映画『海のふた』あらすじネタバレ結末と感想

海のふたの概要:よしもとばななの新聞連載小説「海のふた」を2015年に豊島圭介監督が映画化した日本映画。東京から帰り故郷でかき氷屋を始める主人公のまりと祖母を亡くし心に傷を負った少女はじめの成長物語。

海のふた あらすじネタバレ

海のふた
映画『海のふた』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

海のふた あらすじ【起・承】

東京の大学を出て舞台美術の仕事をしていたまり(菊池亜希子)は、突然“故郷の海のそばでかき氷屋をやろう”と思い立ち地元へ帰る。

港で酒屋の息子のオサムと会いその夢を語るが、オサムの反応は冷めていた。

早速海岸近くの空き家を借り、内装や家具も手作りの開店準備を始める。

そんな中、母の友達の娘はじめ(三根梓)がまりの実家で居候することになる。はじめは祖母の家で父母と暮らしていたが、祖母が亡くなり遺産分与のためその家を売ることになり行き場をなくしていた。はじめには過去の火事で負った火傷の跡が顔反面に残っている。大好きな祖母を亡くして悲しみの中にいるはじめに、まりは店を手伝ってもらうことにする。

「なぎ堂」という店名のまりのかき氷屋には、サトウキビから作った糖蜜と地元のミカンを使った2種類のシロップと、エスプレッソしかメニューがない。それはまりのこだわりであったが、お客さんは全く来ない。

徐々にはじめと打ち解けてきたまりは火事のことを聞く。はじめは“おばあちゃんが守ってくれたから全然怖くなかった”と答える。顔の痣のことも気にしていないようだった。

まりは地元の町が過疎化していることを嘆いており、オサムにそのことを愚痴る。

はじめはオサムと初めて会って、オサムがまりの元彼だと察する。話の流れで、はじめにもアフリカでボランティア活動をしている彼氏がいることがわかる。

まりは泳いだことのなかったはじめを海へ誘い、はじめは生まれて初めて海に入る。

海のふた あらすじ【転・結】

ある日、まりとオサムは2人で町を散歩する。まりは懐かしそうに思い出を語り、また町の現状を嘆く。ずっと地元で生きてきたオサムは、地元を出たまりが思い出を美化し、現実を見ようとしないことに苛立ち、怒って帰ってしまう。

まりの店に“この店をチェーン展開しないか”というセールスマンがやってくる。しかし、お金儲けには興味がないと言って断る。

その晩、オサムが花火をしようと2人を誘いに来る。3人は海辺で花火を楽しむが、オサムは早々と帰ってしまう。

はじめはオサムの様子がおかしかったことに気づいており、夜中にまりを起こし2人はオサムの家へ向かう。はじめの予想通りオサム一家は借金のため夜逃げをするところだった。
まりは行こうとするオサムに“逃げるな、もっと頑張れ”と訴えるが、ずっと地元で頑張ってきたオサムはすでに限界で、まりの訴えを聞き入れず行ってしまう。

落ち込むまりにはじめは“まりのイラストをぬいぐるみにして売りたい”と頼む。そんなはじめに母から“家が売れた”と連絡が入る。

はじめは一人で海に入り、クラゲに刺されて熱を出す。その晩、まりに“アフリカへ行って帰って来たらぬいぐるみを作る”と告げる。そしてはじめは帰っていく。

後日、イチゴのシロップを増やしたまりの店には子供達がかき氷を食べに来ており、カウンターにははじめが作ったらしいぬいぐるみが飾られいていた。

海のふた 評価

  • 点数:20点/100点
  • オススメ度:★☆☆☆☆
  • ストーリー:★☆☆☆☆
  • キャスト起用:★★☆☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★☆☆☆☆
  • 設定:★☆☆☆☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:84分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:豊島圭介
  • キャスト:菊池亜希子、三根梓、小林ユウキチ、天衣織女 etc

海のふた 批評・レビュー

映画『海のふた』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

不親切な脚本

この映画の脚本は、原作を読んでいないなら話がよくわからなくても仕方ないと言っているような脚本だ。

まず、まりが東京で仕事を辞めて地元へ帰ってきた理由も“かき氷屋をやりたいから”だけではなく、何か挫折があってそう思ったのだろうと想像する(しかない)が、本人も親も何ともなさそうなので、単純にかき氷屋がやりたいだけにも見える。

はじめについては祖母の死を悲しんでいて、顔のやけどは火事が原因という過去についてはわかるが、現在彼女は一体何歳で何をしている人なのか謎のままで、そもそも何でここへ来たのかがさっぱりわからない。そして、アフリカへ行くとかぬいぐるみを作って売るとか言って帰っていく。結局、最後まで謎の少女であった。

空気感や雰囲気重視の作品なのだろうが、これほど少ない登場人物と大きな事件も起こらない内容なのに、脚本が大雑把なので謎ばかりが残る。わからなかった人は原作を読めといわんばかりの乱暴さだ。

まりは本当にここで生まれ育ったのか?

まりはやたらと地元愛を語っているが、ここは本当にまりの故郷なのだろうか?

まりの感じる地元の変化は形(廃屋やシャッター街や海など)ばかりで、ずっとそこに生きている人の変化には全く無頓着だ。しかも、地元のはずなのに接する人は元彼のオサムだけ。やっと店へ入ってきた地元のおっちゃんらしき人たちはオサムとは親しげだがまりのことは全然知らないように見える。お互いものすごくよそよそしい。

ずっとモヤモヤしているところでオサムが自分のモヤモヤを代弁してくれて助かった。
夜逃げするオサムに“逃げんな!お金になんか負けないでオサムが稼げ!”とまりは叫び“趣味で店をやっている奴に言われたくない”とオサムは反論するが、オサムの言う通り。

ここで生まれ育った人間が1年中海辺でかき氷屋をやって生活できるなんて思うわけがない。季節外れのビーチがどれほど閑散としているか、地元民なら知っているはずだから。

海のふた 感想まとめ

この映画は菊池亜希子演じる主人公のまりとはじめを演じる三根梓のシーンがほとんどを占める。2人のファンなら別だろうが、普通の観客にはそれがとてもきつい。

地元でずっと生きてきたオサム以外、登場人物(まりの両親も含む)がふわふわしすぎてみんな現実味がない。その割に主人公は地方都市の過疎化に問題提起したり、金儲け主義を非難したりするので嘘くさい上にただの痛い人に見えてしまう。

話もあちこちに飛び、伏線のない展開が突然訪れる感じでついていけない。

「海のふた」というタイトルのもとになっている歌も多分物語の重要なポイントなのだろうが演出が悪くて歌詞が聞き取れないし、本当に観客のことを考えていない映画だ。

こういうふわふわした世界観が好きな人だけには楽しめるのかもしれない。

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