この記事では、映画『9デイズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『9デイズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『9デイズ』の作品情報

上映時間:117分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:ジョエル・シューマカー
キャスト:アンソニー・ホプキンス、クリス・ロック、ガブリエル・マクト、ガーセル・ボヴェイ etc
映画『9デイズ』の登場人物(キャスト)
- ゲイロード・オークス(アンソニー・ホプキンス)
- CIA諜報員で壮年の男性。貫禄があり、任務にて核爆弾の購入者として武器商人と面識を持つ。チームを率いるリーダーで冷静沈着。
- ジェイク・ヘイズ(クリス・ロック)
- チケットのダフ屋やクラブのDJとして生計を立てている黒人男性。一度に複数の物事を同時に進行させる賢さと、交渉術を持っている。ケヴィンとは一卵性の双子だが、性格は正反対。
- ジュリア・ベンソン(ケリー・ワシントン)
- ジェイクの恋人。家族にはジェイクとの付き合いを反対されているが、別れたくないと思っている。可愛らしい黒人女性。
- ドラガン・アジャニチ(マシュー・マーシュ)
- 凶悪なテロ組織のボスで、国際指名手配犯。核爆弾を狙ってケヴィンを殺害、ジェイクをも執拗に追い詰める。
映画『9デイズ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『9デイズ』のあらすじ【起】
チェコ共和国、プラハ。CIA諜報員であるケヴィンは、マイケルという偽名を使い、核爆弾のおとり捜査に参加。取引は無事に成功するもののその帰り、何者かに襲われて命を落としてしまう。
武器商人と取引できるまでに、2年もの歳月がかかっている。それも、亡くなったケヴィンだけが仲介人として認められており、取引の期限まで残り9日しか残されていない。調べによるとケヴィンを殺害したのは、テロリスト集団を率いるドラガン・アジャニチ。奴は武器商人から核爆弾を手に入れるため、邪魔な存在であるケヴィンを殺害したのだ。
アメリカのバージニア州、ラングレー。CIA本部では今回の任務を成功させるため、ケヴィンの代役を選定。
チケットのダフ屋として生計を立てるジェイク・ヘイズは、口八丁手八丁のやり手。チェスの対戦をしながら、携帯電話を片手に次々とチケットを裁く。一度に複数の物事を裁くことができるということは、賢い証拠だ。ケヴィンの代役としての能力は申し分なく、更に容姿も瓜二つだった。
CIA諜報員ゲイロード・オークスは、ケヴィンが所属するチームを率いている。彼はジェイクを徹底的に調査して交渉に乗り出した。ジェイクはケヴィンと双子の兄弟だったが、病院側の陰謀により、双子であることを知らなかった。
オークスは彼と報酬の交渉をして、CIA本部へ連れて来ることに成功する。
一室に軟禁されたジェイクは、チェコ語を勉強。オークスは彼をケヴィンそっくりに仕立てるための教育を施すことになった。ケヴィンのことを知れば知るほど、全くの正反対。
1日目、真面目にやらないジェイクを殺すと脅した。すると、ジェイクは3日目にして上々の成果を上げる。元はとても賢いのだ。
映画『9デイズ』のあらすじ【承】
4日目。ジェイクはケヴィンが使っていた偽名で実際の現場へ。あとは実践で学ぶしかない。隣人はジェイクをケヴィンだと信じて疑わなかった。一卵性の双子なのだから当然である。だが、ここで緊急事態が発生。彼を狙う暗殺者が現れたのだ。
ケヴィンが死んだ理由を知らなかったジェイクは、暗殺者に襲われ現場から逃亡。オークスのチームは暗殺者を追い詰めるも、投身自殺を図られてしまう。
ジェイクは恋人のジュリアに電話をかけるも、付き合いに反対していた家族から拒絶される。仕方なく母親の元へ向かった。母親でさえジェイクが双子であることを知らなかったが、息子への愛情は本物だった。
母親の家から出たところで、オークスに遭遇したジェイク。彼から事情を聞き、今後どうするかを問われる。ジェイクは逡巡した後、戻ることにした。
自分が置かれた状況を正しく理解したジェイクはその後、緊急時の対応を勉強。取引にて入手するポータブル核爆弾の模造品を見せてもらう。核爆弾はロシアから盗まれたもので、スーツケースに収まる小ささだった。
翌日はチェコ共和国のプラハへ。ホテルへチェックインした後、武器商人から持たされた携帯電話に連絡がある。場所と時間が指定され、ジェイクはオークスと共に指定された場所へ向かい、武器商人と対面した。
