作品に仕上がっている。

残念ながら、平田氏は昨年の2014年8月に76歳で亡くなっている。彼への追悼の意味を込めて、同年10月には東京国立博物館で本作品の野外上映会が2日間にわたって開催された。

まとめ

アニメ映画の巨匠といえば宮崎駿監督率いる「ジブリ作品」ですが、こちらの細田監督のアニメは今回の『時をかける少女』といい、その後の『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』も、ジブリ作品とは違った雰囲気の作品です。

まず、ストーリー自体もジブリ作品は架空の生物や世界(『ハウルの動く城』・『となりのトトロ』など)や現代ではない時代(『もののけ姫』や『天空の城ラピュタ』)を舞台に描かれることが多い一方で、細田氏の作品では現代を生きる人間を中心に起こるSF・ファンタジー作品といえますが、細田氏の一番の特徴はアニメの描写でしょう。

特に、まるで生きた人間のように滑らかに動く人間のイラストには圧巻させられます。動きは人間のようですが、一方では表情は可愛らしくアニメと言ったギャップがまた印象的です。

また、背景や場面の描写にCGをふんだんに取り入れ、現実世界をリアルに描いています。本作品を見ながら、昔見た『スチームボーイ』(大友克洋監督)という作品を思い出しました。彼の作品もまた背景にCGを多用しており、よりスケールの大きい描写がされていたと思います。

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