映画『モンスター・ハント 王の末裔』の概要:『モンスター・ハント』の続編。人間の両親と別れた妖怪の王子が、妖怪の新王から命を狙われ再び人間界へ舞い戻って来る。王子は稀代のいかさま師と出会い、行動を共にすることになるが、ハンターとなった両親もまた妖怪の息子のことを心配しているのだった。
映画『モンスター・ハント 王の末裔』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:ファンタジー、コメディ、アドベンチャー
監督:ラマン・ホイ
キャスト:トニー・レオン、バイ・バイハー、ジン・ボーラン、リー・ユーチュン etc
映画『モンスター・ハント 王の末裔』の登場人物(キャスト)
- シコク(トニー・レオン)
- 稀代のいかさま師。妖怪と手を組んで賭場場を荒らしている。思いやりもなく冷たい性格だったが、フーバと触れ合うことで愛情を取り戻す。口八丁手八丁のクズ。
- ソウ・テンイン(ジン・ボーラン)
- 永寧村の村長で片足を引き摺っている。貧弱で軟弱だが、家事が得意。かつて2銭ハンターだったカク・ショウランと結婚し幸せな家庭を築いている。妖怪の王子を身籠り、出産した経緯を持つ。
- カク・ショウラン(バイ・バイハー)
- 元2銭ハンターで現在はテンインの妻。妖怪の王子を身籠ったテンインを守護することで妖怪への認識を改める。
- 雲青(トニ・ヤン)
- 凄腕ハンターだが、実は人の皮を被った妖怪。非常に冷静で知的、誠実な様子を見せる。妖怪の本性では、非常に狂暴で背中から有毒ガスを発射する。
- 朱(クリス・リー)
- 金貸し業の真金荘の荘主で、若く美しい。シコクにベタ惚れで、返済か結婚を迫る。金にがめつく、手下はほとんどが女性。
映画『モンスター・ハント 王の末裔』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『モンスター・ハント 王の末裔』のあらすじ【起】
妖怪ハンターであった父を持つソウ・テンインと2銭ハンターであったカク・ショウランを両親として産まれた妖怪の王子フーバは、別れを惜しんで妖怪の世界へ帰還した。彼はその世界で両親が住んでいた永寧村と酷似した新たな永寧村を築き面白おかしく過ごしていた。
ある日、村に妖怪の新王の手先が強襲。フーバは村人達によって守られ逃走したが、攻防の末、川に落下し流されてしまうのだった。
人間界。フーバを送り出した後、ショウランが時折、妙な幻覚を見るとのことで医師の元を訪れていたショウランとテンイン。2人は夫婦となりハンターとしてテンインの父親捜しをしていたが、同時にフーバのことをとても心配していた。医師から謎の薬を受け取った後、町で人間に化けた妖怪と事を構えることになったショウランは、町を騒動の渦へ落としてしまう。家庭的なテンインと男勝りのショウランは気質が全くの真逆だった。そこへ、一人の男が現れ騒動をたちまち治めて妖怪を一手に捕縛してしまう。男は凄腕のハンターで雲青と名乗った。夫婦は雲青のようにいずれは活躍したいと憧れを抱くのだった。
川に流されどことも知れない場所へ辿り着いたフーバは両親を思ったが、人間の子供達に囲まれ追いかけられる。フーバが辿り着いた場所は清水鎮という場所で、豊富な水源に囲まれた緑豊かな場所だった。そして、この場所にはたまたまショウランとテンインが訪れていたが、フーバには知る由もない。
追手から逃れ町を走り回っていたフーバは、仲間である妖怪に救われる。フーバは両親を探していると訴えた。
同じ頃、町の賭場場では一人で大勝ちしている男がいる。彼は小さな妖怪を使っていかさまをして稼いでいたが、見破られて逃走。男に使役されている妖怪がフーバを助けた心優しい妖怪だった。男は稀代のいかさま師シコク。彼はフーバを見つけると、森へと蹴り捨ててしまった。ところが、シコクは背後から迫った追手に捕まってしまう。
映画『モンスター・ハント 王の末裔』のあらすじ【承】
清水鎮のハンターギルドを訪れたショウランとテンイン。ギルドの中にある武器屋にて壊れたショウランの鞭を修理に頼んだ。
その頃、捕縛されたシコクは、金貸し屋の真金荘へ連行される。真金荘の荘主、朱はシコクに大金を貸して3か月で返済できなければ結婚するという誓約書を突き付け、結婚を迫る。朱は何かと言い訳をして承諾しないシコクを拷問し、返済をするか結婚をするか迫ったが、それ以外にも彼女はフーバを捜していた。絵姿を目にしたシコクは結婚をなかったことにするという条件で、フーバを連れて来ると約束した。
ギルドに安置されているハンターの礼拝堂を訪れたテンインは、そこに父の位牌を発見。すると、そこへ雲青が現れテンインの父は兄弟子だったと明かす。テンインの父は清水鎮にて10年前、消息を絶ったと言う。そして、ハンターの記録簿をテンインに貸してくれるのだった。更に雲青はフーバが人間界と妖怪界の状況を変えることができるため、捜索中だと言う。夫婦はフーバの居場所を知るため、砂を使って探索をすることができる術を見学。
丁度、逃げ出した妖怪の子供を捜索すると言うのでついて行ったが、ハンターは害のない子供の妖怪でも退治しようとする。夫婦は雲青の協力を得て、逃亡中の妖怪の子供と会話することにした。ショウランには怯える子がフーバに見えてしまい、心を込めて説得。子妖怪は説得に応じて共に来てくれることになった。