その場ですぐにブツが手に入るわけではない。緊迫した状況の中、ジェイクは上手く切り抜け対面を終えた。これには歴戦の諜報員であるオークスも彼を誉める。ホテルへ戻ったジェイク。この日は早々に休もうと考えていたが、部屋の浴室でシャワーを浴びている女性と遭遇。
ジェイクの部屋を監視カメラで見ていたオークスから、女性が何者であるかを聞いたジェイク。彼女はマイケルに扮したケヴィンの恋人だった。仕方ないのでディナーを付き合うことに。食事の合間に別れ話を切り出したが、なぜか恋人の恋情が深まってしまう。
映画『9デイズ』のあらすじ【転】
ホテルの部屋へ入る前にキスされてしまうジェイク。だが、恋人は彼がケヴィンではないことを即座に見抜き、口論になる。しかし、折り悪くそこへドラガンの手の者が襲撃に現れ、ジェイクは恋人を連れて逃走し、ダストボックスへ身を潜めた。命の危険が迫っているというのに、こんな時に限って武器商人から電話が来る。2時間後に指定の場所へ来いという話だった。
オークス達によって助かったジェイクだったが、恋人は騙されていたと激怒して早々に退場。一行はブツの取引へ向けて、入念な準備を行う。
場所はホチェショフ修道院。オークスと2人で向かった。
ボディチェック後、武器商人と再び対面。実物の核爆弾を前にジェイクの緊張が高まる。事前に打ち合わせていた通りに、爆弾が本物かどうかを確認。爆弾システムのダウンロードには時間がかかるため、ジェイクは得意の話術で時間稼ぎ。だが、CIAのコンピューターへダウンロードされるはずが、妨害に遭いダウンロードに失敗してしまう。しかし、現場では前もって聞いていた了承音が鳴る。
本物であることが確認されたため、オークスは1900万ドルの数字だけを送金。コンピューター上で数字が動くだけなので、実際に現金の振り込みはされない。振込が完了。武器商人は嬉々として退散することにした。
しかし、そこへドラガンとその一味が乱入。武器商人が右腕の側近に裏切られていたことが判明する。武器商人はその場で射殺。
オークスとジェイクは状況を冷静に見守り、緊急事態のアラームを鳴らした。すると、CIAの諜報員達が一斉に行動を開始。
しかし、状況は更に悪化。武器商人の右腕がドラガン本人により射殺されてしまったのだ。
爆弾のシステムが入ったジェイクの端末がドラガンの手に渡ったところで、銃撃戦が開始。
幸いジェイクの端末は彼にしか起動できないよう設定されているため、今すぐにどうなるものでもない。問題は爆弾を手に入れることだ。ジェイクは核爆弾を入手し、オークスと逃走した。
映画『9デイズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
車に取り付けていた追跡装置により、オークスとジェイクの救出にやって来たCIAだったが、最悪なことに追跡装置が外されている。車で逃走した2人は完全に孤立。追いかけて来るドラガン一味と車上での攻防を展開した。
しかし、敵との攻防中に爆弾が車外へ落下。取りに戻ろうとしたが、正面から一味が衝突して来たため、身動きが取れなくなり爆弾が奴らの手に渡ってしまう。
無事に救出されたオークスは、上司からジェイクを餌にしてドラガンを誘き寄せるよう命令される。最悪な場合に至ったらジェイクを消せばいいと言う。
当然、話を聞いたジェイクは激怒。だが、爆弾のコードが渡って爆破されてしまえば、被害は留まることを知らない。数百万人の住民の命か、たった1人の命かと言われたら、1人の命を捨てるに決まっている。ジェイクは心を決めて、囮になることにした。
その頃、ドラガンはホテルにてジェイクの通話記録を調べ、アメリカにいる恋人ジュリアを捕縛。人質にしてジェイクへと電話をかけた。ニュージャージー州の自宅へ戻り、連絡を待てと言う。ジェイクの話を聞いたCIAは総動員で準備を行った。
アメリカ、ニュージャージー州。アパートへ戻ったジェイクにドラガンから連絡が入る。ジェイクには小型の盗聴装置を皮下注射しているため、バックアップは万全だった。
指示通り、迎えに現れたバンに乗車したジェイクは廃病院へ。スタンガンで動きを封じられ、拘束された上に拷問を受け、網膜照合をされてしまう。
このままではジェイクが殺されてしまう。オークスは部下と共に廃病院へ潜入。爆弾のコードを入力されたため、すぐにでも起動される恐れがある。ジェイクを救助したオークスは、一味の携帯から住所を突き止めた。場所は大勢の住民が利用する駅だった。
諜報員総出で爆弾の探索をし、忘れ物の保管庫へ。そこには、ドラガンの一味が爆弾を手に反撃してくる。激しい銃撃戦を繰り広げ、オークスも被弾してしまうが、一味を倒し爆弾を無事に入手した。
トランクを開けると、制限時間は約3分に迫っている。コードの入力をして起動解除をしなければならない。オークスはジェイクが見たはずのコードを思い出すように言う。順調に2つのコードを入力し、残りはあと2つ。
