映画『フィフス・ウェイブ』の概要:謎の異星人に襲撃を受けた地球を舞台に、女子高生のヒロインがはぐれた最愛の弟を守る為に奔走する。5つの段階を踏んで地球を支配しようとする異星人は姿を現さず、人間に寄生する型である為、謎が謎を呼ぶSF青春サスペンス。
映画『フィフス・ウェイブ』の作品情報
上映時間:112分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス
監督:J・ブレイクソン
キャスト:クロエ・グレース・モレッツ、ニック・ロビンソン、ロン・リヴィングストン、マギー・シフ etc
映画『フィフス・ウェイブ』の登場人物(キャスト)
- キャシー・サリヴァン(クロエ・グレース・モレッツ)
- 女子高生でベンに恋心を抱いていた。幼い弟を守る為、勇敢にも1人で旅をする。
- ベン・パリッシュ / ゾンビ(ニック・ロビンソン)
- キャシーと同じ高校生。第3波のウィルスで一度死にかけるも、復活した事からゾンビと渾名される。軍の訓練で優秀な成績を収めた為、班のリーダーとなる。
- エヴァン・ウォーカー(アレックス・ロー)
- 旅の途中で怪我をしたキャシーを助けてくれる。実は襲撃前から異星人に寄生されているが、キャシーに一目惚れして考えを改める。
- リンガー(マイカ・モンロー)
- 暴れん坊の元女子高生。軍で別の班のリーダーだったが、チームの隊員が全滅した為、ベンのチームへ配属される。大佐の行動を訝っている。
- ヴォーシュ大佐(リーヴ・シュレイバー)
- 異星人に寄生され、若者を集めて訓練した後、人間を排除しようとしている。
映画『フィフス・ウェイブ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フィフス・ウェイブ』のあらすじ【起】
キャシーは普通の女子高生だ。両親と幼い弟と幸せに暮らしている。彼女は10代の青春を謳歌しており、同級生のベン・パリッシュに淡い恋心を抱いていた。だが、ある日突然、その幸せは壊される。数日前から謎の物体がアメリカの上空に出現。キャシーの自宅からも目視出来た。
飛行物体は最初の10日間、沈黙を貫く。それはじきに“アザーズ”と呼び名がついた。近所の住民達が次々と逃亡する中、キャシー一家は自宅に留まり、彼女は通常通りに学校へと登校。教室には数える程度の生徒しかいない。その日、授業の真っ最中に親友と連絡を取り合っていたキャシー。返信しようとした時突然、停電する。否、スマホの電源も同時に落ちたところを見ると、ただの停電ではないようだ。そこへ、何かの破壊音が外から聞こえる。急いで窓の外を見ると、次々と車が事故を起こし、空からは旅客機が墜落する様が見えた。“アザーズ”は電磁パルスで電子機器を破壊したのだ。電磁パルスの影響であらゆるエンジンが止まり、電気も水道も使えなくなった。当たり前の日常が一瞬で消えた。これが第1波。
キャシーは弟のサムと、近くの川に水を汲みに来ていた。攻撃は終わったと思われていたが、第2波がやって来る。水を汲み終わった弟と帰路の途中、大地震に見舞われる。キャシーは弟を守りながら、地震をやり過ごした。その後、津波に襲われる。弟を連れて走り出し、大木の上へ避難。津波は海辺の大都市を襲い、あらゆる物を飲み込んだ。この大津波により、沿岸都市と島々が消えた。
津波による水が引いた頃、第3波がやって来る。致死性を高めたウィルスが、鳥により地球中に拡散。人類の半数以上がこれにより、死に絶えた。看護師だったキャシーの母親もウィルスの犠牲になり、親友もこれで亡くなった。ウィルスの免疫を持つ者もいたし、中には感染しても完治する人もいた。
キャシーの父親は、子供達を連れて自宅を出た。生き残った人々が、難民キャンプを形成している。徒歩で辿り着いた難民キャンプには、305人の人々がテントを立てて暮らしていた。その夜、キャシーは父親から銃を一丁持たされる。詳しい使い方を教えてもらい、もしもの時はこれで身を守るよう言われた。父親が言うには、安全な場所はもうどこにもないらしい。
そんなある日、難民キャンプに軍隊が現れた。率いているのは陸軍大佐のヴォーシュだった。彼らは救出の為に、ライト・パターソン基地からやって来たと言う。子供達はスクールバスへ乗せられ、大人達は説明会をするからと食堂へ集められる。キャシーと弟はバスへ乗り込むが、弟が大事なクマのぬいぐるみを忘れた為、キャシーが取りに向かった。しかし、バスが発進。必死で追いかけるが、キャシーは弟と離れ離れになってしまう。
