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映画『47RONIN』あらすじとネタバレ感想

映画『47RONIN』の概要:日本の有名な時代劇であり、歴史上実際に起こった出来事でもある「忠臣蔵」をモチーフに大胆な脚色を施したハリウッド映画。監督はカール・リンシュ、主演はキアヌ・リーヴス、日本人の有名俳優も出演している。

映画『47RONIN』 作品情報

47RONIN

  • 製作年:2013年
  • 上映時間:121分
  • ジャンル:アドベンチャー、ファンタジー、時代劇
  • 監督:カール・リンシュ
  • キャスト:キアヌ・リーヴス、真田広之、浅野忠信、菊地凛子 etc

映画『47RONIN』 評価

  • 点数:50点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『47RONIN』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『47RONIN』のあらすじを紹介します。

徳川家が支配していた時代の日本。
赤穂の地に天狗の子とも鬼子とも噂された、不思議な少年カイが流れ着いた。
家臣たちが反対する中、その地を治めていた城主の浅野内匠頭と一人娘のミカ姫に助けられた少年カイは、周囲に虐げられながらも立派な青年へと成長した。

浅野家に深い恨みを持つ吉良上野介が、妖術を使う謎の側室ミヅキの入れ知恵と策略により、浅野内匠頭を切腹に追い込む。
赤穂の地は吉良家の領土となり、家臣たちは浪人の身に、ミカ姫は吉良家に嫁ぐことに。

浅野家に忠義を誓っていた大石内蔵助は、秘密裏に浅野家の家臣たちを集めて、ミカ姫救出と吉良家への復讐を企んでいた。
出島に売り飛ばされていたカイを見つけ出した大石は、共に戦うことを提案。
大石が集めたかつての浅野家の家臣たちと共に行動し、差別していたことを謝罪されて本当の仲間になっていく。

足りない刀を手に入れるのも困難だった彼らは、天狗に育てられたというカイの手引きで、天狗から刀をもらうことになる。
秘術を使う天狗から十分な刀を手に入れた大石とカイは、仲間と共に吉良家に戦いを挑むことになる。
だがミヅキの手回しによって作戦が見抜かれてしまった彼らは、逃げ出すだけで精一杯だった。

一度は諦めかけた大石たちだったがカイの助言によって立ち直り、吉良上野介とミカ姫の婚礼の日、47人の浪人たちが吉良上野介と妖女ミヅキに戦いを挑むのだった。

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映画『47RONIN』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『47RONIN』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

アメリカが作る日本の時代劇の欠点

日本では有名な時代劇であり、本当に起こった歴史上の事件をテーマにしている「忠臣蔵」をアメリカ流に大胆にアレンジ。
そして天狗や麒麟、鬼、菊池凛子演じる妖術を使う謎の美女を登場させるなど、魅力的な設定の作品。
キアヌ・リーヴスの侍(浪人)姿も違和感が少なく、「ラストサムライ」のトム・クルーズを彷彿とさせるような”白人の侍姿”に驚かされる。

しかし、日本人から見ると、どうしても舞台が日本に見えない作品。
冒頭の徳川綱吉を映したシーンや、VFXを駆使した吉良上野介の城の外観は、どう見ても中国の歴史映画さながらであり日本とは結び付かない。
大石内蔵助役の真田広之が馬に乗ってカイのいる出島に向かうシーンも、山がひとつも見えないことから、日本が舞台という設定すらも怪しく思えてくる。

ありがちなのだが、柴咲コウ演じるミカ姫の着物も、日本人から見ると違和感たっぷり。
アメリカで製作されたファンタジー映画といえばそれまでだが、アレンジを加えすぎて感情移入できない作品なのは確かだ。

つめが甘いストーリー

菊池凛子が演じたミヅキが吉良上野介を操り、浅野内匠頭やミカ姫、自分の正体に気が付いたカイを亡き者にしようとするという、ハリウッドならではの魔女のようなキャラクター設定。
それに対抗する浅野親子に忠義を尽くすと決めた、どのキャラクターよりも侍らしいカイが、ラストで他の浪人たちと共に切腹するというストーリーはよくできている。
ハリウッド映画にありがちな展開の、”ミカ姫とカイが駆け落ちして末永く幸せに暮らしました”というハッピーエンドにしてもよさそうだが、オリジナルの「忠臣蔵」と同じラストを選んだのは日本の侍という文化に対するリスペクトもあるのだろう。
だが最初に登場する麒麟や、鎧をまとった鬼が弱すぎるために、物足りなさを感じてしまう。

ミヅキの目的や、彼女が何者なのかもハッキリしていないことで、何がしたかったのか意味不明な作品になっている。
カイが怪しいと進言する前から、浅野内匠頭がミヅキに陥れられたと理解しているし、ラストでは全員がミヅキが黒幕だと理解しているという、肝心な場面での説明不足な点が多すぎる。


『忠臣蔵』という難しいテーマに挑んで、見事にとんでも映画を作り上げてしまった作品。

何より気にくわないのが舞台がどう見ても、日本ではなく中国チックなこと。日本へのリスペクトが感じられない。アメリカで制作したのだから、アメリカチックになるならまだわかるのだが。完全に異世界を舞台にしてくれた方が、まだ素直に見られる。

原作を念頭に置かずに視聴すれば、キアヌ・リーヴスや真田広之や浅野忠信がひとつの作品で見られるというお得感は感じられた。(男性 30代)


なんとも言い難い「これは誰が得をするのだ」という印象の一本。
忠臣蔵という話は日本ではポピュラーな話で人気もあるだろう。しかしながらこの作品は忠臣蔵をモチーフにしてはいるものの、(少なくとも私の思う)忠臣蔵の面白い要素が見て取れないのだ。もしかしたら外国人は違うところを見ているのかもしれない、とも考えたがそれであればわざわざ忠臣蔵を持ち出さなくても単純に感動できる話は作れたのではないか。外国人の思う日本趣味かと思いきや、背景や衣装はどこか中華風味…残念。(男性 40代)

映画『47RONIN』 まとめ

ハリウッド版の忠臣蔵で浪人役のキアヌ・リーヴスや妖怪が出てくるVFXをふんだんに使った映画という魅力的なキーワードが揃ってはいるものの、それぞれのキャラクターに着地点が存在せずに、宙ぶらりんなままで終わってしまう作品。
アメリカが作るのだから仕方が無いし、ファンタジーと割り切ってしまえばそれまでなのだが、日本を舞台にしているとは到底思えず世界観に入りずらい。
紀里谷和明監督の「CASSHERN」、「GOEMON」を連想させるような風景や着物が使われているが、本作とは関わりが無い。

また、天狗といえば赤い顔に長い鼻というイメージだが、作中に登場する天狗は鼻や耳が削げ落ちている、どこか鳥を連想させるような顔であり、天狗のイメージにはそぐわない。
菊池凛子が演じた妖術を使う吉良家の側室ミヅキは左右の目の色が違うオッドアイであり、白いキツネに変身した姿や、半身が蛇になっている姿になるなど変わった部分が多く、存在自体も謎が多い。

みんなの感想・レビュー

  1. 継國縁壱 より:

    素直にファンタジックな表現なら良いのだが、風景や衣装、甲冑、ヘアスタイル等は三國志やラストエンペラーのような中華スタイルで、違和感しか感じない。真田広之ほか、日本人俳優をあれだけ揃えていながらあの様な作品になったことも残念で仕方ない。