しかし、そこへドラガンがジュリアを連れて現れる。刻々と時間が迫る中、オークスと協力してドラガンを倒した。ジュリアは無事に解放されるが、爆弾の制限時間は止まらない。ジェイクは残りのコードを入力。12秒前で起動解除に成功した。
その後、CIAはジェイクとの約束通り、彼に多額の報酬を与える。
3か月後、ジュリアとジェイクが結婚。式は盛大に行われ、オークスも祝いに駆け付けてくれるのだった。
映画『9デイズ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
突然、自分が双子である事がわかり、テロ組織の企みに巻き込まれるジェイクが主人公の映画。結構強引なストーリー展開感は否めない。また、ジェイクも非凡な才能を持っている為、意外とスムーズに対応出来てしまうのも、あまり現実味が無い感じがしてしまう。とはいえ、そこが本作品の醍醐味といえば醍醐味なので、あまり細かい事は考えず、ジェイクの頭の回転の早さや機転などを黙々と楽しむように見て欲しい。結末も、変にしこりを残さず、ちゃんとしたハッピーエンドとなっている。(男性 30代)
アンソニー・ホプキンスとタッグを組むなんて演技で食われるんじゃないか……という杞憂をクリス・ロックが吹き飛ばしてくれる作品です。食われずにちゃんとコンビものとして成立しています。
元々双子と言っても、訓練を受けていないのにジェイクのスペックが高すぎて驚きます。シリアスよりもコメディタッチのスパイものですが、アクションシーンはかなり大掛かりです。複雑すぎて意味が分からないということはないので、単純に楽しめます。ただ、印象に残るセリフやシーンはありません。(女性 30代)
ただのダフ屋が実は双子で、死んだ片割れがまさかのCIAの諜報員でしかも代わりになれという無茶ぶりが過ぎる今作。クリス・ロックのフットワークの軽い演技と大物俳優アンソニー・ホプキンスの渋い演技が見物。
とんでもない設定なのにシリアスもあって、アクションもある。そして、アンソニー・ホプキンスの渋さが作品を引き締め、終盤では手に汗を握る。主人公の適応能力が凄まじい。深く考えずに流れに身を任せ、楽しめる作品だと思う。(女性 40代)
クリス・ロックとアンソニー・ホプキンスという異色コンビのスパイアクション。双子の兄を亡くした平凡な男ジェイクが、兄の代わりにCIAの極秘任務に巻き込まれていくという展開はベタながらもテンポが良い。序盤のコメディタッチから、後半で本格スパイ映画へと変化する構成が面白い。ラストの爆弾解除シーンは手に汗握る。軽快な娯楽作として楽しめた。(30代 男性)
アンソニー・ホプキンスの渋い演技が作品を支えている。クリス・ロックの軽妙なキャラクターとホプキンスの冷静なスパイ像が絶妙に対比されていて、バディムービーとしても成立している。ストーリーは王道ながら、二人の掛け合いが最後まで飽きさせない。特にジェイクが兄の死を受け入れ、自分なりの使命を果たす姿には感動した。(40代 女性)
コメディとアクションのバランスが良く、クリス・ロックのテンポのいいセリフ回しが最高。普段の彼のおちゃらけたイメージの中に、兄の死に対する哀しみが垣間見えるのが印象的。アンソニー・ホプキンスとの“師弟関係”のような関係性が徐々に深まっていく過程が良かった。ハリウッドらしい娯楽性の高いスパイ映画。(20代 男性)
スパイ映画としてはやや軽いが、キャラクターの成長物語として観ると意外に深い。ジェイクが次第に“普通の男”から“プロのスパイ”へと変わっていく姿は、コメディの中にも緊張感がある。ホプキンスの静かな指導者としての存在感は圧倒的。終盤の別れのシーンは、淡々としているのに胸が熱くなった。(50代 男性)
テンポの良い演出と分かりやすいストーリーで、スパイ映画初心者でも楽しめる。クリス・ロックが見せるユーモアとシリアスの切り替えが見事。特に、兄の死の真相を知ったあとの彼の表情には、意外な深みがあった。派手なアクションよりも、キャラクターの掛け合いがメインの“軽快なスパイ劇”としておすすめ。(30代 女性)
兄の死という重いテーマを抱えながらも、全体的に軽快な雰囲気が貫かれている。クリス・ロックが演じるジェイクの成長に感情移入しやすく、観終わる頃には“頑張れ!”と応援してしまう。アンソニー・ホプキンスの落ち着いた演技が映画を格上げしている。二人の信頼関係が築かれる過程が見どころ。(20代 女性)
『9デイズ』はスパイ映画というより、二人の男の“信頼と喪失”の物語。コメディ要素の裏にある“人間ドラマ”が意外に深い。兄を失ったジェイクが、自分自身の中に眠る勇気を見出していく姿は感動的。アクションもテンポ良く、ハラハラと笑いが絶妙に交互にくる。エンタメとして完成度が高い。(40代 男性)
映画『9デイズ』を見た人におすすめの映画5選
ナショナル・セキュリティ(2003)
この映画を一言で表すと?
