映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の概要:高校生活を勉強一筋で過ごした2人の優等生。遊ばなかった時間をひと晩で取り戻すため、卒業前夜のパーティーに乗り込むことを決意するが…。女優オリヴィア・ワイルドの長編初監督デビュー作。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:コメディ、青春
監督:オリヴィア・ワイルド
キャスト:ケイトリン・デヴァー、ビーニー・フェルドスタイン、ジェシカ・ウィリアムズ、リサ・クドロー etc
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の登場人物(キャスト)
- モリー(ビーニー・フェルドスタイン)
- 生徒会長。高校生活の全てを勉学に注いだ優等生。名門イェール大学への進学が決まり勝ち誇っていたが、遊んでばかりの同級生も名門大学に進学すると知って愕然となる。高校生活を取り戻すべく、親友のエイミーを強引に誘って卒業前夜パーティーに乗り込む。
- エイミー(ケイトリン・デヴァー)
- モリーの親友。2年前にレズビアンを公言し、ボーイッシュな女の子ライアン(ヴィクトリア・ルエスガ)に片思い中。両親(父:ウィル・フォーテ、母:リサ・クドロー)は、モリーが恋愛相手だと勘違いしている。コロンビア大学に進学する前に、ボツワナのホームスティを予定している。
- ファイン先生(ジェシカ・ウィリアムズ)
- 気さくな性格で生徒に人気のクラス担任。モリーとエイミーのパーティーデビューがうまくいくよう後押しする。20歳の高校生テオ(エドゥアルド・フランコ)から猛アタックされている。
- ブラウン校長(ジェイソン・サダイキス)
- 校長先生なのにリフト(配送)サービスに登録し、運転手をしている。卒業前夜にモリーたちを偶然乗車させ、別のパーティー会場へ連れて行く。
- ジジ(ビリー・ロード)
- モリーたちの行く先々に神出鬼没する富豪の同級生。ドラッグ好きのイカれたキャラだが、ハーバード大学への進学が決まっている。実は友達思い。
- ジャレッド(スカイラー・ギソンド)
- 金持ちで悪趣味な車を乗り回す同級生。同類のジジといつもつるんでいるが、努力家のモリーに好意を寄せている。船上パーティーを開催するが誰も来ない。
- ホープ(ダイアナ・シルヴァーズ)
- クールな美女だが近寄りがたい雰囲気のあるクラスメート。エイミーに好意を抱いている。
- アナベル(モリー・ゴードン)
- あだ名はトリプルA(アメリカ自動車協会:呼べばすぐ来る)。男遊びと勉強を両立し、モリーと同じイェール大への進学が決まっている。
- ニック(メイソン・グッディング)
- 生徒会副会長。誰からも好かれる人気者で、名門ジョージタウン大学へ進学する。卒業前夜に、叔母の家で盛大なパーティーを開催する。
- アラン(オースティン・クルート)
- 女優を演じるゲイの演劇部員。演出家気取りのジョージ(ノア・ガルヴィン)とつるみ、卒業前夜にミステリーパーティーを企画する。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のあらすじ【起】
卒業式を翌日に控えた高校生活最終日。四年間の全てを勉学に注ぎ、名門イェール大への進学が決まった優等生のモリーは、いつものように親友エイミーとつるんで登校した。モリーは遊び人だと思っていた同級生たちが、それぞれ名門大学への進学や有名企業グーグルに就職すること知りショックを受ける。尻軽女だと思っていたアナベルは同じイェール大で、大学に入ったら他人のふりをするわと言われてしまう。
モリーは生徒会副会長のニックが、叔母さん宅で卒業前夜パーティーを開催するという情報を入手。四年分の遊び時間をひと晩で取り戻し、自分たちが賢くて面白いことを同級生に分からせるため、パーティーに乗り込むことを決意する。面倒なことを避けたいエイミーは断るが、片思いの相手である女の子ライアンも来ると説得されて、渋々同行することにした。
エイミーの両親が作ったご馳走を食べることなく、2人は精一杯のおしゃれをして家を出る。肝心のニックの叔母さんの住所が分からずに困ってしまい、モリーは金持ちのジャレッドを呼び付ける。ジャレッドは2人を車に乗せ、自分が開催する豪華クルーズ船のパーティーに招待した。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のあらすじ【承】
クルーズ船の来客は、富豪の娘ジジだけだった。ジジは2人にイチゴを食べさせると、ドラッグでハイになり、海にジャンプして大騒ぎとなる。モリーとエイミーは騒ぎに乗じて船を抜け出し、改めてニックのパーティー会場を目指すことに。リフト(配車)サービスを呼ぶと、現れたのはブラウン校長の車だった。