その頃、シコクは仲間の妖怪とフーバを見つけ出し、トウモロコシを餌に捕まえる。
ハンターギルドでは檻に入れられた母子の妖怪を見たショウランが妖怪を秘密裏に逃がした。見張りのハンターに罪を被せる事後工作も忘れずに行った。
その後、フーバによって唾をかけられたシコク。朱の元に報告へ向かったが、フーバの視界を共有してしまい驚愕。同時にショウランも同じ映像が見え、テンインを殴ってしまった。唾を吐きかけられた人間は妖怪と視界を共有することができるのである。だが、そうとは知らないシコクとショウラン。それぞれに窮地へと陥れられる。
フーバと視界を共有していると気付いたシコクは、朱をどうにか言いくるめて外へ。更に朱を口八丁で騙し、金を借りるための制約書を記入。シコクに心底惚れている朱は、彼への貸しを倍にして待つことにした。
映画『モンスター・ハント 王の末裔』のあらすじ【転】
変装をして賭場へやって来たシコク。フーバの視界を使い、いかさまをして大金を稼ごうと考える。ところが、そこへトウモロコシ屋で働く女が登場してしまい、フーバはトウモロコシに夢中。その頃、幻覚が見える原因を探るため、ショウランも視界を閉ざして幻覚からヒントを得ようとした。しかし、賭場場でシコクの存在が明らかになり、またしても騒然となってしまう。シコクは逃走を成功させ、雑技団へ身を隠す。そこで変装を改めたものの、ショーへ出ることになってしまい負傷。ショーに出たシコクが死んでしまったのではないかと思ったフーバは号泣したが、手品で怪我をすることはない。戻って来たシコクに大喜びのフーバ。
そんな無邪気で愛らしいフーバに愛情を抱いてしまうシコク。はしゃいだフーバが子供に見つかってしまい慌てて追いかけたが、追手に発見されてしまったので更に逃走。
ショウランはフーバに危険が迫っていると気付き荷造りを始めていた。夫婦はフーバを巡って喧嘩してしまう。
そこで、テンインは念力を使った捜索場でフーバを捜そうとしたが、上手く集中できない。ショウランが戻って来てくれたので2人でフーバの居場所を見つけ出すことにした。フーバが熱気球にいることが判明したため、まずは武器屋から鞭を受け取る。更にポン菓子も作れて武器にもできる大砲も入手。
熱気球の元へ向かった夫婦は、シコク一味が下りて来るのを見逃してしまう。しかし、通りすがりに互いに気付いた夫婦とフーバはようやく感動の再会を果たした。ところが、フーバを手放したくないシコクがフーバを奪ってしまう。フーバを大金と交換するため、夫婦と共にギルドへやって来たシコクは、大金を受け取ると大人しく去って行った。
映画『モンスター・ハント 王の末裔』の結末・ラスト(ネタバレ)
ところが、フーバは妖怪界へ返還すると言われ雲青によって攫われてしまう。シコクの仲間だった妖怪もその場に残ってくれていたため、ショウランとテンインは協力してフーバを取り戻すために荒野を駆け抜けた。
妖怪界へ繋がる洞穴へ連れられて来たフーバだったが、そこへ夫婦と妖怪が到着。フーバを巡って雲青と戦うことに。残念ながら対決に敗北してしまった夫婦は雲青を追って妖怪界へと足を踏み入れた。
雲青の妖怪の手下が立ちはだかったため、攻防を展開した一行。倒したところで新王の手下が夫婦と仲間の妖怪を襲う。武器屋からもらった武器でどうにか反撃したものの、雲青はフーバを連れて行ってしまう。空を飛ぶ妖怪にしがみ付いた一行は更なる攻撃に耐えつつ足止めに成功。
その際、転落した雲青が実は人の皮を被った妖怪であることが判明する。かなり強力な妖怪だったが、そこへシコクが登場。フーバを取り返してくれる。ついでに落としたテンインの剣も拾ってくれていた。
一行は雲青の有毒ガスから身を守ることで精一杯だったが、妖怪の仲間が力を貸してくれ雲青をやり込めることに成功した。この機に逃げようとした一行だったが、雲青は別の妖怪を飲み込み巨大化。フーバが石礫で攻撃したものの功を奏さず。一行は追い詰められ崖から落とされてしまった。
しかし、崖のすぐ下のくぼみに逃れ助かった一行。そこで幻覚の原因が分かったショウランは、策を弄してフーバの唾を雲青に吹きかけた。そこまでは良かったものの、またもフーバが捕まってしまう。テンインは念力を使って妻を助け、フーバに目を瞑って叫ばせた。作戦は成功し、雲青の討伐に成功する。テンインは念力を使ってフーバを助け、事なきを得た。
シコクと夫婦は和解し、名残を惜しんで別れを告げる。そうして、シコクは一家を人間界へと送り出してくれるのだった。
映画『モンスター・ハント 王の末裔』の感想・評価・レビュー
前作『モンスター・ハント』の続編。今作では稀代のいかさま師として大物俳優トニー・レオンが出演。前作の主人公とヒロインも続投され愉快な作品へと仕上がっている。
妖怪の豊満で柔らかボディも、王子の無邪気で愛らしい様子も変わらない。アクションでありながらコメディ要素を加え、前作同様ほのぼのとした印象が強い。今回はトニー・レオン演じるいかさま師ルートと、ハンターになった主演2人のルートと双方が描かれる。その中でも新たな王子の能力が判明するなど、多彩な演出が並ぶ。アクションも相変わらず素晴らしく飽きさせることもない。今作では家族の絆の大切さを明確に描いており、ファミリー向けと感じた。(MIHOシネマ編集部)
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