「正反対のコンビが事件を解決!笑いとアクション満載のバディムービー」
どんな話?
警察学校を追い出された男と、職を失った警官がコンビを組み、麻薬密輸組織に立ち向かう。犬猿の仲だった二人が、事件を通じて信頼を築いていく過程が痛快。テンポのいいアクションとユーモアの掛け合いが光る王道バディ・アクション。
ここがおすすめ!
『9デイズ』のように、シリアスとコメディが絶妙に融合。マーティン・ローレンスのテンションとスティーブ・ザーンの真面目さが生む化学反応が見どころ。軽快な会話劇とド派手なアクションが両立した娯楽作。肩の力を抜いて楽しめる!
ラッシュアワー(1998)
この映画を一言で表すと?
「文化も性格も正反対の刑事コンビが巻き起こす大騒動!」
どんな話?
香港警察のリー刑事と、LAの型破りな刑事カーター。誘拐事件を追ううちにぶつかり合いながらも、やがて最強のバディとなっていく。アクション、コメディ、友情の三拍子がそろった王道ハリウッド映画。
ここがおすすめ!
『9デイズ』のバディ要素をさらに強調した作品。ジャッキー・チェンの体当たりアクションと、クリス・タッカーのハイテンションなトークが絶妙に噛み合う。テンポの良い展開と笑えるやり取りがクセになる不朽の名作。
スパイ・ゲーム(2001)
この映画を一言で表すと?
「師弟の絆と裏切りを描く、知的で渋いスパイ・サスペンス」
どんな話?
引退間近のCIA工作員が、かつての教え子を救うために奔走する。過去と現在を行き来しながら、任務と友情の狭間で揺れる二人の男の姿を描く。冷徹な情報戦と人間ドラマが交錯する本格スパイスリラー。
ここがおすすめ!
『9デイズ』のスパイ要素と師弟関係を、より深く描いた傑作。ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットという豪華共演が生む緊張感は圧倒的。派手さではなく、頭脳戦と心理戦の妙を楽しむ大人のスパイ映画。
メン・イン・ブラック(1997)
この映画を一言で表すと?
「地球を守るのはこの二人!ユーモアとSFが融合した名作バディムービー」
どんな話?
地球に潜むエイリアンを監視する秘密機関「MIB」。新人エージェントJが、ベテランKと共に宇宙規模の事件に挑む。ハイテクガジェット、奇抜なエイリアン、テンポの良い会話が楽しいSFアクション。
ここがおすすめ!
『9デイズ』同様、コメディとシリアスの絶妙なバランスが魅力。ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズのコンビが生む掛け合いが最高。笑ってドキドキして、ちょっぴり感動もあるエンタメ映画の代表格。
セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992)
この映画を一言で表すと?
「孤独な退役軍人と青年が出会い、互いに人生を変える感動のドラマ」
どんな話?
盲目の元軍人スレードと、純朴な学生チャーリー。週末の旅を通して、二人は人生の意味と誇りを見つけ出していく。派手な展開はないが、深い感情の交流が胸を打つヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
『9デイズ』の“師弟関係”をドラマとして極めた名作。アル・パチーノの圧巻の演技と、ラストのスピーチは映画史に残る名場面。笑いも涙もある、大人のための成長物語。アクションから一歩離れたい人にもおすすめ。






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