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映画『365日のシンプルライフ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『365日のシンプルライフ』の概要:ヘルシンキ在住のペトリは、全ての所有物を倉庫に預け、取り出すのは一日に一つだけというルールに基づいた実験を始める。人生に本当に必要な物とは何かをテーマにした、ライフスタイル・ドキュメンタリー。

映画『365日のシンプルライフ』の作品情報

365日のシンプルライフ

製作年:2013年
上映時間:80分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督:ペトリ・ルーッカイネン
キャスト:ペトリ・ルーッカイネン etc

映画『365日のシンプルライフ』の登場人物(キャスト)

ペトリ・ルーッカイネン
ヘルシンキ在住の26歳の青年。本業は撮影技師。前の恋人と別れて以降、ヤケを起こして物を買い漁ってきた。物だらけの生活に疲弊し、身を呈してシンプルライフを実行する。祖母が大好き。
ユホ・ルーッカイネン
ペトリの弟。兄の行動が理解できないながらも、実験に協力する。
エーロ
ペトリの親友。妻帯者。ペトリとは反対の性格で、合理的な現実主義者。ペトリの行動を批判しつつも協力する。
ペテ
ペトリの友人。長い髭が特徴の剽軽な男性。ペトリの実験に協力し、物品を運搬する。
イェッセ
ペトリの友人。手先が器用で修理が得意。ペトリの実験に興味を持っている。
ペトリの母
ヘルシンキ郊外に住んでいる。空っぽになったペトリの部屋を見て、必要最低限の物は持つよう助言する。エコを徹底している。
ペトリの祖母
ペトリが心から敬愛する祖母。ペトリの話に真剣に耳を傾け、実験に賛成する。物が少なかった時代の経験をもとに、ペトリに優しくアドバイスする。
ピック=エッセ
ペトリの従兄弟の少年。ペトリの実験に対し、辛辣な質問を投げかける。
マイヤ
ペトリが映画館で出会った女性。実験が進むうちにペトリと親密になり、交際を始める。

映画『365日のシンプルライフ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『365日のシンプルライフ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『365日のシンプルライフ』のあらすじ【起】

ヘルシンキ在住の青年ペトリは、多くの物に囲まれた生活に疑問を持ち始める。3年前に失恋してから、ペトリは鬱憤を晴らそうと何でも購入してきた。

ペトリは、いかに物を持たずに生活できるかを確かめる実験を始める。実験のルールは4つ。全ての持ち物を貸し倉庫に預けること、倉庫から持ち帰るのは一日に一個であること、一年間続けること、そして、一年間物を買わないこと、である。

ペトリは、縦横10m、高さ3mの倉庫を借りる。ペトリは、弟のユホ、友人のエーロやペテの手を借りて、全ての所有物を倉庫に収めて家の中を空にする。

実験を始める前、ペトリは祖母に自分の試みについて話した。戦時中の物資不足を経験している祖母は、現在は大切な物だけを手元に置いている。祖母は、人生に必要なものが何かわかるだろう、とペトリの計画に賛成する。

実験初日の夜、ペトリは自宅から離れた倉庫まで裸かつ裸足で走り、コートを取り出す。

実験2日目、ユホがペトリに食料を持ってくる。冷蔵庫を持たないペトリは、窓の外に食料を置く。エーロは、ペトリは現実逃避しているだけだと指摘する。

その夜、ペトリは深夜0時に倉庫に行って2日分の持ち物を取り出すことを思いつく。人気のない夜のヘルシンキをコート一枚で走り抜け、ペトリは倉庫からブーツとブランケットを持ち出す。

4日目と5日目に、ペトリは倉庫からネックウォーマーとズボンを取り出す。

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映画『365日のシンプルライフ』のあらすじ【承】

6日目。仕事のために、ペトリは襟付きシャツを取り出す。職場では、ペトロが靴下も下着も着用していないことに誰も気付かない。

7日目。ペトリはマットレスを取り出す。8日目の朝、目覚めたペトリは、必要な物が一つずつ増えていくことの喜びを噛み締める。

10日目。ペトリは、生活に必要な物は7個で十分だと感じ、何を持って帰れば良いのかわからなくなる。しばらくの間、ペトリは倉庫へ行かない。ペトリは、18日目に必要な物をメモに書き出し、20日目に鞄や歯ブラシ、靴下など11個の物を取り出す。

