映画『007 スカイフォール』の概要:ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを引き継いでからの007シリーズ第三弾。007シリーズには必要不可欠な”Q”の復活作であり、ファンからの評価も高い一作。
映画『007 スカイフォール』の作品情報
上映時間:143分
ジャンル:サスペンス、アクション
監督:サム・メンデス
キャスト:ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス etc
映画『007 スカイフォール』の登場人物(キャスト)
- ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)
- 00部門に所属し、殺しのライセンスを保持するコードネーム007。自分勝手な面があるがその実力は折り紙つき。
- M(ジュディ・デンチ)
- ボンドの上司であり00部門を統括する女性。非常に気丈な人物だが、今回かつての部下、シルヴァからターゲットにされる。
- ラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)
- かつてのMI6諜報員で、Mの部下。自分を見捨てたMに復讐を果たす為に、MとMI6に対して次々とテロを仕掛けていく。
- Q(ベン・ウィショー)
- 研究開発部の課長。まだ年若いが、その頭脳と実力は折り紙つき。様々な新技術でボンドをサポートする。
映画『007 スカイフォール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『007 スカイフォール』のあらすじ【起】
ジェームズ・ボンドはMI6(英国秘密情報部)で長年勤務するベテラン諜報員です。やや突飛で上司の命令を聞かない節がある問題児ですが、その実力は折り紙つきです。今回のボンドの任務は、新人諜報員のイヴと共に、各地に潜入中の諜報員の情報が記載されたハードドライブを奪還する事でした。このデータフォルダが盗まれるという事は、誰が潜り込んでいるスパイか各組織にバレてしまう、すなわち潜入中の彼等の死を意味しています。
ハードドライブを盗み出した犯人を追い詰めたボンドでしたが、相手も実力者、一筋縄にはいきません。2人は列車の上で取っ組み合い激しい戦いを繰り広げます。ボンドの上司、Mはハードドライブをいち早く奪還するためにイヴに狙撃命令を出します。標準を構えたイヴでしたが、相手は揺れる電車の上、犯人を狙った筈の銃弾はボンドの胸を貫き、ボンドは列車から落ちていきました。そして犯人はハードドライブを持って逃げ去ってしまったのでした。その3ヶ月後、ボンドの死亡報告書が提出されました。
映画『007 スカイフォール』のあらすじ【承】
今回のデータ流出の件もあり、マロリーという男がMに引退を勧めてきました。Mは「途中で仕事を放り出す事は出来ない」とそれを拒否しますが、MのPCがハッキングされ、普段Mのいる本部が爆破されるなど、明らかにMに向けた攻撃が続きます。そのニュースを、実は生き延びていたボンドが見ていました。そしてボンドは自らの友人であるMを助ける為に007として復帰する事を誓います。
しかし半ばアル中、体力の低下も目立つボンドは復帰テストに落第しますが、Mの計らいもあり何とか007の任に戻るのでした。ボンドはデータフォルダを盗んだ男、パトリスに接触する為上海へ飛びました。しかし激しい争いの中、黒幕の存在を聞き出す前にパトリスが高層ビルから落下、命を落としてしまったのです。
次にボンドは、パトリスが所持していたカジノチップから情報を集めることとしました。そのチップはマカオにあるカジノのチップで、ボンドはそこでパトリスの仲間と思しきセヴリンという女性に出会います。彼女は黒幕であるシルヴァの愛人で、ボンドをシルヴァに引きあわせるというのです。
映画『007 スカイフォール』のあらすじ【転】
シルヴァはボンドが所属する前のMI6のスパイで、Mの直属の部下でした。シルヴァは非常に有能な存在でしたが身勝手な動きが多く、組織全体に害を及ぼした為、とある作戦で敵に拉致された時Mに見捨てられていました。その事を根に持っていたシルヴァはMへの復讐の為に今回の一連の事件を引き起こしていたのです。
シルヴァは盗み出したデータフォルダから、毎週5人ずつ潜伏中の諜報員のデータを公表するとMを脅します。シルヴァと対面を果たしたボンドは、研究開発部の課長であるQの製作した最新機器を用いシルヴァを確保することに成功しました。シルヴァを牢獄に入れたボンド達は、彼のPCをハッキングし彼の今後の狙いなどを突き止めようとします。
しかしそのPCにはハッキングされた場合に逆ハッキングが起こるシステムが組み込まれており、MI6のデータバンクがシルヴァに乗っ取られてしまいます。その混乱に乗じ脱獄したシルヴァは、Mを処刑する為に彼女の出席している公聴会へと向かいます。彼女に銃口を向けるシルヴァでしたが、マロニーが彼女を庇い、Mは一命を取り留めます。
