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映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の概要:未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人を名乗る曽根崎が、殺人に関する告白本を出版したことで再び事件が動き出す。曾根崎の真の狙いとは。当時事件を担当していた牧村刑事は真相解明に挑む。

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映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の作品情報

22年目の告白 私が殺人犯です

製作年:2017年
上映時間:117分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:入江悠
キャスト:藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平 etc

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の登場人物(キャスト)

曾根崎雅人(藤原竜也)
容姿端麗な謎の青年。22年前に東京で起きた連続絞殺事件の犯人を名乗り、事件の告白本を出版する。
牧村航(伊藤英明)
連続絞殺事件の担当刑事。犯人を逮捕直前まで追い詰めるが取り逃がした過去を持つ。犯人からの復讐により先輩刑事と妹を亡くしている。
仙堂俊雄(仲村トオル)
人気報道番組のキャスター。かつてフリージャーナリストだった。連続絞殺事件の真相を追求する。
牧村里香(石橋杏奈)
牧村航の妹。22年前に阪神淡路大震災で被災し、恋人の小野寺拓巳と共に兄の住むアパートに引っ越してきた。しかし、連続絞殺事件直後、行方不明になる。
小野寺拓巳(野村周平)
牧村里香の婚約者。阪神淡路大震災で家を失い、恋人の牧村里香と共に彼女の兄の家に身を寄せる。
山縣明寛(岩松了)
4件目の事件の遺族であり目撃者。事件により妻を失う。
岸美晴(夏帆)
2件目の事件の遺族であり目撃者。書店員。事件により父を失う。
橘大祐(岩城滉一)
3件目の事件の遺族であり目撃者。暴力団橘組の組長。事件により愛人を失う。

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のあらすじ【起】

1995年阪神淡路大震災が発生。時を同じくして東京で5件の連続絞殺事件が発生する。犯人は被害者と親しい者に殺人の瞬間を目撃させ、その目撃者をわざと生かしておくという残忍な犯行で世間を震撼させた。事件は未解決のまま時効成立期間である15年間を経過し、2010年を迎える。同年の法改正により死刑相当の重罪に対して時効が撤廃されるも、時効撤廃の施行は4月28日からであったため、1995年4月27日に最後の犠牲者を出したこの連続殺人事件では時効が成立してしまう。担当刑事の牧村は事件当時、犯人との一騎打ちで、犯人を負傷させるまで追い詰めるが惜しくも取り逃がしていた。その直後犯人の罠に嵌ったことで、先輩刑事を殺害されたという経緯もあり、ひと際痛恨の念に駆られていた。

そして事件発生から22年後の2017年、連続絞殺事件の犯人だと名乗る曾根崎雅人が時効を機に告白本『私が殺人犯です』を出版するため記者会見を開く。そのセンセーショナルな会見内容と美しい容姿から曾根崎は一躍有名人となる。告白本はベストセラー入りし、世間では賛否両論が巻き起こる。曾根崎をアイドル視する女性ファンが急増する一方で、出版差し止めを訴える抗議デモが起きるほどである。それだけでは飽き足らず、曾根崎は更なる注目を集めるべくマスコミを連れて被害者遺族への謝罪に赴く。一方で牧村は一連の報道による精神状態を心配し被害者遺族を訪ねていた。

曾根崎は事件により妻を失った山縣医師に会うべく、マスコミを連れて山縣医師が院長を務める病院のロビーに訪れていた。偶然山縣医師と居合わせた牧村はそこで曾根崎に出くわす。曾根崎は報道陣と牧村の前で山縣医師に土下座で謝罪する。そして牧村と対峙すると何かを耳元で囁いた。それを聞いた牧村は激昂し曾根崎に掴みかかる。その様子をマスコミが大きく取り上げたことで曾根崎の話題性はさらに増し、報道は過熱していった。

その後、曾根崎は告白本の出版記念サイン会を開催する。愛人を曾根崎に殺された暴力団組長の橘が復讐のために組の構成員を送り込んだという情報を入手した牧村はサイン会の会場に出動する。サイン会が始まると構成員の男が曾根崎に向かって発砲し、会場は大混乱となる。会場には父親を曾根崎に殺された書店員の岸も訪れており、混乱に乗じて曾根崎を刺殺しようとするが牧村により阻止され、説得の末に会場を後にする。こうして大混乱のままサイン会は中止となった。

