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映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の概要:実体験を元に綴った同名エッセイを実写映画化。メガホンを取ったのは『オケ老人!』の細川徹監督。49歳にして妊活を始めたが男性不妊という問題に直面した夫婦が、不妊治療にひたむきに取り組む様子を紡ぐ。

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の作品情報

ヒキタさん! ご懐妊ですよ

製作年:2019年
上映時間:104分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:細川徹
キャスト:松重豊、北川景子、山中崇、皆川猿時 etc

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の登場人物(キャスト)

ヒキタクニオ(松重豊)
49歳の人気作家。一回り以上年下の妻・サチと二人で幸せな生活を送っていた。子供は作らない予定でいたが、サチの願いを叶えるために妊活に取り組み始める。
ヒキタサチ(北川景子)
クニオの妻。仕事と家庭を上手く両立し、自宅で仕事に明け暮れるクニオを支えている。友人が子育てに没頭する姿に影響を受け、クニオの子供が欲しいと思うようになる。

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のあらすじ【起】

人気作家のヒキタクニオ、49歳。娘と間違えられるような若い妻・サチと「子供は作らない」と決めて、のんびりとした幸せな家庭を築いていた。

サチは仕事仲間へ仕事復帰のタイミングを伺いに出向いた。忙しないが充実した日々を送っている友人を見て、サチは子供を作らないという夫婦間の約束を考え直す。

サチはクニオと食事した帰り道に「ヒキタさんの子供に会いたい」と打ち明けた。快諾とはいかないが、サチの強い意志に賛同することにしたクニオ。二人は妊活を始めた。

早速サチは基礎体温をつけ始めた。妊娠しやすい勝負の日を見定める。準備と共に、サチはクニオを連れて両親へ報告に行った。大学教授である堅物なサチの父親は、子供が成人した時のことを考えるべきだとサチを諭す。

クニオはサチの父親が自分の著書を机の脚の下敷きにしていたことに腹を立てていた。「二人のこと」だからと父親の反対を押し切り子作りに励むことにする。しかし、二人の努力は1年間報われなかった。

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映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のあらすじ【承】

サチの提案もあり、産婦人科に出向き互いの体質に不妊の原因がないのか確認することになった。精子の検査はもちろん初めて受けるクニオは戸惑いを隠せない。しかし、サチの言う通り翌朝、婦人科を一人で訪れたのだった。

長い待ち時間を耐えたクニオ。医師から「精子の運動率が20%しかない」と宣告を受ける。ショックを隠せないクニオは帰宅後、サチに不満を言いもう一軒の婦人科を訪問することにした。

次に不妊治療の専門医を訪ねた二人。「メンズルーム」と呼ばれる精子の準備室を使用するのもクニオは恥ずかしい様子。桑島医師の下した診断結果は前回と変わらなかった。身体も鍛えていて、健康状態もいいはずだと言い張るクニオは気を落とす。桑島医師はクニオの様子を見て、二人に人工授精を勧めた。

「試験管ベイビー」という呼び名に嫌悪感を抱くクニオ。しかし、サチのためにも人工授精を選択することにした。

サチの父親に猛反対されながらも、クニオは人工授精を辞める気はなかった。「1回で成功させよう」と軽くサチに言い放ったクニオだったが、3回目の人工授精を迎えても失敗は続いた。

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のあらすじ【転】

担当編集者に3人目の子供ができたと知り、世の中の理不尽に思い悩むクニオ。“ただ一匹”運動量の高い精子に恵まれればいいのだと楽観的に考え直したクニオは、馬鹿にしていたジンクスに乗っかり大好きだったサウナもお酒もやめた。

クニオの努力が実り、妊活を初めて2年目の春、ようやくクニオの精子の運動量は75%に達成。サチは妊娠した。

大喜びしたクニオは、禁酒を解き編集担当者と祝杯をあげる。しかし、間もなくして授かった命は心肺停止し、サチは流産してしまった。

悔しがり泣き崩れるクニオ。サチは気丈に振る舞いクニオを励ました。しかしサチが辛くないはずはない。夜道、一人で泣き崩れるサチを見かけたクニオは、再び精子強化のために努力を厭わない決意をした。

桑島医師も残念がり、「顕微授精」を提案する。卵子に直接精子を注入するという方法や費用面から少し悩むクニオはとサチ。しかし二人は諦めなかった。

13回目の人工授精の前日、クニオは飲み過ぎてしまいリビングで寝てしまった。翌朝その姿を見たサチは、怒りながら人工授精を諦めることを提案した。

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の結末・ラスト(ネタバレ)

険悪なムードのクニオとサチ。そこへサチの両親が訪ねてきてしまった。顕微授精を猛反対する義父に対して、サチは初めて反抗する。義父はサチの頬を叩き、怒って帰ってしまった。

初回の顕微授精を終えた日。二人の自宅を義父が訪ねてきた。猛反対していた義父だが、サチの強い意志を受け入れる覚悟をしたのだ。義父は通帳をクニオに託し、その後もクニオの仕事を応援するようになった。

今まで以上に精子強化に励むクニオ。2回目の顕微授精では、サチもいい感触を受けていた。数日後、桑島医師から「ご懐妊です」と告げられ抱き合う二人。サチは前回の流産が再び起こらないか気にかかっていた。

安定期を迎え、編集担当からお祝いをもらった矢先、赤ちゃんの頭には空洞があることが発覚した。ひとりでに治る場合もあると聞くが、サチは泣き崩れる。

後日、経過検診を迎えた。一緒に行こうとするクニオだが、サチは仕事の締め切りを気にして一人病院へ向かった。

居ても立っても居られないクニオ。サチを見送って数時間後に電話をするもサチは出ない。病院へ迎えに行くことにしたクニオだが、通りの向こうからサチが歩いてくることに気付く。

サチもクニオを見つけ、大きな丸を作ってサインをした。駆け寄りサチを抱き寄せるクニオ。二人は満開の桜に見守られながら、喜び合うのだった。

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の感想・評価・レビュー

桜が咲く、ほのかに暖かくなり始めたような季節がとても似合う一作だった。驚くことに松重豊は今作が映画初主演だという。バイプレイヤーが過ぎるが、今作での渋いがコミカルな演技はさすがである。加齢による精子の運動量低下という免れがたい問題。実体験が元になっているゆえのリアリティもありつつ、松重豊・北川景子の飾らない夫婦役は見る者を引き込むだろう。義父や編集担当者、病院関係者の温かい目線も印象的な仕上がりになっていた。(MIHOシネマ編集部)

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