映画『007 ダイヤモンドは永遠に』の概要:「007/ダイヤモンドは永遠に」(原題:007:Diamonds Are Forever)は、1971年のイギリス映画。原作はイギリスの冒険小説家イアン・フレミング。007シリーズの七作目にあたる作品。監督は「007:ゴールドフィンガー」以来、本作が二作目となるガイ・ハミルトン。主演は「007は二度死ぬ」から1作開けて復帰した、ジェームズ・ボンド役にショーン・コネリー。共演のボンドガール「ティファニー」役にジル・セント・ジョン。
映画『007 ダイヤモンドは永遠に』 作品情報
- 製作年:1971年
- 上映時間:125分
- ジャンル:アクション、サスペンス
- 監督:ガイ・ハミルトン
- キャスト:ショーン・コネリー、ジル・セント・ジョン、チャールズ・グレイ、ラナ・ウッド etc
映画『007 ダイヤモンドは永遠に』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『007 ダイヤモンドは永遠に』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『007 ダイヤモンドは永遠に』のあらすじを紹介します。
スペクターの首領ブロフェルド(チャールズ・グレイ)の居場所を探し回り、ようやく彼のアジトを突き止めたジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、そこでブロフェルドを仕留める事に成功する。当面の敵であったブロフェルドが死に、ジェームズはMI6がドナルド卿から依頼されたダイヤの密輸事件の担当になる。世界のダイヤ産出において80%のシェアお誇る南アフリカでは、ダイヤ原石の掘削作業員やその周辺関係者により、200万ポンドにのぼるダイヤモンドが闇へと密売され、闇市場にも出回っていない。もし何らかの意図で貯めこまれるとすれば、ダイヤモンド産業は一挙に危機にさらされてしまうとダイヤモンド協会は恐れている。上司のMはジェームズに事のいきさつを説明し、ダイヤ密輸の運び屋であるピーター・フランクスという男に変装して、アメリカ密輸シンジケートへの潜入を命じた。ティファニー(ジル・セント・ジョン)という女から、ダイヤをロスへ運ぶよう依頼されたジェームズの前に、MI6に捕らえられていた本物のピーターが脱走して現れたが何とか撃退し、遺体を兄のものだと偽装工作し、その体内にダイヤを隠してジェームズはアメリカへと持ち出した。
アメリカのネバダに到着した遺体は火葬場へ持ち込まれ、待機していたジェームズに届けられた骨壺にはダイヤがぎっしりと詰まっていた。しかし不意を突かれたジェームスは背後から襲われダイヤを何者かに奪われた挙げ句に、棺桶に詰め込まれて火葬にされかかるが、燃やされる寸前に蓋を開けられ、奪ったダイヤが偽物だとバイヤーの老人から言いがかりを付けられる。本物のダイヤは現金と交換だという条件を突きつけ、その場を去ったジェームズはラスベガスへと出向き、カジノでギャンブルに勤しむ。そしてホテルに入ったジェームズには不審な男たちが待ち構えていたが、それを追い払った背後の部屋でティファニーが彼を待っていた。ジェームズとベッドを共にしたティファニーは彼と共同してダイヤを持ち逃げする計画を仄めかす。ジェームズの事をピーターだと信じ込んでいるティファニーをカジノの中で泳がし、CIAの捜査官と共に遠くから監視するジェームズだったが、彼女はまんまと逃げ果せてしまう。そして再びティファニーの隠れ家に現れたジェームズは、そこのプールで彼女の身代わりとなって殺されていた女性を発見し、ティファニーの命もシンジケートに狙われている事を告げる。やがて空港で不審な荷物を受け取るワゴンの男を追い、ティファニーの芝居で油断させている隙にワゴンへ忍び込んだジェームズは、砂漠の中にある研究施設へ到着し、そのまま研究員に変装して潜入する。そこで彼は怪しい研究をしている集団と遭遇し、砂漠の中での追走劇をきっかけに事態は急展開を見せ始める。
映画『007 ダイヤモンドは永遠に』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『007 ダイヤモンドは永遠に』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ショーン・コネリーの007復帰作にしてはイマイチ物足りない
最初からあっけなくスペクターの首領ブロフェルドに復讐を果たしてしまうボンドであるが、何か取って付けたような冒頭シーンであり、後の話に繋がらないというところが中途半端である。シークエンスのつながりも途切れ途切れであり、ストーリーの中で連続して高まってゆく緊張感が見えてこないので、冗長さは否めないところだ。ヨーロッパでのシーンはまだ良かったのだが、アメリカに渡ってからが本番であるというのに肝心の部分で話が盛り上がらない。結局は殺されたブロフェルドが実は生きており、事件の裏で糸を引いていたという場面までの展開に退屈してしまい、それを覆すようなどんでん返しのクライマックスはあるのだが、話が回りくどすぎて、退屈で椅子からずり落ちた腰を持ち上げるのが億劫になるというのが正直な感想である。シナリオ的にはいいと思うのだが、制作プロセスにおいて力の配分を完全に誤った作り方である。アメリカへダイヤを持ち込むプロットに、時間を費やし過ぎたというところが退屈さの原因だろうか。
ジェームズ・ボンドらしいジョークと、落ち着いた雰囲気は楽しめる
多分、本作は駄作という範疇にまでは及んでいない。クライマックスシーンまでのスピード感が、アクション映画にしては少ないという点が冗長さを感じる部分ではあるが、それなりにカーアクションも見応えがあり、敵のブロフェルドが簡単に死ぬような人物ではないという悪者らしさも発揮している。今までのショーン・コネリー主演作にしてはお色気が無いこともないのだが、敢えて言うなら風景のゴージャス感が足りないのかも知れない。毎回のようにリゾート地で展開される設定だったのだが、今回はヨーロッパからアメリカのラスベガスであり、砂漠でのロケなども含まれている分ちょっと風景的には残念な感じではある。しかしながら出演者の演技やジョークなども楽しめるところは、ショーン・コネリー主演ならではという感じで、ストーリーが解ってしまえば二回目以降に観る分には、楽しめる作品であるというニュアンスだろう。
日本を舞台にした『007は二度死ぬ』ぶりにショーン・コネリー演じるボンドが復活です。冒頭から『007は二度死ぬ』の流れで始まるのでジョージ・レーゼンビーが演じた前作のストーリーは無かったことにされているのが少し可哀想ですね。
コアなファンにとっては既視感のあるストーリーかもしれませんが、個人的には初代のショーン・コネリーが大好きなので全体的にコミカルでわかりやすいストーリーとチャーミングな紳士のショーン・コネリーボンドは最高の組み合わせでした。(女性 30代)
初期の007シリーズ作品としてはどこか地味な印象の一本。何度か見返してはいるものの、他のシリーズ作品のような華やかさに欠けるせいか筋が入ってこないのだ。一昔前のラスベガスのネオンはレトロな味わいで良いのだが、郊外は砂漠。またクライマックスに登場する海上基地も外見はごくごく普通の海洋石油プラットフォーム。旅心をくすぐらないのが寂しいのかもしれない。
悪役の2人組と、コミカルな要素の強いボンドガールは他の作品とは毛色が違って楽しめる。(男性 40代)
映画『007 ダイヤモンドは永遠に』 まとめ
ラスベガスで遊ぶミスターQが怪しい装置でスロットマシンからメダルを出しまくるシーンと、ブロフェルドの汚い女装には笑ってしまった。今までの007シリーズにしては幾分スローな流れであるが、コメディ的な要素とセリフ回しなどは充分に堪能できる。ボンドガールも少々おちゃらけ的でもあり、その個性的なキャラクターが憎めないところが特徴になっている。気になったのがカメラワークであるが、横への動きにスピード感が無く、奥行きがやたらと多いアクションシーンがスピード感の無さに繋がっているのかも知れない。前半の退屈さでズリ落ちた尻を戻すのに時間が掛かった分、過去のショーン・コネリー主演での007と比べて少々評価が落ちてしまった。
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