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映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のあらすじ【承】

その日の夜、曾根崎は報道番組に生出演する。同番組は元ジャーナリストの経歴を持つ仙堂がキャスターを務める人気番組である。曾根崎は、警察もマスコミも事件の真相に辿り着けなかったので時効を機に罪滅ぼしのため告白本を出版したと主張する。仙堂は22年前、フリーのジャーナリストとしてこの事件を調べていたこともあり、事件に関して鋭い質問を重ねていく。そして仙堂は罪滅ぼしであるなら、告白本で明らかにされていない6つ目の事件についても語るべきではないかと尋ねる。

事件発生当時、5件目の事件の発生現場である牧村刑事の家には神戸で被災した妹の里香が居候していた。そのため5件目の事件当時、現場には里香がいたはずなのである。仙堂はそのことを指摘し、番組開始の数時間前に真犯人を名乗る者によって投稿された動画について触れる。動画には事件現場である牧村刑事のアパートが爆破される瞬間と、どこかの屋上で里香が縛られている姿が収められていた。曾根崎は牧村刑事の妹のことは知らないと沈黙を貫いたまま番組は終了する。

中華料理店に設置されたテレビで番組終了を見届けた牧村は静かに店を去りながら、過去のことを思い出す。仙堂が指摘した通り事件当時、牧村のもとには神戸で被災した妹の里香と結婚前提の恋人小野寺が身を寄せていた。里香は被災によりノイローゼに陥っており、小野寺のプロポーズに対しても自分だけが幸せになることへの後ろめたさから決断できずにいた。小野寺は里香を説得し、その指に指輪をはめる。しかしその直後、事件が発生し里香は失踪する。遺体は見つからず、あるビルの屋上から小野寺の贈った指輪だけが発見された。そのまま事件は未解決のまま時効を迎え、絶望した小野寺は牧村を呼び出して後悔と遺恨を吐露した後、指輪の見つかったビルの屋上から投身自殺を図ったのである。

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』のあらすじ【転】

番組放映後、真犯人を名乗る人物から仙堂に連絡が入る。番組で曾根崎と牧村との三者対談を放送することを条件に新しい証拠を提示するというのである。曾根崎も牧村も番組出演を承諾。牧村は里香の件を伏せて続けていた責任をとって辞表を出すが受理されず、牧村は同僚たちに事件解決を後押しされ番組出演に挑む。

真犯人を名乗る男はマスク姿に変成器で番組スタジオに現れる。新証拠となる映像が提示されるが、残虐な内容が故に放映許可が下りず、スタジオ内のみで視聴することになる。映像には里香が屋上で首を絞められているところが映されていた。犯人は犯行後、里香の指から指輪を抜き取り、屋上に残していった。映像が終わり、仙堂は真犯人になぜ映像を残しているのか尋ねると、何度も楽しむための記録だと答える。それを聞いた曾根崎が仙堂の持っていたペンを奪い取り真犯人を突き刺し、スタジオは大パニックに陥る。曾根崎は取り押さえられ、仙堂から真実を話すよう促される。曾根崎は自分が犯人ではなく、本の執筆もしていないことを告白する。そして牧村は本を執筆したのは自分だと名乗り出る。さらに牧村は捜査で知り得た情報をもとに本を執筆したこと、そして曾根崎の正体が妹の里香の恋人であることを告白する。

事件の時効成立時、小野寺は投身自殺を図ったが一命を取り留めていた。しかし小野寺はその後も自殺未遂を繰り返していた。ところが突如、小野寺は犯人を見つけるため全くの別人になることを決意し、牧村に今回の計画を持ち掛けたのである。一連の犯行から犯人は几帳面で自己顕示欲が強く、復讐心の強い完璧主義者だと思われた。そのため、偽の告白本を出版して世間で大々的に取り上げられれば苛立った犯人が動き出すのではないかと踏んだのである。計画には同じ被害者遺族である山縣医師も全面協力し、美容整形手術により小野寺を容姿端麗な曾根崎へと変身させた。もちろん曾根崎が起こした病院での謝罪騒動や、挑発に乗って曾根崎に殴りかかった牧村のことも、すべては自作自演である。

