映画『007 ムーンレイカー』の概要:人気シリーズ『007』シリーズの11作目。姿を消したスペースシャトル「ムーンレイカー」を取り巻く陰謀を暴くためボンドは富豪ドラックスを追って宇宙空間に飛び立つ。ドラックスの計画をボンドは阻止できるのか。
映画『007 ムーンレイカー』の作品情報
上映時間:126分
ジャンル:SF、アクション
監督:ルイス・ギルバート
キャスト:ロジャー・ムーア、ロイス・チャイルズ、ミシェル・ロンズデール、コリンヌ・クレリー etc
映画『007 ムーンレイカー』の登場人物(キャスト)
- ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)
- 英国諜報部MI6のトップエージェント。スパイとしての腕は一流だが女性に弱い。
- ホリー・グッドヘッド(ロイス・チャイルズ)
- ドラックスの宇宙開発研究に携わる研究者。その正体はドラックスの悪事を暴くべく潜入しているCIAのエージェントである。
- サー・ヒューゴ・ドラックス(マイケル・ロンズデール)
- スペースシャトル「ムーンレイカー」を開発した富豪。シャトルを使用した恐ろしい計画を企てている。
- ジョーズ(リチャード・キール)
- 鋼の歯を持つ冷徹な殺人鬼。人間離れした肉体を持つ大男で、不死身である。前作でもボンドと一戦交えている。
- M(バーナード・リー)
- ボンドの上司。
- Q(デスモンド・リュウェリン)
- ボンドのスパイ道具の開発者。
映画『007 ムーンレイカー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『007 ムーンレイカー』のあらすじ【起】
スペースシャトル「ムーンレイカー」がアメリカからイギリスへの移送中、何者かに襲撃され、アラスカ上空で姿を消した。時を同じくして、英国諜報部MI6のトップエージェント、ジェームズ・ボンドはアフリカ上空の飛行機の機内で鋼の歯を持つ冷徹な殺人鬼ジョーズと戦闘中だった。二人は空中に身を投げたが、ボンドはジョーズのパラシュートを奪って無事生還。パラシュートを奪われたジョーズはテントの上に落下する。しかしジョーズは人間離れした肉体を持つ不死身の大男だったので死ぬことはなかった。
ジョーズとの空中戦から生還したボンドは上司のMからムーンレイカーが消息を絶ったことを知らされ、ムーンレイカー捜索の任務を命じられる。ボンドは手掛かりを掴むため、事件の背後に浮上したムーンレイカーの開発者である富豪サー・ヒューゴ・ドラックスを訪ねるべくカリフォルニア州ロサンゼルスへと飛んだ。ロサンゼルス現地でボンドはドラックスの秘書コリンの案内でドラックスの豪邸へと案内される。
映画『007 ムーンレイカー』のあらすじ【承】
豪邸の中でボンドは宇宙研究者のホリーと知り合う。その後、豪邸の中を案内されたボンドは重力装置を紹介され、搭乗を勧められる。装置に乗り込んだボンドはドラックスの手下により、最大出力で装置を作動されてしまい、ピンチに陥る。しかしQの道具を使って無事に生還する。
危機を脱したボンドはドラックスの秘書コリンの助けを借りてドラックスの書斎への侵入に成功。そこで設計図のデータを入手する。しかし一方で、ドラックスに裏切りがばれた秘書コリンは殺害されてしまう。
設計図から次の手掛かりがイタリアのベニスに建つガラス工房にあるとわかったボンドは、イタリアのベニスへと飛ぶ。ベニスではドラックスの雇った殺し屋たちが待ち構えており、ボンドを襲撃する。殺し屋たちを倒し、目的のガラス工房へと潜入したボンドは、秘密の研究室を発見。研究室では科学者たちが謎の殺人ガスを生成していた。そこへ再びドラックスの手下が襲撃してくる。手下を撃退したボンドは、一連の出来事をMへと報告する。
映画『007 ムーンレイカー』のあらすじ【転】
翌日、イギリスからやってきたMを連れてボンドは製造現場へと突入。しかし、部屋は普通の部屋に改装されており、研究室は跡形もなくなっていた。そしてボンドらは部屋にいたドラックスから苦言を呈される。恥をかかされたMはボンドへ休職を命じる。