映画『007 スカイフォール』の結末・ラスト(ネタバレ)
Mをシルヴァの手から救い出す為、ボンドは彼女を自分の生まれた家、スコットランドのスカイフォールに向かいました。そこで幼少期ボンドの面倒を見てくれていた人物と合流、3人はシルヴァ達に対抗する為家の周辺、そして中にも次々とトラップを仕掛けていきます。トラップは有効的に働き敵に大きなダメージを及ぼしていくものの、しかしやはり多勢に無勢、徐々に彼等は劣勢に追いやられます。
そしてボンドが敵の多くを引きつけているうちに、シルヴァがMの眼前にまで迫ります。彼はMに復讐を果たし、そして自分自身の命も捨てることで全てを終わらせようとしていました。Mに銃口を向けるシルヴァでしたが、何とかボンドが間に合い彼女を救い出します。しかしMは既に家内の戦いで既に傷を負い、致死量の血を流していました。そしてMは、ボンドの腕の中で静かに命を引き取ったのでした。時は流れ、Mの葬儀が執り行われました。
00部門のトップには、Mに代わりMをその身を呈して庇ったマロニーが就任する事となりました。そして007ことジェームズ・ボンドは、マロニーの指示のもと新たな任務に出かけていくのでした。
映画『007 スカイフォール』の感想・評価・レビュー
人気スパイアクションシリーズの23作目、ダニエル・クレイグ版としては3作目となる。引退を勧告された007の復活と再生、その出自にまつわる物語。
「カジノ・ロワイヤル」から続くクレイグ版ボンドであるがシリーズ通してスタイリッシュでクールなスパイである007からの離脱を図りその集大成と言っても過言ではない作品。007を一人の人間として深く描写しており、心境の変化が濃く表現されていたのが印象的。(男性 20代)
このシリーズは毎度のことですが、今作のオープニングは過去最高の出来だと思います。今作の物語はどちらかと言えば内輪揉めで、世界をどうこうというよりは、人物の内面を掘り下げている印象です。勿論面白いです。アクションシーンも圧巻のカッコよさ!列車の上での銃撃戦はカッコよいし景色は美しいし、ビルでの戦闘は光と影が混ざり合う鮮やかな演出で素晴らしいし最高です。何度見ても楽しめる映像になっています。本当に色褪せないシリーズですね。(男性 20代)
『007』シリーズ第23弾となる今作。ダニエル・クレイグ演じるボンドシリーズは3作目となります。とはいえ、前作との繋がりはそれほど無いので単体でも楽しめるでしょう。
個人的に、ショーン・コネリーやピアース・ブロスナンの演じるボンドが好きだったのですが、ダニエル・クレイグのボンドはキレキレのアクションを見せてくれてこれまでのボンドとは一味違った魅力があります。
そして今作ではシリーズおなじみのQが復活。ファンにはたまらない演出ですね。ベン・ウィショー演じるQがこれからどんな活躍をしてくれるのか楽しみです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
Q役を演じる、ベン・ウィショーのメガネ男子っぷりにキュンとなった女子は多いのではないでしょうか。筆者もときめいた一人です。ベン・ウィショーは細身の体形なので、体にぴたっととしたカーディガンにパンツスタイルがよく似合う。
美術館で、ボンドと初めて会うシーンは必見です!本作では、コンピューターの天才を演じていますが、実際の彼はコンピューターを扱うのが苦手らしい。天然なところもあり、悪役・シルヴァの拘束がパソコンの解析中に解けた時は一瞬、ぼぅっとなっています。
ベン・ウィショーの魅力は、シェイクスピア戯曲で培った演技力に加えて、柔らかな笑顔や守ってあげたい感がいっぱいなところ。つまり、母性本能を引き出す、稀有な才能の持ち主でもあると思うのです。
Q役はベン・ウィショーで6代目。これまで、歴代の「007」シリーズを観ても、Qがボンドに装備を渡すくらいで活躍はあまりなかったのですが、本作からは違う!Q役とボンドのからみは多いですよ。一緒にパソコンを解析したり、2人の会話も楽しい。
テーマは世代交代でしょうか。若者と経験豊かな年長者が協力して新たな作戦を遂行するというのも、ワクワクしますね。
イギリスのスパイ映画といえば、「007」シリーズ。ジェームズ・ボンドというと初代ボンド役のショーン・コネリーの姿が思い浮かびます。スパイ映画なんて、時代遅れだよとあまり期待せずに観たのですが、本作には大満足です!
ボンド役を演じる、ダニエル・クレイグの瞳が美しい。寄る年波には勝てず、ボンドの復帰テストは散々の結果だったというのに意思の強さを感じさせます。加えて、リアルな世代感を出すことで、より人間的なボンドの魅力を表現しています。
Q役で大ブレイクしたベン・ウィショーの知性や柔軟さが今後も、ダニエル・クレイグとの演技に生かされてゆくでしょう。2人のバディな関係にも注目です!