騒然となったスタジオで曽根崎と牧村は犯人に詰め寄るが、犯人は自分が替え玉として雇われた身であると訴える。その証拠に男の腕には、牧村が犯人との一騎打ちの際につけた銃痕はついていなかった。雇い主は素性を隠して依頼してきたということもあり、結局真犯人は分からないまま番組は放送終了時刻を迎える。

番組終了後、番組での騒動がきっかけとなり、その鋭い着眼点や取材成果から仙堂にも注目が集まり始める。これまでの経歴や取材への取り組みについて番組クルーは仙堂の別荘へインタビューに向かうこととなるが、クルーの一人が別荘までの地図を紛失してしまう。時を同じくして三者対談の緊急特番を繰り返し見返していた曾根崎はあることに気付き、クルーから拝借した地図をもとに山縣医師から借りた車で仙堂の別荘へと向かった。

一方、牧村も緊急特番から新たな手掛かりを掴もうと躍起になっていた。既に時効を迎えている事件に取り組んでいることを同僚に哀れまれながらも、牧村は映像に映る東京タワーから新事実に気付く。その時、曾根崎から連絡が入り、里香と婚約していたことを誰かに教えたかと問われる。牧村が、誰にも婚約のことは伝えていないと答えると電話は切れた。直後、山縣医師から牧村に電話が入る。山縣医師は曾根崎が、過去に大きなトラウマを負った者がその行為を他者に行うことはあるかと尋ねてきて、命に関わるトラウマは他者への攻撃性に転じる場合があると回答したこと、そして車を借りてどこかへ出掛けていったことを報告した。報告を受けて牧村は、車に設置されたGPSを頼りに曾根崎を追った。

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の結末・ラスト(ネタバレ)

仙堂は別荘でインタビューを受けていた。インタビューは仙堂が戦場カメラマンだった頃の話になり、仙堂はかつて紛争地で反政府勢力に捕らえられて数日の監禁の後、同行していたジャーナリストが目の前で殺害されたことや、その後仙堂だけがなぜか解放されたという過去を答える。

取材の途中、別荘の窓ガラスが割られていることに気付いた一行は不審がりながら地下室を見回る。地下室に待ち構えていたのは曾根崎だった。曾根崎は仙堂こそが真犯人であると指摘する。牧村と曾根崎しか知らないはずの里香との婚約の話を、番組中に仙堂が言及したからである。また告白本にいち早く反応し、曾根崎の自分が犯人であるという発言にひと際苛立っていた点も犯人の性格的特徴に一致している。山縣医師から聞いた通り、紛争地で負ったトラウマも犯行の残虐性に一致すると思われた。

追い詰められた仙堂は自らの罪を認める。自己顕示欲の強さから、自らが作品と称して作り上げた殺人が誰かに横取りされるのが許せなかったのである。仙堂は死の間際、被災による希死願望を語った里香のことをつまらない殺しだったと発言して曾根崎を挑発する。それを聞いた曾根崎は仙堂をナイフで刺し、縄で絞め殺そうとするが、そこに牧村が駆け付ける。牧村は曾根崎に里香の事件を法で裁くことができると訴えた。

犯行映像には、里香の殺害途中に東京タワーが24時を迎え明かりが消える瞬間が映っていた。この映像から時効撤廃施行後の4月28日に里香が殺害されていたことが証明されたのである。曾根崎は牧村の言葉と、里香の殺害映像を見て仙堂の殺害を踏みとどまる。その後仙堂は牧村によって逮捕された。その後の捜査で里香の遺体が別荘周辺から発見される。

事件解決後、曾根崎と牧村は殺害現場のビルの屋上に花を手向け、空港へ向かう。一連の出来事で世間を騒がせた曾根崎は外国で新しくやり直すのだという。曾根崎は見送りに来た山縣医師にこれまでの協力を感謝する。そして空港に見送りに来た書店員の岸は、曾根崎に刺殺しようとしたことを謝罪する。里香の命日にまた帰国すると言って別れを告げた曾根崎が向かった搭乗ゲートには仙堂が獄中で執筆出版した手記の広告が掲げられていた。