41日目。ペトリは持ち出してきたバリカンで髪と髭を整える。ペトリの母が、ペトリの自宅を訪れる。母親はペトリの方針に賛成するが、冷蔵庫は必要だと言う。

必要な物がわからないペトリは、50日間、倉庫へ行かずに過ごす。91日目、ペトリは冷蔵庫を含めた50個の物を倉庫から持ち出す。

ペトリは、独身だからこそこのような生活ができると話す。愛用の鞄が壊れ、ペトリは友人のイェッセに修理を依頼する。

ペトリは仕事以外では携帯電話を使わず、パソコンのメールで友人と連絡を取っている。携帯電話を持たないことで疎遠になる知人もいるが、ペトリは携帯電話から解放されたことを喜んでいる。

115日目。日の出時間が早くなり、朝日が眩しくて眠れないペトリはカーテンを持ち出す。

実験開始から半年が経ち、ペトリは故郷に置いたままの車を取りに帰省する。ペトリの従兄弟のピック=エッセは、ペトリの生活に対して鋭い質問を投げかける。ピック=エッセとの会話の中で、ペトリは今の自分には恋人が必要なのだと気付く。

映画『365日のシンプルライフ』のあらすじ【転】

必要な物が無くなったペトリは、祖母に相談する。祖母は、人は物で出来ていないから、物以外の何かが必要なのだと説く。

ペトリは、マイヤという女性と知り合う。209日目、マイヤの自転車のロックを外すため、ペトリとユホは倉庫から工具を持ち出し、やっとの事でロックを解除する。ペトリは、マイヤと自転車でデートする約束をする。

210日目、ペトリの自転車が盗まれる。211日目、ペトリは実家から古い自転車を持ち帰る。212目、洗濯機が壊れ、ペトリの家は水浸しになる。ペトリは、物を持つことによるストレスを感じる。

213日目。ペトリは倉庫から衣服を取り出し、マイヤとのデートに向かう。二人は交際を始める。

251日目。エーロは出産を機に新しい家に越す。ペトリはエーロを手伝い、ベビーベッドや家具を運ぶ。ペトリは、国から新生児に支給される『赤ちゃんセット』に、57個もの物が含まれていることに驚く。

アウトドア志向のマイヤに合わせ、ペトリはキャンプや釣りなどのデートを楽しむ。精神的に満たされているペトリは、倉庫へ行かなくなる。

302日目。祖母が転倒による怪我のため、入院する。

マイヤの家の冷蔵庫が壊れる。一年間は何も買わないと決めているペトリは、修理や交換など様々な方法を試みるが、新しい冷蔵庫はなかなか手に入らない。

映画『365日のシンプルライフ』の結末・ラスト(ネタバレ)

クリスマス当日。家族やマイヤと共に教会のミサに参加した後、ペトリは壊れた冷蔵庫を車で廃棄場に持っていく。クリスマスまでにマイヤに冷蔵庫を用意できず、苛立ったペトリは冷蔵庫を乱暴に捨てる。

老人ホームへの入所が決定し、祖母は家を引き払うことになる。祖母の持ち物を整理するため、ペトリとユホは祖母宅を訪れる。家の中は祖母の大切な物で溢れており、2人は感極まる。ペトリは祖母が愛用していた菓子入れを、ユホはマグカップのみを譲り受けることにする。

ペトリは、祖母が使っていた冷蔵庫を持ち帰り、清掃してマイヤに贈る。

ペトリは入院中の祖母を見舞う。ペトリはマイヤについて祖母に話す。祖母はペトリの恋を応援し、人生はモノで出来ているのではない、と説く。

365日目。ペトリは、生活に必要な物はせいぜい100個で、次の100個は生活を楽しむためのものだ、と語る。ペトリは、所有とは責任を伴う行為であり、何が必要かは自分で決めるべきだ、と結論を出す。