ボンドはベニスで、宇宙研究者のホリーと再会。彼女の正体がCIAの捜査官だと暴く。ホリーもドラックスの企みを阻止するべく、ドラックス側に潜入していたのである。目的が一致した二人は手を組むことにする。
二人はブラジルのリオデジャネイロに飛んだ。そこで二人は新たにドラックスの手下として雇われたジョーズに襲撃される。一度は拉致されたものの逃げ出すことに成功し、MI6のアジトへ逃げ込む。そしてQから殺人ガスの成分解析を伝えられる。殺人ガスはアマゾン川上流に生息する蘭から抽出したものだという。ボンドは蘭の生息する秘境へと向かう。
一方、ジョーズはブラジルでのボンドとの戦闘後に一人の女性と出会う。彼女はジョーズが微笑みかけた時に覗いた鋼の歯を見ても逃げ出すことなく微笑み返し、ジョーズのその人間離れした巨体にも怯えることはなかった。今まで女性から対等に接してもらえたことがなかったジョーズは彼女に心惹かれる。
映画『007 ムーンレイカー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ボンドが辿り着いた秘境にはドラックスの宇宙基地があった。ドラックスに出迎えられたボンドは本人の口から、その恐ろしい計画の全貌を聞かされる。ドラックスは自分が選んだ優秀な人間のみシャトルに乗せて宇宙に飛び立ち、毒ガスを散布。地球上の人間が滅亡したのを見計らって地球へ帰還し、優秀な人間のみで子孫繁栄させることを目論んでいたのである。そしてムーンレイカーはその計画に使用するため強奪されたのである。
ボンドとホリーは捕らえられ、シャトルの発射口の真下に閉じ込められる。その間にも毒ガスを搭載したシャトルは次々と飛び立っていく。監禁された二人はシャトルの発射による炎の噴出で焼き殺そうとされていた。しかし二人はQの道具を使用してその場を脱出。発射前のシャトルの一つを奪い、ドラックスを追って宇宙へと飛び立つ。
すべてのシャトルが宇宙基地に到着すると、ドラックスは地球への毒ガスの投下を開始。ボンドらはNASAへと宇宙基地の場所を伝えることに成功するが、ドラックスに再び捕らえられてしまう。ボンドはジョーズを説得し、彼を味方につける。冷徹な殺人鬼だったジョーズも心惹かれる女性と出会ったことで彼女との幸せを夢見るようになり、ドラックスの計画阻止の気持ちが芽生えたのである。
ボンドらはドラックスとの銃撃戦に突入。ついにはドラックスを追い詰め、彼を宇宙空間に放出する。勝利したボンドはすでに投下された毒ガス入りのカプセルを地球到達前にすべて撃ち落とすことに成功。地球を救ったボンドとホリーはシャトルの中で愛し合うのであった。
映画『007 ムーンレイカー』の感想・評価・レビュー
『007』シリーズらしくないストーリーで、シリーズの中でもかなり評価の低い今作。個人的にはボンドはショーン・コネリー、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグの3人なのでロジャー・ムーアのボンドには特別思い入れはありません。
今作の場合も『スターウォーズ』がヒットしているから宇宙に行っちゃおう!というような安易な構想が見て伺えるので、ボンドはもっとスタイリッシュでかっこよくあって欲しいのに…とイメージが少し崩れてしまった気がします。
とはいえ、ロジャー・ムーアのボンドは本国イギリスでは大人気なんですよね。もう少しこのシリーズを見て魅力を見つけたいと思います。(女性 30代)
ショーン・コネリー、ロジャー・ムーアあたりの007は大概「荒唐無稽」な部分がある。そこが好きなのだが、今作ではそれが高じてついに宇宙に出てしまった。これはさすがにやりすぎというか、宇宙で無茶したら助からないだろう。遙か昔に一度観てはいたものの、なんとなく観返すのを躊躇していた。しかし観直してみると、そこまで悪くはない、というか結構面白い。そもそもこのシリーズにリアリティなぞ求めてはいけないのだ。毒を食らわば皿までもの精神で、前のめりに楽しんで観て吉な1本。(男性 40代)
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