一方、仙堂は拘束具をつけて連行されていた。しかし掃除係に紛れていた橘組の構成員が背後から刃物を持って仙堂に向かって突進していくのであった。

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』の感想・評価・レビュー

時効制度と被害者の心情、そういった部分を考えるととても深く重たいテーマですが、藤原竜也の正体が明らかになるまでの前半部分が凄く面白かったです!
実は顔を整形していた、というのが明らかになった所から、急にフィクション感が増してしまったので、その後のストーリーが読めてしまったのが残念でした。もう少し先の読めないどんでん返しがあったら、もっと良かったなと思います。
元々韓国映画のリメイク版のようなので、元ネタとなっている作品も観てみたいなと思いました。(女性 20代)


予告編やポスターを見ると藤原竜也VS伊藤英明という構図のストーリーなのかと思いきや、そこは良い意味で裏切られた。しかし話が進むにつれ黒幕が簡単に予想できてしまった部分は少し残念だった。この手のミステリーは最後まで黒幕がわからないドキドキ感を期待してしまうため、もう少し予測できないような凝ったストーリーならば満足できたと思う。
出演している俳優陣は素晴らしかった。演技は文句のつけようがないし、映画の雰囲気にマッチした配役だったと思う。(男性 20代)


整形をしてまで真実を突き止めたい主人公。すでに時効を迎えている残虐な自然の犯人が現れたことで、世間は好奇心と恐怖に包まれる。なぜ急に犯人が名乗り出たのか。謎がどんどん解かれていくのは、とてもスリリングな感覚がある。
他に真犯人がいるという事実を突きつけられ、また謎が深まる中、少しずつ事件の真相が暴かれていくところに目が離せなくなる。恐怖を感じながらもつい見続けてしまう。最後まで、とても興味がひかれる映画に仕上がっている。(女性 30代)


韓国の作品のリメイクということだが、なかなか面白いどんでん返しがある作品。いや、細かい突っ込みどころはたくさんあると思う。そしてどんでん返しの後が若干あっけなさすぎるのではないかという感じはする。でも役者陣の熱量と人のひりひりした部分を描き出す入江監督のおかげで、ある種の力強い勢いを感じることができた。
どんでん返しまでの藤原竜也の色気と狂気が良かった。ただ人生やり直すといっても海外にふらっと行くってのはなぁ・・・(男性 40代)


一番おもしろいどんでん返しが、物語中盤で終わってしまったのが少しもったいなく感じました。真実が徐々に明らかになって後半に盛り上がっていくのが理想的だと思うのですが、最後の方が答え合わせや真犯人の動機の説明の時間になってしまっていたのが残念でした。
しかし、俳優さんたちの安定感は抜群で、作品の世界観に入り込みやすかったです。特に、仙堂役の仲村トオルさんがハマっていると感じました。正義感の強いキャスターかの面から、サイコパスな殺人鬼の一面まで、納得感のある演技で恐ろしかったです。(女性 20代)


本作は、22年前に5人が殺害され未解決のまま時効となった連続殺人事件の犯人を名乗り出た謎の男と、彼に振り回される刑事を描いたサスペンス作品。
アクション強めな韓国版よりも、心理サスペンス要素強めのこちらの方が個人的に好みだった。
思っていた以上に話が二転三転と転がるので、観ている方も混乱し何度も騙された。
特に、連続殺人を打ち明ける3人の会見シーンの裏のある演出は臨場感があって深く印象的だった。(女性 20代)


よくある王道サスペンスではなく、物語の切口が斬新で面白い。
「はじめまして、私が殺人犯です。」その一言に心を掴まれてしまった。
映画が進むにつれ徐々に展開は読めてしまうものの、藤原竜也をはじめ俳優陣の気迫あふれる演技に見入ってしまう。藤原竜也の演技が活かされる最高の作品だと思う。
結末を知っていてももう一度観たいと思える面白さであった。リメイク版のドラマや映画はどこか劣ってしまう印象を受けるが、大満足の一作である。(女性 20代)

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