ペトリはマイヤと共に倉庫へ行き、2人の新生活に必要な物を取り出す。

映画『365日のシンプルライフ』の感想・評価・レビュー

ミニマリストに興味があるので観たが、モノだけでなく人との関わりについても考えさせられる映画だった。限られたモノしかないと不便なことが沢山生じるけれど、それを解決するために人の手を借りるので、人との関わりが濃くなるように感じだ。

主人公は友人や家族たちと、よい関係を築いているように見えた。中でも高齢の祖母との会話が心に残った。こんな風に過ごしてみようと思いついたアイデアがすごいし、生活をありのままにさらけ出してシェアしてくれたことに感謝したい気持ちになった作品だった。(女性 40代)


ペトリは全ての物を倉庫に預けて必要なものを1日1個倉庫から取ってくる、というシンプルな実験を全裸姿でスタートする。
それは、今まで物欲や物にどれだけ振り回されてきたかということや、”人生に必要なものは何か”というミニマリズムの本質を問うものだった。
ペトリの生き方や自分自身と向き合う姿は、簡単に真似できるものではないが学ぶべきものがある。
物だけでなく生身の人間同士の関わり合いの大切さも気づかせてくれる。
もし自分だったら、まず一番に何を取りに行くだろうか。(女性 20代)


普通にいい映画だと思えた。いきなり全裸からはじまるというストイックさにびっくりしたが、だからこそまず何を取り出すのか?ということを一緒に考えられる。この映画を見て、私の家の中にあるものは本当に私の人生に大切なものか?と主人公と同じように自問自答しながら見られるのは大事だと思えたし、彼の心の移り変わりがモノによってわかっていくこともできる面白さ。そして、彼の周りの人たちがどれほど優しい人たちなのか、という人との繋がりの大事さも。
ごちゃごちゃした人生を歩んでいる人は一旦彼に任せてシンプルライフを味わってみたらいい。もっとシンプルに物事も考えられる。(女性 30代)


物語というよりも、リアルなドキュメンタリーを見ている気分になりました。主人公ペトリの飾らない人間性が、そのまま映画に表れています。祖母や母、友人との会話のシーンに癒されました。特に、戦時中や戦後の頃の価値観について祖母が詳しく話すシーンは必見です。『365日のシンプルライフ』は、ミニマリストを目指す人にとっては参考書のような役割を果たすでしょう。生きていくのに必要な物、不要な物がなんとなくわかるようになりました。(女性 30代)


ペトリ・ルーッカイネンの行いは極端だと思うし、実際に友人や家族が同じことをしていたらビックリすると思う。でも、生活や人生に本当に何が必要なのか、ここまで突き詰めて考えられるのは凄いと思ったし、少しだけ羨ましく感じた。ペトリのおばあちゃんが素敵な考えの持ち主で、彼女の言葉が胸に響いてきた。ドキュメンタリーだからこその説得力もあるし、自分自身の生活についても振り返るきっかけになる作品だった。(女性 30代)


物があることが当たり前の生活。豊かな時代だからこその問題かもしれない。物が手に入ることが幸せだとは限らないのだと、この映画が物語っているのではないだろうか。自分にとって本当に大切なこと、そして自分の幸せとは何なのか。自分の物と向き合い、1日に一つだけものを倉庫から出してくるという生活を始めたベトリが行き着く答えを、自分の生活に当てはめて考えたくなる映画だ。自分にとって大切なものは一体なんだろうかと、真剣に考えるきっかけになりそうだ。(女性 30代)


「ミニマリスト」という言葉を耳にすることも多くなった昨今。物欲があまり無いので不要なものまで沢山買ってしまうということはほとんどありませんが、今作を見ていると私の周りにある「モノ」たちの必要性を考え直さなきゃなと思ってしまいました。
生きていく上で必要な物についてのストーリーかと思いきや、人との関わり方や必要な「ヒト」の物語も描いているので思っていたよりもかなり深い作品でした。自分に必要な物はしっかり見極めたいし、誰かに必要とされる「ヒト」になりたいなと感じました。(女性 30代)

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