映画『フィフス・ウェイブ』のあらすじ【承】
食堂に集められた大人達は大佐から第4波が始まった事を知らされる。アザーズは人間に寄生して、言語を操るらしい。子供の検査は簡単だが、大人の検査は複雑になる為、まずは全員を別の施設へ移送して検査を行うと言うが、大人達は納得しない。キャシーは食堂にいる父親を見つけるが、来るなと合図される。軍隊は言う事を聞かない大人達を全員射殺。銃声が止んで軍隊が去った後、キャシーはぬいぐるみを拾い父親を探す。父親の無残な姿を見つけて涙に暮れた。その後、兵隊が持っていた銃を持って、キャシーは再び森へと向かった。
一方、基地には次々と子供達を乗せたバスが到着。そこには、死んだと思われたベンもいた。彼は一度ウィルスへ感染後に復活した為、隔離所ではゾンビと呼ばれていた。基地内で検査を受け、居場所を追跡する探知器を首の後ろに埋め込まれる。軍では若者達をアザーズと戦わせようとしていた。ベンは敵の姿をスコープによって見せられる。スコープを覗くと少年の脳に寄生した生き物が見えた。アザーズには薬も放射線も効かず、手術をしても無駄。宿主を殺すしか方法が無いと言われる。ベンは家族の敵を討てと囁かれ、少年を殺した。
第1波から第3波までの間に淘汰出来なかった人間は、1人1人消されていく。誰も信じてはいけない。弟を救い出す為、彼女は基地へと1人で旅を続ける。基地までは130キロ。黙々と歩き続け、基地まで74キロの地点まで来た。銃を構えながら、道路に乗り捨てられた車の間を進む。上空をアザーズの飛行物体が横切る。それを見て振り向いた瞬間、キャシーは右の太腿を狙撃されて倒れる。すぐさま次の狙撃があり、彼女は車の下へ避難。痛みを堪えつつ、父から貰った銃を乱射するも、痛みのせいで倒れ気を失った。
基地では若者達が訓練されていた。そこで、大佐からアザーズが第5波の準備をしていると知らされる。どのような攻撃かは不明。負ければ人類は地上から消える。若者達は兵士の考え方や話し方、戦い方を学ばされていた。
目が覚めたキャシーは、ベッドで寝かされていた。朝になり点滴の針を抜いたキャシー。太腿の傷も丁寧に手当てされている。彼女は銃を探すが、見つけられない。足音が聞こえた為にベッドへと戻る。部屋に1人の男性が入って来て声をかけた。彼はエヴァン・ウォーカー。高速道路で倒れていたキャシーを助けて、自分の家へ連れて来たと言う。傷の手当てをしてもらいながら、基地までの距離を聞くと、この家からは100キロほど先だと言う。30キロ近くも戻ってしまっていた。
映画『フィフス・ウェイブ』のあらすじ【転】
基地の若者達は班に分けられて、訓練をしている。ベンはその中でもトップの成績を収め、班のリーダーを務めていた。そんなある日、班にリンガーという女の子が新たに加わる。彼女はとても反抗的だという噂で、別の班でリーダーをしていたが、班員が全員死亡した為にベンの班へと配属されたのだった。男勝りで、確かに反抗的だった。
エヴァンの家で傷が回復するまでを過ごす事になったキャシーは、彼が外に出ている間に隠してあった父の銃を発見。急いで荷物をまとめて森へと逃げ出した。だが、追いかけて来たエヴァンに捕まってしまう。アザーズはドローンを飛ばして生存者を探している。基地のように人が集まる場所は狙われやすい。それならもう、弟は生きていないかもしれない。しかし、彼女は諦めずに基地へ向かう事にした。口論の末、エヴァンが基地まで送ってくれる事になった。
リンガーと勝負して勝ったベンは、彼女から射撃のコツを教えてもらう。訓練中、ベンに呼び出しがあり彼は、大佐の元へ向かった。大佐から複数の都市が同時に襲われた事を知らされる。これが第5波らしい。その後、医務室のスコープの技術を応用したレンズを見せられた。レンズを通すと敵が緑に光る。実戦でレンズを試したいとの事で、ベンの班も出動する事になった。
キャシーとエヴァンの距離は少しずつ近付いていく。道すがらエヴァンから護身術を習ったり、キャシーの家族の写真を見たりと、2人は心を開いていく。道中、互いの事を語り合う。その日の夜、放置された車の傍で休む事にした2人は、雷鳴をきっかけに体を重ねる。
