映画『5時から7時の恋人カンケイ』の概要:ブライアンは街中で煙草を吸っている美しい女性、アリエルに心を奪われる。勇気を出して声を掛け交流を深めていくが、アリエルは既婚者で二児の母だった。ブライアンは不倫関係になることに躊躇するが、思いを止めることはできなかった。
映画『5時から7時の恋人カンケイ』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ヴィクター・レヴィン
キャスト:アントン・イェルチン、ベレニス・マルロー、オリヴィア・サールビー、ランベール・ウィルソン etc
映画『5時から7時の恋人カンケイ』の登場人物(キャスト)
- ブライアン(アントン・イェルチン)
- 24歳。アメリカ人。作家志望の青年。アリエルに一目惚れし、深く愛するようになる。
- アリエル(ベレニス・マーロウ)
- 33歳。フランス人。既婚者。二児の母。若い頃はモデルとして活躍していた。ブライアンと不倫していることは、夫のヴァレリーに打ち明けている(ブライアンとの関係は夫公認)。
- ジェーン(オリビア・サールビー)
- ヴァレリーの愛人。出版社の編集者。ヴァレリーとの関係を心から楽しんでいる。
- ヴァレリー(ランベール・ウィルソン)
- アリエルの夫。妻公認の愛人(ジェーン)がいる。フランス領事館で働いている外交官。
映画『5時から7時の恋人カンケイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『5時から7時の恋人カンケイ』のあらすじ【起】
小説家を目指しているブライアンは世界中の雑誌社に書いた小説を送っていたが、返ってくるのは不採用通知ばかりだった。ブライアンは友達や恋人を作らず、ただ書いて読んで独り言を呟く生活を送っていた。そんなある日、道で煙草を吸っている一人の女性に心を奪われる。ブライアンは自分も煙草を吸いながらその女性、アリエルに声を掛けた。アリエルは大人な女性で、必死に話すブライアンを子供のようにあしらった。だが、ブライアンとのやり取りを楽しんでいる節もあり、別れる間際、毎週金曜日に今いる場所で煙草を吸っていることを教えた。ブライアンはアリエルに誘われるまま、来週会う約束を取り付けた。
ブライアンは仕事の二次面接のような気持ちで、アリエルに会いに行った。その日は雨が降っていたため、アリエルはブライアンが来たことに驚いた。ブライアン達はお互い自分のことを相手に教えた。ブライアンは24歳で作家志望のことを、アリエルは33歳で8年前にモデルの仕事を辞めたことを話した。だが、アリエルは煙草を吸い終わると、さっさと家に帰ろうとした。ブライアンが短すぎる逢瀬に不満の声を漏らすと、アリエルは平日の午後5時から7時の間は暇なことを教えた。ブライアンは具体的な時間指定に疑問を持ちながらも、月曜日にアリエルと美術館に行く約束をした。
アリエルは悲観的な性格で、美術館の絵を眺めては“死”や“死人”の絵だと評した。だが実際見ていたのは“死”や“死人”とは全然関係のない、明るいヨットの絵やエドワード・ホッパーの「ナイト・ホークス」の絵だった。ブライアンは何とかアリエルに前向きに絵を見てもらおうと言葉を重ねるが、無駄な努力に終わった。ブライアンは言葉で訴えるのに疲れ果て、思わずキスをしてしまう。
美術館からの帰り道、ブライアンはアリエルから既婚者だと聞かされる。旦那は外交官で、フランス領事館で働いていた。ブライアンはアリエルが結婚指輪をしていなかったため、独身だと思い込んでいた。しかし、アリエルはブライアンが既婚者だと承知の上で会っていると思っていた。フランス語で“5時から7時”は不倫関係を意味する言葉だったからだ。しかも、アリエルの旦那にも妻公認の愛人がいた。フランスではそれが普通のことだった。アメリカ人のブライアンはそのことが理解できず、関係を続けることはできないとアリエルを拒否した。アリエルはショックを受け、ブライアンの元を去って行った。
映画『5時から7時の恋人カンケイ』のあらすじ【承】
次の金曜日、ブライアンは1人で道に立つアリエルのことが気になり、文章が書けなくなってしまう。その次の金曜日も同じだった。さらにその次の金曜日、ブライアンはアリエルに会いに行った。アリエルは会いに来るのに3週間もかかったブライアンに呆れながらも、抱きしめて再会を喜んだ。
ブライアンはアリエルと、とあるマンションの部屋で落ち合い情事に耽った。だが、夢のような時間は長くは続かず、アリエルは現実に戻るためにブライアンとの時間を断ち切り着替えを済ませた。アリエルは子供の学校で募金活動をする予定が入っていたため、帰らなければならなかったのだ。ブライアンはアリエルに家族がいることに耐えられなくなるが、アリエルは子供達を愛していたので、ブライアンだけに捕らわれるつもりはなかった。そのため、縋ってくるブライアンと次に会う約束をして、帰って行った。
ブライアンは幸せすぎて執筆することができなくなる。それでも、ブライアンはアリエルと会うことを止めなかった。2人の関係は不倫関係だったため、外でキスをすることさえできなかったが、アリエルが好きだったため我慢することができた。ブライアンは1人でいるとき、フランス文化を学ぶようになった。そして、逆にアメリカの文化を、アリエルに教えてあげるようになった。
映画『5時から7時の恋人カンケイ』のあらすじ【転】