校長の車で会場に着くまでの間、モリーはエイミーの初体験の勉強のためにと、レズビアンのポルノ動画をスマホで鑑賞する。校長は2人を会場で下ろすが、そこはニックの家ではなく、演劇部員が開催するミステリーパーティーの会場だった。
ゲイ女優のアランは、悲劇のヒロインに扮して2人を出迎える。演出家気取りのジョージから役を与えられた2人は、さっき海に落ちたはずのジジも演技をしているのを見てビックリする。ジジはイチゴには強力なドラッグを仕込んでいたことを明かした。それを聞いた瞬間、2人は人形になる幻覚に襲われる。
幻覚から覚めたモリーは、今度こそニックの所へ行こうと宣言。ニックに恋しているのではとエイミーに指摘され、モリーは自分の気持ちに気付くのだった。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のあらすじ【転】
2人は髪の毛をマスク代わりに変装して、ピザ屋の店員からニックの住所を聞き出した。先ほどポルノ動画を見過ぎたせいでスマホがバッテリー切れになりながら、ファイン先生が駆けつけてくれる。先生は2人がパーティー会場で主役になれるよう、キラキラの衣装を貸した。
2人はついに、ニックのパーティー会場に到着。モリーはニックと踊る妄想に囚われた後、彼に声を掛けられて一緒に遊びに興じた。ニックといい雰囲気となり、上機嫌になるモリー。エイミーはライアンに思いを伝えようと一生懸命に話かけ、苦手なカラオケも精一杯歌った。
ライアンに誘われて庭のプールに飛び込むエイミーだったが、ライアンがニックとキスをするのを見てショックを受ける。エイミーはモリーと家に帰ろうとしたが、ニックに夢中のモリーは拒否。2人はこれまでの鬱憤を晴らすような、激しい口論になった。エイミーは大学に入学する前に、丸一年間休暇を取ってアフリカに行くという、モリーの知らない計画を告白する。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の結末・ラスト(ネタバレ)
エイミーはトイレでクラスの一匹狼の美女ホープと遭遇。2人は言い合いになりながらも、お互いレズビアンであることを分かり合う。キスをして性行為に及ぼうとしたが、エイミーは突然吐き気を催し、ホープの体に吐いてしまった。その後、家にパトカーがやって来た、エイミーは皆の身代わりになろうとして警察官の前に立ちはだかり、ひとりだけ逮捕される。
モリーはひとりで帰りながら、アナベルの車に乗せてもらった。アナベルは女子からも尻軽を意味するあだ名“トリプルA”と呼ばれたのは、ショックだったことを明かした。モリーにイェールでは本名で呼んでとお願いし、お互いを許し合うのだった。
翌朝、モリーは拘置所にいるエイミーを連れ戻し、卒業式へ車をぶっ飛ばした。ジャレッドが卒業生総代のスピーチを代読中に、2人は到着。エイミーは同級生たちから拍手喝采を浴びた。モリーはジャレッドに感謝のキスをして壇上へ。「以前と違って、本当の皆が分かる」と心のこもったスピーチを読み上げた。
エイミーがアフリカに旅立つ日。ホープにアフリカで会いたいと告げて別れた後、モリーの運転で空港へ向かった。毎日会っていたのに、明日は会わない2人。「またね」と別れて感傷に浸るモリーの前に、エイミーが戻って来る。搭乗を最後にすると言うと、2人は大好きなパンケーキを食べに行くのだった。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の感想・評価・レビュー
なんてパワフルでエネルギッシュな学園ドラマだろう。主人公のモリーとエイミーはもちろんのこと、脇役ももれなく生き生きと輝いていた。印象的だったのはビリー・ロードが演じたジジ。神出鬼没のイカれキャラで、最後まで怪しげな行動に釘付けになった。「お!バカんす家族」で弟にいじめられる兄を演じていたスカイラー・ギソンドは、本作でも金持ちで悪趣味という変わり者の役が見事にハマっていた。他にも女優気取りのアランなど、見る人それぞれにお気に入りキャラが見つかりそうな作品。監督は「トロン:レガシー」など数多くの作品に出演している女優、オリヴィア・ワイルド。この先も彼女の監督作品を見るのが大いに楽しみである。(MIHOシネマ編集部)
物語のテーマから多様性の描き方まで、すごくイマドキな映画だと感じた。価値観がアップデートされていると言うか、多様性が「普通に」存在していて新しさがあったと思う。高校卒業という節目で2人の主人公が自ら閉じていた世界から出ていくのが清々しくて、最後は少しだけ寂しくて、学生時代って本当に尊いものなんだと思う。お互いを心から褒め合い励まし合い、ポジティブな2人が輝いてみえて、学生時代に友達とこんな関係を築きたかったなぁと羨ましかった。(女性 20代)
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