映画『ディボース・ショウ』の概要:離婚を専門にする弁護士と離婚で財産獲得を狙う女性の恋愛模様を描いたラブコメディ。ジョエルとイーサンのコーエン兄弟の監督作品で、ジョージ・クルーニーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが初共演を果たしている。
映画『ディボース・ショウ』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
キャスト:ジョージ・クルーニー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ジェフリー・ラッシュ、セドリック・ジ・エンターテイナー etc
映画『ディボース・ショウ』の登場人物(キャスト)
- マイルス・マッシー(ジョージ・クルーニー)
- 離婚を専門とする凄腕弁護士。手段を選ばず、どんなに形勢が不利な離婚裁判も勝訴に持ち込む。その反面、孤独に生きる人生に疑問を感じている。
- マリリン・レックスロス(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
- 金持ちと離婚して財産分与を狙っている美女。しかし、マイルスに尻尾を掴まれてしまう。その報復に用意周到な計画を練る。
- ハワード・D・ドイル(ビリー・ボブ・ソーントン)
- 石油王で、マリリンと結婚を果たす。遺産分与について定めた婚前契約書をマイルスに作成してもらうが、それを食べてしまう。
映画『ディボース・ショウ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ディボース・ショウ』のあらすじ【起】
TVプロデューサーが帰宅すると、妻がプールの掃除屋と浮気していたところだった。妻はEVプロデューサーに襲い掛かると、掃除屋と共に逃走してしまう。TVプロデューサーは離婚協議に備えて自分のケガを証拠写真として収める。TVプロデューサーの妻は離婚専門の弁護士マイルスに会い、事情を聞いたマイルスは勝てると見込み依頼を引き受ける。マイルスは弁護士として成功する一方で、最近の自分の生活に刺激が足りないと感じていた。
マリリンの夫の不動産王が若い女性とモーテルに入るが、マリリンが雇った探偵にその現場を撮影されてしまう。その画像を見せられたマリリンは離婚で大金をせしめられることを喜び、不動産王を家から閉め出す。不動産王もやはりマイルスの元に駆け込み、弁護を依頼する。そして不動産王は一文もマリリンに渡したくないと主張する。マイルスは離婚協議の場でマリリンと初めて対面し、その美しさに目を奪われる。マイルスはマリリンの弁護士を侮辱して、狙い通りに示談ではなく裁判に持ち込む。
映画『ディボース・ショウ』のあらすじ【承】
マイルスはマリリンをディナーに誘い、その隙に探偵をマリリンの自宅に侵入させて、不利な証拠を探させる。そして探偵から受け取ったマリリンの住所録を部下に調べさせる。裁判が始まり、マリリンは泣きながら浮気されたショックを証言する。マイルスはマリリンの愛が偽りではなく、本物だったかを確認する。その上で、スイスのホテルの接客係を証人に呼ぶ。接客係はマリリンがホテルに宿泊した際にバカな金持ちを探していると依頼されたことを証言する。その結果、接客係が引き合わせたのが不動産王だったのだ。怒った不動産王は接客係に襲い掛かるが、裁判では無事に勝利する。
全てを失ったマリリンは離婚で財産を得た友人の元に滞在させてもらう。そして今度こそ離婚で儲ける決意を固め、TVプロデューサーを探し出す。離婚で富を失ったTVプロデューサーはホームレスに成り下がっていた。マイルスは法律事務所のボスに呼び出される。ボスは裁判費用の計算ばかりしている年老いた孤独な老人で、マイルスはその姿を見て気が滅入ってしまう。
映画『ディボース・ショウ』のあらすじ【転】
マイルスの元にマリリンが石油王のハワードを連れて現れる。2人は婚約しており、マリリンは愛を疑われないために、財産分与の請求破棄を記した婚前契約書の作成を依頼する。マイルスはマリリンと2人だけで話し合いたいと頼み、思わずマリリンにキスしてしまう。マイルスはすっかりマリリンに魅了されてしまったのだ。マリリンとハワードの結婚式が行われ、ハワードはマリリンへの信頼を宣言し、その場で婚前契約書を食べるパフォーマンスをする。参列していたマイルスは思わぬ展開に驚嘆する。
半年後、マイルスは弁護士総会の講演でラスベガスに向かう。そこでハワードと離婚して富豪となっていたマリリンと再会する。マイルスは早速マリリンをディナーに誘い、2人は富を得ても満たされない孤独な気持ちを共有し合う。マイルスはベガスで挙式を上げることを提案し、婚前契約書に署名して自らの愛を証明してみせる。マイルスとマリリンはラスベガスの小さな教会で式を挙げる。ホテルに戻ると、今度はマリリンが婚前契約書を破って、信頼の気持ちを表明する。
映画『ディボース・ショウ』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌日、マイルスは弁護士総会の講演で、離婚専門の弁護士達を前に愛の重要性を説く。拍手喝采を浴びて気を良くしたマイルスだが、テレビにハワードが医者役で出演しているのに気付く。ハワードは役者で、TVプロデューサーがマリリンに紹介したのだ。全てはマリリンがマイルスの財産を狙って仕掛けた罠だった。マリリンはマイルスに離婚の手続きに入ると宣言して、去ってしまう。
ボスから手を打つように命じられたマイルスは喘息持ちの殺し屋を雇う。ところが、マイルスの元に不動産王が亡くなったとの連絡が入る。遺言を書き換えていなかったために財産はマリリンが相続することになっていた。マイルスが逆に有利な状況になったのだ。マイルスは慌てて殺し屋を止めようとする。ところがマリリンが殺し屋を寝返らせており、逆にマイルスが命を狙われる。しかし、運良く殺し屋は事故死する。
マイルスとマリリンは離婚協議を始めるが、マイルスは変わらぬ愛を宣言し、再び契約書に署名する。しかし、マリリンがそれを破り、2人は熱烈にキスを交わす。
映画『ディボース・ショウ』の感想・評価・レビュー
コーエン兄弟の作品としてはかなりストレートで分かり易いストーリー展開となっている。その影響もあるのか他作品と比べると批評家受けはあまり芳しくなかったようだ。しかし、ちょっと毒気のある恋愛映画を観たい時にはうってつけの作品で、主役2人も輝いている。捻りの効いたマリリンの策略も面白く、詐欺映画としての醍醐味もある。何より離婚を描いて愛を賛歌する作品を作ってしまったところがやはりコーエン兄弟らしい。(MIHOシネマ編集部)
みんなの感想・レビュー