ブライアンはアリエルの夫のヴァレリーに声を掛けられ、自宅に招待される。アリエルはブライアンとの不倫関係を夫に打ち明けていたのだ。ブライアンは戸惑うが、断ることもできず招待を受け入れた。後日、そのことをアリエルに相談するが、アリエルはブライアンがなぜ困惑しているのか理解できないようだった。逆に夫との友情を深めてくれとブライアンに頼んだ。
ブライアンはヴァレリー夫妻の自宅を訪れた。そこには、ヴァレリーの友人や、ヴァレリーの愛人のジェーンの姿もあった。ブライアンは複雑な気持ちのまま、彼らと夕食を共にした。その後、ブライアンはジェーンと同じタクシーに乗って帰ることになった。ブライアンはアリエルとの未来のない生活に不安を感じていたが、ジェーンはブライアンとは違い、ヴァレリーとの愛人関係を心から楽しんでいる様子だった。ジェーンは後ろ向きな考えを持つブライアンに、“フルスイングしろ”とアドバイスを送った。
ブライアンは“フルスイングする”ため、両親にアリエルを紹介した。しかし、アリエルが既婚者で子供が2人いることを正直に話したため、空気が氷ついてしまう。父は息子のブライアンを非難し、よく考えろと忠告した。だが、母はアリエルがブライアンを心から愛していることを感じ取り、応援することにした。
アリエルが頼んでいるシッターが病気になった。アリエルはヴァレリーと出掛ける用事があったため、ブライアンに子供達のことを頼んだ。ブライアンは快くシッターの代わりを引き受け、子供達と公園で遊んだ。
映画『5時から7時の恋人カンケイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ブライアンが書いた小説が出版されることになった。授賞式が行われることになり、ブライアンはアリエルを誘った。すると、アリエルは夫とジェーンを誘い授賞式に参加した。ブライアンはせっかくの授賞式に夫を誘ってきたアリエルに腹を立てるが、ジェーンからそれが“ルール”だから仕方がないと諌められる。ジェーンはそんなことよりも仕事のことを考えてくれと頼み、自分の上司であり編集長であるジョナサンを紹介した。ジョナサンはブライアンに小説を書いてくれと頼み、できあがったら本を出版すると約束した。
ブライアンは“5時から7時”だけの関係に満足できなくなり、指輪を購入してアリエルにプロポーズした。アリエルもブライアンと結婚したかったが、子供のことや年の差のことを考えるとすぐには頷けなかった。だが、ブライアンから説得され、指輪を受け取ることを決める。アリエルはルールを破り、ブライアンと明日の4時に会う約束をして別れた。
その日の夜、ブライアンの自宅にヴァレリーが訪ねてきた。ヴァレリーはブライアンを殴り、“ルール”を破ったことを非難した。ブライアンが謝罪すると、ヴァレリーは25万ドルの小切手を渡し、アリエルを頼むと呟いて帰って行った。
ブライアンが約束の部屋に行くと、ドアマンからアリエルが書いた手紙を渡される。嫌な予感を感じながらも部屋に近づくと、清掃員によって部屋が片付けられているのが見えた。ブライアンがアリエルからの手紙を開けると、中にはプレゼントした指輪が入っていた。アリエルの手紙にはブライアンのことを深く愛していることと、夫と子供をどうしても捨てることができない旨が書かれていた。ブライアンは封筒に指輪を入れ、アリエルが来たら渡して欲しいとドアマンに頼んだ。
ジェーンが心配してブライアンの家を訪ねてきた。ジェーンはブライアンがアリエルと別れたことを気にしており、自分もヴァレリーと別れていた。ブライアンは気にしなくてもいいと愛人を続けることを勧めるが、ジェーンの気持ちは変わらなかった。
ブライアンは行き場のない感情をぶちまけるため、執筆作業に勤しんだ。ブライアンがアリエルを思って書いた“マーメイド”は無事に出版され、店頭に並んだ。アリエルは店頭に並んでいる本を見てブライアンが自分を思って書いた本だと気づき、微笑んで喜んだ。
ブライアンは結婚し、子供も誕生した。それでも、アリエルのことは忘れられなかった。そんなある日、ブライアンが家族と散歩しているとき、街中でアリエル達家族と再会を果たす。アリエルはブライアンがドアマンに託した指輪を嵌めていた。2人は微笑み合って、それぞれの家族と去って行った。
映画『5時から7時の恋人カンケイ』の感想・評価・レビュー
アリエルは美しいだけでなく危なかっしいところもあり、ブライアンが惹かれる気持ちがよく分かった。しかし、妻や夫公認の愛人がいることは、やはり日本人である自分には理解できないことだった。恋人との関係を楽しんでいたいのなら、ずっと独身でいればいいのにと思ってしまった。物語のラストはアリエルとブライアンにとっては良い終わり方かもしれないが、ブライアンの奥さんが少し可哀そうで、少しだけもやっとした気持ちになった。(女性 30代)
かなり自分勝手な男女のお話でした。個人的にはアントン・イェルチンが大好きなので、一生懸命に愛を伝えるブライアンはとても素敵でしたが、アリエルもヴァレリーも後半のブライアンも皆自分勝手だなと思いました。愛人を作ったり、不倫をしている時点で間違っていることなのに、公認だから良いと言うような口振りでその関係を肯定するのはおかしいなと感じました。
結ばれることのなかったアリエルとブライアンですが、お互いが忘れられず心の中で愛し合っているというラストは理解できないものでした。(女性 30代)
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