12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『127時間』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『127時間』の概要:登山家アーロン・ラルストンの自伝を基に、旅行中の事故で究極の選択を迫られる登山家の心の葛藤を、雄大な自然と圧倒的な演技力で見せるヒューマン・ドラマ。監督は『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル。

映画『127時間』の作品情報

127時間

製作年:2010年
上映時間:94分
ジャンル:ヒューマンドラマ、アドベンチャー
監督:ダニー・ボイル
キャスト:ジェームズ・フランコ、アンバー・タンブリン、ケイト・マーラ、リジー・キャプラン etc

映画『127時間』の登場人物(キャスト)

アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)
若き登山家。自由奔放な性格で、誰からも縛られない生活を好んでいる。

映画『127時間』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『127時間』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『127時間』のあらすじ【起】

登山家アーロン・ラルストンはある日、仕事を終えるとその足でキャニオンランズ国立公園へと向かう。そこは雄大な自然と、どこまでも巨大な渓谷が続いており、アーロンはその場所を「第二の故郷」と呼ぶほど愛していた。

夜のあいだ車を走らせ続け、日が昇るとともに自転車に乗り換え、数十キロ先の渓谷へ向かう。アーロンはその道中をハンディカメラで記録し続けていた。

少し休んでいると、遠くから若い二人の女性観光客が歩いてくるのが見えた。どうやら道に迷ってしまっているらしい。アーロンは親切に道を教えるが「もっとスリリングな道がある」と彼女らを案内する。

そこは足場のない岩場で、岸壁にしがみついて移動しなければならない危険な道だった。騙されたと文句を言う女性たち。しかしアーロンは気にも留めない。ある地点を過ぎると、突然アーロンは手を離し、はるか下の奈落へ落ちていった。悲鳴を上げる女性たち。

しかしそこは数十メートル下に水場があり、彼はそこへ飛び込んだだけだった。勇気を出して飛び降りろと彼にそそのかされ、彼女たちも恐る恐る水に飛び込む。すっかりその爽快感の虜となった彼女たちは、アーロンと共にしばらくその場所で楽しいひと時を過ごす。

彼女たちは別れ際「明日ホテルでパーティーを開くから、よかったら来てよ」とアーロンを誘う。アーロンは「わかった」と言い、彼女たちに別れを告げた。

映画『127時間』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『127時間』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『127時間』のあらすじ【承】

再び一人になったアーロンは、ブルー・ジョンと呼ばれる裏道へと足を踏み入れる。足場がほとんどなく、先程と違い下は水場ではない。慎重に歩を進めるアーロンだったが、足を置いた岩場が崩れ、巨大な岩もろとも数十メートル下へ落下してしまう。

痛みに顔を歪めるアーロン。落ちてきた岩に右腕が挟まれ、身動きが取れなくなってしまっていた。別れたばかりの彼女たちの名前を叫ぶが、彼の声は地上には届かない。

何か使えるものはないかと、アーロンは持ち物をあらためた。まずハーネスで体を安定させ、ナイフで岩を削り始めたアーロンだったが、安手のナイフでどうにかできるほど岩は脆くなかった。さらに岩が削れていくほど、その重みが右腕にのしかかってくる。彼の右腕が岩を支えているのだった。

彼はゆっくり腕の上でナイフを滑らせるが、そのまま断ち切れるほど刃は鋭くなかった。
喉が渇いたため水筒から水分を補給するアーロンだったが、ふと思い直す。あとどれくらい身動きが取れないか分からないため、貴重な水分を無駄にはできなかった。

映画『127時間』のあらすじ【転】

二日が経ち、三日が過ぎても彼の状況は好転しなかった。食料も水分も底をついた。やがて雨が降り出すが、それは恵みの雨とはならず、薄着で来た彼の体温を奪っていくだけだった。

朦朧とする意識の中で、彼は自分のこれまでの人生を回想する。父に連れられ初めて訪れたキャニオンランズの景色。別れた恋人のこと。

今の状況は、すべてこれまでの自分自身の行動の結果だと彼は思った。今回も、誰にも旅を邪魔されたくないため行き先を告げていなかった。その結果、救助など来るはずもなく、ましてや自分が事故に遭っているとは誰も思っていないだろう。人との繋がりの大切さをアーロンは感じていた。

