『絶唱(1975)』あらすじ感想とネタバレ映画批評・評価

絶唱(1975)の概要:大江賢次原作の日本映画。1958年、1966年と映像化されているが本作は1975年度版で主演は山口百恵である。ドラマ化されるほどの人気がある小説である。

絶唱

絶唱 あらすじ

映画『絶唱(1975)』のあらすじを紹介します。

山陰地方の大地主・園田家。
跡取り息子で大学生の順吉(三浦知良)は山番の娘・小雪(山口百恵)を愛していた。
しかし、身分の違いから結婚に反対していた父・惣兵衛は町の実業家の令嬢・美保子と結婚させようとする。
そして小雪は惣兵衛の策略により、順吉に会えぬよう親戚に預けられることになってしまった。

大学の休暇から戻った順吉はそのことを知り、小雪と駆け落ちをする。
駆け落ちした先で貧しいながらも何とか働きながら生計を立てていた二人だったが、それでも幸せに満ちていた。
そんな中戦況は徐々に悪化し、ついには順吉の下にも招集礼状が届いてしまう。
二人は毎日同じ時間に同じ歌を歌うことを約束し、順吉は戦場に向かった。

その後戦争は悪化。
順吉からの頼りも途絶えてしまい不安な日々を送る小雪だった。
長い時間、毎日歌を歌うことで自分自身を励ましていた彼女だったがついに戦争が終わる。

しかし小雪の体は結核に蝕まれ、その人生にピリオドを打とうとしていた。
息を引きとったその日、順吉が復員して来る。
生きて再会することができなかった二人だったが、埋葬する前に結婚式をしてあげたいと考えた順吉は山に帰ることを決意。
村人たちが涙ながらに祝福する中、故郷の地に戻った二人は最後の幸せの時間を過ごすのだった。

絶唱 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1975年
  • 上映時間:96分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:西河克己
  • キャスト:山口百恵、三浦友和、辰巳柳太郎、吉田義夫 etc

絶唱 批評 ※ネタバレ

映画『絶唱(1975)』について、2つ感想批評です。※ネタバレあり

文学的名作の映像化

大江賢次原作ということで堅苦しいイメージがあったが、主役が山口百恵と三浦知良ということでうまくメディア化され見やすかった。
70年代の映像ということもあり少々古臭さも感じたが、それはそれで味があり名作を観ている雰囲気が出て良い。
身分違いの恋愛、戦争、病気とどうしようもない運命を背負った若者の人生を悲しすぎず、明るすぎず映画いている手法が名作の醍醐味であるだろう。

衝撃的なオープニングが斬新

昔話でも語るかのような口調で話すナレーション。
その内容は「美しい花嫁、この時実はこの世のものではなかった」という種のものであった。
まさかそんなナレーションが流れるとも思わずぎょっとした。
最初のこのナレーションがかなりの興味を引き出してくれることは間違いなく、この先何が起こるのか恐ろしくもなるほどであった。

前知識無しでは驚く結末

当時山口百恵と言えば大人気のアイドルであった。
それがこの役を演じるということは大胆な挑戦であったのではないだろうか。
戦争に行った順吉を待つ間に結核になってしまうという悲恋はお約束ではあるが、亡くなってしまいその状態で結婚式をあげるというまさかの結末。
未だかつて亡くなった女性と結婚式をあげる、それも日本映画では観たことが無かったので正直困惑した。
純愛を貫いた若い二人の悲恋を描いていたはずなのに、どこか不気味さを感じさせられたからである。
小説で読めば美しく儚い物語として終わることができたのかもしれないが、映像にすると正直奇妙であり驚いた。

また、白無垢という古来の伝統的な装束が余計にリアルさを増し不気味なものにしたのかもしれない。
いずれにしても山口百恵が出演ということで気軽に見るとびっくりする映画であることは事実である。

絶唱 感想まとめ

1970年代の日本映画は本当に凄い。
現在の映画は物も溢れ、制作費用もかかっているなど見るからに豪華で楽しむことができる作りとなっているものが多い。
しかしこの時代は激しい映像はタブーとされ、美しく慎ましやかなヒロイン像が好まれた名作が多い。
そのような制限の中で多くの人びとが魅了され、万人受けするような作品を作ることが出来ているメディアの力は尊敬に値する。
今のように映画やドラマが多様化され自分で観るものを吟味することも大切なことであるが、限られた俳優、限られた設定の中で作り上げたものを周囲の人々と共有する楽しみというのも必要だ。
団塊世代の人々が「あの時代のあの映画が良かった」と大勢で盛り上がっている姿は今の若者には見られない姿であり、日本の1番成長していた時の良い時代であったのだろうと羨ましくなる。

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