夜、武装したベンの班はヘリへと乗り込んだ。これから実戦へ向かう。ベンの班には幼い少年がいたが、その子は腹を壊したと理由をつけられ、ベンに置いていかれた。暗闇の中を進み、スコープを装着。緑に光る敵と思われる者を攻撃した。だが、奴らも反撃してくる。バスを爆破して、どうにか建物内へ逃げ延び潜伏。そこでリンガーは、何かがおかしいと言う。班員がスコープでリンガーを見ると、彼女が緑に光った。瞬時に緊張が走る。ナイフを取り出したベンが、首の後ろに埋め込んだ探知器を取り除く。すると、ベンも緑に光った。彼は自分達が大佐に騙されているに気付く。緑の光は探知器の無い、ただの人間だったのだ。ベンは軍や大佐がアザーズだと言う。そして、第5波は自分達なのだと。
映画『フィフス・ウェイブ』の結末・ラスト(ネタバレ)
幼い少年を基地に置いてきてしまったベンは、少年を救う為に基地へ戻ると言う。大佐にばれないよう負傷して戻る事にしたベン。身体に詳しい班員に部位を教えてもらい、リンガーに撃たせた。他の班員はこのまま逃亡させ、死んだと報告するつもりだった。
暗闇の中、エヴァンは何かを察して車の外へ出た。現れた男に持ち場を離れるなと言われ、銃で撃たれる。彼はそれを避けて男と乱闘。そこでキャシーは、エヴァンが普通の人間では到底出来ないような動きをするのを目撃。襲って来たのは恐らくアザーズ。だが、エヴァンももしかして。彼女はエヴァンに銃を向ける。彼は自分の事を人間でもあるが、アザーズでもあると言った。必死に弁明するエヴァンだったが、キャシーは裏切られたような気持ちになり、彼を置いて1人で基地へ向かった。
キャシーは通り掛かった風を装い、バスに乗り込む。基地で探知器を植え付けられ、スコープを見せられた。そこで、キャシーは隙を突いて軍人を倒す。そして、探知器を取り出した。軍人の服を拝借して内部へ潜入。
負傷して基地に戻ったベンは、大佐に状況報告をしていた。だが、撃たれた場所が妙だと気付かれる。そこで、ベンは大佐の正体を知っていると話した。アザーズは人間に何の恨みもない。けれども、地球が必要だから人間を淘汰すると話す。会話中、部下が異変を報告に来る。しかし、そこで基地内が停電。ゲートが爆破されたと言う。ベンはその隙に逃げ出した。爆発の衝撃で騒然とする基地内を走っていると、キャシーはベンに出会う。事情を話し合うと2人は同じ人物を探していた。それはキャシーの弟サムだ。2人はサムを探して走った。だが、2人の兵士に見つかってしまう。そこへ、エヴァンが登場。瞬く間に兵士を倒す。エヴァンは基地内に爆発物を仕掛け、新兵を乗せた輸送機が出たら基地を爆破するらしい。そして、人間かアザーズかどちらか1つを選ぶと言い、キャシーを選んだ。熱烈なキスをする2人。また会えると言い、エヴァンは去って行った。新兵は輸送機へ向かっている。大勢の中から弟を見つけたキャシーは、ベンと共に外へ。何台ものヘリが飛び交う中、逃げる大佐から攻撃される。すると、基地の爆発のせいか、地盤が沈下。それらから逃げていると、リンガーがジープで迎えに来た。車に乗り込み、無事に基地を後にする少年達。
同じ班の少年達と合流。真昼の空に、星を探しているキャシーにベンが話しかける。これからどうするか。キャシーは他の若者達を救うと言う。どうやって助けるかは、これから考える。それよりもまずは、食事にしよう。少年達は火を囲んで食事をする。
希望は弱点であり、幻想だとアザーズは言う。だが、それは違う。希望があるから生きていける。苦境にも耐えられるのだ。希望こそが、人間である証。キャシーは再び、空へと眼差しを向けた。
映画『フィフス・ウェイブ』の感想・評価・レビュー
SFものではあるが設定だけでストーリーにはかなりつっこみを入れたくなる場面も多いので、本格的なSF映画を好きな人にはあまりおすすめ出来ない作品になっていると思った。地球の危機から人々を守るだけではなく恋愛や友情についてのエピソードもあったりと盛り込みすぎな気もするが、手軽に飽きずに観ることが出来るので気楽に映画を楽しみたいときにはおすすめ。
クロエ・グレース・モレッツがひたすら可愛いので、それだけでこの作品を見る価値はあるほどだった。(女性 20代)
キャシーのサムを思う姉弟愛、父親母親が子供たちを守ろうとする親の愛、アザーズであるエヴァンの人間に心を寄せる優しさ、リンガーの頼もしさ、ベンのサム、小さい子を守ろうとする優しさなど随所に人間の良さを感じる作品でした。
主人公が女子高生のためどこか子供と大人の狭間の迷いみたいな物を感じて、青春だなぁと感じました。毎日が平凡の繰り返しと思っていたところに、この異変が起きて、その平凡のありがたさを見つめ直すところに個人的には青春を感じました。
全体的にテンポも良くて見やすい映画でした。(男性 40代)
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