水分が無くなったため、自分の尿を水筒に貯め飲み干すアーロン。ふとハンディカメラに記録した映像を再生すると、若い女性客たちが彼に内緒で残したメッセージを発見する。
「あなたは魅力的だけど、どこかへ行ってしまいそうで心配よ」
その言葉を聞き、彼の中で生への執着が増していく。

ナイフを右腕に突き立てるアーロン。ナイフの先に骨の感触を感じた。あとはその決断を下すのみとなっていた。

映画『127時間』の結末・ラスト(ネタバレ)

安手のナイフでは骨までは断ち切れないため、まずは自らの骨を折った。強烈な痛みが彼を襲う。続いてナイフで肉を切り裂いていく。耐えがたい痛みに思わず目を見開くと、ナイフは神経に到達していた。呼吸を整え、一気に神経を断ち切る。痛みにもだえ苦しむ。無我夢中で腕を切り続けるアーロン。

次の瞬間、体は離れ後方へとよろけた。岩に残された自分の右腕をしばらく凝視する。彼はカメラで切れた右腕を撮影し「ありがとう」と告げた。

決死の思いで岩場から抜け出し、水溜まりの泥水に顔をつけ飲み下す。しばらく歩くと、遠くから家族連れの観光客の姿が見えた。声を振り絞って助けを求めるアーロン。彼の体力は限界に近付いていた。

観光客の助けを借り、無事に救出されたアーロン。彼はその後、結婚し子供を授かる。片腕を失ってからも、彼は果敢に冒険を続けた。しかし一つだけ変わったことがある。彼は旅に出る際、必ず行き先を記したメモを残していくようになったという。

映画『127時間』の感想・評価・レビュー

ダニー・ボイル監督のノンフィクションを基にした作品。主演のジェームズ・フランコがハマり役でした。
自由を求める主人公の死生観を含めた心理描写が多くあります。結末がわかっていただけに、終盤は怖かったです。観ているだけでも本当に痛々しいシーンで、自分なら出来ないだろうと思います。生への執着、諦めない気持ちが彼を救ったのでしょう。(女性 20代)


前半は軽快なテンポで話が進むのでわくわくしながら観ることが出来るが、転落してからは一気に地獄のようなストーリーになっているのでその落差で主人公へ感情移入できるような展開になっていて、とてもいい演出の仕方になっていると思った。また、どんな時でも自然は怖いほど美しい風景になっていて感動した。

実話になっていると知りながら観たからか、生きるために様々な難しい選択をする主人公を観ながら、もし自分の身にこんなことが起こったら私は生きるための正しい判断が出来るのかと考えながら観ることが出来た。(女性 20代)


想像していなかった結末にとにかくびっくりした。実話ベースということにもさらに驚いた。人間も動物。だから「生きる」ことに貪欲であることには間違いないが、どこまで貪欲になれるかはその人次第。私だったらどうするだろうと何度も考えたが、主人公と同じ考えには至らなかった。窮地に追いやられたときの感覚というものは、それを体験した人にしか語ることはできないものなのだと改めて感じた。

内容はとてもシンプルでキャスト一人の出演が長時間ある映画だが、間違いなく、主人公の選ぶ道を最後まで追いたくなる作品だ。(女性 30代)


片腕が岩に潰され動けない状態の、極限の五日間。人によっては直視していられないほどの絶望感を味わえる作品。こんな状態なのに冷静に脱出の方法を探り、メンタルマネジメントもしていて、エンディングで実在していた人物だと明かされた時の驚きは忘れられない。また、腕の切断シーンも二度と忘れられない。神経の切断は効果音も相まってトラウマになるような映像だった。痛みすら乗り越える生への渇望、人の強さが理解できた作品。(男性 20代)


ちょっとした油断が、最悪の展開に繋がる。観てよかった作品。そして、実話ベースと知ってかなり驚きました。ほとんどのシーンを、主演のジェームズ・フランコがハンディカムに語りかける構成で出来ています。普段通りの仕事中に起きた事故。誰もいないたった1人の空間。助けを呼ぶすべも無い。彼がハンディカムに話しかける様子が、まるで観客である私たちに話しかけているようで感情移入してしまい、緊張感を増しながら、彼が生き残るすべを一緒になって考えるのです。
水分が無くなっていき、精神的にも肉体的にも厳しい状況になっていく彼が最後に出した決断を、ぜひ観てもらいたい作品です。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー